【マギレコ二次創作】魔叙事詩カグラ・マギカ 1-4 血の理に添える不尽

とても長い長い悪夢が続いたかのようだった。

先輩がいなくなり、二木市をまとめようと動いたものの魔女は減り、多くの魔法少女が命を落とした血の惨劇が起きてしまった。

そんな中わかった神浜という存在。

私たちが命がけで生き残ろうという中、魔女をあっちこっちから集めては魔女化しないシステムを持っているということも知っている。

しかし、神浜の魔法少女は知らないだろう。二木市という場所を、そして、PROMISED BLOODという存在を。

私たちは数人の他の魔法少女を連れて計10人でキュゥべぇから神浜への最短ルートを聞き、二木市で待つ仲間達のために神浜への到着を急いだ。

本来ならば20人を超える大所帯となるはずだったのだけれども、今回の件は長期にわたって神浜に滞在することとなる。中には家族に心配させたくない、学業不振で今後のことを考えてと個々人の意思を尊重して無理な同行は避けるよう伝えた。

その結果、半数近くの子たちが二木市へ残ることとなった。グリーフシードの蓄えはあるし、少ないけれども魔女を定期的に狩っていれば3か月以上は大丈夫でしょう。

だからこそ、私たちは二木市で待っている彼女たちのためにも結果を持ち帰らないといけない。

早く神浜へ着くことを考え、夜間でも移動することが多かった。もちろん、皆の体調を考えながらだけれども、皆は了承してくれた。

そして今夜も夜間の移動を行っていた。

いつもと変わりなく、テレパシーで会話を展開しながら。

だからあのゲームは不意打ちが多くて樹里さまに合わないんだよ]

[そりゃそうだよ。あのゲームは死にながら不意打ちポイントを覚えていくスタイルなんだから]

[なんだよ白黒わかりやすいゲームじゃなくて真っ黒じゃないか!]

[でもやってる時はスカッとしたでしょ]

[後がもやるから嫌だね]

[次女さんはこだわりが強いね]

[全く、今夜も賑やかねぇ]

[そうっすね]

工場のような廃墟に差し掛かった頃、いつもの夜を壊すかのように、1人の少女が話しかけてきた。

「やあ、団体さんでどこへいくっていうんだい?」

少女の呼びかけに一度動きを止めはしたけれど聞かなかったことにして先を進もうとした。

しかし、いきなり魔力反応が強くなって進もうとした先に糸の壁が出現して行く手を阻んでしまった。

「無視とはひどいじゃないの。少しは話に付き合ってくれてもいいんじゃないの」

「どういうつもりなのぉ」

「そうだぞ、樹里さまの前に無断で立ちはだかるとはどういう肝を据えてんだ」

「そうだな、神浜の魔法少女、と言ったら少しはまともに聞いてくれるか」

この魔法少女は神浜のことを知っている。そして、神浜の魔法少女と言った。

私は彼女の話を聞かざるを得なくなった。

「あなた、神浜の魔法少女?」

「いや、あんたらと同じ神浜に向かう魔法少女だ」

「なら私たちは用はないわぁ」

「私にはあるんだ。神浜の魔法少女をぶっ飛ばそうとしているお前達、二木市の魔法少女を止めるためにね」

私は思わず驚いてしまった。二木市のことを知っていて、しかも私たちの行動目的の一部を知っている。どこから情報が漏れたというの。

「おい、その話誰から聞きやがった」

二木市の子たちがソワソワし始めていた。そう、私たちはかつてこのような状況を何度も味わった。誰が情報を漏らしたという探り合いを。

「そう内部でざわつくんじゃないよ。キュゥべぇから聞いたんだよ。血の気の多い魔法少女達だから気を付けろってね」

「あの白いの」

「でも、キュゥべぇが私たちのことをそんな風に思っているなんて」

「でもあなたはそれしか知らない。私たちの本当のことを知らずに、上辺だけの情報だけで判断して欲しくないわぁ」

私が話し終わるかの間際に私たちを中心として稲妻が走る広い結界が当たりを覆い尽くした。

「な、なに!」

「二木市。昔からテリトリー争いが絶えないごく普通の街だが、ある日を境にキュゥべぇが街中から追い出され、魔女を求める血の惨劇が発生した。次々と魔法少女と魔女の数が減っていく中、ある情報をきっかけに竜ヶ崎、虎屋町、蛇の宮のリーダー達と1人の従者が契を交わした。
その行動目的は神浜の魔法少女へ同じ苦しみを味合わせると同時に魔女化しないシステムを奪って二木市に持ち帰ること」

そう語りながら私の行方を阻んだ魔法少女の後ろから2人の魔法少女が現れた。

二木市のことを詳しく話した小さな魔法少女からは大きな魔力を感じられた。

「よく知ってるわねぇ。それならわかるはずよ。私たちがどれほど苦しんできたかも、神浜の魔法少女へ抱く感情も」

「確かに縄張りの魔女が減った原因は神浜の出来事かもしれない。だがそこまでの軌跡にはお前達が招いた結果という事実がある」

「なにを言っている」

二木市からキュゥべぇを追い出すなんて愚行を犯した時点でお前達の惨劇は決まったものだと言っているんだ。魔女の元となる魔法少女を生み出す存在を追い出せば自然と魔法少女の数が減る。そんな中で魔法少女を殺し合っていたら魔女が減るデフレスパイラルになるに決まってる」

「自業自得だと、そう言いたいのねぇ、あなたは」

「そうさ。それに律儀にグリーフシードは孵化させていなかったとみる。孵化させときゃ少しは飢えもしのげただろうにさ」

「二木市の人たちを餌にしろっていうの!」

「ふ、神浜の魔法少女をぶっ飛ばそうとしているのにその発想が出るとは思わなかったよ。これじゃ邪悪しかない侵略者だね」

ずっと黙って聞いていたけど我慢ならなかった。私たちの歩みを、痛みを自業自得と言う言葉で片付けたことを。

「私たちのことを愚弄したわねぇ。それだけのことを言われてしまったら、神浜の魔法少女ではなくても容赦しないわ」

「あら、怒っちゃったか。話だけで済めばいいと思ったんだけど」

「ただ煽ってるようにしか聞こえなかったんだけど」

「事実を伝えただけさ」

三人の魔法少女達に見覚えのある火力の高い炎が広がった。相手はかわしたけれど、彼女達がいた場所は火の海となっていた。

「やろうってんなら早く始めようぜ。樹里さま達を怒らせたからにはベリーウェルダンじゃ済まないぞ」

「そうか、なら始めようか」

1人の魔法少女が両手を振り上げると私たちの集団は3カ所に分断されてしまった。しかしその分断は偏っていて、私と三女が孤立して他のみんなは中心に残った状態となっていた。

「さあ、一本角の魔法少女さん、シオリが相手してあげる」

小柄の魔法少女が私の前に立っていた。周囲に展開された結界を形成したのは間違いなく目の前の魔法少女

行使する魔力の強さは間違いなく相手が上。それでも、仲間達のためなら。

「いいわぁ。私たちの歩みを妨げたこと、後悔しなさい」

他の場所でもそれぞれ戦いが始まろうとしていた。

「戦力を分断するかと思ったが、長女と三女、らんかが外にはじき出されたくらいか。分断は失敗したようだな」

「なに、想像通りの思惑さ。まとめてかかってこい」

「次女さん、私たちが先駆けます」

二木市の魔法少女達が1人、また1人と糸を使う魔法少女へ攻撃を加えるが、あっさりと防がれ、躱されている。

「ひかるは長女のもとへ迎え!その方がお前も戦いやすいだろ」

「恩にきるっす!」

ひかるは糸の壁を切り裂いて私の元へ向かおうとしたみたいだけど猛攻を受けているにもかかわらず糸を使う魔法少女はいとも簡単に遮ってしまった。

「そっちは場外だ。大人しく中心地で闘ってもらうよ」

中心地は激しい戦いが行われている中、三女の方は静かだった。やられたというわけではないけど、戦っているという様子もなかった。

「あなたはあまり戦いたくないという表情をしていますね」

「できれば戦うことなく先に進みたかったんだよねぇ。次女さんが仕掛けちゃったから仕方がないけど」

「実は私もあなた達とは話し合いで終わればなと思っていました。このままわたしの話に付き合っていただければ、刃を抜くことはしません」

「それでも、私はPROMISED BLOODの三女。ただ黙って見ているわけにはいかないんだよ」

三女は武器を手に取り、攻撃姿勢に入った。

「そうですか。したっけ、足止めさせてもらいます。アペ、刃となって!」

それぞれ三カ所で戦いが始まり、動きが激しいのはやはり中心地だった。

「お前達下がれ!」

次女の呼びかけを聞き、二木市の魔法少女達は下り、糸の魔法少女がいる場所は火の海となった。

そんな火の海の中、立ち続ける魔法少女の姿があった。

「おかしいな、加減はしなかったはずなんだがな」

「いい炎ではある。だけど世界は広い。お前以上に燃え盛る炎はいくらでもあるさ」

そう言って糸を束ねて辺りをなぎ払うと一瞬で炎は消えてしまった

「なんてやつだ」

「こうなったらひかるが切り開くっす」

ひかるはサーベルを持った手を高々と挙げるとどこからともなくサーベルを持った無数の集団が現れた。

「さあひかる軍団!目の前の敵を倒すっすよ!ゆけ!」

ひかるの号令を合図にひかる軍団と呼ばれる集団は糸の魔法少女へ襲いかかった。

しかし、糸の魔法少女を取り囲んだところでひかる軍団の歩みが止まってしまった。

他の二木市の魔法少女達は戸惑っていた。

「どうしたんすかみんな!早く攻撃するっすよ」

「面白い攻撃だ、魔力で生成する軍勢というのは。だが所詮は魔力で動く人形だ」

ひかる軍団は向きを変え、刃をひかる達へと向けた。

そして悪そうな顔でにやけている糸の魔法少女は手を前に出して攻撃の合図を出すとひかる軍団は二木市の魔法少女達を襲い始めた。

二木市の魔法少女の悲鳴が響く中、ひかるが必死に指示を出すものの、召喚者へ反応する軍勢はいなかった。

そしてついに軍勢は私にも襲いかかってきた。その瞬間のひかるの顔には煌めきなどなかった。

そんな暴走した軍勢にはチラチラと糸のようなものが見えた。

軍勢に襲われた二木市の魔法少女達はほとんどが切り傷をつけて倒れていたものの、ソウルジェムは無事だった。立っていたのは三姉妹とひかる、そして三女の方にいたらんかくらいだった。

