【原神(genshin impact)】名言・迷言まとめ

このページでは原神の世界で語られた印象深い言葉をまとめていきます。
※PVや漫画は除きます

ここの内容は随時更新していきますので追加された際は再度告知します。

 

 

 

 

~名言~

神に命じられた「自由」は、ある意味「不自由」だろう

発見場所:序章 トワリン鎮圧後

「自由に生きろ」という命令は自由でなければならないという拘束感を与えるとよく理解している自由を象徴する神。

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「仙人」の時代は終わった。「璃月七星」さえもそれを受け入れなければ、璃月の未来はどうなるの?

発見場所:1章 刻晴との初対面時

鍾離も認めた、仙人に代わって人が璃月を管理するを表現した力強い宣言。

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旅人としてお前が「記録」すれば、テイワットの時代も歴史も、「バックアップ」を得たのと同じだ

発見場所:古聞の章 第一幕

果たして何割の旅人がテイワットの記録を正確に残すことができるだろうか

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どうして人々は、自分の存在は他人より価値があると証明したがるのでしょう?存在していること自体、素晴らしいことなのに・・・そうですよね?

発見場所:甘雨の悩み

仙人目線だからこそ疑問に思えること

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救われた命は、重圧を感じずに生きていけるのか?救われた側も、決して楽ではないということだ。

発見場所:クエスト 窮途末路

救ってくれた人が救うために死んで、さらに死んだ人の方が優秀だったらなおさら。

 

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~迷言~

アンバー「それからその・・・マスコットは何なの?」

主人公「非常食だ」

パイモン「全然違う!マスコット以下じゃないか!」

発見場所:序章 アンバーとの初対面時

運営公認のパイモン=非常食という関係はここから始まり、しばらく続く

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ウェンティ「えへっ」

パイモン「「えへっ」てなんだよ・・・!!」

発見場所:序章 天空のライヤーを取り返した後

返事に困ったら「えへっ」と返すのはウェンティの癖。

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あれ?ドドコ、どこ?

発見場所:クレー放置時

なぜか耳に残るよね

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大人しくしやがれ

発見場所:ガイア元素スキル使用時

アチーブメント名にもなっている

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ヒルチャールのお兄さんが病気になった。
ヒルチャールのお姉さんが看病して。
ヒルチャールのお兄さんが薬を飲んでも治らない。

発見場所:1章 冥ちゃんとの初対面時、胡桃を知る1

胡桃が放置時に頻繁に口ずさむようになってしまったがために印象に残るようになってしまった歌。
元ネタは「十只兔子」という中国のネット上で秘かに存在しているホラー民謡のようです。

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テッテテー!騙されました!

発見場所:彼岸蝶の章 第1幕

素晴らしい煽り文句

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相手を間違えたな!

発見場所:宝盗団メンバーに見つかったとき

お前らこそ間違ってるぞ

 

 

 

異邦人、あなたの印象に残る言葉はあったかな?

【マギレコ二次創作小説】魔叙事詩カグラ・マギカ 4-  エピローグ

死んでしまったら真っ暗な中を彷徨うだけだと思っていた。

何も見えない、触れない、聞こえない、見えない、感じない無のような空間を意識だけ持ちながら永遠に彷徨うだけだと思っていた。

しかし私の目の前には田舎で見るような綺麗な夜空が映っている。

それに身体中が痛い。

そして風は冷たい。

もしかして、まだ生きている?!

私は急に上半身を起き上がらせて生きていることを再確認した。

両手のグローブにはまった宝石は輝いていて、胸元のソウルジェムも健在。

おかしい

あれほどの穢れの塊を受けて生きていられるはずがない。

「お目覚めですか」

聞き慣れない声の方向を向くと、白い服を身にまとった紫髪の女が立っていた。

しかし因果の線を見てすぐに理解した。

「あんた、私と同じく、別世界の人間なのか」

「どうやら因果を目視できるというのは本当のようですね。
潜在的に持っていたとは聞いていないので、契約で手に入れましたか」

何かを知っているようだが、まず聞かないといけないことがあった。

「なぜ私は生きている?あんたは知っているのか?」

「大変だったんですよ、肉体がボロボロになる前に救出するのは。

でも穢れを受けたのは事実で、腐りかけだった体が綺麗に自己修復されたようでよかったです」

「・・・何故助けた」

「あなたは次元改変に巻き込まれたんです」

「答えになっていないぞ」

「巻き込まれたままであればあなたは被害者だった。でも、あなたはこの世界の次元を改変させるようなことを行う加害者になってしまった」

「・・・」

「あなたを放っておけば、この世界はいずれ、次元改変に飲み込まれて世界ごと消滅してしまうでしょう」

「それと私に何が関係ある」

「次元改変を止める方法として、加害者に元に戻してもらう方法があります。

狂わせた分を帳消ししてもらうということです。

もう一つの方法は」

女は槍をどこからともなく呼び出し、抵抗する隙もないまま私の喉元へ刃を突き立てた。

「加害者を殺すことです」

「今の私を殺したところでこの後の軌跡に変わりは出ない。殺すことは無意味だ」

「誰が“この時間のあなた”を殺すと言いましたか?

はじまる前に終わらせるだけです」

どうやらこの女はとんでもない存在なのかもしれない。

過去へ行ける、下手したら未来へも干渉するようなやばい存在なのかもしれない。

「ならばその次元改変とやらに巻き込まれる前に私と、妹を助けることもできるのか」

女は目を閉じて、静かに首を横に振った。

「そうかい。私がここまでやってきたのは、妹と元いた世界と再び出会えないと知って自暴自棄になった結果だ

「では、この後はどうしますか?」

「自暴自棄で爆発した熱意も、勢いももはや残ってなどいない。
根本から刈り取ってもらっても構わないさ」

「あら、見知らぬ世界に飛ばされた後、魔女化という制約がありながら何十年も生き続けた魔法少女とは思えない言葉ですね。

師匠という方に触発されて生きてきたのでは?」

「どうして師匠とのことを知っているのかは気になるが、もうこの後の計画を進める原動力がない。

シオリも、ピリカも死んでしまった。

私が殺したんだ。

人間社会を滅ぼすなんて考えも師匠の受け売りで私自身には何もなかったんだ。
だから、もういいんだよ」

「穢れにでも負けましたか。

あなたが弱気に出るのは想定外ですが、死ぬべきかどうかはこれを見てから考えてください」

紫髪の女は古そうな絵巻を私に渡してきた。

「何だこの古い紙は」

「あら、あの世界では上質な紙なんですよ。慎重に取り扱ってくださいね」

絵巻を結んでいた紐をほどき、中身を見た瞬間、私は目を疑った。

そこに書かれていたのは、見覚えのある文字だった。

”お姉ちゃんへ

私はお姉ちゃんとはぐれた後、見覚えのない世界で目覚めたの。

その世界には怖い化け物がいて、最初は逃げて回っていたんだけど、助けてもらったお姉さんがきっかけで、私、化け物と戦うことになっただよ。

最初は怖かったけど、戦いの中でお姉ちゃんと練習していたカグラが使えるってわかって、どんどん色んな人を助けられるようになったんだよ!

最終的には悪い邪神を私の踊りでやっつけちゃった。

カグラってすごかったんだね!

今はこの世界を安定させるために、一緒に戦ったお姫様のお城に滞在しているの。

そしたら突然つづりさんと出会ってね、お姉ちゃんが生きているって教えてもらったの!

私はお姉ちゃんに会いたいって伝えたんだけど、今はできないって断られちゃった。

でも、この世界が安定したらいつかお姉ちゃんと会わせてくれるって言ってたよ!

私頑張って、お姉ちゃんに会いに行くから!

この手紙はつづりさんに無理を言って渡してもらう予定なんだ。

お姉ちゃんも別世界で頑張って生きてるって聞いてるよ。世界を変えちゃうくらいすごいことだって聞いてるよ!

私も頑張って追いつくから、お姉ちゃんも頑張ってね!

自慢のお姉ちゃんへ

カガリより“

目頭が熱い。

50年近く前に諦めていた、妹のカガリとの繋がりが今手元にある。

間違いない。この字は間違いなくカガリの癖字だ。

私は久しぶりに涙を流しながらしばらくすすり泣いた。大声で泣くことなんてしない。

私はそうやって育てられたんだから。

私は心が落ち着いた頃、目に溜まった涙を拭いて前を向いた。

「あんたは一体何者なんだ?」

「私のことはつづりと呼んでください。多次元を渡り、次元改変を未然に防ぐ者です」

「カガリは、生きているんだな?」

「はい。彼女もあなたほどではないですが世界を変えるほどのことをやらかしていますからね。いまは帳消しの為に世界の監視役をお願いしています」

「監視?」

「自分で作り替えてしまった世界を、責任を持って見守る。

何者かに導かれるはずだった世界を変えてしまった分、代わりに導いてもらっているんです」

「なるほど、カガリと同じことを私にもやれと言いたいんだな」

「察しが早いですね。やってくれますか」

「こんな希望を手渡してくれたんだ。死ぬにも死にきれなくなった」

変に頭に取り憑いていた弱気にさせる何かはとうに消え失せていた

今の私には、生きる以外の選択肢がない。

「それは良かった。それでは、まずはこちらをお渡しします」

そう言ってつづりが手渡してきたものを見て驚いた。

「これは、ピリカのソウルジェム?!」

「体は手遅れでしたが、ソウルジェムは無事だったのでお返しします」

ソウルジェムを受け取ると、聞き慣れた声が頭に聞こえてきた。

[ふふっ、カレンが泣く姿なんて、あの人と別れる時以来かしら]

[見ていたのか。

・・・守ってやれなくて、すまなかった]

[ううん、あれは私のミスだもの。
もう自分で動くことはできないけど、魔力で守ってあげられるよ]

「まったく」

思わず口に出してしまった。

「実はシオリさんもソウルジェムだけは助けているのですが、こちらの都合であなたの活動に進展があったらそのご褒美としてお渡しに行きます」

「シオリも助かっているのか。ほんと、私らの覚悟が馬鹿みたいじゃないか」

「自殺めいた覚悟で誇ろうとしないでください」

「やれやれ、あの状況下で生きているとはね。日継カレン」

声の方向を向くとそこにはキュゥべぇの姿があった。

「何だ?ワルプルガと契約してとっくに姿を消していたと思ったが」

「残念ながら今はワルプルガと契約できるような状況ではない」

「環ういの“異変”のせいでだろ?」

「そこまで理解しているなら、何でこんな回りくどい方法をとったんだい?

君たちにとってはすぐにでも魔女化しない世界を手に入れたいはずじゃないか」

「さぁてね。あんたには理解できないことさ」

キュゥべぇの方を見ながら話した後に顔を上げると、知らぬ間に彼女の姿はなかった。

眼下に広がる街を見ているが、人気は全くなかった。

私達という神浜に集まった多くの魔法少女にとっての共通の敵がいなくなった後、魔法少女だけで生きていく目標は見出せるのか。

今回の騒動は、私たちが残した魔法少女にとっての最後の課題を提起した。

本当はこの世界の存在だけで好きにやってくれという感覚だったが、彼女の話を聞く限り放置するのはまずいらしい。

カガリと再開する為だ。

魔法少女の本当の敵を消して、この世界を安定させる手助けをしようじゃないか。

この世界に起きている異変はすでに顔を出している。

しばらくはその異変を消していく活動になりそうだ。

 

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【マギレコ二次創作小説】魔叙事詩カグラ・マギカ 4-10 魔法少女狩り前夜

「さて、これは誰の物語なのだろうね」

「急にどうしたんですかキュゥべぇさん」

北陽区にある高い丘の上から神浜の外を見つめていると、となりへいきなりキュゥべえさんが現れました。

これまでに起きた出来事は明らかに日継カレン達を中心に動いていた。これから起こる出来事は彼女達がいない中、誰が主役となるのだろうね」

「仮に誰かの物語だとして、キュゥべえさんは最後まで見守っていてくれるんですか」

「それは無理だ。ぼくはワルプルガが契約さえしてくれればこの星から離れてしまうからね」

「まあ、予想していた答え通りでした」

「しかし思わぬ延長戦だよ。まさか環ういがワルプルガを誰にも渡さないなんて言い出すなんて。
ぼくがワルプルガへ話しかけたとき、攻撃してきたことはこれまでの環ういの行動パターンからは想像できないことだったよ」

希望の光線と穢れの塊がぶつかったあの後、日継カレンさん、紗良シオリさんが行方不明となりました。

保和ピリカさん含めて死体が残っておらず、死んでしまったという確証がない状態です。

穢れの塊が里見メディカルセンターを葬った瞬間に、神浜の魔法少女達は里見メディカルセンターにいた人たちの叫び声が頭に響いて正気を取り戻しました。
日継カレン達を倒したという喜びとヒトを無意識に殺してしまったという後悔が心の中に広がりました。

中には何とも思わない方もいたようですが、日継カレンさん達を殺したいという私念は自動浄化システムを広げるタイミングを延期させるきっかけとなったのです。

自動浄化システムを広げられない原因は、ういちゃんが凶変し、鋭い目つきでワルプルガさんを渡さないと言いはじめたからです。

ワルプルガさん自身もなぜかういちゃんを母親だと思い込んでいるようで、第三者の意見を受け入れてくれません。

力づくでういちゃんからワルプルガさんを奪おうとする魔法少女も現れはじめたため、現在神浜ではういちゃんを守る派とワルプルガを奪う派で勢力が分かれている状況です。

一難去ってまた一難

魔法少女同士の争いが落ち着かない状態が続きますが、現状は魔法少女同士で争っている場合ではないのです。

「ーーーーーーー」

「そう、ありがとう」

いろはさんの行動を偵察していた使い魔から探していた魔法少女を見つけたという知らせが入りました。

もうじき神浜での不毛な争いは終わるでしょう。

しかし、まだ戦わなければいけない相手がいるのです。

「かこちゃん、果てなしのミラーズからまた数人の侵入者が確認されたよ。また土地の主導権を奪おうとする連中で、みんな苦戦しているよ」

「わかりました。私も向かいます」

私に状況を教えてくれたのは欄さんでした。海外から逃げこんできた魔法少女グループが、再び神浜の主導権を主張しているようです。

「キュゥべぇさん、この世界の物語はヒトの数だけ存在すると考えています。

そんなこの世界に、今は魔法少女の数だけ物語が紡がれていっています。

この世界が誰の物語かと問われれば、魔法少女みんなの物語と答えましょう」

私はキュゥべぇさんの答えを聞かず、欄さんと共に丘を降りていきました。

「…日継カレン、これは君が望んだ結果なのかい?」

 

 

神浜から海を越えて大きな大陸にある暗い部屋。

ガラス張りにされている壁へ手をつけている少女へ女兵士が話しかけます。

「レディ、日の本で起きた出来事の証拠映像を押さえました。

あと、ご依頼にありました魔法少女を調査している男の確保ですが、失敗に終わりました。

しかし」

「しかし何?殺されたというの?あなた達には魔女を倒せるほどの兵装をさせたはずよ?
そんな失態をして魔法少女と戦っていけると思っているの?」

「も、申し訳ありません!」

「イザベラ、話は最後まで聞かないと」

「…悪かったわ。続けなさい」

「はい…。男と共に魔法少女について調べていた少女を確保しました」

「魔法少女ではないのよね」

「はい、確認済です」

「十分な戦果よ。焦ってしまって申し訳なかったわ。今後の活躍を期待するわ」

「ありがとうございます!」

女兵士が部屋を出た後、刀を持った少女がイザベラと呼ばれる少女へ話しかけました。

「他人に当たるのは良くないよイザベラ。
ヨーロッパの兵器格納庫を襲撃されてすべて使い物にならなくなったことでイラついているのはよくわかるけどね」

「わかってるわよ、悪かったわね」

イザベラは机の上に置かれたタッチパネルを操作し、女兵士が集めてきた情報を閲覧します。

その情報を一緒に見ていた刀を持った女性が話し出しました。

「なるほどね。魔法少女が魔女とならない現象、魔女とならずに寿命を持たない彼女達が牙を剥く時期は間違いなく来る確証となるでしょうね」

「これくらい予想していたじゃないのキアラ。何のために調査と実験を繰り返してきたと思っているの」

「大国を背負う人間がやるようなことではないけどね」

「これも人間存続のための大切な贄よ」

イザベラは再びガラス張りの部屋を見つめました。

「人の道を外れた化け物どもめ、あなた達の思い通りにはさせないわ。
この星の支配者は、人間様なのだから」

ガラス張りの壁のその先には、銃弾やら刃物によって肉塊にされた、宝石が割れた後の魔法少女だったものが広い部屋にたくさん広がっていたのでした。

 

