【マギレコ二次創作】魔叙事詩カグラ・マギカ 2-4-7 立ちはだかる人間らしさ

二木市のグループは地下10階へつながる階段への直線通路に差し掛かっていた。

「気をつけろ、ここには異様に非常シャッターが多かった。

閉じ込められたらそこで終わりだろう」

「だったらさっさと作動させちまえばいいんだよ」

そう言って樹里が列の先頭まで走り、通路の先へ火炎放射を放った。

炎はまっすぐ進み、通路の半分行ったあたりでシールドが発生して通路内には警報が鳴ると共にアナウンスが流れた。

「異常量の魔力を検知、3秒後強制的に区画が区切られます」

「気が早すぎるんだよ!」

そう言ってヨーロッパの魔法少女が2人前へ走り込み、2人の二木市の魔法少女がつられて前に出た。

「なんで前に出る!シャッターから離れろ!」

十七夜がそう言うと皆シャッターが降りる場所から離れた。
その後すぐにシャッターが勢いよく降りた。その勢いは間に人がいれば簡単に潰されてしまうほどの勢いだった

魔法少女達は4区画に隔離されてしまい、先行した4人の後に3人の二木市の魔法少女達、次に結奈、樹里、ひかると1人の二木市の魔法少女達、十七夜とヨーロッパの魔法少女1人、残りの二木市の魔法少女達と分けられた。

先行したヨーロッパの魔法少女がシャッターを壊そうとハンマーを取り出してシャッターを殴ると、少しだけ歪んだ。

しかし一番引っかかったのは、魔法製の武器で殴ってもダメージが入ったことだった。

「アンチマギア製じゃないだと」

最後尾にいるヨーロッパの魔法少女は先頭へテレパシーを行おうとすると何故か返事がなかった。

「おかしい、前のやつから反応がない」

その反応を見て十七夜もテレパシーを試した。

[テレパシーが伝わらないだと?]

隣のヨーロッパの魔法少女へ伝えたはずなのになんの反応も見せなかった。

「セレシア、今テレパシーを送ったのだが何も聞こえなかったのか?」

十七夜からそう言われて初めてヨーロッパの魔法少女の1人であるセレシアはテレパシーが送られていたという事実を知った。

「え、何も聞こえなかった。そんな、どうなっているの」

先頭から次の区画に閉じ込められた魔法少女達はなんとか出ようとシャッターを攻撃していた。

そうしていると天井でカチッと言う音が鳴って煙が出てきた。それは見覚えがある紫色のものだった。

「そんな、無理だよ…」

結奈達のところではカチッという音の後に紫色の液体が天井の消化用放水機から噴出した。

ひかるが潜入用に持ち込んでいたレジャーシートを全員の頭にかけたことで全身にかかることはないものの、かけられるまで少し頭にあたり、足元は液状アンチマギアが溜まり始めていた。

