【Magia Exedra】すでに運命が決まっている。マギアエクセドラのサービスは長続きできない その理由を説明【まどドラ】

魔法少女まどか☆マギカのIPを利用しているゲーム Magia Exedraが3/27時点でリリースされています。

このゲームは3/27にリリースされ、一応RPGを謳っています。

このゲームに興味を持つのはすでに魔法少女まどか☆マギカ関連シリーズを知っている人が大半だと思います。
では新規で遊ぼうと思える要素があるかというと、友人に便乗して、有名なことに便乗してやりだす人もいると思いますが、正直新規にはオススメできない内容となっています。

その理由も含まれている、すでに運命が決まっている。マギアエクセドラのサービスは長続きできないと言える要素について説明していきます。

プレイヤーレベルが30になるまで遊んだところで分かっている内容を話していきます。決してちょっとだけ遊んだだけの嫌がらせではないです。
長く続いてほしいから、この記事を書くことにしました。

今回話題にしていくポイントは5つあります。

・その1. 天井が実質200回
・その2. レアリティによる格差がひどい
・その3. 育成素材が腐る仕様である
・その4. こころの器レベルを上げさせる気が無い
・その5. 絵師の情報がゲーム内に一切ない

追記

文字だと読むのがきつい人用に動画版もあります。こちらもご覧ください
https://youtu.be/V9USXwnoEK8

 

その1. 天井が実質200回

ゲームの集金要素としてガチャが定着して長くなります。
そんなガチャにはピックアップキャラを必ず手に入れられるタイミングとして、天井というものが設定されていたりなかったりします。

Magia Exedraではその天井が200で設定されています。

10連で引くとレアリティ4以上が出るという保証はあるものの、レアリティ5のピックアップが必ず引けるというものを保証するものではないです。

ピックアップの確立は0.75%という、200回ガチャを回してやっと1体出るかなという数値です。正直当てさせる気ないなという印象。

ではその200回にいくらかかるかという話。

1回引くのに300ストーンかかかります。10回になったからと言って必要な数のストーン数に変化はないです。

では1ストーンにいくらかかるかというと。

アップルストア換算だと、10000円で買ってやっと1円で1ストーンになります。

では幸運の女神に中指を立てられまくったピックアップが全く当たらない人の場合

200回×300円=60000円

という大金が必要になります。
しかも最低保証のキオクメダルというのは、ピックアップが終わると消失し、復刻が来てもリセットされます。

ガチャ慣れしていない人にとっては地獄のような数字です。

これをまどマギ主要キャラ全員に適用されたらどうでしょう。

5体×6万円=30万円

どれだけグロイ数字かわかったでしょうか。

まどドラ固有のWebショップというのもあるのですが、それでも雀の涙程度しか増えません。
まどドラWebショップ:https://webshop-jp.games.madoka-exedra.com/

新規を呼び込むのであれば、もう少し天井を緩くして、多くの魔法少女を手に入れてもらい、多くの魔法少女を知ってもらう機会を増やした方がよいのではないですかね。
商売とはいえ、サービスが長く続くか怪しい懸念点です。

 

その2. レアリティによる格差がひどい

Magia Exedraには3~5のレアリティがあります。
どのスマホゲームでもレアリティ格差があるのは当たり前と思っている方がいたら、その当たり前のせいで傷つくプレイヤーがいることを認識してください。

格差①:必殺技が使えない

Magia Exedraによるレアリティの格差は3と4の間で明らかになります。
レアリティ4以上の魔法少女には固有の必殺技があります。魔法少女によっては必殺技が違うことで別キャラ扱いされています。鹿目まどかがいい例です。

必殺技でルクス☆マギカを使うか、プルウィア☆マギカを使うかでキャラを変えないといけないです。
この時点で少し不便です。設定できる必殺技の選択肢が増えるという程度であればよかったのですが。

さて、この必殺技ですが、レアリティ3では設定されていません。

必殺技は通常攻撃に加えて任意のタイミングで敵にダメージを与えられるダメージソースとして重要な要素です。この時点でレアリティ3の魔法少女が編成から外される筆頭となります。

常盤ななかはレアリティ4も実装されているので、こちらでは必殺技があります。

しかし残念ながら、サービス開始時点でレアリティ3止まりの魔法少女もいます。

サービス開始時点では以下の魔法少女が該当します。

空穂夏希
夏目かこ
純美雨
静海このは

静海このは以外の3人はマギレコでも星5覚醒に時間がかかった子でしたが、静海このははというと、マギレコでは最初から星5だった子なので、今回は降格されたということになります。
同じチームメンバーである遊佐葉月、三栗あやめは逆に昇格してレアリティ4が最初から実装されています。

このレアリティ3止まりの魔法少女の中にお気に入りがいた場合、その子を活躍させることができません。

推しの魔法少女がそんな扱いされてると知ったらどうでしょう。萎えませんか?