そして軍勢は召喚主へ一斉に襲いかかり、召喚主が気絶すると同時に消えて行った。

「なんでこっちにだけ来なかったの」

「それはカレンのお節介ですよ。こちらはこちらで、お話ししているだけでしたからね」

「なにやってんだよ三女さんは!」

「らんか」

三女の方にいたらんかは三女に加勢はしていたものの、全く歯が立っていなかった。

「あなたも静かにしていただければ、変に傷つくこともないのに」

「はっぱかけたのはそっちだろ!」

らんかは炎の剣を持つ魔法少女へ立ち向かって入るものの、攻撃の数々を弾かれてしまっていた。

「あなたは血の気が多い方へ行った方がいいですね。カンナ!貫くよ」

炎の剣を持つ魔法少女は雷で形成された槍を呼び出すとらんかへ何度も突き攻撃を行い、薙ぎ払った勢いでらんかは中心の戦闘区画へ飛ばされてしまった。

らんかが攻撃を加えてから目の前の魔法少女がらんかを吹き飛ばしてしまったのは一瞬の出来事だった。

三女と戦っていた彼女は決して本気ではなかった。

「さあ、お話を続けましょう」

三女の方では戦闘は行うもののお互いに何かを話し合っていた。その会話内容は私たちの戦闘音で聞こえなどしなかった。

小さな魔法少女は私の一撃一撃を受け止めては平気な顔をしていた

「随分と固いわねぇ」

「固くはないよ。衝撃を吸収してるだけだよ」

小さな魔法少女が私に向かって周囲の瓦礫を浮かばせてぶつけてきたけれど、そのぶつける対象は彼女の味方である糸の魔法少女へと変わった。

「おーい、こっちに巻き込みかけるんじゃないよ」

「奪った軍団ぶつけてきたくせによく言えるわね」

相手のやりとりは楽しそうに行われていた。私たちは必死だというのに、戦いの場だというのに平気に笑顔を見せられる余裕は戦い慣れていないと行えないこと。

「さて、対象変換とは使いづらい能力を持っているようだね。そういうのは対応しやすい」

そう言うと、小さな魔法少女を再び周囲の瓦礫やスクラップを浮かばせるとどこを狙うでもなく私の周囲へ投げ飛ばしてきた。私は武器で振り払ったものの、スクラップの破片などが体の各部へ切り傷をつけていった。

「点で変えられるなら面でやれば対象もなにもない。相手が悪かったね」

「やられる前に潰すまでよ」

悔しいけれど、私は相手の弱点を見抜けにいた。雷の力というのは確かだけれど、避雷針なんてものが役に立たないような使い方をしていて対処のしようがない。

他と協力できればいいんだけど、みんな目の前の敵で精一杯でそれどころではない。

衝撃吸収とは言っていたけれど、あれは周囲に貼られた結界と同種のもの。ならば最悪は、ソウルジェムが濁りきるよう、負担をかけ続けるしかない。

「二木市の魔法少女のリーダーさん、あなたなんでキュゥべぇを追い出すなんていう暴挙に出たの。魔法少女の真実を知ったらキュゥべぇへ八つ当たりしたって何も生まなかっただろうに」

「それならあなた達の方が不思議だわぁ。人ではない状態にされて、なおかつ戦う魔女がかつて魔法少女だった存在だと知った時、最初から教えてくれなかったあいつを恨まないなんて」

「悪いけど私は知ったところでどうとも思わなかったね。願いが叶ったこと、それで十分だと思っただけ」

「あなたは自分のことしか考えていないのね。大切な仲間が目の前で魔女になった瞬間なんて、目にしたらすぐ考えが変わるわよぉ」

「そう、どうやらあなたには八つ当たり癖があるようね。とりあえず根本だけを見て、そこから丸ごと刈り取ろうとする。根元を刈り取ればその木は朽ちていくしかないと、そう考えないのかしら」

「なにを言われようと変わらない。私たちの街を苦しみに追いやった神浜へ想いをぶつけなければ私たちは仲間達の悲鳴を鎮めることができない。だから、道を開けなさい!」

 

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【マギレコ二次創作】魔叙事詩カグラ・マギカ 1-2 頼れる白い情報屋

神浜は新興都市というだけあり、高層ビルや奇妙な形状の建物が多い。

また、その代償なのかそれともワルプルギスの夜が到来した影響なのか建設途中であったり、人気がなかったりという場所も多いことがわかった。

私たちは3カ所ほど拠点として利用できそうな廃墟を確保し、そのうちの一カ所に眠り続ける緑髪の少女を保護した。

「さて、早速計画がダメになっちゃったけど今後はどうしようか」

「なに、ワルプルギスの夜なんてやろうと思えば再現することなんていくらでもできるさ。方法は別の話だけどね」

「わたしとしてはあまり気が進まない方法なんだけど」

「なら、少しこの街を知るための調査を行わない?ワルプルギスの夜を倒した魔法少女、興味があるんだよねぇ」

「シオリ、喧嘩を売るとか考えないでよ」

「相手の気分によるさ」

「自分の気分を抑えて欲しいんだけどね」

「私は神浜中を回ってみるけど、シオリとピリカはどうする?」

話し合いの結果、シオリと私は神浜の調査、ピリカは見滝原へ向かうことになった。

一先ずの活動内容は決まったけど、問題は見つけた緑髪の魔法少女についてだった。

「この子どうしようか、せっかくだし知ってる人がいないか聞き込みしてみる?」

「イタズラに探るのはやめておこう。この子のテリトリーで敵対する相手に話しちゃったらそれはそれで面倒だし」

ピリカはしばらく緑髪の魔法少女を見つめていた。

「ねえ、変わりばんこでこの子のそばについててあげようよ。誰もいない時に見つかって死体扱いされたり、魔女化したりしちゃったら保護した意味ないでしょ?」

「シオリが初日は見守っててあげる。2人は情報収集とグリーフシードをよろしくね」

「シオリ、イタズラしちゃダメだよ」

「同性愛の趣味はないんだけど」

「なんでそっち方向に捉えたの?!」

廃墟の中で響く笑い声。いつもなら周囲を警戒して躊躇するところだが、珍しく人気が全くない場所であるため思い切って感情を表に出せる。3人揃って笑い合うのも久々ではないだろうか。

「それより私は布団が欲しい。ふかふかな中で眠りたいよ」

「まだ睡眠なんてことしてたの?魔法少女なんだから必要ないでしょ?」

「わたしは眠りたいの!布団で横になっている時が一番ゆっくりできるんだから」

「こういう街だと、買わなきゃ手に入らないと思うよ」

「む、したっけ災害にあった建物から調達するもん」

ピリカはムッとして廃墟の2階へいってしまった。ピリカは極度に金銭を使いたがらない。というのも、彼女の過去に関係があることが原因なんだけどね。

「全く、ピリカのお人好しはいつまでも治らないね」

「いいじゃない、同じくらい絶望しても私たちが捨てたものを持ち続けている。私たちよりは強い子だよ」

「人間らしい振る舞いが、果たして強いと言えるのかな」

価値観が全く違う私たちがここまでこれたのも、共通の最終目的があるから。そして一緒に人の嫌なところを見てきたから。

成長途中の街というのは格差が生まれがち。この街の人々も大きな闇を生み出している気しかしなかった。

「さて、シオリはちょっと外の見回りでも行ってこようかな」

「休める時くらい休めばいいのに」

「カレンは知ってるでしょ?シオリが寝られないことくらいはさ」

シオリは魔法少女になってから一睡もできなくなったらしい。本人自身、何度か寝ようと試みたものの、結局は寝られずに朝を迎えてしまったという。

そしてシオリは、その頃から人間であるという考えを失い始めたという。

2人ともどこかへ行ってしまったので私は緑髪の魔法少女のそばで休むことにした。

 

シオリたちは神浜という街について知らなさすぎる。

シオリの考えるところではどうもこの街は魔力の濃度が濃すぎる気がする。

まあ、魔力といえばその専門家について聞けばいいよねということでキュゥべぇを探していたんだけど、一向に姿を見せない。

「あいつ何個体もいるくせに姿見せないはずがないんだけどなぁ」

そう呟いていると神浜から少し離れた場所でようやくキュゥべぇと会うことができた。

応答しなかった理由を聞くと、そもそも呼びかけ自体が今いる地点で呼びかけていなければ一度も通じていなかったらしい。

「君には伝えていなかったけど、この神浜にはマギウスが仕掛けた結界のせいでボクたちは神浜に干渉できない状態なんだ」

「マギウス?」

マギウス

神浜に存在した魔法少女組織のトップのことであり、神浜へワルプルギスの夜が現れたのはマギウスの仕業とのこと。

そのマギウスがこの神浜へやらかした重要なことがあった。

「魔法少女が魔女化しないシステム、そんなものをマギウスが作り上げたっていうの?」

「ボクは神浜の魔法少女に聞いただけだけれども、ドッペルという現象を見た際に存在は疑わなくなったよ」

ドッペルというのは、魔女化するはずの魔法少女から出現するものらしく、これを出した魔法少女のソウルジェムは浄化された状態になるという。こんなデタラメがこの街にあるとは。

「そんな魔法少女なら誰でも飛びつきそうな情報、もちろん、持ち前の営業力を使っていろんな魔法少女に言いふらしてるんでしょ」

「営業という例え方はよく分からないけど、確かにこの国の魔法少女たちへ伝えてはいるよ。その方が、魔女化しないシステムについて知るいい手段になるだろうからね」

「ところで、魔女化しないシステムについてどう伝えて回ったの?