4章 シネントァ リシェ イデハ アラガエヌァイ ヨクボウ テキホンンォウ

 

4-9:BACK
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To be continue

【原神(genshin impact)】ヒルチャール語調査録

ヒルチャール(丘々人)は大昔からテイワットに存在した、カーンルイア人のなれの果てだ等と噂されていていつから存在しているのか、どんな存在なのかがあいまいな生物です。

知能は低いとされているものの、アビスからの助力があってか衣食住や言語、戦闘知識は所有しているようです。

そんなヒルチャールを研究しているエラ・マスクの研究成果を参考にし、ヒルチャール語の解析をこのページで行っていきます。

特定できた単語や文章はあるものの、あいまいな内容も多いため、テイワットのストーリーが進むごとに随時更新をかけていきます。

共に今までにヒルチャール語が出てきた場面の内容もまとめていきます。

ヒルチャール語解析が進んだ暁には、ヒルチャール語の考察を行う予定です。

 

=特定できた単語、文章の意味=

一部曖昧な内容を含んでいますのでご了承ください

・Unu
数字の1
また、神と原初の物の概念となる神聖な単語らしい

・Du
数字の2

・Unu du
数字の3

・dudu
数字の4

・Mani
数字の5
手、労働、手助け

・mi

・ye
あなた

・yeye
あなたたち

・Da、
Dada

いい、とてもいい
会話での相槌
とても、最も
他、あいさつによく使われる

・Ika ya、
Ika yaya、
Ya ika、
Yaya ika

悪いやつ
ヒルチャールにとっての敵を指す代名詞として使われる

・Muhe
好ましい、欲しい

・Gusha
植物系を指す代名詞
嫌いなもの

・Mita

好きなもの

・In movo lata mita、
Mita in movo lata、
Mita movo lata

・Lawa
王、統領

・Upano
飛ぶ系のものを表す

・Sada
固まる、固体

・Celi
明かり、熱い物

・lata
水、冷めたもの

・boya

Celi boya:赤
Lata boya:青
Gusha boya:緑
Unu boya:黄
Numu boya、Sama boya:黒

・zido
場所、位置

・nunu:
寝る

・valo
感謝を表す言葉

・tomo
仲間、友好関係を持つ存在

・beru
友達

・Kucha
チビ
主に軽蔑の意味を込めた小さいという意味

・kundala
強い敵

・Ceil upa
太陽

・Upa sada
準備ができた

・Dada upa
高い山、大きな山

・Kucha gusha、
Unu gusha

・Ceil lata gusha
イグサ

・Ceil lata
ホタル、星、月
※明るいが熱を帯びていないもの

odomu tomo:
変わったヒルチャール

・Hola!
こんにちは

・Ye ika gusha mosi
こんにちは!飯は食ったか?

・mosi gusha
植物を食べる
不機嫌だ

・Aba mosi dada
起きてから昼ご飯前くらいの時間帯を指す

・Unta mosi dada
昼ご飯から日暮れまでの時間帯を指す

・Mosi aba nunu
日暮れから深夜ぐらいの時間帯を示す

・Unta nunu
深夜ぐらいの時間帯を指す

・Du ya zido dala?
これはどこだ?

・Mi mito nye
俺は知らない

・yo dala?
だれだ?

 

=ストーリー等で出てきたヒルチャール語一覧=

一部曖昧な内容、未解析な内容が含まれていますのでご注意ください

________________

olah! muhe mimi, nye, eh… mosi aba?

yo mimi beru si?(あなたとお友達になりたい)

buka…mita nye, guru-guru…yo mosi ka?

ya odomu, todo yo, buka guru-guru nye

mi? dada! valo

valo, ya odomu

発見場所:ヒルチャールとの言語の交流

ちなみに言語の交流は回数を重ねるごとにエラ・マスクの理解度が上がっていることを実感できるようになっています。

・初回

・2回目以降

________________

celi dada,mimi nunu!
とにかく悪意はない言葉

muhe ye!:
気分がいい
高ぶった感情を表す言葉

ye dada!
キミとてもいいよ!
(誉め言葉)

ya yika!
マイナスな意味の言葉

nini zido!
強烈な脅し言葉

発見場所:ヒルチャールとの詩の交流

________________

mosi mita!:
いい気分だ!

kucha pupu gusha ye!(機嫌を損ねる言葉)

biadam!

mani nini biaobomu(機嫌を損ねる言葉)

biadam!

yaya ika! kudala ye plata!(戦う前)

biadam!

yaya ika! mani ye!

発見場所:ウェンティの世界任務時

________________

Mi muhe ye
Mi biat ye
Biat ye dada
Muhe dada

決闘前に歌う歌。歌った後すぐに決闘が始まる

発見場所:ヒルチャール詩歌集

________________

Eleka mimi-a-Domu
Mita domu-a-dada
La-la-la
La-la-la
Mimi mosi ye mita

ヒルチャールの讃歌

発見場所:ヒルチャール詩歌集

________________

Mi muhe mita nye
Mi muhe mita nye
Muhe nye
Muhe nye
Gusha
Biat,gusha

悲しげな詩歌

発見場所:ヒルチャール詩歌集

________________

Celi upa celi(太陽が明るい)
Sada shato lata
Kuzi unu ya zido
Unu dada

ヒルチャールシャーマンの詩歌

発見場所:ヒルチャール詩歌集

________________

Nini movo muhe yoyo
Nini movo mimi tomo
Lata movo mosi yoyo
Celi movo celi yoyo

風を崇拝する詩歌

発見場所:ヒルチャール詩歌集
________________

unu, unu
yaya ika kundala!
unu, unu
mita dada ya dala?
unu, unu
kuzi mita dada ye
mita dada-a-mimi

祭りの時に歌われる頌歌

発見場所:ヒルチャール詩歌集

________________

mimi movo
mimi sada
mimi domu
domu upa
Gusha dada

篝火を囲んで歌う詩歌

発見場所:ヒルチャール詩歌集

________________

olah! olah!
yoyo mosi mita!
nye,nye mosi mita,
yeye mosi gusha!
mosi gusha, mosi tiga,
yeye kucha kucha!

発見場所:ヒルチャール詩試作 第一巻

________________

mi muhe ye:
愛してる

ガイアの詩

発見場所:ウィンドブルーム祭

________________

Mi muhe mosi! Mi muhe mita, mita movo lata!:
俺は食い物が欲しい!俺が欲しい物、そう魚さ!

Mani mi mita movo lata!:
俺に魚をくれないか!

yeye tomo! mosi mita!:
仲間よありがとう!

Du odomu to dala?:
変わったヒルチャールは何処にいる?

Mi mito nye. ya zido mito , mi mito! mi zido! :
俺は知らない。でも知ってるやつの場所はわかる。場所はね!

Odomu! ya dala?:
変な奴、何者だ?

Mimi tomo, Odomu nye! Muhe mani?:
私はあなたの仲間、変な奴じゃないよ!あなたは助けが欲しいかい?

Mani? Mani! yoyo mani mi?:
助けか?助け!俺を助けてくれるのか?

Dada!:
おうよ
やったぜ

Dada odomu! Kundala dada! Kundala zido, mi dada! Muhe yeye!:
強いやつらをお前たちに倒してほしい

ya zido? ye? mi?:
居場所をしえてくれる?

Dada, valo!、Tomo, valo!:
感謝の言葉
ありがとう

yeye dada! Mosi mita!:
お前たちいいじゃないか!気分がいいぜ

Odomu tomo zido mi! Mi mani yeye! Unta nunu!
変わったヒルチャールの場所はここだ。深夜になればいるぞ

Yaya dala?:
なんか用かい?

Mimi tomo, mimi mosi mita, Muhe mita?
私はあなたの仲間だよ。あなたは助けが欲しいかい?

Mita? Gusha… Dada odomu plata mimi, mimi mosi gusha

Mimi tomo, mimi plata odomu! Mimi mani ye!

mani? Dada! Kundala zido mi, mi dada, mimi tomo!

Yeye dada! Mosi mita!

Du wei zido dala? Mi mito nye:
俺は居場所を知らない的な内容

Mi mito du, du ya mito wei

Mimi tomo! Mosi mita?

Tomo mosi mita! Tomo mani mimi?

Mimi mani ye! Plata odomu?

Plata odomu! Zido mi! mi muhe yeye! Mi mita yeye!
敵を倒してくれ的なことを言っている

Odomu tomo zido mi! Unta mosi dada!
変わったヒルチャールの場所はここだ。昼から夕方くらいにいるよ

Du Wei dala? Mito nye! yeye beru mi tomo!

Mimi muhe du, du ya wei zido dala si

Mi mito nye. Mi mito du du ya mito wei

Mimi ika yaya nye! Mimi tomo, mimi mani ye

mani. Mi muhe mani. unu du mani! Hahahaha:
助けて、私を助けてほしい、神の手も借りたいくらいさ、ハハハハハ
的な内容の冗談を言っていたと考えられる

Du wei dala? Mito nye! Mi mito ya zido mito, beru ya!

Plata ika odomu! Zido mi! mi muhe yeye! Mi mita yeye!

Mito nye! Beru ya!
友達なら知っている的な内容

発見場所:三矢の結盟

 

 

【マギレコ二次創作小説】魔叙事詩カグラ・マギカ 4-9 その一矢に私念を込めて

このはさんに助けられて地へ足をつけた頃、目の前には葉月さんとあやめちゃんがいました。

その2人の体には、返り血が目立つように付着していました。

「その姿は」

「ヒトがいたから斬っただけだよ。かこちゃんはかなり変わったね」

「変わってない魔法少女なんて、神浜にはもういないですよ」

「かこ、あの塔の上で何があったのか説明してくれない?」

「わかりました。でも、行きたい場所があるのでそこへ向かいながら話しましょう」

私はあやめちゃん達にワルプルガが復活したこと、紗良シオリさん達の過去と彼女達が人間嫌いとなった理由について話しました。

「争いが絶えないのは過去から積もった私念が原因。ヒトは過去を尊ぶため私念からは逃れられない。だから人間社会を滅ぼす、か」

「はっきりと口では言いませんでしたが、彼女達の過去に出てきた師匠が今の彼女達を大きく突き動かしているようです」

自動浄化システムを広げた後は人間社会崩壊のための活動が待っているのね。
話を聞く限り、彼女達の仲間になる気はないけど、対立する理由もないわね」

「かこはどうするの?」

「私は彼女達を償わせるだけです。いやでも生き続けてもらい、こんな世界にしたことを償ってもらいます」

「それは、ななかを殺されたからこその覚悟?」

「私はななかさん達が死んでしまう原因を作ってしまった。

カレンさん達を償わせることが、私の償いでもあるんです」

「そう…」

私たちが向かった場所は、ももこさん達が塔の上から落下した場所でした。

3人は魔法少女であることが幸いしたのか体の形は保たれていましたが、体内の血が全て飛び出てしまったくらいの量の血が周囲に飛び散っていました。

「酷い有り様ね」

「3人ともにソウルジェムは無事のようですが、助けても心身ともに長くは保たなさそうです」

「魔力反応が極端に薄い。それに、体とのリンクも不安定になっている感じがする。

ももこさん、あんたをそうさせるほどのものはなんだったんだ」

葉月さんがももこさんへそう囁くと、ももこさんの指がピクッと動きました。

私は驚きました。もう目を開かないと思っていたので。

私が少しだけ回復魔法を使用すると、ももこさんは半目だけ開けた状態で葉月さんを見ました。

「よう、こんなザマのあたしに何の様だ」

「…さっき話したこと、聞いてたかい?」

ももこさんは苦しそうに一呼吸置いて話し始めました。

私は少しでも長く会話できるよう、ささやかな回復をももこさんへ行いました。

「あたしが黒いオーラを纏って暴れてる時にさ、初恋のアイツをぶっ殺しちまったんだよ。あの時はヒトとしての考えが残っていたのか、深く後悔したよ。

あれが最初に、あいつらをぶっ倒そうと思ったキッカケだった。

でもその次に調整屋の調子を狂わせにきたと聞いて、あたしはヒトよりもあいつらを殺さないといけないって思ったのさ

その後何度挑んでも勝てない。

でももう引けなかったんだよ。時々見に行った調整屋の様子を見るたびに殺意を抑えられなくなっていた。

もうあいつらを殺す以外、元に戻る方法が思いつかなくなっていた。

それで、今に至るのさ」

中央塔の近くで大きな爆発音が聞こえてきました。

歩いている途中でも聞こえていたので、中央塔付近でカレンさん達が戦い続けているのでしょう。

「ねえ、まだ殺すために戦いたいの?」

あやめちゃんがももこさんへそう尋ねました。

「疲れたよ。お願いだから、放っておいてくれ」

私は回復の手を止め、立ち上がりました。

「では、失礼します」

私がその場を去ると、何も言わずにこのはさんたちも私の後をついて来ました。

「かこ、これからどうするの?」

「カレンさん達の様子を見守ります。

殺されることはないと思いますが、殺されそうになった時は加勢します」

「仇を守るって、変わっているね」

「死ぬよりも生きるほうが辛いからこそですよ」

・・・!

いきなり頭が割れるように痛くなり、負の感情が増大していきました。

そしてソウルジェムが急激に濁ってドッペルが発動しそうになりました。

私はドッペルが発動する前に身に纏って意識を保ちましたが、あやめちゃん達はドッペルを出してその場で頭を抱えたままでした

ドッペルは中央塔を向いたまま動かず、ドッペルから伸びる穢れの煙が周囲からどんどん中央区へ集まっていました。

一体何が起こったの?