格差②:ポートレートがない

格差は止まりません。レアリティ4以上の子には固有のポートレートが設定されています。

固有のポートレートは各キャラのこころの器レベルというものを4まで上げるともらえます。

ではレアリティ3止まりの魔法少女はどうなっているかというと。

なんとレベル4はただのステータスアップのみとなっています。
これはもしかして、固有のポートレートを与える気はないということ?
ポートレート実装時に差し替えるとなった場合は、全体的にステータスも下がるということですよね?

「いやレアリティ4になったらそっちのこころの器を育てれば手に入るでしょ」
となるかというと、なりません。

常盤ななかはレアリティ3とレアリティ4を持つ魔法少女ですが、こころの器レベルはレアリティ問わず共用です。

この時点で、こころの器拡張ということでもない限りはレアリティ3止まりというだけで、ポートレートをもらえないという不遇な扱いが決まってしまっているのです。

拡張された場合でも、拡張後に新規ではじめた人はこころの器レベルを既存の50レベル以上まで上げないとポートレートをもらえないという理不尽にも襲われます。

このゲームの運営正気か?

という感じに、レアリティ3止まりの魔法少女にお気に入りがいる人は、このゲームの仕様を知ってガッカリする人が多いでしょう。
このレアリティ格差は、今後のアクティブユーザが減る要素につながる可能性になります。

 

その3. 育成素材が腐る仕様である

これもある意味レアリティ格差になるのですが、レアリティ4以上でも影響が出る話です。

Magia Exedraでは同じキャラでもレアリティ、必殺技によって別キャラ扱いされています。それでもこころの器レベルは共用なのですが、キャラレベル、魔力解放、必殺技レベルはなんと別管理です。

このゲームの運営正気か?

レアリティ3のななかしかいないけど、お気に入りなので育てたとします。

その後レアリティ4のななかが手に入ったので、そっちを使おうと思いました。

???

それならレアリティ3に使った素材を回収をしようとしても、現状キャラに使った素材を回収し、レベルをリセットさせるという機能はありません。

??????????

はい、レアリティ3に使った素材が腐りました。
ドラクエ7のキーファに種を使って途中で離脱されたレベルの珍事です。

この仕様と、レアリティ格差を見た後、大抵のプレイヤーは思うでしょう。

レアリティ3の子を育てる意味ある?

一応サポートアビリティというもので活躍しようと思えばできますが、やはりそのアビリティもレアリティ4以上の子が優秀です。

 

レアリティ3を明確な外れ枠にするのやめませんか?

前でも伝えましたが、レアリティ3にお気に入りの魔法少女がいる人は萎える仕様です。

 

レアリティ4以上でも油断できません。
後発で強い必殺技が実装された場合、過去に育てたレアリティ5とは別で新しい必殺技の魔法少女を1から育てないといけないです。

素材集めの旅に出発しないといけないのは必然です。最前線に並べるためには相当な時間を使わないといけなくなるということです。
その育てる過程で、こころの器レベルは共用なので、何か新しいストーリーが追加されることはありません。

正直虚無期間になるのは必至なので、売り上げにも影響するでしょう。
このレアリティや必殺技によるステータス別管理は、早々に仕様を変えないとプレイヤーが離れる要因に繋がりかねないです。

 

その4. こころの器レベルを上げさせる気が無い

各魔法少女固有のストーリー、ボイス、ポートレート開放につながるこころの器レベルですが、なんと1日に5回しかチャレンジできないというクエストでしか上げられません。この回数はスタミナのように回復させることが現状不可能で、早く始めた人であればあるほど多くの魔法少女ストーリーを見たり、ステータスアップができるということです。

この時点で、はじめた時期による差が顕著になります。
もちろんこころの器レベルを直接上げるアイテムも存在しますが、交換所による交換は現状不可能で、ストーリーを進めることで手に入る雀の涙程度の量しか手に入る機会はないです。

そして、クエスト1戦で手に入る経験値は100程度。つまり1日で500程度の経験値しか手に入れられない制限がかかります。

こころの器レベルが18になると16200の経験値が必要になります。
※これ過去からの累計の数字ではなく、レベル19に上げるために必要な素の経験値量です。

このゲームの運営正気か?

正直1年間毎日チャレンジしてもレベル50に到達できるか怪しいです。

そのレベル50に位置する報酬が、魔法少女ストーリーのラストの話です。

その魔法少女がどんな子か教える気ゼロか?

マギレコでは気軽に魔法少女ストーリーを見ることができ、その魔法少女を早めによく知ることができました。

このゲームは魔法少女の記憶を集めるのが目的では?