「備えて靴は履いてきたけど、問題は部屋いっぱいになるまでこれが出続けるかね」

「このシャッター案外脆いし殴っていれば壊れそうなのによ」

「樹里さんダメですよ、アンチマギアがあたっちゃいます」

「止まるのを待つしかないわね」

先頭の方ではシールドが発生したあたりで横の壁が開き、そこから盾を持ったディアの顔をした存在が2人出てきた。

さらに後ろには6人のディアが現れた。

「同じ顔が8人?!」

「あの顔、結奈さん達が殺したはず!」

皆が驚いている中、無慈悲にも魔法少女達には充填された衝撃砲が4つ向けられた。

「そんな」

衝撃砲が放たれたと同時に粉上アンチマギアが展開された区画に続くシャッターが衝撃で壊されてしまった。

粉状アンチマギアが舞う中、衝撃砲充填中に魔法少女がいる場所へはガトリング砲が撃ち込まれた。

動くものが何もいなくなった中、衝撃砲が二つ発射され、結奈達を閉じ込めていたシャッターが破壊された。

シャッターが壊れた方を見ると結奈達は言葉を失った。

充填された衝撃砲が二つこっちを向いていて、床は液状アンチマギアと血肉が混ざり合い、前方にいたはずの魔法少女達が原型がないほどの肉になってしまっていた。

そして衝撃砲を向ける人物の姿を見て結奈には怒りが込み上げてきた。

「こんな偶然もあるんだね」

ディアがそう言うと2つの衝撃砲が放たれた。

衝撃砲には結奈以外の魔法少女が巻き込まれ、皆シャッターに叩きつけられて体から血が出た。

1人の魔法少女は衝撃でソウルジェムが壊れて即死してしまった。

ひかると樹里はかろうじて動けるものの激痛でスムーズには動けなかった。

「何故なの、何故またあなたなの!」

「好んで来たわけじゃなかったのかい?
でもこれが結果だよ、鬼の魔法少女」

 

ケンタッキー州では船護衛に動いていた魔法少女達がペンタゴンに向けて動き出していた。

そこをマッケンジー率いるサピエンス部隊が対抗していた。

その戦場でも異変が起きていた。

「おかしい、全然情報が入ってこない」

ミアラに問題があったとしてもテレパシーが全然通じないなんてあるのか?!」

ある場所でははぐれた魔法少女が泣きながら助けを求めていた。

「誰か答えて!

グリーフシードが足りないの!だれか!」

その声に応えたのはサピエンスの兵士で、無慈悲にもその魔法少女はライフルでソウルジェムを撃ち抜かれてしまった。

グリーフシード不足は他の場所でも起きていて、グリーフシードを分け合うためか魔法少女同士が集まる場面が増えた。

その様子はサピエンス本部でも確認できていた。

「無慈悲だが、人類に歯向かう方が悪いんだ」

そう言ってダリウス将軍は近くにあるマップに映し出された魔法少女の密集地をタップしてSGボムの起爆コードを押した。

グリーフシードの交換を行っていた魔法少女の中にソウルジェムが赤く光る魔法少女がいた。

「お前まさか!」

皆急いで周囲に散り、ソウルジェムが光った魔法少女は爆発してしまった。

気づかない集団もあったようで、爆発に巻き込まれた者や目の前で爆発する様を目撃してしまったものもいた。

いやああああああ!

そのせいで穢れが限界に達した魔法少女が魔女になってしまっていた。

マッケンジーは魔女が現れたことを確認すると近くの米軍へ依頼を出した。

「籠の鳥プログラムは変異の段階に入った。予定通り処理を優先で頼む」

「アルファ了解」

前線に残っていた米軍は魔女が発生した場所へ移動を開始し、その穴を埋めるようにサピエンス部隊が展開を開始した。

その様子を遠くからかこは見ていた。

テレパシーが使えないとピリカさんとコミュニケーションさえできないなんて」

「夏目!見つけたぞ!」

そう言って近づいてきたのは三重崎の魔法少女達だった。

「無事でしたか。でも全員ではないですね」

「そんなうまく集合はできないさ」

「トランシーバー持ってるし少しは離れてもやり取りできるよ!」

「なんで持ってるんですか」

「私たちはテレパシーに頼らない日々を送ってきたから。その結果だよ」

「ピリカってやつををカレンの場所へ連れて行く必要があるんだろ?手伝ってやるよ」

「それはありがたいのですが、どうして」

かこに返事をすることなく博は遠くにいる三重崎の魔法少女へトランシーバーで指示を出すと2つビルを挟んだ先でオレンジ色の信号弾が打ち上げられた。

「あれで少しは敵の思考を混乱できるだろうさ。

さて、私たちは足を手に入れるか」

「そう、ですね」

理由を聞く間がないまま、かこたちはペンタゴンへ向けて動き出した。

 