何かの力で穢れを増大させられながら中央塔付近へ来ると、穢れの集結先はいろはさん、まどかさん、そして黒い羽を広げたほむらさんへ集まっていました。

頭が痛む中、私はカレンさんへ話しかけました。

「これはどういうことですか!」

「おっと、シオリのドッペルが放つ洗脳波形を受けても正気でいられるとは思わなかったよ」

「洗脳波形?これ以上何をしようと」

「人間性からの卒業をさせるのさ。

夏目かこ、あんたは既に卒業しているから見逃してあげるよ」

カチャリと音が左から聞こえたので振り向くと、いろはさんとまどかさんが合体させた大きな弓をこちらに向けていました。

「いろはさん、まどかさん!武器をおろしてください!」

「聞かないさ。彼女達には暁美ほむらの外界からもたらされた力を通して私念に支配されている」

「洗脳で私念を呼び起こしているとでもいうのですか」

「みんなまだまだ魔法少女とヒトの中間にいるような状態だ。私念があれば怒り、悲しみ、憎しみの感情が嫌でも溢れ出てくる。

ちょっと脳みそいじって煽っただけでこれだけシオリ達に殺意が向くくらいだ。

私念を根こそぎ潰さないとねぇ!」

シオリさんの周りに砂鉄が漂い始め、大量の砂鉄が上空に飛び上がったかと思うと一本の棒状になって塔へ一閃を放ちます。

塔の一番上部分が落ちて来て、シオリさんの頭の上すぐのところで浮遊し始めました。

円錐形の部品はゆっくりと回転を始め、回転が加速するほど電気を帯びていきました。

その反対側にいるまどかさん達は弓矢へ負の感情を集めるようにチャージをはじめていました。

カレンさんは電波塔の方を振り向き、塔の後ろ側へ走って移動しました。

移動した先には穢れが溢れ出て動けない魔法少女が数人いました。

そんな魔法少女達へカレンさんは糸を放ち、絡め取るとまどかさん達の斜線上から離すように放り投げていきました。

射線上に他の魔法少女がいないことを確認すると、カレンさんがテレパシーで私に語りかけて来ました。

この時、私は既に頭痛から解放されていたことを知りました。

[ここから離れろ。お前も巻き込まれるぞ]

[死のうとしているあなた達を放っておくわけないじゃないですか!
お二人こそそこから離れてください]

[ここまでの段取りでわかるだろう?人間性からの卒業、私念の排除には憎き私たちを殺した悦びと共に後悔の意識を知らしめる必要がある。

喜びと同時に後悔の思いが襲った時、はじめて私念を捨てる選択肢が生まれる]

[そんな不確定な方法のために、死ぬ必要は]

[私たちが死ななければ彼女達はこれから戦うべき存在に集中できない。これは必要なことだ]

[でも、それでも!]

シオリさんが操る電柱は電気エネルギーが高速で回転し、魔力ではないレーザーを形成しようとしていました。

対面のまどかさん達にはほむらさんが加わり、禍々しい弓矢には紫色の翼が大きく広がりました。

「実験は成功だ。疑似的に一つの思念体となったこの事例は貴重!

私念の塊となったあんたたちにはわかるだろう?!」

双方のエネルギー量は凄まじく、周囲には音を消し去りそうな暴風が発生していました。

立ち続けることは可能な程度ですが、油断すると倒れてしまいそうです。

「憎いだろう、殺したいだろう!

さああんた達、私念を吐き捨てて見せな!

だが、その先には後悔があることを知るが良いさ!

その矢を射るのは洗脳されたからじゃない。統合私念によって露わになった、ヒトが誕生から抗えない本能の叫びだ!」

洗脳が解かれているはずなのに穢れが晴れる様子はありません。

そんな中でシオリさんは死ぬかもしれないのに、笑っていました。

[夏目かこ、離れろ!]

[離れません!]

私はカレンさんを連れ去るために手を伸ばしますが、手が届く前に糸で絡め取られてしまいました。

[私たちの分も、魔法少女達を見守ってくれよ]

その言葉を聞いた頃、私は遠くまで飛ばされていました。

「ダメェェエエエエエエエ!!」

カレンさん達がいた左右には糸の壁が張られ、まどかさん達の矢とシオリさんのレーザー砲が同時に放たれました

 

 

 

「うい、起きて、うい!」

私は聞いたことがある声に反応して目を開けました。

目の前には灯花ちゃんとねむちゃんが見下ろしていました。

「よかった、目を覚ました!」

体を起こそうとすると何かが乗っかっている感じがしてお腹の部分を見ると白いローブを着た女の子が寝ていました。

「聖女ワルプルガを奪おうという行いには驚いたよ。自動浄化システムを広げる鍵を手に入れたことは功績だけど、ういらしくない無茶だったね」

あの混乱した中で、私は何故かワルプルガさんを手に入れないといけないと考えていたのです

何故かは、私にも分かりません。

「うん、わたしもあんな無茶ができちゃったことに驚いてる」

「まあ、ういが無事でよかったよ。何か撃ち込まれた時が一番びっくりしたんだから」

「うん、心配させちゃってごめんね」

話していると電波塔あたりから沢山の穢れが感じられました。

「なに、あれ」

しばらくしないうちに私達には頭に激痛が走り、穢れが溢れて来ました。

「だめ、意識が保てない」

私は再び気を失ってしまいました。

どれほど時間が経ったか分からない頃、誰かに服を引っ張られる感触がしたことで意識を取り戻しました。

目を開けると正座をしたワルプルガさんが目を開けてこちらを見ていました。

「ワルプルガ、さん?」

「お母さん、起きたの?」

え、もしかして私に言っているの?

試しに私に指を差しって問いかけてみました。

「私が?」

ワルプルガさんはペコリとうなづきました。

どうしよう、とても大変な誤解をされている。

灯花ちゃんとねむちゃんに意見を求めようと周りを見ると2人はドッペルを出し、穢れが溢れたまま動いていませんでした。

「2人とも、どうしちゃったの」

ゴォオン!!

いきなり中央塔あたりから轟音と共に太陽くらいに明るい光が溢れて来ました。

塔から放たれた眩しい光は穢れが固められたような塊を押し返そうとしていましたが、穢れの塊から翼が生えて不気味な笑い声が響きました。

穢れの塊は眩しい光線をどんどん飲み込んでいき、ついに中央塔を貫きました。

穢れの塊は矢の形を保ったまま直進していき、ある場所に直撃すると大きな爆発を引き起こしました。

そのある場所というのは、私達には馴染み深い里見メディカルセンターでした。

神浜の人たちが魔法少女に殺されている中、里見メディカルセンターは唯一残された避難所として多くの人が避難していました。

そこへ穢れの塊が直撃したのです。

私には漂っていた穢れにのって里見メディカルセンターにいた人たちの悲鳴が聞こえて来ました。

みんなを守っていた兵士さんからお医者さん、子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで、多くの人たちが穢れに飲まれて骨まで溶かされていく様子が頭の中に投影されました。

私はその光景を見ていると胸の辺りで何かが弾けた感覚を覚えた後、出したこともない大きな叫び声をあげて再び意識が途切れたのです

 

 

 

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【マギレコ二次創作小説】魔叙事詩カグラ・マギカ 4-8 良い人って、なんだろう

私は日継カレンさん達に捕まってから生まれ変わったように、別人のように考え方が変わってしまった。

ヒトは守るほどの存在じゃない

むしろ殺してしまった方が良い

そんな考えに至らせたものは、眠っている間にあったかもしれない未来を見せられ続けたから。

 

お父さんとお母さん

 

海外出張に出ている2人は、出張先で楽しいことばかりではなく悩んだり、苦しいことを経験する。

その原因はいつだってヒト。

お父さんやお母さん自身も「仕事のため」と言って他のヒトを悲しませている。2人にそんな気がなくても、結果は悲しませている。

それは人間社会で“しょうがないこと”として容認されてる。

ヒトを傷つけてはいけないと、小学校の道徳の時間にそう教わった覚えがある。

この矛盾はなんなのだろう?

お父さんもお母さんも、他人の「その気がない」行為で心が傷ついている。

人間社会って、他人を傷つけないと維持できないものだったのかな?

わたしは、お父さんとお母さんがその気がない非道を行った先にいるヒトたちの末路を目にして、涙した。

 

学校の友達

 

転校前もその後も、表面上の友達はいた。

でも、いつも一緒にいたいと思える友達なんていなかった。

わたしの知らない話で盛り上がっていて、ついていけないっていうのもあったけど、わたし自身、仲良くなろうって思う気がなかったのかもしれない。

魔法少女の子達とは積極的に接しようと思えるのに、この差はなんなのだろう。

いじめや先生との意見の食い違い、そんな場面はたくさん見てきたけれども、そのどれもが魔女の仕業ではなく、そのヒト達自身が原因で生まれた負の感情だった。

悪意は魔女がいるから芽生えるものではない、ヒトが生み出していたんだ。

どうしてヒトは、負の感情を生み出して、他人へぶつけてしまうのだろう。

負の感情を他人へぶつけて楽しむ学校の子達を見続けて、わたしは胸が苦しくなった。

 

ういについて

 

ういは自分が死んでしまうかもしれない状況でも、諦めずに笑顔で生きてきた。

生きる未来を手に入れたういは中学校に上がると、いじめられている子を目にして止めに入るんだけど、逆に標的にされていじめられる未来を見た。

どうしていじめをするの?

大抵の理由はなく、行き場のない負の感情をぶつけて、優越感に浸るのが目的だった。

そんないじめっ子も説得させようとするうい。

見かねた先生がいじめっ子へ注意していじめがなくなったとしても、ういといじめっ子の溝が埋まることはなかった。

どうしたらみんなと仲良くできるのか、そんなことを考えてしまうういが陰で泣いている未来を見て、わたしも泣きそうになった。

そしてういが大人の世界に入った時、他人を傷つけなければ生きていけない世の中を目にして毎日悩むういの姿があった。

わたしが間違いなの?みんなが幸せにならないのが普通なの?

大人にういは「考えが甘い」と言われ続けた。

次第にういの目から光は消えていった。

ういはそんな未来に生きて幸せ?

私はういが大人に近づくに連れて傷つけられていく未来を見て、ヒトが嫌いになった。

「いいヒトだっているかもしれないよ?」

そんな言葉が頭に過った。

いいヒトって、誰だろう?

人間社会でのいいヒトは思いつくけど、みんなを幸せにできるいいヒトなんて思いつかなかった。

じゃあ、もういいよね?

ういを傷つけるヒトという存在は、いなくてもいいよね?

 

 

ういを追いかけようと思ったけど、タイミングを失ってそのまま降りちゃった。

灯花ちゃんとねむちゃんが向かったし、無事だと思うけど。

「いろは!」

後ろを振り向くとやちよさん達がいましたが、すぐに近くには寄って来ませんでした。

「私たちのことがわかる?いろは」

「はい、わかります。ご心配おかけしました」

「よかったよぉいろはちゃん!ちゃんと正気に戻ったんだね!」

そう言って鶴乃ちゃんが私に抱きついてきました。

「正気かは謎だけど、もう無闇に暴れたりしないよ」

「それで、あいつらはどうしたんだよ」

「カレンさんは」

「やっと降りてきたわね日継カレン!」

怒鳴り声に驚いて後ろの方を向くと電波塔を背にして立っているカレンさんとシオリさんの姿がありました。

あとは見覚えのない魔法少女の姿が。怒鳴ったのは大きな棍棒を持った魔法少女でした。

「どうした、二木市と三重崎の魔法少女。まだやるべきことは終わっていないぞ」

ワルプルガという少女を神浜の魔法少女が奪って行ったというのは既に知っているのよ。

あとは自動浄化システムが世界に広がるよう願わせればあなた達の役目も終わりでしょう?

ならば、ここで処しても変わらないわよね!」

棍棒を振り下ろしながら口調を強めに魔法少女は話した。

カレンさんは服についた埃を払いながら気だるそうに答えた。

「フライング気味だよ、紅晴結菜。

種は確かに飛んだ。でも花を開くまでの水と肥料が私たちなしでは間違いなく粗悪品で終わり、結果は悲惨となるだろう。

ここで私たちになり変われるほどの思考があるっていうなら、かかってきても構わないさ」

「うるせぇ!さっさとくたばれ!」

そう言って銃を持った魔法少女3人がカレンさん目掛けて発砲しました。

「長女さんさ、樹里さまも我慢できねぇんだわ。

ヤッていいか?」

「…許可するわ」

「待ってました!」

そう言ってカレンさんには火炎放射も降りかかりました。

悲惨な状況の中、炎と銃弾の雨の中から鉄塊がいくつか飛び出してきて、銃を持っている魔法少女と火炎放射器を持っている魔法少女の右腕に直撃しました。

カレンさん達に降り掛かる攻撃は止み、無傷のカレンさん達がその場にいました。

「私念たっぷりだねぇ。そんなんじゃ、極上なタネも腐っちゃうよ」

「この前のようにはいかないぞ!」

そう言って二木市の魔法少女と思われる集団がシオリさんへ襲いかかりました。

「したっけ倒せるかい!」

シオリさんは周囲に電気を走らせ、地面に足をつけた魔法少女は痺れていました。しかし足を止めることはなく、そのまま刃物を手にして前へ進みました。

「ふっ、感覚が鈍くなったからむしろ戦いやすいまであるね」

シオリさんは背中の帯を操り、襲いかかる魔法少女に応戦していました。

帯はしなやかに動きながらも先端は鋭利な刃物のようであり、ソウルジェムがある場所以外は容赦なく叩き、突き刺していきました。

カレンさんの方を向くと既に戦っているようであり、その相手は五十鈴れんさんでした。

「悪意の根源を絶てる。それは五十鈴れんにとって望ましいことではないのか?」

「あなた達は梨花ちゃんを悲しませた。だから私は、戦います…!

れんさんがカレンさんから離れると、後ろからビーム光線と薬品が飛んできてカレンさんは爆発に包まれました。

カレンさんの周囲は繭のように包まれていて花が開くように繭が消えていきました。

「察しが良いあなたならば理解できるはずだ。これは無意味な争いであると」

「そうだな。でも確認しなければいけないことがある」

ひなのさんの周りには梨花さん、れんさん、エミリーさんだけではなく令さんもいました。

「どうしてお前達はヒトの殲滅にこだわるんだ。中には良いヒトもいるかもしれないじゃないか。

そんな奴らも殺してしまうのか?」

シオリさんの方から飛んできた銃弾を扇で弾いたカレンさんが話し始めます。

「良いヒトとは、誰にとっての良いヒトなんだ?

ヒトか?お前にとってか?それとも魔法少女にとってか?

あるヒトにとっては良いヒトかもしれないが、第三者にとっては害を成す存在となっている場合がある。

その基準は誰の基準なのだろうな」

「お前にとって良いヒトはいなかったのか」

「1人だけいた。私たちにとっては師匠のような存在で、師匠は私にとって最初で最後の良いヒトであった。

そして師匠は一般人からは悪人として扱われていた。

まだ納得できないことはあるか?」

「そうか。価値観の違いは誰しも起こりうるものだろう。

だが価値観の違いは魔法少女同士でも存在する。それでもヒトよりも良い世界を作れると本気で思っているのか」

「できるさ。少なくともヒトよりまともなね」

ひなのさんとカレンさんの会話を聞いていると後ろからフェリシアちゃんにつつかれました。

「なあいろは、オレ達参加しなくて良いのかよ。あいつらに酷いことされたんだろ?