ボクは魔女化しないシステムについては手に取れる存在だと思っている。干渉し、観測が可能であれば制御ができる。この考えについては聖遺物を扱ってきた君たちの方がよく理解しているんじゃないかな?」

「なかなか誤解を生む伝え方をしてくれるじゃないの。持ち出せるかも定かではないのに」

「ボクは考えと事実を伝えただけさ。それをどう解釈するかは君たち人間次第だよ」

「シオリたちは、魔法少女だよ」

キュゥべぇと会話して神浜について大方理解ができた。

そして、外部から大勢の魔法少女たちが移動してきているということもわかった。

神浜での不毛な混乱は避けるために、まずは外へ目を向ける必要がある。

中には血の気の多い集団もいるらしく、そいつらの来る方向はキュゥべぇから聞き出しているのでまずはその対応が必要だろう。

そしてもう一つ気になることをキュゥべぇに聞いていた。

「神浜にあふれる魔力?ボクが干渉できたのは数日だから正確な回答は返せないんだけど、その魔力とやらは魔女化しないシステムとか神浜に貼られている結界が影響しているんじゃないかな」

キュゥべぇによると、キュゥべぇを出禁状態にしている結界は魔力を閉じ込める性質もあると考えているらしく、その結界がある限り神浜には濃度の高い魔力が漂い続けるだろうとの見解。

この情報は好機だった。既に存在している魔女化しないシステム。そしてそれを世界中に広げればいいという単純な考え。

これを実現するためにはもっと神浜を、神浜の魔法少女を知らないといけないと分かった。

「ありがとう、キュゥべぇ。おかげで今後の方針が明確になったよ」

「本当かい?ならばボクからもお願いがあるんだ」

「お願い?」

「魔女化しないシステムについて何かわかったら、ボクたちにも教えて欲しい。きっと君たちのためにもなるはずだよ」

「いいよ、すべてがわかったら教えてあげる」

キュゥべぇとの情報交換を終え、特になにもなく拠点へ戻るころには朝日が登っていた。

緑髪の魔法少女を見守っていたカレンには大雑把に夜にあったことを伝え、ピリカが降りてきた後、具体的にキュゥべぇと会話した内容を伝えた。

「もう既に魔女化しない仕組みが出来上がっているなんて」

「しかしそうなると血の気が多い集団とやらが気になるね」

血の気の多い集団というのは2グループに分かれるという。

まずはかつてこの都市で大暴れしたマギウスにつき従えていたマギウスの翼の残党である集団。なにやら最近は何処かに集まって何かを企てているらしく、行動動機によっては無力化する必要がある。

もう一つのグループは二木市という街から来る神浜絶対許さないを掲げる魔法少女たち。なにやら神浜に魔女をとられたせいで魔女不足になってひどい目にあったというが、その経緯を聞くとかなり無理がある考え方だった。

「ならばその血の気の多い奴らを鎮めに行こう。そのまま放っておくと今後の私たちの障害になるかもしれないし」

「二木市の魔法少女たち、テリトリー争いが激しかったらしいから、一番被害をもたらしそう」

「神浜の魔法少女を殺す勢いらしいからね。マギウスの翼とやらよりはよっぽど危険だろうね」

「んじゃ、決まりね」

神浜の魔法少女について調べる予定だったが、二木市から来る魔法少女の対策を行うことから始まった。

しばらく拠点を離れることになるため、緑髪の魔法少女がいる場所にだけは無意識化の結界を張っておいた。この結界はシオリが意識の遮断について調べた結果、人払いの魔法に拡散する魔力を上乗せすることで魔力反応を検知できないようにできたことから生み出した結界。

なんか神浜にいれば魔女化はしないらしいので放っておくことにした。ドッペルとやらで拠点が壊れていなければいいんだけど。

 

 

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【マギレコ二次創作】魔叙事詩カグラ・マギカ 1-3 触れるは代償ありきこと

二木市という場所は神浜から遠い場所にある町で、到着には時間がかかるらしい。しかし、キュゥべぇの奴が最短ルートを教えたらしく、地図で予測するよりは早めに到着する可能性があるという。

それなりの大所帯で動いているらしく、足並みをそろえるとなると案外地図から割り出した通りの期間で到達するのかもしれない。

なんて考えるならば、最短ルートで通らざるを得ないルートを張るのが手っ取り早い。

そのルートとなる場所へ到達した頃、淫靡な姿をした魔法少女に会った。黒肌の魔法少女と話すと妙な力を使えるという。

「魔力を調整できる調整屋、か」

「せや、うちは戦うことができんくても魔法少女たちの魔力を調整するっちゅう力を使ってサポートしてるんや」

「その調整っていうのをやるとどうなるの?」

「普段は使えていない魔力を効率よく使えるようになるんや。動きも良くなるし、おまけに感も鋭くなるっちゅういいことだらけや」

「その対価ってものも、勿論あるんだろ?」

「勿論や。報酬として、グリーフシードを要求させてもらうわ。言ったやろ?うちは戦えんって」

「なら、試しにシオリのソウルジェムを調整してよ。ちょっと興味あるからさ」

「ええよ、んじゃ、建物の中に入りいや」

調整屋という魔法少女に建物の中とは言われても、辺りにあった空き家のうちの一か所であり、つい昨日まで誰かが住んでいた痕跡があった。

「あの、この建物って家主がいるんじゃ」

「心配せんでええよ、なんせここの家族は昨日魔女に喰われたんやから」

ここら一帯を暴れ回った魔女がいるらしく、運悪く見つける魔法少女がいなかったため、みんな犠牲になってしまったという。

「だとすると、警察が動かないのは結構な怠慢ね」

「さ、そこのソファーに寝転がって。勿論、上半身裸になってな」

「裸に!?」

周りが少し静かになった。

「ピリカ、ジョークだよ」

「んんん」

「あらあら、茹で蛸みたいになってかわええな。でも、ジョークを真に受けてはあかんで。ま、うちとしては脱いでもらってもええけど」

「いいからはじめて頂戴」

「そしたら、落ち着いて深呼吸や」

そう言いながら調整屋はゆっくりとシオリのソウルジェムを触った

触った瞬間、シオリのソウルジェムから紫色の閃光が走り、調整屋は頭を抱えて苦しんでいた。

「なんや、頭に流れ込むこの情報量は」

あんたに流れるはずの記憶とやらに大量の情報を載せてやったんだよ。調整するとか言いながらシオリの記憶へ土足で踏み込むとはいい度胸ね!」

「シオリ!落ち着いて」

「す、すまんかったな記憶を見てしまうってとこを説明し忘れて」

「そうだな、人の記憶を見てしまうってのは私たちにとってはよろしくない。
でも、それ以上に、魔法少女の潜在能力を出すために魔力を掻き回すっていうのは、もっとよろしくない!」

カレンは糸で調整屋を外へ叩き出し、足を思いっきり貫いた。悶え苦しむ調整屋を前にピリカが止めに入った。

「ちょっと2人ともなにやってるの!そこまでやる必要ないじゃない」

「いや、こいつの能力は神浜へ大きな禍をもたらす種だ。こいつの調整が二木市の魔法少女や、血の気の多い奴らへ渡ったら神浜は混乱して計画どころじゃなくなる」

「なに、するんや」

「選ばせてやる。ソウルジェムだけ残されるのと、ソウルジェムだけ砕かれるのどちらがいい」

「どちらもゴメンや。あんたらみたいな超過激な魔法少女を見るのは初めてや」

「そうか、ならば第三の選択肢にするしかないな」

苦しそうな調整屋のソウルジェムを探し、その魂の結晶に対してシオリは指を伸ばした。

「お前がやっている調整とやらを試させてもらうよ」

調整屋のソウルジェムに触れるとソウルジェムの内部は火花が散るように光の粒子が激しく走り始めた。それと同時に調整屋は獣のように叫び声を上げながらのけぞっていたが、シオリは調整の方法を探るのに夢中だった。

なかなか相手のソウルジェムに溶け込むっていうのは難しいねぇ。しかし手元の魔力を変えて相手の魔力パターンに合わせてみたらどうなるかな」

溶け込むというのは願いによって得られる性質によるものだと予想はしていた。溶け込むという表現をどのように再現するのか試行錯誤し、自分の魔力を少しだけ相手も魔力に馴染ませてみるとノイズだらけではあるが、記憶のようなものが映し出され始めた。

映し出されたものはなにがどうなっているか全く分からなかったがかろうじて声はなにを伝えようとしているのかわかるくらいだった

「これは何人か使って試すしかないね」

「シオリ!」

ピリカの大声で我に帰ったシオリは調整屋のソウルジェムから指を離した。その一瞬でカレンは調整屋のソウルジェムを糸で貫いていた。

「シオリ、そこまでだ」

調整屋は糸が切れた人形のように横たわっていたが、見た目は口から泡を吹き出していたりとひどい見た目だった。

ピリカの方を見ると、手元で魔法を発動しそうなところを抑えていた。

そして魔力を治めるとその場に座り込んで泣き出してしまった。

「ピリカ、よく我慢したな」

「なにがあったの」

「話は後だ。わたしはピリカを空家で休めてくる。シオリはその死体の処理をお願い」

なにがあったのか分からないままシオリは死体へ雷をいくつも当てて燃やした。人っ気がない住宅街だ。死体が一つ燃えようとこの異臭に気づく人間はいないだろう。

「それにしても人気がなさすぎるね」

ゴーストタウンとなった住宅街から少し離れて大通りへ出てみると2台ほどのパトカーとバイクが止まっていた。どちらもパトランプが消えていてエンジンも止まっていた。

妙だな。

ゴーストタウンへ戻るとカレンが空き家の前に立っていた。

「ピリカになにがあったのさ」

「シオリ、用量ってのは少しわきまえて行った方がいい。何かに夢中になるとやりすぎるのは既に知っているが、今回は酷かったぞ」

「あれぐらいのこと今までもやってきたでしょ。聖遺物を体内に潜めているやつから抜き出そうとしたときだってあれぐらいの叫びはあげていた。ピリカだって何度も立ち会ったはずだ」

「違うんだ、そうじゃない。今回やばかったのは調整を受けていた調整屋の見た目がピリカのトラウマに引っ掛かったんだよ」

少しピリカの過去を思い起こしてみるが、そもそも調整屋の状態がどんな感じだったのか全く記憶になかった

「調整を受けていた調整屋は絶頂を繰り返すかのように仰け反り、喘ぎ続けていた。ここまで伝えればもういいだろ」

ピリカは過去に凌辱され、何人も同じ目にあってきた子たちに囲まれていた時期があった。本人の中で最も人間嫌いを加速させた時期であり、ソウルジェムの奥底まで刻まれた光景であり、それゆえにトラウマになっているという。

