このはさんに助けられて地へ足をつけた頃、
その2人の体には、返り血が目立つように付着していました。
「その姿は」
「ヒトがいたから斬っただけだよ。かこちゃんはかなり変わったね」
「変わってない魔法少女なんて、神浜にはもういないですよ」
「かこ、あの塔の上で何があったのか説明してくれない?」
「わかりました。でも、行きたい場所があるのでそこへ向かいながら話しましょう」
私はあやめちゃん達にワルプルガが復活したこと、
「争いが絶えないのは過去から積もった私念が原因。
「はっきりと口では言いませんでしたが、
「
話を聞く限り、彼女達の仲間になる気はないけど、
「かこはどうするの?」
「私は彼女達を償わせるだけです。いやでも生き続けてもらい、
「それは、ななかを殺されたからこその覚悟?」
「私はななかさん達が死んでしまう原因を作ってしまった。
カレンさん達を償わせることが、私の償いでもあるんです」
「そう…」
私たちが向かった場所は、
3人は魔法少女であることが幸いしたのか体の形は保たれていまし
「酷い有り様ね」
「3人ともにソウルジェムは無事のようですが、
「魔力反応が極端に薄い。それに、
ももこさん、あんたをそうさせるほどのものはなんだったんだ」
葉月さんがももこさんへそう囁くと、
私は驚きました。もう目を開かないと思っていたので。
私が少しだけ回復魔法を使用すると、
「よう、こんなザマのあたしに何の様だ」
「…さっき話したこと、聞いてたかい?」
ももこさんは苦しそうに一呼吸置いて話し始めました。
私は少しでも長く会話できるよう、ささやかな回復をももこさんへ行いました。
「あたしが黒いオーラを纏って暴れてる時にさ、
あれが最初に、あいつらをぶっ倒そうと思ったキッカケだった。
でもその次に調整屋の調子を狂わせにきたと聞いて、
その後何度挑んでも勝てない。
でももう引けなかったんだよ。
もうあいつらを殺す以外、
それで、今に至るのさ」
中央塔の近くで大きな爆発音が聞こえてきました。
歩いている途中でも聞こえていたので、
「ねえ、まだ殺すために戦いたいの?」
あやめちゃんがももこさんへそう尋ねました。
「疲れたよ。お願いだから、放っておいてくれ」
私は回復の手を止め、立ち上がりました。
「では、失礼します」
私がその場を去ると、
「かこ、これからどうするの?」
「カレンさん達の様子を見守ります。
殺されることはないと思いますが、
「仇を守るって、変わっているね」
「死ぬよりも生きるほうが辛いからこそですよ」
・・・!
いきなり頭が割れるように痛くなり、
そしてソウルジェムが急激に濁ってドッペルが発動しそうになりま
私はドッペルが発動する前に身に纏って意識を保ちましたが、
ドッペルは中央塔を向いたまま動かず、
一体何が起こったの?
何かの力で穢れを増大させられながら中央塔付近へ来ると、
頭が痛む中、私はカレンさんへ話しかけました。
「これはどういうことですか!」
「おっと、
「洗脳波形?これ以上何をしようと」
「人間性からの卒業をさせるのさ。
夏目かこ、あんたは既に卒業しているから見逃してあげるよ」
カチャリと音が左から聞こえたので振り向くと、
「いろはさん、まどかさん!武器をおろしてください!」
「聞かないさ。
「洗脳で私念を呼び起こしているとでもいうのですか」
「みんなまだまだ魔法少女とヒトの中間にいるような状態だ。
ちょっと脳みそいじって煽っただけでこれだけシオリ達に殺意が向
私念を根こそぎ潰さないとねぇ!」
シオリさんの周りに砂鉄が漂い始め、
塔の一番上部分が落ちて来て、
円錐形の部品はゆっくりと回転を始め、
その反対側にいるまどかさん達は弓矢へ負の感情を集めるようにチ
カレンさんは電波塔の方を振り向き、
移動した先には穢れが溢れ出て動けない魔法少女が数人いました。
そんな魔法少女達へカレンさんは糸を放ち、
射線上に他の魔法少女がいないことを確認すると、
この時、私は既に頭痛から解放されていたことを知りました。
[ここから離れろ。お前も巻き込まれるぞ]
[
お二人こそそこから離れてください]
[ここまでの段取りでわかるだろう?人間性からの卒業、
喜びと同時に後悔の思いが襲った時、
[そんな不確定な方法のために、死ぬ必要は]
[
[でも、それでも!]
シオリさんが操る電柱は電気エネルギーが高速で回転し、
対面のまどかさん達にはほむらさんが加わり、
「実験は成功だ。疑似的に一つの思念体となったこの事例は貴重!
私念の塊となったあんたたちにはわかるだろう?!」
双方のエネルギー量は凄まじく、
立ち続けることは可能な程度ですが、
「憎いだろう、殺したいだろう!
さああんた達、私念を吐き捨てて見せな!
だが、その先には後悔があることを知るが良いさ!
その矢を射るのは洗脳されたからじゃない。
洗脳が解かれているはずなのに穢れが晴れる様子はありません。
そんな中でシオリさんは死ぬかもしれないのに、笑っていました。
[夏目かこ、離れろ!]
[離れません!]
私はカレンさんを連れ去るために手を伸ばしますが、
[私たちの分も、魔法少女達を見守ってくれよ]
その言葉を聞いた頃、私は遠くまで飛ばされていました。
「ダメェェエエエエエエエ!!」
カレンさん達がいた左右には糸の壁が張られ、
「うい、起きて、うい!」
私は聞いたことがある声に反応して目を開けました。
目の前には灯花ちゃんとねむちゃんが見下ろしていました。
「よかった、目を覚ました!」
体を起こそうとすると何かが乗っかっている感じがしてお腹の部分
「聖女ワルプルガを奪おうという行いには驚いたよ。
あの混乱した中で、
何故かは、私にも分かりません。
「うん、わたしもあんな無茶ができちゃったことに驚いてる」
「まあ、ういが無事でよかったよ。
「うん、心配させちゃってごめんね」
話していると電波塔あたりから沢山の穢れが感じられました。
「なに、あれ」
しばらくしないうちに私達には頭に激痛が走り、
「だめ、意識が保てない」
私は再び気を失ってしまいました。
どれほど時間が経ったか分からない頃、
目を開けると正座をしたワルプルガさんが目を開けてこちらを見て
「ワルプルガ、さん?」
「お母さん、起きたの?」
え、もしかして私に言っているの?
試しに私に指を差しって問いかけてみました。
「私が?」
ワルプルガさんはペコリとうなづきました。
どうしよう、とても大変な誤解をされている。
灯花ちゃんとねむちゃんに意見を求めようと周りを見ると2人はド
「2人とも、どうしちゃったの」
ゴォオン!!
いきなり中央塔あたりから轟音と共に太陽くらいに明るい光が溢れ
塔から放たれた眩しい光は穢れが固められたような塊を押し返そう
穢れの塊は眩しい光線をどんどん飲み込んでいき、
穢れの塊は矢の形を保ったまま直進していき、
そのある場所というのは、
神浜の人たちが魔法少女に殺されている中、
そこへ穢れの塊が直撃したのです。
私には漂っていた穢れにのって里見メディカルセンターにいた人た
みんなを守っていた兵士さんからお医者さん、
私はその光景を見ていると胸の辺りで何かが弾けた感覚を覚えた後