ぶっ飛ばさねーのかよ」

「確かに酷いことはたくさんされた。でも戦う理由が見つからなくなっちゃったの」

「なんだよそれ」

「そういえば、ういちゃんはどうしたんですか?」

「ういはワルプルガさんを捕まえて、今は灯花ちゃん、ねむちゃんと一緒にいるよ」

「ワルプルガ、その子が彼女たちの言っていた自動浄化システムを世界に広げる鍵なのね。

それならば、今までやられたことの仕返し以外に戦う理由はないわね」

「やちよも戦わないって意見なの?」

やちよさんが周囲を見渡し始めたので私も周りを見てみると、神浜の魔法少女達がカレンさん達を囲うように集まってきていました。

「みんな、カレンさん達を恨んでいるんだ。ヒト嫌いにさせられて、大切なヒトを殺してしまった元凶だから」

「彼女達を擁護する気はないわ。神浜の子達が危ない状態になったら私は動くわ。

あなた達が戦いたいのであれば止めはしないわ」

冷静になればなるほど、私たちにはカレンさん達と戦う理由はすでになくなっていた。

神浜のヒトへ酷いことをしたから

今までの私たちであればそんな理由で戦っていたのかもしれない。

でも今の私たちは、守るべきものがヒトではなくなってしまっている。

自動浄化システムを広げる手筈をとってくれたカレンさん達を倒さないといけない理由はどこにもない。

それでもカレンさん達へ襲いかかる魔法少女がいる。

そんなみんなは、ボロボロになって倒れたり、膝をついたりしていた。

「どうした、軽く30人は同時に襲いかかってきたはずだ。

それでもシオリ達を倒せないなんて、まだまだ戦い方の鍛錬が足りないんじゃないの?」

シオリさんの言葉に応える魔法少女はいなかった。

まあそんな中途半端な覚悟じゃ今後もやっていくの難しそうだし、

卒業式を行おうか。ヒトからの卒業式をさ」

 

 

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【マギレコ二次創作小説】魔叙事詩カグラ・マギカ 4-7 イレギュラーリジェネイト

「下でいくら騒ごうが、ここへ至る術は見出せないようだね。
ま、シオリ達の立場でもお手上げな状態だから仕方がないよね」

塔の麓の騒ぎはどんどん静かになりつつある。

しかし同時に気になっているのはピリカが魔力の使いすぎによる疲れを覚え始めているからだ。

本来であれば何度も魔女化するほどの魔力を無制限に使用しているのだから無理もない。

ワルプルガの復活は近いが、その前にやっておくことが残っている。

「夏目かこ、お前が2人の過去を覗き見たことを許したわけではない。潔いなら前へ出ろ、争うなら武器を構えろ。

さあ、アクションを起こせ!」

「どうしてもあなた達から手を出そうとはしないのですね。お二人の過去を見たことが気に食わないのであれば私念を込めて攻撃してきたら良いものの」

「目的なしに感情のまま力を振るうのはヒトのやることだ。

獣から進化してもなお本能から消えなかった負の遺産。

そんなものを持っているから行き違いや無意味な殺生が横行して、戦いが目的なんて世の中になるのさ」

「あなた達の人類史を終わらせるという考えは、私念からきているのではないですか?!」

「暁美ほむら、私たちがやろうとしているのはヒトを殺したいという私念が集まってできた結果ではない。

世界の魔法少女を見てきて、やらなければいけないと見出した目的だ。

今目の前で起きている出来事も手段に過ぎない。目的の結果はまだ目に見えてなどいない。

だが私念というのは今すぐ目の前で結果を得たいがために行われる愚かな行為ではないか。違うか?」

「私にはただの言葉遊びにしか聞こえないけど、あなた達はこのあと何をしようとしているの?」

「答えが知りたければ目的の軌跡を辿ればいい」

「あなた達が私念で動かないというのであれば、わたしはエゴで動かせてもらいます」

夏目かこは武器を取り出し、魔力を込めて石突きを地面へ力強くつけた。

すると周囲に強いリジェネ効果が発動し、塔上の瓦礫上にいる全ての魔法少女が動けるほど回復した。

「ういさん、行ってください!

あなたにはやりたいことがあるのでしょう!」

「は、はい!」

環ういは凧を呼び出してその場から飛び上がった。

「上空、まさかワルプルガをそのまま連れ去る気か!」

「無邪気ってのは怖いな!」

シオリがレールガンで環ういの行手を阻もうとすると、回復した見滝原組がシオリへ襲いかかってきた。

暁美ほむらに関しては不気味な黒い羽を広げていた。

わたしの前には環いろは、里見灯花、柊ねむが立ちはだかっていた。

「これ以上ピリカに負担をかけるわけには」

左側から数本の槍が飛んできた。

十咎ももこ達も回復の対象に入っていたか。

「こっちはわたしが止める」

「ピリカ!無茶だ!」

シオリの方からは爆風が伝わってきて、超電導で振動するシールドで見滝原の魔法少女の行手を阻んでいた

「飛べばいいってもんじゃないぞ」

シオリは一門のレールガンの弾丸を鉄塊からカースシードへと変えて鉄塊のレールガンと共に環ういへ放った。

環ういは先行して放たれた鉄塊の弾丸を2発避けたものの、3発目に放たれたカースシードを避けることはできなかった。

カースシードは環ういのソウルジェムには命中しなかったものの比較的近い場所へ当たり、肉体を貫通することなく体内へ止まった。

命中した際の衝撃で環ういは大きく背後にのけぞった。

「うい!」

環いろはがそう叫んだ後、環ういは器用に凧の上で踏み止まり、胸元を押さえながらワルプルガ目掛けて突撃した。

「負けるものかぁあああ!」

ワルプルガを囲う結界へぶつかる前に環ういは正面に4体の凧を呼び出して4体の凧は結界へ穴を開けるように合わさって回転し始めた。

結界には容易にヒビが広がっていき、環ういが結界へ接触して5秒後には結界が砕けた。

白衣のローブに包まれて髪も結われていないワルプルガは環ういが抱き抱え、そのまま意識がなくなったのか凧が粒子となって消えながら地面へ落下していった。

「みんな、ういの元へ連れて行って」

「うい!!」

柊ねむはウワサと共に、里見灯花は器用に傘をロケット状にして環ういの元へと急いだ。

ワルプルガが奪われたのは大事件だ。

しかし同時に起きた悲劇がわたしにとっては大きな衝撃だった。

 

 

十咎ももこ達の対応にあたったピリカは最初に秋野かえでを標的にした。

秋野かえでは魔法の力で蔦を召喚してピリカを縛り上げようとしてくる。

イペタムはピリカの拘束を許さず、蔦を薙ぎ払ってピリカは秋野かえでを斬り上げようとした。

そこへ水波レナが間へ入り、槍でピリカの攻撃を受け止めた。

ピリカがイペタムから手を離すとイペタムはそのまま水波レナと鍔迫り合いの状態となり、フリーハンドなピリカは秋野かえでの溝落ちを殴った後回し蹴りを喰らわせた。

反応できなかった秋野は武器を地面に落とし、地面を滑るように吹き飛ばされて動かなくなった。

イペタムは元々1人でに動き出す妖刀であり、必ず誰かが持っていなくてはいけないものではない。

しかし魔力または生命力を供給しなければイペタムは1人で行動できない。

今回のように少しだけ手放す場合はピリカと分かれて行動することができる。

そんな1人でに動く刀を目にして驚いた水波レナの隙をついてイペタムは鍔迫り合いをやめて柄の頭を水波レナに打ちつけた。

それは格闘家に殴られたほどの衝撃であり、水波レナは怯んだ。

そして再びピリカがイペタムを手を取り、力のこもった斬撃を繰り出した。

よろけた水波レナは槍で斬撃を防いだものの、衝撃に身を任せるかのように吹き飛ばされて瓦礫に打ち付けられて動かなくなってしまった。

「オラァ!」

十咎ももこが高く飛び上がって大剣をピリカへ振り下ろしたがピリカは受け止めることなく避けた。

「出鱈目が過ぎるぞ、あんた!」

本来の目的を見失って戦いが目的となったあなた達の行いが理解に苦しみます」

「全部、おまえたちのせいだろうがああ!」

そう言って十咎ももこは大剣をピリカへ投げた。。

しかしその大剣はピリカにあたることはなかった。ピリカはそのまま十咎ももこの動きを止めにかかる。

イペタムは剣先を十咎ももこに向けてそのまま前進し、それは十咎ももこの腹部へ深く突き刺さった。

これは丁度環ういへカースシードが撃ち込まれたタイミングと同じ

避けようとしなかった十咎ももこに驚き、ピリカは剣を引き抜こうとするが既に遅かった。

十咎ももこは力強くピリカを押さえ込み、さらにはドッペルを出してそのドッペルでもピリカを抑えた。

「構わずやれ、かえでぇ!!!」

ピリカは後ろを向き、背後に近づいてきていたのは十咎ももこが投げた大剣を地面に引きずりながら走ってくる秋野かえでの姿だった。

「ウワァアァアアア!!」

秋野かえでは大きく大剣を振り上げ、重力に任せるがままにピリカの背中を斬りつけた。

必死にピリカはもがいたが、いよいよ振りほどくことは叶わなかった。

十咎ももこの大剣は先端が出っ張っている鉈のような形をしていてそんな形状のためか秋野かえでの一撃はピリカの背中を大きく抉った。

脊髄にまでダメージが入ったであろう一撃を受けたにも関わらず、ピリカはその場で踏ん張り、突き刺さったイペタムをそのまま一回転させて十咎ももこの体を真っ二つにするように斬り上げた。

イペタムは十咎ももこの左肩を通って自由の身となった。

地面がピリカと十咎ももこの血で池が形成された状況の中、ピリカはゾンビのようにうなだれたままその場から動いていなかった秋野かえでの右手を斬り落とした。

十咎ももこは声を上げることなくドッペルが消えると同時に背中から血の池へ倒れ、秋野かえでは斬り落とされた腕を見ながら二、三歩後退りしてその場にペタリと座り込んだ。

そんな光景を見て、動けない状態だった水波レナは大きな叫び声をあげた。

この声を聞いて初めて環ういが落下していく様子に夢中となっていた各魔法少女達が悲劇の現場を目にした。

水波レナは7枚ほどの鏡を呼び出してそこから五月雨に槍がピリカへ降りかかった。

ピリカは背中と口から血を流しながらも糸で操られた人形のようにイペタムを振るって降りかかる槍を弾いていた。

1本もピリカへ槍が突き刺さらない中、水波レナはドッペルを出し、鏡から出た大きな足はピリカへ向かってかかと落としをした。

ピリカは踵の下敷きにはならなかったものの、踵落としの衝撃でその場の地面が崩れ、衝撃と共に地面へ落下して行った。

[2人とも、ごめんね]

そう頭にピリカの声が響いた。

「ピリカ!」

わたしがそう叫ぶといきなり空中の足場が不安定となり、電波塔上空の足場は重力に従うがままに地上へ落下して行った。

見滝原のメンバーは鹿目まどかを翼が出現している暁美ほむらが助け、美樹さやか、佐倉杏子は巴マミのリボンで集められ、小さな魔法少女のドッペルにつかまってゆっくりと地面へ落下していた。

環いろはは自分のドッペルでパラシュートを広げたようにゆっくり落下し、夏目かこはどこからともなく現れた他の魔法少女のドッペルに助けられていた。

「このはさん?!」

「来るのが遅れてごめんなさい。下で葉月とあやめが待っているから状況を説明してもらえるかしら

「…はい」

地上ではポンベツカムイが悲しげな雄叫びを挙げながら粒子となって消えて行った。

そして地上の魔法少女達は瓦礫から逃げるのに大忙しだった。

「みんな早く逃げて!」

逃げ遅れた魔法少女が数人いる中、上空に浮いていた瓦礫は全て地上へ落下した。

私とシオリは糸で落下速度を軽減させながら降りたので無事だったが、共有していたピリカの魔力がけは感じ取ることができなかった。

「ポンベツカムイも消えて。ピリカ、まさか本当に」

信じられなかった。

今までに人としては死んでいたであろう場面でも魔力反応が途絶えたなんてことはなかった。

ここで、私はピリカという仲間を失ってしまったんだ。

 

 

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【マギレコ二次創作小説】魔叙事詩カグラ・マギカ 4-6 電波塔の麓では

環うい、里見灯花、柊ねむの3人によって黒いオーラを纏っていた神浜の魔法少女達は正気を取り戻した。

しかし、正気に戻ったところで目に光が宿っている魔法少女など、誰1人いなかった。

「いやぁあああああああ!」

「お父さん、お母さん、返事してよ!」

「この子達を、私が、この手で」

正気に戻っても、ドッペルを出しながら人を襲った記憶は残っていた。
多くの魔法少女が嘆き、悲しんでいた。
しかし多くの魔法少女の心の奥まで刻まれたヒトへの負の感情は、ヒトを殺すことへの躊躇を薄め、その変化に違和感を与えていなかった。

 

 

私の持つ槍についた赤い液体。

どうやら私も、人を殺してしまったようね。

やってしまった後悔を抱くことなく、わたしは電波塔の頂上に目を向けた。

いろはやみんなをおかしくしてしまった日継カレン達を、倒さなければいけない。

その考えが真っ先に頭に浮かんだ。

「他のみんなは」

周りを見渡すとダルそうなフェリシアを見つけた。

「やちよ、お、俺」

「フェリシア、大丈夫、ではないわよね」

「やちよ、ここにいた!」

鶴乃は二葉さんと一緒だった。

でも、二葉さんの様子は少しおかしかった。

「さなちゃん、人殺しは後で早くいろはちゃんのところへ行かないと」

「そうですね。いろはさんも人を殺したがってたし、一緒の方が楽しいですよね」

口には出していないけれど、わたしも人殺しを躊躇する気持ちはなくなっていた。
人を殺してはいけない理由が、もう思い浮かばない私は二葉さんの発言に拒否反応を起こすことはなく、むしろ歓迎しようとしている気持ちがあった。

前から黒いオーラを纏った子は人殺しを躊躇しなくなるとは聞いていたけど、本当だったのね。

「さて、みんな揃ったし、いろはを助けるために電波塔へ向かいましょ」

電波塔へ向かう道中には生きている人の姿がなかった。
ヒトであった肉塊自体も少なく、異臭といえば肉が焦げたような匂いしか漂っていなかった。
この騒動が治まった後は、この肉塊の処分方法も考えないといけないわね。

顔を上げると空は曇っていて、光は電波塔の上で輝く球体くらいしか見つけられなかった。
果たして今は昼間になっているのか、それとも夜なのか。今どの時間帯に位置するのかも知ることができなかった。
もはやこの神浜は、魔女の結界と同じ状況なのかもしれない。

中央区へと足を踏み入れると、電波塔の麓では既に誰かが戦っていた。

「もう既に誰かが戦ってる?」

「でもあの首長竜、見たことあるぞ」

「ピリカさんの呼び出してたやつね。しばらく観察してみましょう。あの生物の情報が足りなすぎるわ」

私たちは瓦礫に隠れ、首長竜に立ち向かう魔法少女達を観察した。

大きな金棒を持った魔法少女が首長竜へ武器を叩きつけようとしても液状化して避ける首長竜。

炎をいくら浴びても湯気が上がるばかりで首長竜の形が崩れることもなかった。

魔法少女会議の際に独断行動を取ると言っていた二木市の魔法少女達は、全く歯が立っていなかった。

「負傷した子はいったん下がりなさい!さくや、退避する子の援護をして」

「三女さん、あんた頭がキレるんだからなんか思いつかないのか」
「浮かんでたらとっくにやってるよ。こういうバトルなららんかの方が攻略法見出せるんじゃないの?」
「わかってたらとっくに倒せてるっての!」

「ええい!お前らどけろ!樹里様の超火力で蒸発させてやる」

二木市の魔法少女達が首長竜から離れて、樹里と呼ばれる魔法少女が首長竜を覆い隠すほどの炎を放った。

炎の中で首長竜はうごめき、大きな魔力反応を感じた頃には首長竜がいたところから大波が発生した。

その大波は二木市の魔法少女達を呑み込み、水圧に耐えられる魔法少女がいるわけもなく、みんな瓦礫に打ち付けられて倒れてしまった。

「やちよ、あの首長竜凍らせることはできないのかな」

「氷を扱える子に覚えはないわね。このあたりにも凍らせる方法はなさそうだし」

「じゃあ、あの首長竜は彼女達に任せて、私たちは塔を登っちゃうってのはどう?」

「そうやったらどうなるかも含めて静観しているのよ。あの首長竜の感知能力が普通の生き物と同じと思っちゃいけないわ

「おい、誰か来たぞ」

フェリシアの言葉を聞いて、戦場を再び見ると、首長竜がいる反対側から欄という名前の魔法少女とその仲間達は黒羽根たちが使っていた鎖を駆使して塔へ登ろうとしていた。

そんな彼女たちが塔を登ろうとすると、塔全体に電撃が走った。

そして声が聞こえた。

[視覚外から入ろうという小細工、我らの前では無意味と知れ]

その後欄とその仲間達には落雷が襲い、皆塔から離れていった。

「あら、ダメなのか」

「こうなったら上空から降りる以外方法が浮かばないわね」

「んあ?あの生き物ぶっ倒すって考えはないのかよ」

「倒し方がわかれば苦労しないわ。方法が浮かばないから倒さなくても塔の上へ行く方法を探しているんじゃない」

前方の状況にしか注目していない中、後方の瓦礫の上から大きな魔力の反応を感じた。

振り向くとそこには手鏡を巨大化させて魔力のレーザー砲を撃とうとする綾野梨花の姿があった。

「いっけぇーーーーー!!」

放たれたレーザー砲は中央塔へ命中し、そのまま溶けて崩れ落ちると思われた。

しかしレーザー砲は鉄塊でできた障壁に阻まれて塔本体へは届かなかった。

綾野梨花がいた場所へ首長竜の周りに現れた雷槍が飛んでいき、反応できなかった彼女を五十鈴れんが助ける様子まで確認できた。

中央塔は首長竜だけではなく、紗良シオリのギミックにも守られていた。

「あの生物を倒せても、いくらでも防ぎようがあるってことね」

「打つ手なしかよ!」

そう、私たちにはできることがなかった。

いろは、あなたは塔の上でどういう状態になっているの?