「そう、そんな感じだったの」

「ソウルジェムが穢れるスピードも急激に早まった。普段は実験を邪魔にしないように手を出さないつもりだったが、ピリカの辛そうな顔を見ていると耐えられなかった」

「悪かったよ。ピリカが起きたら謝っとく」

「そうしてくれると助かるよ」

しばらくの沈黙が訪れて、なんの音も聞こえやしなかった。

「それにしても、調整とやらを一瞬で物にするのは流石だね」

「当たり前でしょ、シオリは一度干渉できれば利用できるまで一直線なんだから。ただ、何人か試さないと記憶を覗くってのは難しいかもね」

「記憶を探ることができれば、神浜のことを理解するスピードも早まる。ピリカには隠して、何人か被検体を集めることは協力するよ」

「でもやっぱいいや。こんな気色悪い技、使う気にもなれないよ」

「そうか、それは残念だ」

この夜の間にシオリとピリカは神浜にある魔女化しないシステムの広げ方を話し合った。

得体のしれない力を行使するためには観測、解析、干渉という三段階を経る必要がある。この考えはキュゥべぇたちの思考から学んだことであり、観測というのはとても大事なことになる。

もし観測対象が概念だった場合、ほぼ不可能に近い。

しかし、概念のあり方を変える方法を私たちは知っている。それを叶える環境が神浜にはある。

「カレンはピリカに対して甘々だよね。ちょっと過保護に近いんじゃない?」

「ピリカは強いんだよ。どれだけ人や魔法少女がモノや液体状になろうと、心を捨てずにあり続けている。私たちはとっくに捨ててるけどね」

「まあ、ピリカの考えは尊重するよ。ピリカの優しさには助けられたことが何度もあるからね」

カレンとの話し声しか聞こえなかったゴーストタウンへ手を叩くような音が聞こえ始めた。

「ピリカを起こしてきて。ゴーストタウンの主が現れそうだ」

ピリカが起きてきてシオリたちは魔女の襲来に備えていた。

「魔女が近くにいるって。でも、ソウルジェムに反応はなかったよ」

反応を隠す魔女なんてこれまでにいくらでも出会ってきたじゃないか。まあ、向こうが行動を起こしてくれないとこの手の魔女を倒すのは難しいけどね」

「魔女がいるっていつから」

「ちょっと外側を見てまわったらさ、放置されたパトカーが数台あったんだ。警察はこの事態に駆けつけてはいた。でもその消息が途絶えて援軍も来なくなってしまった」

魔女へ一般人が争うことができないのは世の常。よほど戦闘慣れした人間でなければあっという間に餌食になってしまう。弱いったらありゃしないね。

「魔女達に動きがあったのはあれが原因だろうね」

燃やした死体へ台座に乗っかった球体が針を通して死体の体液を吸い上げるために群がっていた。

「あれって」

「さあ、親玉の場所まで連れて行ってもらおうじゃないか」

しばらく使い魔の様子を見つめていると死体を持って何処かへ向かい始めた。

後を追っているとゴーストタウンの中心地で魔女の結界の入り口を発見することができた。

「巣に持ち帰ってじっくり味わうのはアリとそっくりね」

「大抵の使い魔に当てはまるからわかりやすいさ」

結界に入ると珍しく階層が存在せず、そのまま魔女がいる最深部にたどり着いていた。

最深部の光景を目にし、ピリカはひどく怯えていた。

宙からは布のようなモノで縛り上げられた数十体の人だったものへ使い魔が群がり、地面には体液を吸われ尽くされた干からびたミイラが何体も横たわっていた。

使い魔の中にはミイラの頭をもぎ取って石を蹴るように遊んでいるものもいた。

「まさかこれ、全員この住宅街にいた人たち」

「案の定警官っぽいのもいくつか見受けられるね」

「いい趣味してるよ、ここの魔女は」

いくつもの魔女空間の中でもドン引きするくらいの光景を見ている中、使い魔達はシオリ達を見つけると群がってきた。

「ピリカ、動けるか」

「大丈夫、わたしだっていつまでも足手まといは嫌だもの」

使い魔達はシオリ達を取り囲むと台座の部品を打ち出しては対面の使い魔が打ち返すというテニスをしているかのような攻撃を繰り出してきた。

もちろんこんな攻撃をまともに回避し続けると体力を浪費するだけ

「賢しい騒がしさだね」

シオリは背中から伸びる二本のリボンを地面に打ちつけ、三人を中心とした周囲は衝撃波で吹っ飛ばされてしまった。

同時に使い魔達は衝撃波で倒されたようだ。

「さ、親玉の場所まで一直線だ」

階層がなく、直で最深部にきたかと思えたが結界は広く展開されていて奥行きがどこまであるのかも分からない。その為、魔女本体の反応はあってもなかなか姿を確認できなかった。

道中、何度か使い魔が襲いかかってきたが、吸い付いてきた蚊をはたき落とすかのようにあっさりとあしらっていた。

暗闇が濃くなってきた頃、闇の中から二つの帯が伸びてきてシオリを絞め殺そうとしてきた。

雷の結界を周囲に張って肌に触れさせないようにはしているものの、結界ごと絞め殺されるのは時間の問題だった。

「シオリ!」

「シオリのことはいいから魔女をやっつけて」

帯を伸ばしたまま現れたのは白子をボール状にまとめたような姿に紫色の羽織りを纏ったような姿をした魔女だった。

体を形成する白子のようなものはボロボロと体からこぼれ落ちては消えるを繰り返している。

また、魔女が見えてから周囲からは赤子の声が聞こえてくるようになった

「姿が見えりゃ、倒したも同然」

カレンが左右から糸をクロスさせて魔女を切り刻もうと試みたものの、体の中心部分まで糸が入り込まなかった。

「硬すぎだろこいつ」

魔女は他の帯を使ってカレン達も絞め殺そうとしてきた。

そんな中ピリカは炎の剣を使用してシオリを縛ろうとしている帯を焼き切った。

「大丈夫、シオリ」

「問題ないに決まってるでしょ。特大のをお見舞いするから2人で魔女の気を引いて」

カレンとピリカが魔女の気を引いている間、シオリは周囲に器用に積まれていた石を集め、手の中で圧縮し始めた。

雷の小さな結界を掌サイズの大きさで生成し、そこへ石を投入していくことで、結界にある空気を圧縮する。石の数が増えるほど圧力が溜まっていき、結界内は高温となってただの石も熱を帯び始める。

カレンとピリカが気を引いてくれたおかげで雷の結界は破裂寸前のところまで到達していた。

「2人とも十分だ。特大のをおみまいしてあげる」

2人がシオリの後ろまで下がると、破裂寸前の結界を魔女の口の中へ放り込んだ。

そうしたらどうだろう、限界まで圧力を加えられた空気が結界を破り、高温になった石は魔女の体内で四方八方へ飛んだ。

元々分厚い体をしていた魔女だったが、数個の石が体を貫いて飛び出してきた。

魔女は大きな口をこれでもかというくらい大きく開けてそのまま崩れていった。

魔女の結界が消えてわかったことだが、このゴーストタウンそのものが魔女の結界に飲み込まれていたようで、階層がなくとても広い魔女空間であったことも納得がいった。

「いつものバカリョクで助かったよ。ありがとね」

「ほんと、なまら硬かったから普通だと何時間もかかちゃいそうだったよ。流石だね!」

少し前にトラウマをえぐられたというのに、いつもと変わらない笑顔を見せるピリカ。

思わずシオリは顔を曇らせてしまった。

「あ、ごめん。なんか気に触ること言っちゃった?」

「いや、シオリこそ悪かったよ。ピリカに嫌な思いさせちゃってさ。ゴメン」

ピリカはきょとんとした顔を見せた後すぐに笑顔を見せた。

「ありがと。克服できてないわたしも悪いんだけどね」

「あら、そういうことならピリカの前でどんどん非道なことしてやろうか。その方が耐性がつくでしょ?」

「ちょっと!本当に反省してるの?!」

カレンはシオリとピリカのやりとりをただただ笑顔で見つめていた

そんな中、カレンが顔色を変えて遠くを見た。

その反応の正体はシオリとピリカにも察知することができた。

「数十人の集団の魔法少女反応だ。間違いなく二木市の奴らだろう」

風ひとつ吹かなかったゴーストタウンでは少し冷た目の風が舞い込み始めた。

「ここは離れようゴーストタウンの時間が動き出す。折角だからピリカ、無人の家から布団を拝借したらどうだ?欲しがってただろ」

「もう、使う人がいなくなっちゃったんだよね。お借りします」

数分するとゴーストタウンとなっていた住宅地に警察が集まっていた。

布団やら使えそうな場所は廃墟へと隠し、シオリ達は二木市の魔法少女の元へと向かった。

 

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【マギレコ二次創作小説】魔叙事詩カグラ・マギカ

「軌跡を壊し、奇跡を創る そんな私たちが軌跡(人間社会、価値観、倫理観)を壊す」

 

願いを叶え、奇跡を得た少女は「魔法少女」と呼ばれる。

そんな魔法少女が魔女化せず、殺されもせず生き続けた先に待ち受けるものは何なのか。

マギアレコードのパラレルディスク、ここから聞こえてくるのは築かれたものを破壊する宴であった。
人を否定する三人の魔法少女が神浜と出会う時、世界の在り方を変えていく物語が加速する。

 

この作品は「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」の二次創作です。

マギアレコードのパラレルワールドで展開される話であるため、実際のストーリーとは大きな違いが生じます。
人間の否定、キャラの扱い等で過激な表現が出る箇所がたくさん出てきます。耐性のない方は閲覧にご注意ください。

 

 

このページは魔叙事詩カグラ・マギカのトップページです。

1章

1-1 彫りなおされる溝
1-2 頼れる白い情報屋
1-3 触れるは代償ありきこと
1-4 血の理に添える不尽

【マギレコ二次創作】魔叙事詩カグラ・マギカ 1-1 彫りなおされる溝

この此岸では奇跡に出会わなければ生きることができない。

人間のまま奇跡を手に入れられる成功者は小匙の程度。

ほとんどの人間は人間として扱われない人間社会。

 

こんな世界に、果たして此岸と彼岸の境目はあるのだろうか。

 

そんな世界で奇跡に出会えた私たちは、決して人間に受け入れられない。

小匙の奇跡を、願いと共に手に入れられるのだから。

奇跡を得るとともに人間の軌跡は失う。そんな私たちと人間が平等な関係になれるはずがなく、同じ舞台で共演など夢のまた夢。

そんな舞台を人間社会が邪魔をするならば、破壊して一からやり直そう。

私たち、魔法少女のために。

 

 

アイヒシュテット某所

 

