「下でいくら騒ごうが、ここへ至る術は見出せないようだね。
ま、シオリ達の立場でもお手上げな状態だから仕方がないよね」
塔の麓の騒ぎはどんどん静かになりつつある。
しかし同時に気になっているのはピリカが魔力の使いすぎによる疲
本来であれば何度も魔女化するほどの魔力を無制限に使用している
ワルプルガの復活は近いが、
「夏目かこ、お前が2人の過去を覗き見たことを許したわけではな
さあ、アクションを起こせ!」
「どうしてもあなた達から手を出そうとはしないのですね。
「目的なしに感情のまま力を振るうのはヒトのやることだ。
獣から進化してもなお本能から消えなかった負の遺産。
そんなものを持っているから行き違いや無意味な殺生が横行して、
「あなた達の人類史を終わらせるという考えは、
「暁美ほむら、
世界の魔法少女を見てきて、
今目の前で起きている出来事も手段に過ぎない。
だが私念というのは今すぐ目の前で結果を得たいがために行われる
「私にはただの言葉遊びにしか聞こえないけど、
「答えが知りたければ目的の軌跡を辿ればいい」
「あなた達が私念で動かないというのであれば、
夏目かこは武器を取り出し、
すると周囲に強いリジェネ効果が発動し、
「ういさん、行ってください!
あなたにはやりたいことがあるのでしょう!」
「は、はい!」
環ういは凧を呼び出してその場から飛び上がった。
「上空、まさかワルプルガをそのまま連れ去る気か!」
「無邪気ってのは怖いな!」
シオリがレールガンで環ういの行手を阻もうとすると、
暁美ほむらに関しては不気味な黒い羽を広げていた。
わたしの前には環いろは、里見灯花、
「これ以上ピリカに負担をかけるわけには」
左側から数本の槍が飛んできた。
十咎ももこ達も回復の対象に入っていたか。
「こっちはわたしが止める」
「ピリカ!無茶だ!」
シオリの方からは爆風が伝わってきて、
「飛べばいいってもんじゃないぞ」
シオリは一門のレールガンの弾丸を鉄塊からカースシードへと変え
環ういは先行して放たれた鉄塊の弾丸を2発避けたものの、3発目
カースシードは環ういのソウルジェムには命中しなかったものの比
命中した際の衝撃で環ういは大きく背後にのけぞった。
「うい!」
環いろはがそう叫んだ後、環ういは器用に凧の上で踏み止まり、
「負けるものかぁあああ!」
ワルプルガを囲う結界へぶつかる前に環ういは正面に4体の凧を呼
結界には容易にヒビが広がっていき、環ういが結界へ接触して5秒
白衣のローブに包まれて髪も結われていないワルプルガは環ういが
「みんな、ういの元へ連れて行って」
「うい!!」
柊ねむはウワサと共に、
ワルプルガが奪われたのは大事件だ。
しかし同時に起きた悲劇がわたしにとっては大きな衝撃だった。
十咎ももこ達の対応にあたったピリカは最初に秋野かえでを標的に
秋野かえでは魔法の力で蔦を召喚してピリカを縛り上げようとして
イペタムはピリカの拘束を許さず、
そこへ水波レナが間へ入り、槍でピリカの攻撃を受け止めた。
ピリカがイペタムから手を離すとイペタムはそのまま水波レナと鍔
反応できなかった秋野は武器を地面に落とし、
イペタムは元々1人でに動き出す妖刀であり、
しかし魔力または生命力を供給しなければイペタムは1人で行動で
今回のように少しだけ手放す場合はピリカと分かれて行動すること
そんな1人でに動く刀を目にして驚いた水波レナの隙をついてイペ
それは格闘家に殴られたほどの衝撃であり、水波レナは怯んだ。
そして再びピリカがイペタムを手を取り、
よろけた水波レナは槍で斬撃を防いだものの、
「オラァ!」
十咎ももこが高く飛び上がって大剣をピリカへ振り下ろしたがピリ
「出鱈目が過ぎるぞ、あんた!」
「
「全部、おまえたちのせいだろうがああ!」
そう言って十咎ももこは大剣をピリカへ投げた。。
しかしその大剣はピリカにあたることはなかった。ピリカはそのまま十咎ももこの動きを止めにかかる。
イペタムは剣先を十咎ももこに向けてそのまま前進し、
これは丁度環ういへカースシードが撃ち込まれたタイミングと同じ
避けようとしなかった十咎ももこに驚き、
十咎ももこは力強くピリカを押さえ込み、
「構わずやれ、かえでぇ!!!」
ピリカは後ろを向き、
「ウワァアァアアア!!」
秋野かえでは大きく大剣を振り上げ、
必死にピリカはもがいたが、いよいよ振りほどくことは叶わなかった。
十咎ももこの大剣は先端が出っ張っている鉈のような形をしていて
脊髄にまでダメージが入ったであろう一撃を受けたにも関わらず、
イペタムは十咎ももこの左肩を通って自由の身となった。
地面がピリカと十咎ももこの血で池が形成された状況の中、
十咎ももこは声を上げることなくドッペルが消えると同時に背中か
そんな光景を見て、
この声を聞いて初めて環ういが落下していく様子に夢中となってい
水波レナは7枚ほどの鏡を呼び出してそこから五月雨に槍がピリカ
ピリカは背中と口から血を流しながらも糸で操られた人形のように
1本もピリカへ槍が突き刺さらない中、
ピリカは踵の下敷きにはならなかったものの、
[2人とも、ごめんね]
そう頭にピリカの声が響いた。
「ピリカ!」
わたしがそう叫ぶといきなり空中の足場が不安定となり、
見滝原のメンバーは鹿目まどかを翼が出現している暁美ほむらが助
環いろはは自分のドッペルでパラシュートを広げたようにゆっくり
「このはさん?!」
「来るのが遅れてごめんなさい。下で葉月とあやめが待っているから状況を説明してもらえるかしら
「…はい」
地上ではポンベツカムイが悲しげな雄叫びを挙げながら粒子となっ
そして地上の魔法少女達は瓦礫から逃げるのに大忙しだった。
「みんな早く逃げて!」
逃げ遅れた魔法少女が数人いる中、
私とシオリは糸で落下速度を軽減させながら降りたので無事だった
「ポンベツカムイも消えて。ピリカ、まさか本当に」
信じられなかった。
今までに人としては死んでいたであろう場面でも魔力反応が途絶え
ここで、私はピリカという仲間を失ってしまったんだ。