 

 

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【マギレコ二次創作小説】魔叙事詩カグラ・マギカ 4-5 イライケレン

環いろはと鹿目まどかを助けたのは、私との接触を避けた魔法少女達がきっかけだった。

たった一つの街でも、縁がなければ出会えなかった魔法少女なんてたくさんいるだろう。

とはいえ、たまたま出会えなかった魔法少女がピンポイントにここまで大役揃いだという偶然があるだろうか。

予想もできないような奇跡を目の前で二つも目撃できたのは、その偶然のおかげかもしれないが。

目の前で起きた一つ目の奇跡は、3人の魔法少女によって行われた全魔法少女の縁を切っていくという壮大な光景。
夏目かこも、あの三人も縁を認識できるような能力は元々持っていなかったはず。知らないだけで、私以外に縁を視認できる存在が彼女たちへ縁を切る方法を伝えたとしか思えない。

とはいえ、魔法少女達の暴走が解かれようが悪夢を刻み込んだ時点ですでに目標は達成している。

もう一つの奇跡は、縁を切らなくとも黒いオーラが解除されて目の前に現れた見滝原の魔法少女達。

あの結界の中で何が起きたのかは知らないが、私たちの計画に狂いはない。

「驚いたよ、この一時で神浜にいる魔法少女が皆正気に戻るなんて誰が予想できたか。

さて、このまま待てば自動浄化システムが世界へと広がるのは必然だ」

「でも、黙ってる気はないんでしょう、あんたたち」

「まあ目的のことだけ考えると、あなたたちの邪魔をする必要はないよね。
でも確認しないといけないことがあるんだよー」

「いいよ、答えられることなら返事をしよう」

「大昔の人物、聖女ワルプルガを蘇らせたとして、そこにいるワルプルガってただの少女だよね。気になるのは記憶をどこまで持った状態で蘇るかだよね。そこらへんはちゃんと計算してるかにゃぁ」

「里見灯花が指摘した通り、故人を蘇らせると所持している記憶が一体いつからいつまでのものが残っているかなんて保証はされていない。
もしかしたら、空っぽの赤子同然で蘇るかもしれない」

「でも、シオリがこれまでの歴史をワルプルガへインプットするから少なくとも言葉が理解できる状態で復活するから安心しなさい」

「それは、誰目線の歴史と記憶をインプットするのですか」

「かこさん、それは勿論、”魔法少女”の目線でだよ」

「あなたたちの魔法少女目線というのは偏った思考です。ヒトは愚かであると、そんな歴史と記憶を教え込むということですよね」

「間違いではないでしょう?」

「それは違うよ!」

否定的な声をあげたのは環ういだった。

そういえば彼女へは悪夢を共有していなかったか。

「うい・・・」

「だって、おかしいよ。

みんなの生活を守るために、私達は魔女と戦っていたんだよね。人の中にはひどいことをする人もいるかもだけど、でも、全員ではないから。
私は、それはダメだと思う」

「と、妹は言っているが姉としての意見はどうかな?」

環姉妹は目を合わせ、何かが通じ合ったかのように姉の方はうなづいた。

「ういがそう考えるなら、私もカレンさんたちのやり方に抵抗します」

「そうか、妹を優先したか」

「お姉さまとういがそういうことなら、私も抵抗しちゃおうかな?
願いを叶えさせるならばワルプルガが誰の手元にいてもおかしくないでしょ?」

「私はまどかを苦しめたあなたたちを許さない。だからあなたたちには抗うわ」

各々の意思表示が行われた後、ピリカが一歩前に出てイペタムを振り下ろした。

「余計な争いはお勧めしません。
抵抗するようであれば、四肢を十分に動かせなくなることを覚悟しておいてください」

皆が攻撃態勢になっている中、夏目かこ達は武器を構えていなかった。

「夏目かこ、あなた達はどうする?」

「私たちにとっては争う理由がありません。遠くから静観させてもらいます」

「そうか、でもお前への仕置きが後で待っていると覚えておくんだな」

私は糸状の扇を取り出し、環いろは達にその先を向けた。

[シオリ、ピリカ。深追いも無理もするんじゃないよ。全てを見届けるまでは死ねないからね]

[何を今更。ワルプルガが願いを叶えた時点で袋叩きに会う覚悟くらいできてるってるの。神浜の外へでたがるやつもほとんどいないし、戦う分には問題ないよ]

[大丈夫、抑える]

[いいだろう]

そう、死ぬにはまだ早い。

せめて自動浄化システムが広がるまでは。

「さあ、お前達の希望を輝かせてみせろ!」

 

最初に仕掛けてきたのは見滝原の魔法少女達だった。

美樹さやかと佐倉杏子は真っ先に矢先をシオリへ向けていた。

シオリは周囲に浮かぶ鉄塊を雷の力を使って2人の進撃を遮ろうとするが、軽やかにかわしてスピードが落ちる気配がない。

こちらも行く手を妨害しようとしたが、こちらはこちらで環姉妹と元マギウスの2人が襲いかかってきていた。

[シオリの援護に集中して!]

そう言ってピリカは環ういへ斬りかかった。

「ならば容易い」

私は糸を放って美樹さやかと佐倉杏子の足と武器を持つ手を貫いた

「2人とも!」

巴マミは複数のマスケット銃を召喚して私たちに向けて一斉発射してきた。

糸の壁を3重に形成し、2層までは貫かれたものの、一発たりとも3層目は突き破れずに銃弾は速度を失ってその場に転がった。

その後追撃で鹿目まどかと暁美ほむらが弓で壁を攻撃し、糸の壁が目の前から消えた。

シオリが電車のレールを2本宙に浮かせて、電気を帯びたまま2本のレールは美樹さやかと佐倉杏子に向けて飛んでいった。

しかし間一髪で銀髪の魔法少女がドッペルと思われる者で駆け抜けて2人を救出したため血飛沫が広がることはなかった。

間髪入れず、巴マミは巨大なマスケット銃を生成し、こちらへ銃口を向けた。

「ティロ・フィナーレ!」

「したっけ勝てるかい!」

放たれたときの風圧は凄まじいものだった。

シオリは銃弾が放たれる直前に何か聖遺物を発動したらしく、突き刺さったレール2本には冷気が纏われ、銃弾に向けて傾斜を向けるとレールは円形に歪みながらも銃弾はレールを添うように空中へ打ち上がり、花火のように光が空中に広がった。

「ティロ・フィナーレが防がれた?!」

「超電導ってわかるかな?接触起爆式にすることをお勧めするよ」

そう言ってシオリはガードレールを二枚ごとにぶつけ合い、合計四門のお手製レールガンを作り出した。

「防げるか?防げるほどの奇跡が、あんた達にはあるか!」

そう言ってシオリは一斉にレールの間にある鉄塊を冷気を纏ったことで速度を増して放たれた。

いつ放たれたかわからないスピードで4発だけではなく、すぐに鉄塊が装填されて4門から合計5回も斉射が行われた。

しかし足場が崩れることはなく、土煙が晴れると暁美ほむらが見たこともない時空の裂け目のようなものを展開させて鉄塊を別の空間に移動させてしまったようだ。

「魔力の力が会ったときよりも強い。時間を止める魔法はどうした?」

「あなたたちには関係ない!」

そう言って一矢放ったもの、シオリは帯で軽くあしらった。

「まああの中で何があったかは知らないけど、ドキドキさせてくれるじゃないの!

環ういへ斬りかかったピリカはなにか話しかけていた。

「あなたの一言がここまで不毛な戦いを生み出した。言葉の重みを知りなさい!」

「ピリカさん、どうして」

環ういは凧のようなものを呼び出してイペタムを押しとどめていた

「自動浄化システムが広がってからでも良かったはず。なのに!」

「ダメだと思ったから、人を不幸にさせちゃいけないから」

「その人は私たちを汚れさせるというのに!」

「うい!」

環いろはがボウガンをピリカへ数発放ち、ピリカは環ういから離れた。

そんなピリカへ里見灯花は炎を放ち、柊ねむは光る紙切れを飛ばしてきた。

いずれもピリカは一振りのなぎ払いで消滅させてしまい、瞬時に環いろはの懐に飛び込んで脇腹から思いっきり斬り上げた。

環いろはの腹からは致死量の血が流れ出し、他の3人は絶望の眼差しだった。

「ここでは、終われない!」

環いろははドッペルを纏って致死量の血は包帯に包まれて血の流出は止まっていた。

「お姉さま、その姿は?!」

「穢れを纏うならば、何人たりとも私を超えることはできません。超えたいならば、輝かしい希望を携えなさい!」

イペタムは穢れに強く、さらには相手の希望を奪う。

魔女だろうと、魔法少女だろうとイペタムを持ったピリカを超えることはできないだろう。

環いろはは包帯を飛ばしてピリカを拘束しようとした。
しかし包帯は金属音と共に切られていき、ピリカは再び環いろはの懐に潜り込んだ。
包帯がピリカの後ろに広がり、抱擁するかのようにその包帯はピリカと環いろはを包もうとした。

包帯に囲まれた空間の中で環いろははナイフを取り出してピリカの心臓を一突きしようとしたものの、リーチはイペタムの方が長かった。

再び斬り付けられた環いろははその場に膝をつき、ピリカは再び環ういへ襲い掛かった。

しかし次は元マギウスの2人が環ういの前に出てピリカの斬撃を喰らった。

するとすぐに2人はドッペルを発動し、ピリカへドッペルの目が付いた腕と流星群が襲い掛かった。

柊ねむのドッペルは退けたものの、里見灯花が放った流星群は一振りで対処できる規模ではなかった。

そこへシオリは鉄板を壁とし、私がそれを糸でつなぎ合わせて大きな盾がピリカの前へ形成された

流星群はピリカへも、復活を待つワルプルガへも届かなかった。

ドッペルを放った2人は疲労が襲ってきたのかその場に倒れこんでしまった。

その時、私たちに襲いかかってきていた魔法少女皆が体が重たくなったかのように動きが鈍くなっていた。

それもそのはず。

 

シオリの一撃が不発に終わった後、私は糸で扇を形作り、鹿目まどかと暁美ほむらへ襲い掛かっていた。

「その力、別世界とのつながりが見える。一体どんなカラクリを使った」

「あなたに答える必要はない!」

至近距離で撃たれる矢を避けながら私はステップを刻んだ。美樹さやか達3人からも追撃を受けたものの、避けるのは容易い。

仕上げのステップを踏むと同時に、わたしはピリカの方へ応戦した。

舞が完結すると周囲の魔法少女には疲労感が訪れ、私たちには高揚感がもたらされた。

ピリカはたった1人立っていた環ういへ斬撃を飛ばし、それを受けた環ういは倒れ込んでしまった。

私は膝をつく見滝原の魔法少女達へ糸を飛ばし、四肢を突き刺して使えないようにした。

「気は済んだか?まだ足りないなら、ワルプルガが目覚めるまで付き合ってやるぞ」

「強さが、違いすぎる・・・」

「調整も受けていないのに、どうしてこうもあしらわれるの。わからない」

戦おうとする魔法少女は現れなかった。

「それじゃあ、大人しくそこで倒れててもらおうk」

急に遠方の方から一発の銃弾が飛んできた。

糸の剣で弾けたものの、崩れていないビルからスナイピングできる魔法少女は1人くらいしか心当たりがない。

「三重崎のやつか」

銃弾が飛んできた方向には確かに崩れていないビルがあり、そこには確かにスコープの光が見えた。

「コロス、殺す殺すこrosう!

日継カレン、お前だけは!」

遠くからでも分かる殺意を感じていると、塔の麓が騒がしくなってきた。

「カレン、下の魔法少女達が動き出したみたい」

「次から次へと、もう少しだけおとなしくしてくれないかね。ピリカは大丈夫か」

「大丈夫、カムイだけで抑えられる」

「そうか。でも、思ったより復帰が早いな」

街を襲った疲労感から解かれた魔法少女達が動き始めていた。

己の行った行為に嘆き悲しむ者

狂って人を殺す快感に目覚めた者

そして、私たちに殺意を剥き出す者

やがて神浜市にいる魔法少女達は、種類の違う”穢れ”を携えて中央区へ注目を集めていくのであった。

 

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【原神(genshin impact)】神の目をもらえた原因と命の星座まとめ

ゲーム「原神」の世界 テイワットでは元素を使用できる神の目というものが存在します。

 

神の目とは

神から認められた者に与えられる外付けの魔力器官とされています。人間の身で元素力を扱えるのは神の目を持っているからこそできることであり、元素力を感知できるようにもなります。
神の目を与えられた者は神になる資格を持っていると同意義であり、その者たちを「原神」と呼びます。

 

神の目は神から与えられるものという大雑把な認識ですが、「神」とは実際には誰のことを指しているのか、そして神の目を人間へ与える目的は存在するのか。

このページでは「原神」達の神の目を与えられた原因、与えられた星座の意味を纏め、神の目とは本当はどのようなものなのかを解明していきます。

神の目を得るとことで特別な力を与えられたという事例が稀であるため、能力調査は止めました。ついでに神の目と同時に得られる命の星座について注目していこうと思います。

まずは調査した情報をまとめていきます。

※注意
キャラクターストーリーはあおソラいろのデータで明らかとなった、手に入れたキャラの情報しか扱いません。
他人によって公表されているストーリー、ストーリー内容が提供されてもこのページへ反映しませんのでご了承ください。
そのため、未入手のキャラは入手するまで解析しません。

なお、別世界(ゲーム)とのコラボキャラについては調査及び換算を実施しません

 

実装キャラ総数:45 (2022/2/21時点)

神の目(風)所持者:6

神の目(岩)所持者:7

神の目(雷)所持者:8

神の目(草)所持者:0

神の目(水)所持者:5

神の目(炎)所持者:10

神の目(氷)所持者:10

 

 

モンド地方(風神バルバトスの管轄)

・ウェンティ[Venti]

神の目:なし(風神の心所持者)
命ノ星座:歌仙座
神の心を得たきっかけ:2600年前に精霊から風神へ昇格し、2000年前に俗世の七執政となったこと

元精霊であるウェンティは友人であったライアーを奏でる少年のためにデカラビアンという魔神と戦います。自分が神の座に就きたいという欲求はこれっぽっちもなく、後にモンドを作る民たちには自由に暮らせるための環境を提供しただけで政治等には干渉しないようにします。
とはいえ、魔神戦争が終わる2000年前までも、カーンルイアが滅亡したころの500年前も、モンドに危機が訪れるようなことがあれば秘かに現世へ降りて秘かに問題を解決していました。歴史が詩として残りやすいモンドではそういった現世への干渉がバルバトスの加護として崇められることがよくあります。
神の心や神の目がなくとも、もともと神格級の力を扱えるため神の目の存在意義が高いとは感じていないようです。神の目に無頓着なことから、俗世の七執政を俗世の七執政として任命した存在がいて、かつ、神の目を人間へ提供して原神たらしめる存在が他にいるということです。
ウェンティは時々天上の島を話題に出しますが、そこに本当の神が存在しているのかもしれません。
ちなみに神の目を持たなくても元素が扱え、星座が与えられている者は、自分自身の姿が星座になるようです。