ロシアや中華民国、フランスでは魔法少女達がアンチマギア工場の内部まで入ることができていて、生産装置の破壊まで完了していた。

しかし外でサピエンス部隊が待ち構えている上に、テレパシーが使えない状態になってしまったことで内部から動けずにいた。

「ミアラの奴め、テレパシーが使えなくなるなんて聞いていない」

やっぱりテレパシーが使えないと周囲の情報を共有するのは難しいです。無理して出ようとしてやられた奴もいるって話です」

「これじゃはめられたみたいじゃないか」

外では戦車がアンチマギア工場に集まり、照準を工場に合わせていた。

「…撃て」

指示のままに各車両から砲弾やミサイルが工場へ向かい、工場は爆発に巻き込まれた。

その爆発は工場の機関部にも直撃し、工場は大爆発を起こした。

「目標に到達した。これより残党処理に移る」

他のアンチマギア工場でも同様の結果となった。

 

テレパシーが使えなくなった後の世界の映像を、カレン達は見せられている。カレン達はテレパシーを試したが、繋がることがなかった。

「テレパシーを封じるなんて、魔法だったとしても世界規模でなんてできるはずが」

「魔法少女の得意技はテレパシーによる意識や情報の共有だ。それさえなくなってしまえば身体能力が高い人間と変わりない
少しせこい手は使わせてもらったが、これでも君たち魔法少女達は抗うか?」

イザベラがそう言いながらカレンへ銃口を向けたところで、カレンが反論した

「人類は拒絶するものを生み出すのだけは得意なようだな」

「人類は知恵を得た時から拒絶が得意なことに変わりない。だからこそここまで個性豊かな個体が増えたと言えるが、愚かなのは事実だ。否定はしない」

「イザベラ、あんたは」

セシルがそういうとイザベラはなぜか銃を下ろした。

「さっさと私に手を出したらどうだ?それともテレパシーを使えずおじけづいたか?」

「言わせておけば!」

ニードルガンを持つ魔法少女はイザベラへ向けてニードルガンを放った。

 

研究室ではデコーダに繋がって別の装置が動いていた。

テレパシー遮断波はデコーダの助けを受けて問題なく世界中へ行き渡っています。

しかしインターネットとつなげたままにしていることが原因なのか、インターネット上で誤動作が多発中。インターネットが行き届いていない地域にはテレパシー遮断波の効果が出ていない状態となっています」

報告を受けたカルラは冷静だった。

「予定通りだ。大事なのはアンチマギア工場がある場所らしいからな。

神浜にあいつが侵入したと同時に止めることを忘れるな」

「でもやっぱりこれただの利敵ですよ。無事に人類が勝てば間違いなく」

「いいのさ、人類も多少は試す必要がある。人類が勝つことがあれば潔く殺されるさ」

「そ、そうですか」

「降りたい者は今からシェルターに入っておけ、気にしないものはそのままデータ収集と解析に努めろ」

「その、なんでシェルターに誘導するのですか」

「人類が追い詰められた結末はある程度見当がついている。お前たちなら理解できるだろう」

「まあ、降りる気ないから関係ないですけど」

その言葉を聞いて部屋の中の研究員たちは軽く笑い、その後すぐに画面へ向かってデーター収集を再開した。

「まったく、忠告はしたからな。
こんなはずじゃなかったなんて思ってくれるなよ」

 