街明かりは消え始め、あらゆるものが静まり返る針が重なる頃。

静寂を破る馬の足音があった。

山道を疾走する馬足を聞くのは野生の動物だけではなく、身を潜める者共もいた。

「対象、予想進路を進行中」

「潔く正面突破か。儚いな、我々がアブノーマルだと知らないのだろう」

彼らは修道院の要請で派遣された武装部隊。

それもただの武装部隊ではなく、最近注目を浴びているという対魔法部隊。

こんな世界で魔法などというフィクションな単語を鼻で笑う者も少なくない。

しかし、そんな者共はフィクションが身近にあるとも知らず、さらには救われていることも知らない愚か者。

フィクションと思われる魔法というのは希望の象徴とされている。

そんな希望の象徴を狩る存在、それが対魔法部隊。

今宵も、希望の象徴が消えようとしていた。

「対象、なおも接近」

対魔法部隊が察知しているのは馬足だけではなく装置が感知している魔力反応。

近頃は現代技術で魔法少女の反応を検知する装置が出回っている。

その装置は表では認識できない裏の世界で取引されているものであり、傭兵を寄せ集めた組織などが所有していることが多い。

こんな事は西側の世界の一部にしか知らされていない事実。おそらく東側の世界には装置自体が存在していないだろう。

「ポイントまで3、2、1」

閃光が森に広がる。その明るさは、まともに見ていると失明してしまいそうなくらいであった。

「な、なんの光だ」

想定していたポイントで走った閃光は対魔法部隊にとって想定外。

本来であれば魔力を妨害するガスで待ち受けるはずだった。

閃光が収まった頃、ポイントにいたのは馬と魔力がこもっていたと思われる石3つだった。

「ポイントに対象を確認できません」

「まさか、魔力は捉えていたはずが」

隊員たちが周囲を見渡しながらおどおどとしていると、魔力探知機に大きな反応があると同時に大きなブザーが鳴り響いた

「魔力反応検知!場所は、僧院中心地!」

「魔法少女め、一体いつから」

対魔法部隊が狩る相手、魔法少女の一人は僧院のてっぺんに器用に立ち、片手を高々と挙げた。

「ワッカ!濁流と化せ!」

僧院を中心に水が発生し、僧院内を駆け巡っては僧院外へいろんなものを流していく。もちろんその中には隊員の姿もあった。

大方のものが濁流に呑まれ、水の流れが収まると雷の壁がドーム状に貼られた。

しかしそんな中に僧院を守るようにドーム状の結界が展開されていた。

「驚いたね、ピリカの濁流を凌ぐか」

水音を鳴らしながら一人の少女が結界を見ながら驚いた。

先ほど発生した濁流は、僧院へ襲いかかっている魔法少女の一人が放った魔法。

現代社会に魔法へ抗える存在は魔女と呼ばれる化物か、それと同等の存在のみである。

「僧院の傭兵魔法少女か」

「あの隊員とやらの集団、全く役に立たなかったね」

「そんなの初めから知ってたさ。ここから先は聖域よ。希望を奪う魔法少女は入れやしないよ」

「傭兵魔法少女が何を言う」

「問答など無用…」

「それはこちらの言葉だ!」

面と向かうのは武器を持たない僧院を襲おうとしている魔法少女1人と、拳銃を一丁持つ魔法少女、レイピアを構える長髪の軽装な魔法少女2人。

武器を持たない魔法少女は糸を出したかと思えば収束させて銃持ちの魔法少女へ襲いかかった。

銃持ちの魔法少女が構える拳銃は収束された糸を受け止め、振り払った後に銃弾を放った。

放たれた銃弾は収束された糸を撃ち抜き、鋭利さを失わせた。

「なかなかやばい魔力弾じゃないか」

追い討ちでレイピアの魔法少女が糸を使う魔法少女へ襲いかかるも、すぐさま糸の刃で応戦した。

「其の場凌ぎで集められた割には結構合わせられるんだね」

「私たちだって、場数は踏んでるんだから!」

「なら、これを凌げるかな?」

鍔迫り合いが起きる中、糸を使う魔法少女の遠く背後から幼稚な声が聞こえてくる。

小さな魔法少女は近くにあった車のボンネットを2台分剥がしたかと思えば2枚をぶつけ合ってレールを作り上げた。

レールを作り上げる際に発生した稲妻はレールの間でなおも走り続け、レールの間には宙に浮かぶ鉄塊が1つ存在した。

「まさか、エル、下がって!」

僧院を守る魔法少女たちが下がると同時に、レールガンは放たれた。空を切る放たれた鉄塊を結界は弾き、周囲の外壁にはヒビが走った。

結界内に逃げた2人の魔法少女は無傷で、結界に入っていた亀裂はすぐに元に戻ってしまった。

「あら、これは雲行きが怪しいね」

「悪いけど、時間稼ぎをさせてもらうよ」

そう、時間がかかればかかるほど奇襲の効果も人払いを行った効果も薄れ、対魔法部隊が集まってくる。

僧院の魔法少女たちが狙っているのは時間稼ぎ。

「数分すれば君たちはバッドエンドだ」

「だとしても!」

身を潜めていた水を放った魔法少女が結界付近にいたエルという魔法少女へ斬りかかる。

「何をするのさ!」

エルは熱が入ったからか結界から身を乗り出し、遠く離れたところまで追いかけに行ってしまった。

「ピリカ、そいつの銃弾には気をつけなよ」

「エル!外に出過ぎ!」

「だってモリンガ、2射目は厳しそうだよ」

前へ出たエルへ小さな魔法少女は雷の力で勢いをつけた鉄塊を放った。

その勢いは魔法少女であっても避けるのが難しい程であったが、小さな結界が張られ、エルの身を守った。

「ミランダ、身を晒すことはなかったのに」

僧院へ結界を張っている魔法少女ミランダは僧院入り口へ姿を表していた。

「本名はお前か」

ミランダへ向けて糸を使う魔法少女が数本の糸を放つが、結界に阻まれてしまった。

「わたしの結界をそんな糸で破れるわけないでしょ」

「そのようだね」

それでも糸を使う魔法少女はひたすら一点を集中して斬り付けていた。

そんな中、ピリカとエルは一対一で戦い続けていた。

「アペ、刃となって!」

炎を剣の形にしてエルへ斬りかかるものの、素早くかわして当たる気配がなかった。

「ならこれで!」

ピリカは炎の剣で斬撃を飛ばした。

エルはこれを撃ち落とすが、銃弾が当たると同時に炎を収束していた魔力が弱まり、拡散する炎でエルの視界を遮った。

怯んだエルへピリカは回し蹴りを喰らわせ、僧院の壁へ撃ち付けられたエルは気を失ってしまった。

「どれだけ引っ掻き回そうが壊れるはずがないよ」

「そうかい、だけど綻びって一点から生じるものさ、シオリ!」

シオリと呼ばれる小さな魔法少女は小さな瓦礫を周囲に浮かばせ、間髪ない瓦礫の雨を糸の魔法少女が引っ掻き回した一点へ集中させた。

そしてついに結界にヒビが入ったかと思えばすぐに穴が広がってしまった。

「そんな、結界が再生していない。
ミランダ、どうしたの!」

モリンガと呼ばれていた魔法少女は、ソウルジェムを苦しそうに握るミランダの姿を見た。

「ミランダ、あんた穢れはは一切なかったはず」

「モリンガ、エル、ここまでかm」

ピリンッ

ソウルジェムを砕く糸をモリンガは見てしまった。

ミランダは糸が切れた人形のように入り口の壁に寄りかかっていた

「ミランダ!」

「聖域に穢れはまずいじゃない?
希望を奪う側になる前に救ってあげたのさ」

「ジョークのつもりか!」

モリンガは怒りに任せて糸の魔法少女へ斬りかかった。

「カレン!」

「どうした、もっとお前の希望とやらを輝かせてみなさいよ」

モリンガの突きは素早かった。不意打ちであれば確実に仕留められるほどのスピードだ。

しかしその突きは糸を何重にも重ねて作られた盾で遮られ、カレンへ届いてなどいなかった。

「儚い希望だな」

カレンは突くために腕を伸ばしたモリンガの懐へ入り込み、勢いよく糸で宙に掬い上げた。

「リズム良く突くのはいいが、ずっと同じだと読まれやすいに決まってるだろ」

宙に浮いたモリンガが目にしたのは笑みを浮かべているシオリだった。

「スクワレた気分はどうだい?」

シオリが放った無数の瓦礫がモリンガを襲い、外壁にぶつかったあとの肉塊は瓦礫の下敷きになってしまった。

「こんなものか」

その場が鎮まりかえって曇っていた空から月明かりが漏れ出してきた。

月が作り出した影からエルが現れてカレンの首を切ろうとする。

「アエヤァム!」

ピリカが割り込み、炎の剣で斬り上げてエルのソウルジェムを砕く。

エルは魔法少女の姿が解かれ、薄着の少女だったものへと変わった。

「悪いね」

「本当よ、対処できたからよかったものの」

「止めてくれるってわかってたからさ」

「カレン、ちょっとは自分でも」

「お話はほどほどにね。人が集まってくるよ」

2人が口論を始めようとするとシオリが仲裁に入った。

「そうだね」

「それではいただくとしようか、魔法少女の間で伝わる伝説の魔女、ワルプルギスの夜を引き起こした人物、ワルプルガの聖遺物をね」

 

世界の西側では一般人へ徐々に魔法少女の存在が知れ渡り、政府の裏で動く魔法少女がいるくらいだ。

そのため、今回のように雇われている魔法少女、通称傭兵魔法少女は多く存在する。

傭兵魔法少女が多い理由としては、長生きした魔法少女であるほど人間社会へ溶け込むことが困難であり、稼ぎ口が傭兵業か人を襲うかのどちらしかないというのが現状だ。

戦争が起きると素質がある孤児へ良い条件を提示しては願いを叶えさせるという事例だってある。

世界の西側にとって、魔法少女の居場所というのはないに等しい。

「その聖遺物とやらを使って何をしようっていうんだい?」

少女から魔法少女へ変える存在、キュゥべぇは魔法少女のことを知ってることだけ知っている。
しかしその行動原理は機械的であり、感情を持っていないというのは魔法少女の間で共通認識となりつつある。

あたしたちが聖遺物調査に協力していた経験があることくらい知ってるでしょ?」

「確かに覚えているさ。魔法少女が魔力で生成していない物質に対して魔力を注ぎ続けたもの、または魔力が篭ったままの遺骸を人は聖遺物と呼んでいるね」

世界に存在する聖遺物の多くは魔法少女によって生み出されたもの、または遺品が該当している。かつて世界を変えた偉人であっても、その偉人の体液がついた聖槍であったとしてもその背景には魔法少女がいたという。