_________________________

・ディルック[Diluc]

神の目:炎
命ノ星座:夜梟座
神の目を得た原因:父の願いを叶えるため、モンドの騎士となるよう熱意を注いだ

神の目の入手時期は明確になっておらず、ディルックが騎士団をやめる4年前の時点ではすでに神の目を持っていたということしか明確ではありません。
神の目を手に入れたことは、父と自分の理想が神に認められたという記載があることから、騎士団に入隊できた頃が神の目を手に入れた時期というのが有力でしょう。
神がディルックへ神の目を与えたのは、父の願いを胸にモンドを守る存在となりたいという熱意に応えたからでしょう。
しかしディルックは騎士団への熱意と共に一度は神の目を手放しています。現在は神の目を所持して行動してはいるものの、神が期待した時とは命ノ星座の意味合いが変わっています。富の象徴ではなく、闇夜の見張りと孤独な守護を象徴するようになっています。

_________________________

・ジン[Jean]

神の目:風
命ノ星座:不明
神の目を得た原因:未所持のため不明

※友好度6に到達していないため調査不能

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・バーバラ[Barbara]

神の目:水
命ノ星座:金杯座
神の目を得た原因:子どもを看病するために歌を歌い続け、歌を聞いた子どもは元気になった

姉と比べて秀でた能力がない中、他人を助けたいという信念をもって活動した結果、神の目を与えられています。アイドルのような活動を始めたのはアリスから「アイドル」という言葉を教えてもらってからです。
現在は神の目があるおかげか、心だけでなく体まで癒す歌へと変わっています。
神がバーバラへ神の目を与えたのは「他人を助けたい」という穢れなき正義を認めた結果だからだと考えられます。

金杯は重要な行事に使用される縁起の良いものとされています。命ノ星座にもそのままの意味が当てはまるのかは分かりませんが、そのままが当てはまるのであればバーバラは縁起の良い存在ということになるでしょう。

_________________________

・ロサリア[Rosaria]

神の目:氷
命ノ星座:荊冠座
神の目を得た原因:自分を拾った盗賊の老人を殺した

盗賊に育てられたロサリアは生まれた頃から盗賊団の中にいたのではなく、盗賊が襲った村から拾われてそのまま育てられました。
人の殺し方は教えられたもののほぼ雑用係のような生活を送っていました。
そんな生活を送っていたある日、ロサリアは逃走を試みます。結局は自分を拾った老人に連れ戻されてしまいますが、老人から「俺を殺せばここから逃げられる」と勝負を挑まれてそのまま老人を殺してしまいます。この後にロサリアのもとへ神の目が出現します。
おそらく神は、ロサリアが罪を背負いながら生きていく覚悟を認めて神の目を与えたのでしょう。
その盗賊団が西風騎士団に壊滅させられた後はファルカの指示で協会に所属して生活するようになります。
残念ながらシスターでありながら背徳的な罪を重ね続けていますが、裏の仕事を行うことでモンドに貢献しようとしています。

_________________________

・アンバー[Amber]

神の目:炎
命ノ星座:小兎座
神の目を得た原因:誰かの導きを待つのではなく、自分が勇気を持つ鳥となり、空へ羽ばたくべきだと気づいたこと

祖父が行方不明となった後にアンバーは偵察騎士になりました。
最初のうちは一人前な偵察騎士になろうと先輩たちに助けられながら経験を積んでいきました。そんな中でアンバーは祖父の行き先を突き止めたいと願っていました。
しかし祖父の行方を突き止めることはできず、アンバーにはモンドを守りたいという祖父の願いしか残りませんでした。
そんな祖父の背中を追うだけの偵察騎士だったアンバーは「風、勇気と翼」という本と出会ったことをきっかけに自分なりの優秀な偵察騎士を目指すべきだと悟ります。
そんな偵察騎士に対する情熱を感じ取ったのか、神はアンバーへ神の目を与えます。
神の目が与えられたタイミングを見るに、神はアンバーへ目はつけていたものの、大事なことに気付くまで待っていたのかもしれません。

小兎座は、イメージ通りすばしっこいという解釈でよいでしょう。

_________________________

・リサ[Lisa]

神の目:雷
命ノ星座:砂時計座
神の目を得た原因:魔導を探求するために実際に元素を行使してみたいと思った瞬間

リサは神の目を手に入れる前から学問については才能ある人物でした。そんなリサは第三者から見ればあっさりと神に認められて神の目を手にして元素についての知見を深めます。
そんな中、リサは神の目が世界のバランスを壊してしまうような恐ろしいものだと認識してしまいます。神の目を追及することは、深淵を覗きに行くことに等しいと。
リサは深淵を覗くような行為である学問の探求をほどほどにし、なるべく真剣に行動しないよう心がけるようになります。
神はリサの学問に対する底知れない探求力に期待して神の目を与えたのだと思いますが、リサの行動は神の思惑から大きく外れる結果となったのです。

ほどほどに頑張るという精神は、命ノ星座にもあらわれています。

_________________________

・クレー[Klee]

神の目:炎
命ノ星座:四つ葉座
神の目を得た原因:初めて作った爆弾で小屋を吹き飛ばした

今では爆発に執着しているクレーですが、爆弾作りの初歩的なことを教えた人物は母親であるアリスです。爆弾作りに興味を持ったクレーは神の目を手に入れる前から爆発へのこだわりを持っていました。神の目を持った後からはそのこだわりがヒートアップしていき、爆発へのこだわりも強くなっています。
神がクレーへ神の目を与えたのは爆発によって生み出される灰塵を何度見ようとも、爆発へのこだわりを捨てないだろうと判断したからだと考えられます。
そして神はクレーへ幸運属性を与えてしまい、クレーへ爆弾の探求に懲りる機会を与えないようにしています。
ちなみにクレーの種族はエルフで、人よりも寿命が長いということが判明しています。

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・エウルア[Eula]

神の目:氷
命ノ星座:波沫座
神の目を得た原因:アンバーの祖父と出会い、自分だけの復讐の道を見出した瞬間

エウルアはモンドで人々を苦しめた貴族のうちの一つ、ローレンス家の出身です。ローレンス家は大昔に祭礼の弓を所持する時と風の民を祭る一族の一つでしたが、そんな歴史よりも国民を苦しめた一族という印象が根強くもたれてしまいました。
そのおかげでエウルアはモンドの人々から悪者として扱われています。
そんな中、エウルアは西風騎士団へ入隊してモンドのために行動しています。
きっと騎士団へ入るきっかけは、アンバーの祖父へと弟子入りして自分らしい復讐の道を見出したからでしょう。神はエウルアが見出した道を評価して神の目を与えたのでしょう。

波沫は波が砕けた後、周囲に飛ぶ水滴のことです。星座は王冠を呑み込む波を表していて、どうやら波沫には飲み込まれる王冠が映っているようです。
命ノ星座には、一族の考えには囚われないエウルアの在り方が反映されているのかもしれません。

_________________________

・ノエル[Noelle]

神の目:岩
命ノ星座:心護座
神の目を得た原因:7回目の騎士選抜試験で落選したかと思われたが、ジンに認められて騎士団のメイドとなった

ノエルは騎士団へ入るために努力を惜しみませんでした。何度落選しようと妥協せずに騎士団へ入団するために勉学や礼儀を学び続けました。
まだ正式な騎士団員とはなっていませんが、騎士団の近くで誰かのために役立つことが彼女の喜びとなっています。
神がノエルへ神の目を与えたのは誰かのために力を尽くすという勤労の精神を認めた結果だと考えられます。

護心は命あるものを守護しようと念じることを意味し、いろんな人を助けたいと日々考えているノエルにぴったりな星座となっています。ちなみに星座に描かれている模様はバラです。ノエルにとってバラは、機密情報を漏らさないようにという戒めがこもった存在です。

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・アルベド[Albedo]

神の目:岩
命ノ星座:白亜の申し子座
神の目を得た原因:白亜の申し子という称号を得た後に実験を行っていた

カーンルイアにいたレインドットという人物が生み出した創造物の一体であるアルベドはレインドットから様々な知識を与えられてきました。
その知識を得ようという原動力は、「師匠から見捨てられたくない」という想いです。外部からは探求心の強い天才と認識されがちですが、その思考の中心には必ずレインドットがかかわっています。
そんなレインドットに見捨てられたくないという強い思いに神が答え、神の目が与えられたと考えられます。
アルベドは人としての誕生過程を経ていない存在ですが神の目をもらうことができました。どうやら神が認めた生物と認識できる存在であれば神の目を得ることができるようです。

命ノ星座にも反映されている白亜の申し子はレインドットが見習いの卒業という意味を込めてアルベドへ与えた称号です。その称号がそのまま星座に反映されたということは、その称号自体がアルベドを表すものなのでしょう。

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・スクロース[Sucrose]

神の目:風
命ノ星座:フラスコ座
神の目を得た原因:159回目の蒲公英の種を使った実験を行った

スクロースが生物錬金を探求する目的は、仙境の創造とそれに伴う友人たちの帰還です。昔に絵本で見た仙境の生物を想像しようと現存の生物を錬金術で改造して新たな可能性をスクロースは見つけ出そうとしています。
そんな小さな世界を想像しようという熱心な努力に答えてか、神はスクロースへ神の目を与えます。
スクロースは神の目を与えられたことで、元素を使用した生物の創造という新たな道を開くことになりますが、安定した生物の創造は難しいようです。

命ノ星座には薬品が入ったフラスコ瓶が描かれています。多くの実験を行うスクロースにとっては欠かせない道具ですが、実験好きなスクロースを表すには秤等のもっとましなものがあった気はするが。

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・フィッシュル[Fischl]

神の目:雷
命ノ星座:幻ノ鴉座
神の目を得た原因:心の支えとなっていた『フィッシュル皇女物語』に影響されて妄想の日々が続く中、周りの人間だけではなく、両親にまで妄想から覚めるよう言われて心が折れそうになった

冒険者である両親と一緒にいる時間が少なかったフィッシュルは『フィッシュル皇女物語』で寂しさを紛らわしているうちに物語に出てくる皇女として妄想を膨らますようになっていきました。
現在もその妄想の中で生きながら、周りの人間を戸惑わせながらも冒険者として活躍しています。
神がフィッシュルへ神の目を与えたのは、彼女の「夢から覚めたくない」という永遠を願う想いに答えたからかもしれません。

命ノ星座には幻ノ鴉と名付けられていますが、これはオズのことです。これではオズを表すだけの星座として見えてしまいますが、オズはフィッシュルの願いから生まれた存在です。オズにはフィッシュルの願いが反映されていて、そのオズが描かれた星座もまた、フィッシュルの願いが込められています。

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・ベネット[Bennett]

神の目:炎
命ノ星座:岐路座
神の目を得た原因:冒険中に致命傷を負いながらも終点へたどり着いた

生まれた頃から不幸体質であるベネットは、拾ってくれたオヤジ達の影響で強く冒険にあこがれます。
しかし不幸体質のせいか冒険仲間に恵まれず、オヤジ達の世話もしなくちゃいけなかったりと自分の望むような冒険はなかなか行えないでいました。
いざ冒険に出てみると不幸体質が災いし、普通の遺跡も難攻不落な遺跡のような難易度で襲い掛かるようになります。そんなベネットは仲間が冒険を切り上げようとしない限りお宝があるであろう終点を目指します。
終点を目指そうとしたある日、ベネットは致命傷を負います。
終点についたはいいもののなにもなく、ベネットは限界を迎えて気を失ってしまいます。
どんな不幸が待ち構えていようとも冒険を終点までやり遂げようという情熱に神は答えて、ベネットへ神の目を与え、ベネットは意識を取り戻します。
神の目が与えられてもベネットには必ず不運の結末となる岐路が開拓されていますが、本人は変わらずめげずに冒険を続けています。

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・ディオナ[Diona]

神の目:氷
命ノ星座:子猫座(英語表記はFelesとなっていてラテン語で猫を意味する)
神の目を得た原因:大雨の中、猟から帰ってこない父を助けに行ったこと

カッツェレイン一族という猫を擬人化したような姿のディオナは神の目以外の恩恵も受けています。それは、清泉町にいたとされる泉の精霊から送られた「作ったお酒が必ずおいしくなる」という力です。
この能力のおかげでディオナの”かっこいい父”への渇望が増幅することとなります。
この”かっこいい父”への強すぎる渇望に答えて、神の目が与えられたと考えられます。

命ノ星座はカッツェレイン一族の子どもを表す子猫座となっています。
カッツェレイン一族の子どもなんてたくさんいる気がしますが、もしかしたらカッツェレイン一族、絶滅危惧の一族なのでは。

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・レザー[Razor]

神の目:雷
命ノ星座:狼座
神の目を得た原因:狼の仲間がアビスの魔術師に全滅させられた時

レザーは神の目を持っていない時、アビスの魔術師へ手出しする手段がありませんでした。仲間である狼たちが目の前で殺されていく様子しか見ることができなかったレザーは「ルピカを守れるほどの、目の前の敵へ復讐できる力が欲しい」と願いました。
そんな願いにこたえてか、神はレザーへ神の目を与えました。

雷神は永遠を象徴するとされていますが、神の目を与えられた際に大きかった想いとしては復讐です。その後、レザーの想いはルピカを守り続けたいという想いで活動していますが、そんな未来を予見して雷元素の神の目を与えたのだとしたら神は神の目を与える前からレザーに目をつけていたのかもしれません。
例え狼に育てられた、人間だったとしても。

命ノ星座は狼に育てられたということで狼座です。

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璃月地方(岩神モラクスの管轄)

・鍾離[Zhongli]

神の目:なし(岩神の心所持者)
命ノ星座:岩王帝君座
神の心を得た経緯:魔神戦争が終結した2000年前に魔神から人類を導く神の座へ昇格した

俗世の神として長い間存在し続けた鍾離はウェンティ同様に神の目が無くても自身が司る元素を操ることができます。
神の心というのは神の座について人類を導くという立場になったため与えられた力であり、誰からどのように与えられたものなのかは言及されていません。
神の心を手放す=神の座から降りるという関係を鍾離が見せていたため、神の心を所持していることは、人類を導く立場として居続けなければならないという呪縛であるとも考えられます。

神の目を「ある意味神との契約だ」と解釈する鍾離が与えられる本人と会話もせず神の目を一方的に与えるとは考えにくいため、神の目を与える存在は俗世の七執政ではないと考えることができます。

鍾離の命ノ星座は長い歴史の間生き残り続けた神というだけあり、岩元素のもとになったかのような星の並びになっています。もしかしたらテイワットへ岩元素という概念を生み出した存在なのかもしれませんが。

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・凝光[Ningguang]

神の目:岩
命ノ星座:璣衡儀座
神の目を得た原因:抜け殻となった神の目を売りさばこうとした

凝光は生まれた頃から璃月七星となるほどの富は持ち合わせておらず、先祖代々重要な技術を守り続ける立場でもなく、ただの商売人でした。
そんな彼女が神の目の抜け殻を手にした時、商機を見出してこれまでにないほど張り切りました。しかしながら、凝光の商売熱心な姿勢を見た岩神が所持者不明の神の目を「凝光のもの」と定めてしまったので凝光本人はガッカリしました。
しかしその後は商機を逃さず富を蓄えたことで「天権」の座へと到達します。

