環うい、里見灯花、柊ねむの3人によって黒いオーラを纏っていた
しかし、正気に戻ったところで目に光が宿っている魔法少女など、誰1人
「いやぁあああああああ!」
「お父さん、お母さん、返事してよ!」
「この子達を、私が、この手で」
正気に戻っても、
多くの魔法少女が嘆き、悲しんでいた。
しかし多くの魔法少女の心の奥まで刻まれたヒトへの負の感情は、ヒトを殺すことへの躊躇を薄め、その変化に違和感を与えていなかった。
私の持つ槍についた赤い液体。
どうやら私も、人を殺してしまったようね。
やってしまった後悔を抱くことなく、わたしは電波塔の頂上に目を向けた。
いろはやみんなをおかしくしてしまった日継カレン達を、
その考えが真っ先に頭に浮かんだ。
「他のみんなは」
周りを見渡すとダルそうなフェリシアを見つけた。
「やちよ、お、俺」
「フェリシア、大丈夫、ではないわよね」
「やちよ、ここにいた!」
鶴乃は二葉さんと一緒だった。
でも、二葉さんの様子は少しおかしかった。
「さなちゃん、
「そうですね。いろはさんも人を殺したがってたし、
口には出していないけれど、
人を殺してはいけない理由が、もう思い浮かばない私は二葉さんの発言に拒否反応を起こすことはなく、むしろ歓迎しようとしている気持ちがあった。
前から黒いオーラを纏った子は人殺しを躊躇しなくなるとは聞いて
「さて、みんな揃ったし、いろはを助けるために電波塔へ向かいましょ」
電波塔へ向かう道中には生きている人の姿がなかった。
ヒトであった肉塊自体も少なく、異臭といえば肉が焦げたような匂いしか漂っていなかった。
この騒動が治まった後は、この肉塊の処分方法も考えないといけないわね。
顔を上げると空は曇っていて、
果たして今は昼間になっているのか、それとも夜なのか。今どの時間帯に位置するのかも知ることができなかった。
もはやこの神浜は、魔女の結界と同じ状況なのかもしれない。
中央区へと足を踏み入れると、
「もう既に誰かが戦ってる?」
「でもあの首長竜、見たことあるぞ」
「ピリカさんの呼び出してたやつね。しばらく観察してみましょう。あの生物の情報が足りなすぎるわ」
私たちは瓦礫に隠れ、首長竜に立ち向かう魔法少女達を観察した。
大きな金棒を持った魔法少女が首長竜へ武器を叩きつけようとして
炎をいくら浴びても湯気が上がるばかりで首長竜の形が崩れること
魔法少女会議の際に独断行動を取ると言っていた二木市の魔法少女
「負傷した子はいったん下がりなさい!さくや、退避する子の援護をして」
「三女さん、あんた頭がキレるんだからなんか思いつかないのか」
「浮かんでたらとっくにやってるよ。こういうバトルなららんかの方が攻略法見出せるんじゃないの?」
「わかってたらとっくに倒せてるっての!」
「ええい!お前らどけろ!樹里様の超火力で蒸発させてやる」
二木市の魔法少女達が首長竜から離れて、樹里と呼ばれる魔法少女が首長竜を覆い隠すほどの炎を放った。
炎の中で首長竜はうごめき、大きな魔力反応を感じた頃には首長竜がいたところから大波が発生した。
その大波は二木市の魔法少女達を呑み込み、水圧に耐えられる魔法少女がいるわけもなく、みんな瓦礫に打ち付けられて倒れてしまった。
「やちよ、あの首長竜凍らせることはできないのかな」
「氷を扱える子に覚えはないわね。このあたりにも凍らせる方法はなさそうだし」
「じゃあ、あの首長竜は彼女達に任せて、
「そうやったらどうなるかも含めて静観しているのよ。
「おい、誰か来たぞ」
フェリシアの言葉を聞いて、戦場を再び見ると、
そんな彼女たちが塔を登ろうとすると、塔全体に電撃が走った。
そして声が聞こえた。
[視覚外から入ろうという小細工、我らの前では無意味と知れ]
その後欄とその仲間達には落雷が襲い、皆塔から離れていった。
「あら、ダメなのか」
「こうなったら上空から降りる以外方法が浮かばないわね」
「んあ?あの生き物ぶっ倒すって考えはないのかよ」
「倒し方がわかれば苦労しないわ。方法が浮かばないから倒さなくても塔の上へ行く方法を探しているんじゃない」
前方の状況にしか注目していない中、
振り向くとそこには手鏡を巨大化させて魔力のレーザー砲を撃とう
「いっけぇーーーーー!!」
放たれたレーザー砲は中央塔へ命中し、
しかしレーザー砲は鉄塊でできた障壁に阻まれて塔本体へは届かな
綾野梨花がいた場所へ首長竜の周りに現れた雷槍が飛んでいき、
中央塔は首長竜だけではなく、
「あの生物を倒せても、いくらでも防ぎようがあるってことね」
「打つ手なしかよ!」
そう、私たちにはできることがなかった。
いろは、あなたは塔の上でどういう状態になっているの?