そう、聖遺物を辿ればかつてその魔法少女が使用していた力を再現できると私たちは聞かされ、目の当たりにしてきた。

「しかしある時、再現は失敗した。それは愚か、その聖遺物を経由して魔女化する魔法少女が現れてしまったじゃないか」

そう、その聖遺物を活性化させたところで願いの対価である呪いが使用者の身にもたらされることを過去の私たちは失念していた。そのせいで聖遺物と魔法少女を知る貴重な存在を失ってしまった。

「君たちがやろうとしている事は、かつて失敗した再現じゃないか。君たちは再び聖遺物を利用して魔女化という連鎖を繰り返すつもりかい?」

「魔法少女の連鎖をどうとも思わないのによくいうわね」

ピリカの言う通り、魔法少女には逃れられない運命が存在する。

その連鎖はキュゥべぇにとっては都合の良い事らしくいまだに解決される事はない。

私達はあんたがよしとしている連鎖を止めるために聖遺物へ関わってきたんだ」

「そして、その成果が実るときがすぐ近くに迫っている」

ワルプルギスの夜

長い間魔法少女たちの間で伝えられ続けた伝説級の魔女のことで、今までに討伐したと言う記録も残っていない。

「まあ、魔法少女は常理を覆す存在だ。君たちを見ていればその可能性があると頷くには十分だ」

「それで、ワルプルギスの夜は予定通りの場所に現れるんだろうね」

「前に伝えた通りだよ。次にワルプルギスの夜が現れるのは」

見滝原市

私達はこのワルプルギスの夜が現れるというチャンスを利用するために行動してきた。

そして今、手元にある聖遺物を使用すれば魔法少女の連鎖は止められる。

シオリが嫌う飛行機を利用しないと西から東へ行くのに数十日かかってしまう。

聖遺物は魔力を使用すれば簡単に検問を抜けられるし、年齢の偽造だってできてしまう。魔法は使い方次第でなんだってできる。

その代償は、もう十分味わってきたはずさ。

世界の東側へ到着した頃、私達は異変に気がついた。

それは、見滝原に近い都市で既に大きな災害が起き始めていること。

災害が起きている都市へたどり着いた頃には、不気味な笑い声が響いていた。

「おかしいよ、予見では見滝原ってとこにワルプルギスの夜が来るって言ってたよね」

「しかも来るのが早すぎる」

「まずは声がする方向に向かうよ」

災害が起きている都市の中間部分へ来た頃、海岸線付近から大きな衝撃波が来たかと思うと空は晴れ渡り、ワルプルギスの夜は光の中で消滅した。

「うそ、ワルプルギスの夜が倒されただなんて」

「あんな化け物を倒せるだなんて、この町の魔法少女はどうなっているんだ」

「なら、その子に聞いた方がいいんじゃない?」

シオリが指差す先には、緑髪で制服と思われる服装に絵具が乗ったパレットを拭ったような手ぬぐいを腰に下げた少女の姿だった。

わたしは少女の首元へ手を出そうとすると魔力を感じ取った。

「この子は魔法少女のようだ」

水たまりのうつ伏せたままの少女の体をピリカは起こした。

「ソウルジェムにヒビが入ってる。死にかけだよこの子」

「その子から大きめの魔力を感じる。見た目は死にかけでも大きな魔力を放ってるって事は相当な実力者だろうね」

魔力というのは放出する量が多ければそれだけ大きな魔力を使用できるという指標でもある。

これだけ消費しててもソウルジェムが濁っていないという事は、魔力の扱い方も長けている可能性が高い。きっと何かしらの情報を得る事はできるだろう。

「一度この街に拠点を構えよう。その子は拠点で保護しようと思う。ピリカ、担いで行ける?」

「助ける事なら、わたしは躊躇わないよ」

こうして私たちの当初の目的は白紙に戻り、あり得ないことが起きた都市について調べることにした。

この都市の名前は、「神浜」という。

 

 

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次元縁書ソラノメモリー 1-14 みんながみんな独特の発想を持っているとは限らないからね

干渉液を扱っているキエノラという人物は聞いたことがない人物。

ソラからここにくるよう伝えられただけで、実は下調べなんて行なっていない状態。調べる時間自体そんななかったし。

「芸術家にしては平凡な店構えね」

「みんながみんな独特の発想を持っているとは限らないからね」

「まあいいや、干渉液とやらをもらいに行こうよ」

ぼくは頷いて恐る恐る店の扉を開いた。

真ん中、右左と部屋を見渡してみると赤や緑で装飾された絨毯が敷いてあって、正面を向くと大きな暖炉の上にいくつか鉱石が置いてある。

床とかにも鉱石が置かれていて、右隣には植物と泡立つ緑色の液体が入った試験管が並べられていた

「あのー、キエノラさんいますか」

ブリンクが大きな声で尋ねて見ても、返事がなかった。

「留守かな」

そう思っていると二階から何かが転けた音がした。

それからせわしなく足音が一階まで迫ってきた。

「いやぁ悪いね、ちょっと二階で用事してたんだ。わたしの名前を読んだのは君たちかい」

「じゃあ、あなたが」

「そう、わたしがキエノラだよ。名前で呼ばれるのは慣れていないんだ」

キエノラ茶髪の細身な女性で、肌は黄色気味の肌色だけど、指先に近づくにつれて色が真っ白になっている。

「あの、二階ですごい音がしたんですけど大丈夫ですか」

「いやね、少し前に新発見に出会って二階でハッスルしていたんだよ。忘れないうちにメモらないとってね。まあ、なんともないよありがとね」

キエノラは先ほど目に止まった唯一植物がある場所の椅子に座ってこっちを見た。

「わたしを尋ねてきたということは、何か依頼があるのだろう」

「そうそう、私たち干渉液が欲しいのよ」

ブリンクがすごくフレンドリーに接している。初対面にもそんな対応するのか。

「干渉液を欲しがるとは、さては悪いことに使おうとしているな」

「い、いえ!違いますよ」

「んぁはは、大丈夫ちょっとしたコミュニケーションさ」

ニコニコしながら話していたから、冗談だろうなという感じはした。

「さて、干渉液についてなんだけど、実は先ほど見つけた新発見のために材料が多めに必要となってね。その材料の調達を手伝ってくれれば干渉液を渡すよ」

ぼくたちはキエノラから干渉液に必要な材料を教えてもらい、植物屋が集まる場所へ向かっていた。

干渉液に必要な材料は複数あるんだけど、今足りないのはドコサーという野草だ。そこら辺じゃ取引されていない植物だから、ゲミニカに店を構えているハッカという人物に話を聞けばいいよ。

「触れ物」からの依頼できたといえば素直に教えてくれるはずさ。

そうそう、ペシャンも持ってきてくれると嬉しいね

「なんかおしゃべりな人だね」

無音が苦手なのかってくらいキエノラは色々話しかけてきた。

彼女の能力を知らないからなんとも言えないけど、人によっては疲れる人かも知れない。

「きっと新発見とやらに興奮していたんじゃない?」

「なるほど、なら仕方がないね」

納得するんだ。さっきまでブリンクもそうだしそりゃそうか。

ハッカという人物のことについて聞いて回っていると、どうやら染料になる植物に詳しい人物らしい。色を組み合わせる能力を持っていて、植物でできた色というのは相手の気持ちを落ち着かせる力があるらしい。

ハッカの店はゲミニカの中心、ゲミ二カ統括城からすぐの場所にあった。ハルーで飛べば近かった。

ハッカを尋ね、「触れ物」の依頼できたと伝えると少し悪そうな顔をしながら話してきた。

「さてはあんたたち、キエノラがどんなやつか知らないでお使いをさせられてるね?」

確かに下調べなしできていたから本当の彼女をぼくは知らない。

「まああいつはおしゃべりだし、自分から話し出すでしょ。ただ、あんまりあいつのお気に入りになるんじゃないよ。何でもかんでも知られちゃうからね」

そう伝えられた後、ドコサーが生息している場所を教えてもらった。

ドコサーはゲミニカの北部にあるディモノスリンの奥深くだよ。

周囲が真っ暗になるくらい奥にあるんだけど、ドコサーを摘んだら必ず日光が当たらないようにしてね。

少しでも日光に当たるとしおれちゃって使い物にならないから注意だよ

ディモノスリンという場所があるのは知っていたけど、立ち入るのは今回が初めて。

何でも森の中はとても暗いらしく、手持ちライトでは手元が明るくなるだけというくらいだという。

そんな森の中には所々に光る苔やキノコ、花といった植物があるため、それらが唯一の目印らしい。

「ねえ、こういう森って絶対行方不明になるやつだと思うんだけど」

「行方不明にはなりたくないなぁ。ブリンク、離れないように手を繋いで、ひたすらまっすぐ進もう。それならまっすぐ戻れば間違いなく戻ってこれる」

「わかったけど、不安しかないな」

ぼくとブリンクは手を繋いで恐る恐る森の中へと入って行った。

明るめの手持ちライトは持ってきたけど、本当に手元しか光らなくて役に立たない。

まっすぐ進んでいるはずだけれども、時々木の根につまずきそうになったり木を避けたりとまっすぐ進めているか怪しくなってきた。

恐る恐る歩いていると周りに水色に輝く粒子が舞い始めた。

どこかの植物から噴出されたのだろうか。

そう考えているとブリンクの足取りが極端に重くなってきたのが伝わってきた。

「ブリンク、大丈夫?」

「なんか、意識が、遠く」

ブリンクの声を聞こうとしているとぼくの意識も遠くなっていくのを感じていた。

ぼくとブリンクはその場で気を失ってしまった。

 

 

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【DQX】アストルティアアフィーマン オーグリード大陸

このページはアストルティアの記録として文字ではなく主に画像で残す活動を行っていきます。

今回はオーグリード大陸に注目していきます。

 

 

オーグリード大陸にしかないものといえば雪原地帯。
よく思い起こしてみれば、この大陸以外は雪が降らない。

 

 

住宅内部に当たり前のように見られる岩肌。地形を生かした建築方法なのだと感じてしまいます。

 

住宅村から見るグレン城

 

 

外から見たグレン城
よく見なくてもわかるほど城までの道中が命がけ

グレン西にある列車観察スポット

バグレア教会跡地

 