璣衡儀は筒のようなものを覗いて天体観測を行うための回転する機械のことですが、ほかに北斗七星を示す言葉でもあります。
きっと璃月七星にあやかって北斗七星を示すものが星座として選ばれたのでしょう。ということは、星座を選定した神は北斗七星を知る存在ということに・・・。

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・刻晴[Keqing]

神の目:雷
命ノ星座:紫金鍾重座
神の目を得た原因:神に頼らなくてもよい璃月にしようと努力していた

神の目を持つ者の中で神の目を鍋の中で煮たり、一時的に手放すといった粗末な扱いをする者がいる中、刻晴は神の目を燃やしたり、砕こうとしたりとテイワットの中でも上位に位置するほど神の目の耐久テストを行った存在です。
神は刻晴の「人による璃月の恒久的な繁栄」を目指す想いに応えたのだと思いますが、ここまで雑に扱われることは予想していなかったでしょう。
神の目を授かった当初は自分の努力が「神の目のおかげ」と思われてしまうため邪魔者扱いしていました。今では神の目は大事なものだという認識になっています。

命ノ星座の名前になっている紫金鍾重ですが、日本語では意味がさっぱりです。中国語でみてみると紫金は現地の言葉で「金紫」、つまりは金印と紫綬を身につけるような高官を意味します。鍾重ですが中国語版では定垂と記載されてさらに意味が迷子になっています。
英語版を見て見ると「Trulla Cementarii」というラテン語となってしまって「シャベルとこて」という建築道具に関わる単語が並べられた内容となっています。
ここまで調べた結果を合わせると、「玉衡という璃月での土木建築にかかわる分野の高官に当たる存在」を星座に示したかったのでしょう。
何故星座に描かれている絵ともリンクしていないのか謎が残る星座です。

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・ショウ[Xiao]

神の目:風
命ノ星座:金翼鵬王座
神の目を得た原因:不明

ショウは2000年以上生きてきた中で神の目を与えられた時の記憶を忘れてしまっています。
それでも、三眼五顕仙人とよばれる三眼の中の1人であるのは確かです。五顕に含まれる仙人たちは皆、仙人ではあるものの神の目を所持していません。
神の目を持っているショウは風元素を利用して素早さを利用した攻撃を行います。
しかし、神がショウへ神の目を与えた動機は不明です。

金翼鵬王はショウに与えられた雅号のことで、実は他にも降魔大聖や仙衆夜叉など様々なあだ名があります。もしかすると神の目が与えられたのは金翼鵬王と呼ばれていたころなのかもしれません。そして金翼鵬王として活躍している姿が、星座へと反映されたのでしょう。

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・甘雨[Ganyu]

神の目:氷
命ノ星座:仙麟座
神の目を得た原因:モラクスの召喚に応え、璃月七星の秘書になろうと決心した時

人と麒麟の混血である甘雨はモラクスの召喚をきっかけに人間社会へ溶け込んで生活する仙人として生きていくこととなります。その生活は自然の中でゆったり過ごすこととは異なり、毎日資料とにらめっこしたり任務をこなすために各地を駆け回るという忙しいものでした。しかしそこには人間が作る璃月を守るという責任があります。
神が甘雨へ神の目を与えたのは璃月を守るという責任を果たすために、いつまでも活動し続けられるようにという想いを抱いたからかもしれません。その結果、甘雨は人間では過労死してしまうほどの量の残業を難なくこなして見せています。

命ノ星座にある仙麟は麒麟の仙人というそのままの意味を表しています。

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・七七[Qiqi]

神の目:氷
命ノ星座:法鈴座
神の目を得た原因:薬草集めをしている途中で右足を怪我し、死にそうなときに「もし過去に戻れたらいいな」と願った

七七は最初から仙人ではなく、薬草取りの娘でした。
仙境に間違って入ってしまい、生死の境をさまよっているときに七七はまだ生きていたいと強く望みました。そんな生への渇望に反応してか、七七の目の前に神の目が現れます。
神の目を手に入れた七七は、当時起きていた仙魔戦争を終わらせる存在となり、三眼五顕仙人の一員として認められました。しかしそれは大昔の話。

命ノ星座には仏具の鈴が定められています。鈴には人々の邪念を祓い、祈りを極楽浄土まで届ける働きがあるとされています。とはいえキョンシーとなった今の七七とは違った、過去の七七が星座へ反映されているというのは明らかです。

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・煙緋[Yanfei]

神の目:炎
命ノ星座:法獣座
神の目を得た原因:法律家になろうと決めた時(予想)

父親が仙獣の煙緋は仙獣と人間のハーフではあるものの、岩王帝君とは契約を結んではいません。そのため璃月のために生きていく定めは存在しません。それでも煙緋は自主的に璃月の法律家として生きていくことを決めました。
そんな煙緋は神の目に対して面白い実験を行っています。
物の価値を正確に測れる竿秤で神の目を計ったらどうなるか。いくらモラを神の目の反対側に積み重ねても釣り合うことがなく、煙緋が大事に持ち歩いている手写しの法典等が入った箱を乗せて初めて神の目と釣り合ったのです。
このことから、煙緋に神の目が与えられた理由は法律家になると決めたことと大きくかかわっていることが分かります。

命ノ星座にある法獣は、法律の仙獣を表しているのでしょう。煙緋は仙獣とのハーフとまではわかっていますが、星座の絵を見る限り父親は鹿に似た見た目の仙獣なのだろうと予想できます。

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・申鶴[Shenhe]

神の目:氷
命ノ星座:愁疏座
神の目を得た原因:生贄として魔物の前に捧げられたが魔物に抗い、互角の戦いを続けたこと

父親が母親を生き返らせるための生贄として申鶴は魔物の前に放り出されてしまいました。申鶴は魔物に殺されるのを待ったわけではなく生きるために魔物と戦いました。その戦いの中で殺意という激しい感情が覚醒して魔物とは互角に渡り合えていました。
そんな申鶴に神は注目して神の目を授けました。このおかげで申鶴は生き残ることができました。
その後は留雲借風真君のもとで仙人の術を学ぶことになりますが、生きるために身につけた殺意を彼女は抑えられなくなっていました。そんな彼女へ仙人たちは申鶴へ赤紐を与えて魂を縛りました。こうして様々な感情が封じられてしまい、今の申鶴となったのです。

愁疏は英語ではcrista dolorisとなっていて「悲しみの頂点」という意味だととらえることができます。これは生きるために申鶴が覚醒させた殺意を表す言葉だと考えられます。そんな殺意が彼女の生き様を表す星座に反映されたのでしょう。
果たして、星座になるほどの封印された殺意とはどれほどのものだったのか。

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・行秋[Xingqiu]

神の目:水
命ノ星座:錦織座
神の目を得た原因:古華派へ入門し、古華派の槍術と剣術の真髄は瞳術にあると悟ったとき

本好きな行秋は父親のせいで古華派で武芸を学ぶことになります。
本で知識を集めてはいたものの、古華派には生き残るために生み出した他の門派にはない多彩な選択肢が存在していました。これが行秋を刺激して、人助けにも使えるかもしれないと考えて張り切って武術をマスターしようと努めました。
神は多彩な芸を身につけて人助けに役立てたいという行秋の純粋な想いに応えてか、行秋へ神の目を与えます。
神の目を得た行秋は古華派の武芸を身につけただけではなく、新たな心理も生み出しました。そんな偉業が表舞台に出ていないのは自分の字の汚さ故ですが、このおかげもあって行秋は身分を隠して人助けをすることができています。

命ノ星座が錦織なのは、多彩な考えに溢れた生き方をしていることが反映されたためでしょう。

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・重雲[Chongyun]

神の目:氷
命ノ星座:乾坤鋒座
神の目を得た原因:体質の影響を受けつつも妖魔退治を諦めなかった

方士として妖魔退治を専門に活動している重雲は「純陽の体質」のせいで妖魔退治にも、日常生活にも影響が出ています。というのも「純陽の体質」とは温かいもの、辛い物、感情的になる出来事と体温が上がったり気持ちが昂るようなものと接触してしまうと感情が抑えられなくなる体質のことです。どれくらい感情が抑えられなくなるかというと、記憶に残らないくらい陽気な性格になるとのことです。
実はこの体質のせいで妖魔がいた場合もすぐに逃げてしまって退治するという場面はほとんどないとのことです。
そんな、ほとんど体質で追い払っている重雲は目に見えない形で退治してしまっているためほとんどの依頼人から詐欺師扱いされるそうです。
誰からも認められない中、諦めずに一人前の方士として活動している重雲を見た神は、重雲へ神の目を与えます。
いつでも万全に力を発揮できるよう、氷の神の目を与えたのでしょうが、残念ながら体質を覆せるほどの陰の力は与えてくれなかったようです。

命ノ星座にある乾坤鋒はわかりやすくすると「陰陽の剣」となり、剣を用いて妖魔退治を行う重雲がしっかり反映されています。陰と陽の緩急はとても激しいものですが。

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・香菱[Xiangling]

神の目:炎
命ノ星座:長杓座
神の目を得た原因:どんな食材でも美味しい料理を作るという信念を貫き続けているため

香菱は「どんなおいしい料理を作るか」ではなく「この食材をどう美味しく料理するか」から考え始めます。もちろん組み合わせの悪い食材や器具が耐えられない食材にも出会ってきていますが、探求をやめません。
神が香菱へ神の目を与えたのは食材を追及する情熱を認めたからだと考えられます。
ちなみにグゥオパァーという謎の生物とは神棚がある洞窟で出会いました。おそらく秘かに祭られていた神獣の類だと考えられ、香菱が好物である辛い食べ物をいつでも提供してくれる存在だと認識し、懐いて付いてきました。
神の目の有無には関係がありません。
ところで、槍をぶん回す技を教えた師匠とは誰なのか。

※追記(月逐い祭の情報追加)
グゥオパァーは竈神として崇められてきた存在が力を使い切った後に残った存在です。そんな元魔神の存在に懐かれるような香菱は、神の目をもらうべくしてもらったのでしょう。
そして槍をぶん回す技を教えた師匠という存在は、ピンでした。
魔神とも、仙人とも縁がある香菱は恐ろしいほどの因果の持ち主だと言えるでしょう。

命ノ星座の長杓は絵としてもあらわされている通り料理道具の「おたま」のことです。星座には料理人としての香菱があらわされています。

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・白朮

神の目:草
命ノ星座:不明
神の目を得た原因:未所持のため不明

※友好度6に到達していないため調査不能

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・辛炎[Xinyan]

神の目:炎
命ノ星座:紅檀四弦座
神の目を得た原因:演奏の演出に炎や火花を使い始めた

辛炎はロックを知り、「先入観」に抗おうとしていました。ロックな音楽に自分の想いを乗せても、璃月ではなかなか受け入れてはもらえませんでした。
璃月の外で活動することも考えましたが彼女は璃月にとどまり、演出として炎を使おうと思いつきます。
人のいない場所で炎を操ろうといくつもの楽器を壊しながらも試行錯誤しました。
そんな辛炎の情熱に応えたのか、神は辛炎へ神の目を与えます。
派手な演出が可能になった辛炎の音楽は次第に璃月の人々の心をつかみ、辛炎は多くのファンを手に入れることができました。

命ノ星座にある紅檀四弦は辛炎が演奏する際に使用する楽器の一つです。見た目は三味線に似ていますが、バチではなく指で弦をはじいていることからギターかベースが元になっていると考えられます。とはいえこの楽器は辛炎がカスタマイズしたオリジナルの弦楽器です。彼女のアイデンティティといっても過言ではないでしょう。

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・北斗[Beidou]

神の目:雷
命ノ星座:南天海山座
神の目を得た原因:海獣「海山」を自らの手で討伐した瞬間

北斗は子どもの頃から漁師に伝わっている歌を覚え、その歌を歌いながら海山の討伐を夢見ていました。
自分の船隊を持つようになってからは何度も海山へ挑み、何度も失敗に終わっていました。そんな北斗が万全の態勢を整えて挑んだ何度目かの海山との戦いの末、北斗は海山の首を捕ることに成功します。
その勝利の瞬間を祝福するかのように、神は北斗へ神の目を与えました。
神の目は海山を倒した際に発生した雷をいつでも具現化することができ、海山を倒した瞬間を永遠のものとできるものでもありました。
神は新たな海の強者だと認めて神の目を与えたのか、海山を倒した褒美として神の目を与えたのか。
神の目を与えられた者は神になる資格があると伝えられていることから、おそらく前者の理由が有力でしょう。

命ノ星座には海山と呼ばれる海獣が描かれています。これは推測となりますが、南天海山は「南十字の頭である海山」を表していて北斗が海山と呼ばれるにふさわしい存在であることを示しているのではないでしょうか。

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・胡桃[Hu Tao]

神の目:炎
命ノ星座:彼岸蝶座
神の目を得た原因:死んだ祖父が悔いなく現世を去ったと知り、祖父の死を堂々と受け入れた

奇行が目立つ胡桃はおじいちゃんっ子で、祖父がもっていた帽子を自分のサイズに合うよう手直しして使用したり、初めて執り行った葬儀が祖父の葬儀だったり、死んでしまった祖父に会いたいがために死者の魂が滞在するという境界へ訪れたりと祖父に関する行動が目立ちました。
境界を訪れて祖父がこの世に未練がなく堂々と逝ったと知った後、胡桃は送る者に未練が残らないよう葬儀を行うべきだと念頭に置くようになります。
元々葬儀を執り行う才能があった胡桃は通常の葬儀形式にとらわれない、送られる側、送る側の考えを尊重した葬儀を行う経営方針にしたことで往生堂の経営は安定するようになります。
この功績は神の目によるものではなく、胡桃の才能です。
神の目は胡桃が境界へ訪れて死生観を改めた際に現れたものであって、バケモノを火葬するくらいしか役に立っていません。神が胡桃を認めたタイミングは、境界を訪れて長時間滞在し、気が狂うことなく現世に戻ってきたという常人とは異なった結果を残したくらいです。
境界から精神を保ったまま戻ってくるのがどれほどすごいことなのかは、神にしかわからないことなのかもしれません。

命ノ星座にある彼岸蝶はあの世とこの世を橋渡しする蝶のことです。スピリチュアルな物事を信じる人々の間では蝶は死者の魂を運ぶ存在だと信じられているらしく、それにあやかってでしょう。実際に葬儀屋はあの世とこの世を橋渡しする存在ともいえるので、胡桃を表している星座としては間違っていないでしょう。

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・雲菫[Yun Jin]

神の目:岩
命ノ星座:虹章座
神の目を得た原因:演じる際に大事なのは特定の人物だけではなく複数の人物たちになりきることで、「世界」を表現するべきだと悟ったこと

役者を生業とする家に生まれた雲菫は自ら役者の指導を受けたがるほどに劇へ熱意を持っていました。そんな雲菫は看板役者といわれるほどに劇についての技を身につけ、さらには劇のシナリオも手掛けるようになりました。
ある時、仙人や岩王帝君の劇ばかりを演じていった雲菫は、伝統的な劇での登場人物はすべて似通った顔を持ってしまっていることに気付きました。そして雲菫は仙人や岩王帝君といった特定の顔ではなく、様々な顔を持つ「人々」を演じたいと思うようになりました。
そんな考えをいだきながら『歩雪』という劇を演じていると、雲菫は特定の人物だけではなく登場する人物すべてを演じていました。この劇によって雲菫は新たな劇の在り方を悟りました。新たな劇の道を切り開こうとする雲菫に神が注目し、神の目が雲菫へ与えられたのです。

虹章は英語ではopera grandisとなっていて「素晴らしき劇」と捉えられます。
人々に絶賛されるような劇を作り上げる雲菫の生き様が星座に反映された結果、このような名前になったのでしょう。

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稲妻地方(雷神バアルの管轄)

 

・雷電影(雷電将軍)[Raiden Shogun]