イザベラのところではニードルガンを持つ魔法少女がイザベラに向けてニードルガンを乱射していた。

しかしそれは全てキアラに防がれてしまった。

「邪魔すんな!アバも見たままじゃなくて手伝えよ!」

「落ち着きなよ、怒ったってなんも変わんないって」

「我慢の限界なんだよ。

カレンもさっさとそいつ殺せよ!モニターの向こうで仲間が殺されてんだぞ!」

そう言いながらイザベラに向けてニードルガンを持つ魔法少女は走り出した。

「ミア!」

そう言ってアバはキアラとミアの間に割って入るように武器を向けた。

キアラが武器を構えるとイザベラが指示を出した。

「キアラ、stay。手出し無用だ」

ミアと呼ばれるニードルガンを持つ魔法少女はイザベラの左脇腹へニードルガンを突き刺そうとすると、イザベラは左の袖に隠していたナイフを持ってニードルガンを切った。

そのナイフはアンチマギア製であったためニードルガンは粉上になって跡形もなく消えてしまった。

ミアは左手で実体剣の直剣を持っていてそれでイザベラの首を切り落とそうと剣を振った。

それはイザベラが右手に持っていたサブマシンガンに付属している曲剣によって防がれてしまった。

そこからミアが力ずくで押し切ろうとしても何故か腕力で負けているのか押し返されてしまった。

その間、イザベラの左手は暇そうにナイフを袖に戻していた。

押し切られたミアは後ろにのけぞり、そこへイザベラはサブマシンガンを放った。

ミアは勢いにまかせてバク転で回避した。

イザベラが引き金を引き続けていると、サブマシンガンからは弾切れのカチッと言う音がして弾が出なくなった。

ミアは隙だと思い、走ってイザベラの腹へ直剣を差し込もうとした。

しかしイザベラはサブマシンガンを下ろそうとせず少し険しい顔をした。

「ミア迂闊だ!」

そう言ってアバがミアを急いで横から突き飛ばした。

その後すぐにイザベラが持つサブマシンガンから一発の弾丸が飛び出し、それがアバに命中してアバはそのまま倒れてしまった。

「アバ!」

「少しは利口な奴がいたようだね。弾切れを装ったことによく気づけたな」

そう言ってイザベラはアバに向けて4回引き金を引くとそれとともに単発で4発の弾丸がアバに命中した。

それらはアバの服にある宝石へ的確に命中しており、その一つがソウルジェムであったためアバはそのまま死んでしまった。

「き、貴様!」

ミアは怒り狂ってイザベラへ襲いかかった。

ミアやめろ、穢れの分配が間に合わない。

カレンはそう心の中で思ったがテレパシーが遮断されているためミアには届かなかった。

他の仲間達はキアラがいるため動けない状態となり、見つめることしかできなかった。

ミアの出鱈目な直剣の動きをイザベラは表情変えず回避しながら次々とミアの四股へサブマシンガンの弾を撃ち込んでいった。

ミアが走れない状態となった時、ミアのソウルジェムに穢れが満ちてミアを中心として部屋に衝撃が広がった。

皆が衝撃に争っている中、ミアのソウルジェムからはロングバスほどの大きさのあるムカデが出現した。

その後周囲は魔女の結界に包まれて使い魔として曲剣を足につけたトンボがたくさんイザベラへ飛んでいった。

「ただの魔女か。つまらない結果を見せやがって。

キアラ!すぐ処分だ」

「内心で結果はわかっていたくせに」

キアラは今まで持っていた刀を腰に刺し、背負っていた別の刀を抜いた。そして牽制していた魔法少女達へ背を向ける形で魔女へと迫った。

魔女は使い魔よりも早くイザベラへ突撃した。

イザベラは避けて弾倉を外すとそれを服の中へしまい、新たに二つの弾倉をサブマシンガンへ取り付けた。

その後カチッと音が鳴ってサブマシンガンは再度連射されるようになった。

群れで迫ってくる使い魔へはイザベラが対応して走り回る魔女へはキアラが対応していた。

キアラが魔女の前へ立ちはだかると、魔女は口についた牙をカチカチと鳴らしてキアラへと突進した。

キアラは横へ避けた後に尻尾部分を切り落とした。

尻尾部分は緑色の血を流しながら地面に落ちると、ニードルガンのような弾が撃ち出された。