今や貴重な修正前ガミルゴの盾島
バージョンアップで地殻変動が起きるのはもう当たり前

 

列車観察スポットその2
ゲルト海峡

 

生息するモンスターたちが弱めであったり影が薄いのばかりなおかげで何かと影が薄いザマ烽火台
今や幻の神話篇予兆クエストで出番はあった

 

ガートラント城の外見。500年前に魔族を眠りから覚ましてしまったヤバい歴史を持つ

かつての繁栄の見る影も無くなったオルセコ王国跡地
地震が頻繁に起きても1000年近く形が残り続けているのでかなり頑丈

謎に包まれたまま滅んだエグゼリア王国
500年前にグレン城を占領していた人間たちが築いた国という意外な歴史があったりする。

 

※このページではドラゴンクエストXの要素を使用しています

次元縁書ソラノメモリー 1-13 生きることはあきらめないでほしい

私にはしっかりと両親がいた。

お母さんは世界でも有名な錬金術師で、お父さんは裏世界で有名なガンマン。

2人の出会いは裏世界から狙われているお母さんの護衛にお父さんがついたことが始まりらしい。
2人は恥ずかしい過去だって言うけど、絵に描いたようなかっこいい出会い。

こんな優秀な両親がいながら、私にできることは背中を見続けることだけだった。

そんな見続けた背中のうちの1人、お母さんが突然いなくなった。

お母さんがいなくなる数日前に突然所在不明の男が街に現れて、まるでこの世界のことをまったく知らないくらいに話がかみ合わなかったため、いったん身柄は国防に預けられた。

次の日、個室で1人になった男は身に潜めていた爆発物で逃げ出したと報道された。

決して国防が仕事をしなかったと言うわけではなく、錬金術で作られた危険物探知機を使用して異常はなかった。そんな中で国防の壁を破壊する爆薬が使われてしまった。

そう、私がいた世界はあらゆるものに錬金術がかけられていて錬金術という存在は貴重な存在となる世界だった。

お母さんは国防にあった探知機に異常がないか確かめに行った際に、取り調べ中だった男のカバンで気になるものを見つけてしまった。

お母さんはとてもワクワクした気持ちで部屋で持ってきたものを調べていたんだけど、姿を消したのはこの2日後だった。

世界的に大騒ぎになったこの出来事をきっかけに、私は親戚の家に預けられた。

お父さんからはお母さんのこどもだから狙われる可能性があると聞かされ、偽名で名乗る自体にもなってしまった。

お父さんはというと、探してくると言い残して何処かへ消えてしまた。

追ってきた背中を短期間で無くしてしまった私は、両親の得意分野をひたすら探求するしかなかった。
ただ真似していただけで、根幹となることは何も知らなかったのだと実感して、親戚の家で過ごす間はとても苦しかった。

それから一月経ち、お母さんが残したものの半分は他の錬金術師に扱えても、ブラックBOX化したものも数多いという。

もちろん私は扱い方も、直し方も知らない。

だって私にはそもそも。

過去のことを思い出しながら散歩していると、私は不思議と実家の前にいた。

実家は荒らされ、重要そうなものは手に持てるものだけ私に預けられてあとはお父さんが壊したとのこと。
きっと私と別れた後に実行したんだろう。

もはや廃墟と呼ぶにふさわしい外見となった家の玄関だった場所で私はただひたすら過去を追憶していた。

ただひたすら2人の真似事をしては怒られ、それでも優しく接してくれては苦手なはずなのに外で一緒に遊んでくれたりもした。

世の中では完璧人間な2人の不器用な失敗の数々は私にとってとてもいい思い出だった。

心が溶けそうなくらい痛くなって、その場に崩れ落ち、ただひたすら目から雫を落として柄にもなく大泣きしてしまった。

 

目を拭っていると目の前にガラスが割れたような裂け目が突然現れて、私は光に包まれてしまった。

それは一瞬であり、気付いた時にはあの、終わった世界にいた。

私はこの世界で、お父さんが得意なことの本当の意味を知った。
握った引き金はとても重くて、思い知らされた。

今帰ったって、追い続けた背中はいない。

今私の近くには別世界へと行ってしまうデタラメな出来事に対応できるヒトたちがいる。

ならば、わたしは

 

わたしが元いた世界に帰りたいのか、アルはそう聞いてきた。

いま帰ったって何もない元の世界に帰るくらいなら。

「わたしは戻ろうだなんて思ってないよ。あなたたちと会えたことで、ようやくやるべきことが見つかりそうなんだから」

「そう、そうか」

アルはそう呟くとしばらくペシャンとやらが流れる様子を眺めていた。

「なら、1つだけお願いがあるんだ」

アルは改まってわたしの前に両膝をついてわたしの手を握りしめた

「な、なに」

そのあと目を合わせてくるんだからなんだと思った。

「生きることはあきらめないでほしい」

わたしはしばらくなにを言っているのか理解できなかった。

きっとブリンクたちが行った世界よりももっと厳しい世界があるかも知れない。そんな世界に巻き込まれても、どうか生きることだけはあきらめないでほしい」

そうか、この子たちと一緒にいるといろんな世界に飛び込んでは危険な目に遭う日々が始まるってことか。
だからこそ見つけられそうな目的を確実性のあるものにできる。

そんなチャンス、逃すほどわたしの目は濁っていない。

「もちの論だよ。せっかくの拾われた命を簡単に捨てたりはしないよ」

「そうか、よかった」

アルは安堵した表情で立ち上がった。

「なら目的を果たしに行こうか。干渉液を手に入れないとね」

わたしは今後の目的が見つかりそうになっていたけど、目の前の目的を忘れていた。

「そうだった。ちょっと脳みその電流が足りなかったかな」

わたしとアルは干渉液とやらを探しに再び歩き出した。

干渉液とやらは一部の知識と力がある人物にしか作成ができないものらしい。

つづりやカナデからも聞いていたが、なんでもできる万能な人はこの世界にいないという。
でも、何か1つは必ず得意なことが存在し、この世界の人たちは得意不得意を協調で補い合っているとのこと。

独占できればお金儲けとか考える人が出そうだけど。

「え、お金って概念自体が存在しない?」

「ほかの世界だと当たり前にあるかもしれないけどね。ファミニアでは物のやりとりは依頼品との物々交換、または好意から来る一方的な受け渡しがほとんどなんだ」

「それ、お互いの求めている価値と釣り合ってるの?」

「価値とかそういう考え自体がないんだよ。お互いにできることを出し合って、相手の求めている不足感を満たし合う。
それが達成されただけでぼくたちは十分なんだよ」

「でも、有名になったりとか、名が知れ渡るようになりたいとかなんというか承認意欲みたいなものが少しはあるんじゃない?」

何をアルと話しているのかというと、はじまりは干渉液にいくらお金が必要なのかという話になったのがきっかけ。

ここまで物々交換だけで取引が行われていたから不思議で仕方がなかった。

「承認意欲か。ファミニアの人たちにもそういう欲求は存在するよ」

「なら」

「それでも、お互いの承認意欲の中には相手を思うという前提が必ずある。
お試しの飲み物を飲み物が欲しいと思わない人へ無理やり勧めはしないし、新技を披露する相手に対しても時間や状況を考慮して行っている」

「それって、アルたちの周りだけの話じゃない」

「早い話、取引条件として持ってる人も多いね。お試しの被験体になってもらうことを条件に相手の悩みを解決するとかね」

承認意欲があればそこから憧れや嫉妬が生まれて、自分だけのものにしようとする。
そんな考えが少しでもあれば必ず対価は大きなものを求めようとするはず。

無闇に主張して嫌がられたりとか、そんなのが普通だと思ってた。

この世界にはそんな考え自体がないの?

「なんか納得いかない」

「ファミニアで過ごせば自然と慣れちゃうよ」

「ふーん」

無意識にアルの後ろをついて回っていたけど、なんで私たち歩いているんだ?

「ねえ、あのハルーってやつ使って移動しないの?」

「実は一度も言ったことがない場所なんだ。距離的にここから歩いたほうが早いっていうのもあるね」

「最初が面倒なのはどこも同じなのね。で、今はどこに向かってるの?」

「このまま歩いていたら奇妙な門が見えてくるんだけど、そこを潜った先にある芸術都市ゲミニカに用があるんだ」

「アルはゲミニカって都市には行ったことないの?」

「ゲミニカ自体にはいったことがあるんだけど、門をくぐってすぐのところに目的地があるんだよ。
中央から歩くよりはいま歩く経路のほうが短いんだ」

「地図がないからわからないけど、ゲミニカってとこも広い都市なんだ」

「と、話していたら門が見えてきたよ」

門構えはわたしには理解できないほど酷いものだった。

門の表面は小山程度のトゲがたくさん出ていて、六角形やら五角形のような感じで虹からスポイトしたかのような色がぐちゃぐちゃに配してある。

そして何よりも気になるのが、照明として5個吊るされているライトが眼球の形をしていて青白く光っていること。

わたしのゲミニカに対する第一印象は思考がヤバい場所となった。

「芸術家の考え方を見直すところだったけど、やっぱダメだわ」

「あはは…」

門をくぐって2、3軒ほど建物を移動した場所に目的の場所がある

干渉液を扱っている人物、キエノラという人物が営んでいる店の前に僕たちは立ち止まった。

 

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【ドラゴンクエスト10】魔界ストーリーまとめ 魔界年表

DQXの世界、アストルティアの反対側には魔界が存在します。

魔界には魔界のストーリーがありその歴史はアストルティアとほぼ同じくらい長いものとなっています。

このページではアストルティア年表と連携する形で魔界の歴史、ストーリーをまとめていきます。

 

~全ての始まりから神代の時代~

大いなる闇の根源によって魔界が創造されます。

大いなる闇の根源は様々な邪神を生み出し、アストルティアへ攻め入らせます。ある時は魔瘴をアストルティアへもたらし、女神ルティアナをとらえることに成功します。

また、ナドラガと契約を結んだことでアストルティアへ大打撃を与えることに成功します。

様々な方法で大いなる闇の根源はアストルティアへ魔瘴をもたらしていきます。

後に、大いなる闇の根源は魔界を統一した魔王を大魔王として選出し、力を貸し与えることでアストルティアを滅ぼす先兵として送り出すようになります。

 