神の目:雷
命ノ星座:天下人座
神の心を得た経緯:死にゆく眞から刀と共に受け取った

雷電将軍は代替わりを経験した七神ではありますが、それは双子のうちの1人が倒れただけで、もう一人も2000年前から存在していました。知識や考え方の共有に齟齬はないでしょう。
とはいえ先代雷電将軍である眞よりも永遠を求める熱意が強く、永遠を求めるがゆえに自分の体を捨てて刀に魂を憑依させて存在し続けています。一心浄土という場所に籠り続けたり、永遠の障害になると考えて目狩り令を出してみたりと少々こじれた永遠の追求方法を試行しています。

それもそのはずで、もともと眞の影武者として前線に赴いていた影は眞のほかにも多くの友人を失ってきた経験があります。周りで変化が起きて、永遠が揺らがないためにも、変化が起きてしまうような原因は取り払ってしまいたかったのでしょう。

しかし影は蛍(空)と会ったことで永遠について再び考え直す機会が与えられました。今現在も影は、永遠について悩み続けています。

影は神の目に対して、自分は無関係だと言い切っています。神の心をもっていたからこその制約があるはずですが、自分は神の目の譲渡と無関係だとはっきりと言ってもいいのか。
とはいえ、神の心が他人の手に渡っても天理は何の反応も示さないので、案外制約というのも大雑把な存在なのかもしれません。

実は影は雷電将軍へ鍾離やウェンティが所持している神の目の模造品を持たせていません。これは七神であることを隠して一般人に成りすまして生活する必要がないからでしょう。地味に蛍(空)に続く、神の目をもたないプレイアブルキャラという珍しい存在です。

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・八重神子[Yae Miko]

神の目:雷
命ノ星座:仙狐座
神の目を得た原因:不明

神子はかつて狐斎宮にくっついて回るただの小さな仙狐でした。大昔から神子を知る人物たちに神子のことを聞けば皆同じように「ただのカワイイ仙狐だったあの子が今では立派になったものだ」と答えます。妖の中でも大妖怪を良く輩出していた白辰狐王一脈に属しているため、いずれ大きな力を持つ存在になるのは予定調和だったのかもしれません。
大昔の妖たちは強い力を持っていたという話がありますが、その力が元素に関わる力なのか元素にかかわりのない法術や身体能力のことなのか。
というのも、妖怪である神子は神の目のような装飾はもっているもののそれをいつ手にしたのかを明らかにしていません。神の目のような装飾はただの飾りで、戦う際は妖怪としての力を使っているだけだと言われても何の不思議にも思いませんが果たして真実は。

命の星座が仙狐なのは白辰狐王一脈に属しているから故でしょう。

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・九条裟羅[Kujou Sara]

神の目:雷
命ノ星座:羽団扇座
神の目を得た原因:今の自分では山の森でひとりでは悪霊に勝つこともできないと悟ってしまった

裟羅は九条家の養子ではありますが、元々は森の中に住んでいた名もなき少女でした。
養子となったのは森に沸いた悪霊を倒そうとしても対抗できず、山のふもとまで転げ落ちたところを人に拾われたことがきっかけです。
悪霊に負けたことで裟羅は自分の弱さを知ってしまいました。その結果に絶望する裟羅を見て、神は裟羅へ神の目を与えました。
元々天狗の一族は雷元素の神の目を持つ者がいたという経歴があるようで、裟羅が悪霊に負ける結果にならなくても神の目は与えられていたのかもしれません。

本人は雷電将軍から神の目が与えられたと信じているようですが、残念ながら影は関係ありません。

羽団扇は天狗がもっている団扇です。裟羅は天狗の一族であることからこの星座になったと考えられます。

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・神里綾華[Kamisato Ayaka]

神の目:氷
命ノ星座:雪鶴座
神の目を得た原因:疲労している兄を見て神里家令嬢として認められようと努力し、剣術の訓練にて敵を一撃で倒せるようになった

綾華はもともと文武両道な人物ではなく、遊びが好きな女の子でした。
神里家としての教養もあまり熱心に向き合っていませんでしたが、そんな綾華の考えを変えたきっかけは母が病に倒れたことと、それによる兄の過労でした。

そんな家族の状況をみて綾華は神里家として一人前にならなければいけないと決心します。最初の頃は習い事等をやってもうまくいかず、直ぐに何かを取得できるような才能もありませんでした。
そんな彼女は1回やって無理なら50回やるという並ではない努力を重ねることにしました。その結果、綾華は一人前として認められるようになりました。
神はそんな並ではないほどの努力を積み重ねる綾華を見て、神の目を与えたのでしょう。

命ノ星座は雪鶴とはありますが、数種類いる鶴の中でも雪が似合うと思われる鶴はタンチョウヅルくらいでしょう。鶴は長寿の象徴であったり、縁起がいい存在として見られています。中国ではさらに徳高く、高貴な存在として扱われていて、綾華には中国から見た鶴の存在が当てはまります。
確かにいまの綾華は徳高く高貴な存在ですが、ただの少女である考えは失われていません。

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・トーマ[Thoma]

神の目:炎
命ノ星座:赤楯座
神の目を得た原因:神里家を去るべきタイミングでも、神里家へ忠誠を誓い、残り続けることを決意したこと

元々モンド出身のトーマは、稲妻に帰った父に会うために稲妻へ向かったことが原因で、その後は稲妻で生活せざるを得なくなります。そんな中、神里家に出会い、その後は神里家の家司として働いていくことになります。

そんな神里家が社奉行の継承者争いに巻き込まれたとき、トーマは争いに巻き込まれないよう神里家から去るチャンスを与えられていました。
しかしトーマは去らず神里家へ残り、さらに忠誠を一層強めたのです。この強すぎる忠誠心に反応し、神はトーマへ神の目を与えたのです。

赤い楯といえばロスチャイルドが浮かぶかもしれませんが、それとは関係なくただただトーマが炎元素を守護の目的で使うことから赤楯という名前の星座になっただけでしょう。トーマは神里家のサポーターなだけですから。

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・珊瑚宮心海[Sangonomiya Kokomi]

神の目:水
命ノ星座:睡竜座
神の目を得た原因:海祇島のすべてを守り、人々が幸せな生活を送れるようにすると願ったこと

現人神として活動している心海は望んで現人神になったわけではなく成り行きでなってしまったがために日々心をすり減らしながら生活しています。
とはいえ願った内容は心から願ったようで、自分の背負った運命は悪くないものと思っているようです。
先代の現人神についてはわかりませんが、神は珊瑚宮の現人神だというだけで神の目を与えたように思えます。
心海はオロバシノミコトを崇拝していた民の末裔ではありますが、神は再びオロバシノミコトを崇拝しだすようなことがないか気にしているのかもしれません。

睡竜はお酒の名前ではありますがその名前の意味は「覚醒の時を待つ」。
オロバシノミコトが眠りから覚めるのを期待しているかのような、そんな星座に見えますが心海はそんなことを願っていません。
オロバシノミコトを崇拝していた民の末裔だからこの星座なのでしょう。ただただオロバシノミコトが星座になっただけにしか見えませんが。

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・ゴロー[Gorou]

神の目:岩
命ノ星座:柴犬座
神の目を得た原因:戦に勝利するためには個人の強さだけでなく、集団の強さも必要だと気づいたこと

ゴローは神の目を手に入れる前まで、戦で負けるのは自分が強くないからだと考えて日々鍛錬を積んでいました。しかし、周囲の力ない兵士たちを見て見ると協力して敵を倒す場面を目の当たりにしました。
これをきっかけにゴローは仲間と協力して戦う姿勢に切り替えました。
そんな仲間と共に戦うという姿勢に感心したのか、神はゴローへ神の目を与えました。

星座が柴犬なのは、ゴローの種が柴犬に分類されるからでしょう。一般的な柴犬の認識よりは、尻尾が曲がってはいませんが。

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・楓原万葉[Kaedehara Kazuha]

神の目:風
命ノ星座:紅葉座
神の目を得た原因:一人旅をして、自分は手には刀、心には道があれば自身の道を歩んで行けると気づいたこと

楓原家の跡取りとなるはずだった万葉ですが、そんなこと気にせずに稲妻中を1人旅していました。
そんな旅の中で多くの困難を知ることになります。
そして万葉は武士としての在り方を今一度見直し、「己が持つ刀は人を活かすものであるべき、そのただ一つの信条を守るのが自分の歩むべき道だ」と気づきます。
神は万葉が自分の生き方に気付けたため神の目を与えたのでしょう。

命ノ星座にある紅葉は楓のことでもあり、楓には調和や大切な思い出という花言葉があり、秋になるとキレイに色が変わるので美しい変化という花言葉もあります。
万葉にとっては、旅によって自分の生き方を変えることができたのは「美しい変化」であってその気持ちを忘れないという意味でこの命ノ星座だという可能性があります。
どちらかというと万葉は過去に起きた出来事を大切にする傾向があるので、思い出を大切にする思いから命ノ星座が紅葉である意味が強いでしょう

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・宵宮[Yoimiya]

神の目:炎
命ノ星座:琉金座
神の目を得た原因:長野原花火屋を受け継いだ後の初めての夜に花火について熱心に研究を行っていた時

宵宮は何かを強く願ったわけでもなく、一心に何かに取り組んでいたところで突然神の目が現れました。神の目を知らなかった宵宮は火打石に使ったり湯沸かしの道具に使ったりと知らないうちに神の目の耐久テストを行った人物の一人になってしまっています。本人も言っていますが、神が神の目を取り上げなかったのが不思議なくらいです。
とはいえ彼女は花火に対する情熱は強く、花火に対して熱心に取り組む彼女を見て神は神の目を与えたのでしょう。

琉金ですが、簡単にいうと金魚のことです。金魚が何か花火に関わるかといえばほとんどなく、共通するのは「夏の風物詩」の代名詞であることくらいでしょう。
花火といえば夏まつり、夏祭りといえば金魚という浅はかなつながりから選ばれてしまったのでしょう。

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・早柚[Sayu]

神の目:風
命ノ星座:子貉座
神の目を得た原因:仕事で危険に陥った際、自分の忍術は何のためにあるか気づいたこと

早柚は物心がついた頃から終末番という組織で忍術を教わってきました。
教わってきた忍術は攻撃的な内容ではなく身や気配を隠したり、素早くその場から逃げ出すといった術しか学んできませんでした。
早柚には師匠がいましたが、師匠の考えで早柚は知らないうちに独り立ちしていました。
そんな早柚は仕事中に危機的状況に陥って弱くても生き延びるために忍術を使いました。そこ結果、生き延びたと同時に神に認められたのか神の目を手に入れました。
稲妻では強い願いを抱けば神の目が現れる、神の目を失うと自分の大事なものを忘れてしまうと考えられているらしいです。
早柚にとって神の目と同じくらい大事なものは、「自分の忍術は何のためのものか気づいたこと」ではないでしょうか。

子貉は早柚の師匠が早柚の衣装を作る際にモデルにした動物で、早柚はその衣装を気に入っています。そんな経緯があるため、早柚の生き様を表す星座も子貉なのでしょう。
貉は主にアナグマのことを指すようですが、地域によってはハクビシンを指したりとけっこう正体はあいまいです。相手を化かす存在、というのは共通認識のようです。

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・荒瀧一斗[Arataki Itto]

神の目:岩
命ノ星座:天ノ牛座
神の目を得た原因:無意識に人助けを続けていったこと

一斗は過去に両親ともに故郷を追われたことがあり、幼い頃に両親を失っています。
鬼の悪口を耳にするたびにケンカを吹っかけていたものの、鬼婆婆と呼ばれるようになる老婆に助けられたことをきっかけにコツコツと一斗は人助けもしていくようになります。
そんな助けられた人たちが集まっていつの間にか荒瀧派と呼ばれるものが生まれ、人を助ける一斗に目を付けたのか、神は一斗へ神の目を与えたのです。

日本語では天ノ牛座とありますが、英語にしてみるとTaurus Iracundus(情熱的なおうし座)となり、どのみち鬼ではなく牛で例えられてしまっているものの、英語の方がまだ意味をとらえられやすいでしょう。
牛のようにすぐ興奮して突っ込み、何事にも情熱的に取り組む様子が反映された結果、牛が一斗の星座となったのでしょう。
鬼を描く星座じゃないと知ったら、本人はどう思うのか。

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スメール地方(草神の管轄)

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フォンテーヌ地方(水神の管轄)

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ナタ地方(炎神の管轄)

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スネージヤナ地方(氷神の管轄)

・スカラマシュ(散兵)

神の目:不明
命ノ星座:不明
神の目を得た原因:未所持のため不明
使用できる能力:未所持のため不明

※友好度6に到達していないため調査不能

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・アヤックス(タルタリヤ:公子)[Tartaglia]

神の目:水
命ノ星座:空鯨座
神の目を得た原因:とある剣客と出会い、深淵の世界へ到達した

タルタリヤは14歳の頃にすでにアビスへと到達する術を教えてもらっていました。
全ては平凡な日常から逃げようとした日から始まっていて、神の目を与えられたのもアビスに到達してとある剣客からアビスへ行き来する方法をしえてもらったころでした。
タルタリヤの強さを追及する純粋な気持ちにこたえるようにタルタリヤには神の目が与えられ、タルタリヤの闘争心は一般人には抑えられないほど大きなものとなっていきました。
邪眼を所持してはいますが、基本的には神の目の力を使用して戦います。

命ノ星座の空鯨はタルタリヤが敵として立ちふさがった際に召喚されることがあります。もしこの星座が実在する鯨座からあやかってつけられているとしたら、空鯨はタルタリヤが「化け物」であることを表しているのでしょう。
まあ14歳でアビスから生きて帰ってくるのは十分化け物といえます。

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無所属

・ガイア[Kaeya]

神の目:氷
命ノ星座:孔雀羽座
神の目を得た原因:カーンルイアのスパイだとディルックに明かし、本気でディルックと戦った瞬間

カーンルイアのスパイとして送り込まれたものの、ディルックの父の養子となってからはガイアの心は揺れていました。
ディルックと戦った後もモンドの住人としてモンドへ滞在し続けていて、本当にモンドとカーンルイアが戦うことになったらどちらにつくのかは謎です。
神がガイアへ神の目を与えたのは、ガイアが心に抱く「陰謀」の強さを認めたからだと考えられます。
自ら滅ぼした国の人間へ神の目を与えるとは、神は何を考えているのか。

命ノ星座の孔雀羽はモナによると高貴さと華麗なる隠蔽を象徴しているそうです。実際に孔雀は高貴さを表すとされてはいますが、華麗なる隠蔽と結びつくものはありません。
現実の言い伝えからある程度あやかっているものはありますが、命ノ星座は神の目の持ち主を象徴するもの。ガイアの生きざまが反映されていても、何ら不自然ではありません。

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・モナ[Mona]

神の目:水
命ノ星座:映天座
神の目を得た原因:師匠である「おばば」からもらった道具をアクセサリーとして身につけているとき突然その道具が神の目へ変わった

世界の真理を追究することしかほとんど興味を持たないモナにとって神の目が与えられた理由は神の眷属の証だとしか思っていません。
水占の術自体も神の目がなければ行使できないものではなく、水面があればいくらでも扱えます。モナ自身、あまり神の目を信用しません。
神がモナへ神の目を与えた理由は、占星術をもらのために行使せず、真理を解明するための手段にしか使わないという「純粋な心」に答えたからだと考えられます。

命ノ星座の映天は天を映す者、つまりは水面に星を映して占いを行う占星術師であるモナを表しています。とはいえ命ノ星座は名前通りの意味を持っている以外にも神の目の持ち主の生き様も反映されています。
とはいえモナの人生は占星術で世界の真理にたどり着くこと一筋なので、命ノ星座の名前通りの意味しかないでしょう。

 

※このページは原神の要素を扱っています