その射線にいた魔法少女達は急いで結界内の障害物へ隠れ、放たれた弾は障害物や壁に刺さった。

魔女は怒り狂ってキアラへと突撃するだけだった。

「行動パターンは魔女になっても変わらないか」

そう言ってキアラは尻尾に近い胴体を一振りで切り落とした。

さらに体が短くなった魔女は逃げることなくキアラを追いかけ回した。

キアラは魔女の正面へ立ち、魔女の顔へ刀を振り下ろした。

刀は魔女の装甲を割っただけで肉には届かず、キアラは刀を持ったまま魔女の背中を転がるように移動した。

魔女がキアラを探す動きをしていると使い魔処理が終わったイザベラが魔女の頭へ銃を撃ち込んだ。

装甲がなくなっていたため銃弾はそのまま肉を貫いて尾の部分まで銃弾が貫通した。

連射されたことで体に穴ができた魔女は動きを止めてその場で倒れ、腐ったように体が崩れ落ちると結界が解除された。

出現したグリーフシードはキアラがすぐに刀で叩き切って壊してしまった。

その瞬間にキアラへはカレンが迫っていた。

カレンは糸を束ねた剣で戦いを挑んでいて、キアラが刀で糸を跳ね除けてもアンチマギアのようにすぐに形が崩れ落ちることがなかった。

アンチマギア製ほど切れ味がないことに気づいたキアラは少し焦り始め、刀を持ち替える隙をうかがった。

イザベラ側にはキアラに止められていた魔法少女達が迫り、人数の差をものともせず跳ね除けていた。

その中でキアラの様子がおかしいことに気づいた。

「まさか切れないのか」

ゆっくりと周囲を確認する暇はなく、ジーナがイザベラの動きを止めようと鞭を生きているかのように動かした。

「カレン以外が雑魚だと思うなよ」

「あんたあの時忠告してきたやつか」

「覚えていたか。今回はしっかり殺してやるよ」

キアラの方はカレンの攻撃を振り払うことができず、攻撃を受け流すことしかできなかった。

カレンはというと密かにキアラへ糸を伸ばして縛り上げようとしていたが、キアラの防具にアンチマギアが使用されており、さらには関節部分にはシールドが貼られる物のようで、魔法製の糸では傷をつけられないことに気づいた。

カレンは持ってきていた鉄パイプに持ち替え、キアラを殴打する方向へ切り替えた。

鉄パイプではキアラの腕を狙い、シオリの魔法で浮かんだ鉄パイプでは足を殴打した。

キアラは攻撃を受け止めると脱臼するしかないことを承知で左腕に刀を持って攻撃を受け止めた。

少しだけ体を浮かすことで刀1本で2本の鉄パイプを受け止め、衝撃で吹き飛ばされはしたものの体幹を崩すことなく着地した。

床を少しだけ後ろ方向へ滑った後に止まることはできたが左腕は少し痺れていた。

そんな中カレンは間髪入れず追撃を入れてきた。

キアラは右腕に刀を持ち替えてそれを床に突き刺した。

突き刺した場所はちょうどカレンとシオリが鉄パイプを振るった軌道上にあり、両方を刀が受け止めた。

それで刺さった刀はびくともしなかった。

キアラはやっと腰に差していたアンチマギア製の刀を抜く隙を手に入れ、右腕で抜いた後、目の前のカレンへ振り下ろした。

カレンはキアラの右腕側に回り込んだ。

キアラは勢いに任せて右側へ振り払おうとしたが、左側に回り込んでいたシオリの操る鉄パイプに気づいた時には手遅れだった。

鉄パイプは勢いよくキアラの左腕を殴った。

慣性までは防具で無効化できず、キアラの左腕はあっさり骨が折れてしまった。

挟み込まれてしまったことでキアラは後ろに下がることができず、痛みを紛らわすためにその場で深呼吸した。

床に刺さったままになってしまった刀はカレンが手に入れてしまった。

「こんな重たいものを振るっていたのか」

カレンがそう雑談を交えてもキアラが答えることはなかった。

「ピリカほどではないが、お前はどこまで耐えられる?」

そう言ってカレンはキアラへ奪ったドッペル向けの刀を向けた。

「どこまでも耐えてみせる。それがイザベラの従者となった私の意地だ!」

「したっけかかってこい。人間としての希望を輝かせて見せろ!」

 

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