~1000年前~

魔王ネロドスが魔界を統一し、アストルティアへ攻め入ります。

しかしネロドスは破れ、魔界では新たなる戦乱の世が訪れます。
そんな最中、ヴァレリアは家族を殺されてしまい、傭兵として戦わされることとなります。ヴァレリアは出会った仲間と共に戦乱の世を戦い抜こうとしますが、バルディスタ要塞を築く魔王となったころには自分一人しか生きていませんでした。

~150年前~

ジャムール王国がバルディスタ要塞へ戦いを挑みますが、敗れてしまい、国は滅んでしまいます。

~数年前~

芸術家として異彩を放つ魔幻都市ゴーラの魔王、マデサゴーラが魔界を統一し、大魔王として選ばれます。

大魔王となったマデサゴーラはアストルティアで復活を待っている冥王ネルゲルと手を結び、アストルティアを自ら作り出した世界で塗り潰そうとします。

マデサゴーラは偽りのレンダーシアへ自分の城を移し、レンダーシアの一部地域と入れ替わるような形でアストルティアへと出向くことに成功します。

 

魔界へマデサゴーラが敗れたという知らせが伝わり、魔幻都市ゴーラは魔瘴に包まれてしまいます。

再び魔界は不統一な状況となり、混沌とした状態が続くこととなりました。

__________________________

時渡りし者は目覚めると魔界にいて、魔族の姿となっていました。
魔族の姿となったのはユシュカと血の契約を結んだからであり、元の姿に戻るためには大審門の先にいるという魔仙卿に会う必要があると知ります。しばらくの間、時渡りし者ユシュカのしもべとして魔界を歩むこととなりました。

ユシュカの目的は、ファラザード王国の使者として各地を回り、現在の魔界にいる有力な魔王を集めて大審門を開くことでした。

時渡りし者はゼクレス魔導国のアスバル、バルディスタ王国のヴァレリアに会うため、活動を開始します。

 

※ここから先の様々な選択は人によって異なります。
 結末に変わりはありませんが私が歩んだ道のりで進行していきます。

 

ゼクレス魔導国で情報集めを行っていると、ユシュカリンベリィに気に入られてしまい、パーティの招待状をもらいます。

時渡りし者は招待状を使ってパーティへもぐりこみ、シリルと呼ばれる人物と出会います。

シリルはアストルティアに興味を持つ魔族であり、時渡りし者へも興味を持ちます。そんな中、シリルが保護していた銀翼竜のヒナを群れへ帰すため時渡りし者はシリルへ協力します。

銀翼竜の群れへヒナを返すとことに成功した後、シリルはゼクレスの衛兵に連れていかれてしまいます。シリルという人物は、ゼクレス魔導国の王子アスバルだったのです。

六大陸堂というアスバルが経営している店から隠し扉を通じてユシュカ時渡りし者はゼクレス魔導国の城へ潜入し、宝物庫にいたアスバルと会います。

 

宝物庫で衛兵に見つかってしまい、3人は王族が使用する抜け道から逃げることとなります。その先で待ち構えていたのはゼクレス魔導国の王女エルガドーラであり、抵抗しようとするアスバルの前でアスバルが大切にしていたアストルティアのコンパスを壊してしまいます。

アスバルは怒りのままに使い魔を召喚しますが、エルガドーラの術によって正常な判断ができなくなってしまいます。エルガドーラの命令に従うがまま、アスバルが召喚した使い魔がユシュカたちを襲います。

使い魔を撃退した後、アスバルから大審門に行くという決意を聞き、ゼクレス魔導国の魔王を大審門へ連れていく手筈が整いました。

 

バルディスタ要塞へ向かいますが、ジャムール王国という滅びた国の王子がアストルティアから帰還したヴァレリアへ襲い掛かるという事件が起きます。これをきっかけに、バルディスタ城へ入ることが困難となります。

ヴァレリアの側近ヤイルへバルディスタ城へ入る手続きをしてもらうことを条件に、採掘場の盗賊たちを撃退することに協力します。

ヴァレリアと謁見することに成功しますが、大審門を開く誘いをあっさりと断られてしまいます。


対策を考えていたところ、もう一人の側近であるベルトロから月明かりの谷へ向かうといいという独り言を聞きます。

月明かりの谷にはヴァレリアが建てたという孤児院があり、そこで再びヴァレリアと再会しますが怒ってどこかへ行ってしまいます。

孤児院の子どもたちに話を聞き、バルディスタ周辺では見ることが困難となった花を探しに行くこととなります。
子どもたちの協力もあり、ユシュカ時渡りし者は子どもたちが書いた手紙と花をもってヴァレリアのもとへと向かいます。しかし、再び突き返されてしまいます。

謁見中、月明かりの谷で魔瘴が発生したという知らせがあり、ヴァレリアは急いで月明かりの谷へと向かいます。

ユシュカ時渡りし者も月明かりの谷へと向かいますが、そこには魔瘴の霧に飲み込まれた孤児院がありました。
ヴァレリアは孤児院へ飛び込み、子どもを救出しますが助けられる見込みはありませんでした。

そこへヤイルが現れ、孤児院に魔瘴が発生したのはヤイルの仕業だと発覚します。
時渡りし者たちはヤイルを撃退し、ヤイルはヴァレリアの手によって処刑されてしまいます。

孤児院で生き延びたものは一人もおらず、死んでしまった孤児たちは月明かりの谷へ葬られました。

ヴァレリアユシュカが持っていた子どもたちの手紙と花を受け取り、大審門へ赴くことを約束します。

ユシュカは目的を果たし、時渡りし者はファラザードへと向かうことになります。

 

ファラザードの収入源であるバザールはユシュカがいない間にディンガ交易所からの荷物が届かなくて品不足が続いていました。時渡りし者はバザールへ再び荷物が来るよう原因究明と解決を行うこととなります。

ジルガモットというバザールの元締めに話を聞き、今まで使用していた行路を襲う魔物を追い払うのは得策ではないことを聞き、新たな行路開拓のために閉ざされた門を開くこととなります。

ファラザードの住民に協力してもらい、行路開拓に成功します。そんな中、時渡りし者への果たし状を見つけます。
約束の場所へ行くとそこにいたのはバザールを失墜させようとしていたシシカバブ団であり、これをユシュカと共に撃退します。

シシカバブが去った後、ファラザードの副官であるナジーンが現れ、時渡りし者はファラザード城へ入ることを許されます。

ファラザード城ではユシュカがファラザードの魔王であることを知らされ、大審門へ向かうための準備を進めます。

 

いよいよ大審門には3人の魔王が集い、門が開いてデモンマウンテンへの道が開かれることとなりました。

デモンマウンテンでは強さ、魔物や部下を統治する能力や知識、知恵が試される試練が待ち受けていました。

試練が進むごとに挑戦者にふるいがかけられていき、様々な妨害がありながらもついに3人の魔王と時渡りし者、そして漁夫の利で進んできたスッテンテンが残ることとなりました。

スッテンテンの提案で一休みしている中、3人の魔王はお互いの想いを話しますがどの話も意気投合することはありませんでした。

最後の試練としてスッテンテンの姿だったデモンズゲイトが姿を現し、魔王の分だけ分裂して立ちはだかりますが、なぜかユシュカの前には二体出現してしまう事態となりました。

ここからさらにふるいにかけられることはなく、4人はそろって魔仙卿のもとへと向かいます。

先へ進むと4人は離れ離れとなり、時渡りし者はジャディンの園と呼ばれる場所にいました。そこはモーモン王国と呼ばれる場所でもあり、この場所を統治するモモリオンと出会います。モモリオンからはモーモン王国が抱えている危機を救うための助力を求められます。

時渡りし者はモーモン王国で萬栄している奇病に悩む魔物たちを治療することにします。病に侵されている魔物たちへ薬を届けて回り、時渡りし者は「やさしい人」として送り出されます。

その結果を見ていたモモリオンからは他の魔王たちの選択した結果を見ることができ、その後、モモリオンの姿だった魔仙卿が姿を現し、ゴダ神殿への道が開かれます。

モーモン王国の危機というのは試練を行うための設定でしかなく、試練が終わるといつもの平和なジャディンの園に戻っていました。

ゴダ神殿内に再び4人が集い、そこで魔仙卿からは近いうちに高濃度の魔瘴であふれかえる大魔瘴期が訪れると話を始めます。3人は再び対立しあう中、魔仙卿は大魔王を決める儀式場へ四人を招き入れます。

大魔王選出の結果、なんと大魔王となる可能性があるのは時渡りし者だけという結果となりました。

3人の魔王にはどこか欠けている部分があり、魔界を統一する者としてはあまりにも危険すぎると判断されたのです。

納得のいかないユシュカ時渡りし者と戦いますが、決着がつかない戦いであったのか魔仙卿は戦をやめさせます。

ユシュカもその場を去り、3人の魔王は己の方法で魔界を統一させようと準備を進めだします。

一方、時渡りし者は元の姿へと戻るために大いなる闇の根源と接触せざるを得なくなります。大いなる闇の根源へと通じる像に触れると、その幻影と呼ばれるものが姿を現します。

時渡りし者の本当の姿、存在はいかなるものかを問いかけ、襲い掛かってきました。

時渡りし者は勝ち、元の場所へと戻ると大いなる闇の根源へと通じる像が砕けてしまいます。そこからイルーシャと呼ばれる人の姿をしたものが現れ、イルーシャにとって時渡りし者は元の姿へと戻ることができました。

魔仙卿は時渡りし者イルーシャの前で改めて大魔瘴期の話を行いました。その話によると放っておくとアストルティアも滅んでしまうと知り、時渡りし者は再び魔仙卿のもとへ来る必要が出てきました。

イルーシャはしばらくの間ジャディンの園で保護されることとなりました。

 

そして、魔界には大きな争いが起きようとしていました。

 

【DQX】アストルティアアフィーマン 写真で残すアストルティアの記録

アフィーマンとはAufnehmanのことである。

文字ではなく、写真を中心としてアストルティアの記録を行っていくページ
それが、アストルティアアフィーマンです。

DQXのようなオープンワールドだからこそ実現できた多くの風景写真や施設を写真で残していきます。

アストルティア

・オーグリード大陸

・エルトナ大陸

・ドワチャッカ大陸

・プクランド大陸

・ウェナ諸島

・レンダーシア大陸

大エテーネ島、エテーネの島

・孤島や浮かんでいる神殿

 

・闇がはびこる異空間

 

ナドラガンド

・炎の領界

・氷の領界

・闇の領界

・水の領界

・嵐の領界

・ナドラグラム

 

魔界