各魔法少女をよく知ってもらう機会を奪っているこの仕様は、このゲームが長く続かない要因となる危険性があります。

 

その5. 絵師の情報がゲーム内に一切ない

なんとこのゲーム、各キャラを描いてくれた絵師の情報がゲーム内で一切確認できません。

記憶のプロフィール欄ではその魔法少女の軽い説明と割とどうでもいい出身校の情報、そして声優程度しか情報がないです。

え、絵師の情報無いの?

ちなみに常盤ななかのキャラクター原案を描いた絵師は「鮠水ちか」さんです。マギレコではしっかり表示されていました。

絵師情報がないということは、蒼樹うめさんの名前をゲーム内で見る機会も一切ないということです。うめ先生納得されているのでしょうか。

まあ調べれば出てくるでしょという話ですが、ゲーム内で表示させたくない理由でもあるんですかね。まさか許可取ってないというとんでもないことないですよね?

ちなみにポートレートには軽い説明も絵師情報も一切ありません。

このポートレートは入名クシュという魔法少女のものです。
入名クシュはマギレコで登場していて、キャラクター原案は「茨乃」さんです。
茨乃さんが本当に描いた?という画風な感じで、マギレコでもそういうことがあったのですが、その場合は誰が描いたのか情報を載せていました。

この絵師の情報を載せないことの何が悪いのかというと、絵師推しの人を引き付けられないことと、絵師さんを知ってもらうことの機会損失、そしてAI生成を疑われることです。

昨今ではイラストのAI生成が普及してしまったことでAI生成の絵を避ける人も少なくないです。
ゲームによってはAI生成を使用していると書いてくれるゲームもあるのですが、AI生成を使っているということだけでそのゲームを買いたくないと判断する人もいます。

正直、Magia ExedraにAI生成が使われていたらガッカリします。
せっかくマギレコを機会に携わった絵師さんがたくさんいるのに、資金面を優先してAI生成したの?という絵師を軽視するゲームに見えてしまいます。
※個人の感想です

そんな思惑が見えてしまう今の状況では、AI生成を避ける客は買い控えすることになり、絵師さんも協力してくれなくなる可能性があります。

2025年4月20日まで行われるイラストコンテストで上位になったイラストがポートレート化されるとなった場合、描いた絵師の情報がゲーム内に載らないのです。

当事者の視点に立ったら、どういう感情を抱くでしょうね。

今のMagia Exedraでは絵師を軽視しているように見えます。

 

以上、Magia Exedraのサービスが長く続かないとわかるポイントとなります。

ここまでに上げたポイントはすべて運営へ意見として送信済であり、お願いしますの意味も込めて課金も済ませています。

短期的に見れば気にならないことも、長い目線で見るとこのゲームには爆弾が仕組まれていることが分かりました。

まだサービス開始したばかりで、ゲームを変えていくためには早いうちから運営へ意見を届けたほうが良いです。

みなさんもそのゲームを長く遊びたいと思う場合は、思ったことをドンドン意見していった方がよいです。

Magia Exedraが、長く続くゲームになるよう、上記のポイントが改善されることを祈ります。

 

※このページではMagia Exedraの要素を扱っています。

 

【Magia Exedra】魔女文字まとめ【文字解読】【まどドラ】

このページでは、ゲーム Magia Exedraに登場した魔女文字をまとめていきます。
この魔女文字、何が書かれているのであろうと思ったものがここならわかる!と思ってもらえると幸いです。

また、まどマギ本編等の既存作品ですでに判明している魔女文字は記載を除きます。

どこでも出ていないMagia Exedraならでわのもののみ取り上げます。
※管理人の裁量になるのでご了承ください

魔女文字が登場する機会が追加されたらこのページに追記していきます。

 

・ストーリー

MAGIA
EXEDRA

マギアエクセドラ

発見場所:プロローグムービー

残念ながらただのタイトルコール

 

・フィールド

道路にあるカラフルな文字
GISELA:銀の魔女の名前
道路上にある白文字すべて(おそらくキロポスト)
70:数字そのまま

発見場所:銀の魔女の結界

実は詳細な銀の魔女の結界が描かれたのは初(劇団イヌカレーの資料集にもしかして出ていた?)。大抵は高速道路上で高速で流れる背景だけだったと思うので取り上げました。
両方道路上に記載されていて、所々がかすれているというリアルでよくあることの再現がされています。
GISELAが魔法少女の時は暴走族だったのではという考察もあり、道路上にある自分の名前は暴走族が行う縄張りを主張するための落書きなのかもしれません。

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青看板
MITAKIHARA MADE 140KM:見滝原まで140km
黄色看板
TOBIDHASI CHUUI:とびでゃし ちゅうい → 飛び出し注意

発見場所:銀の魔女の結界

青看板、黄色看板共にローマ字読みすることになります。

青看板の内容を見ると、見滝原からなかなかの距離がある場所の様子。
風見野だったとしても流石に遠すぎるのでGISELAが魔法少女の時は見滝原から140km離れた場所に住んでいた説が浮上?!

CHUUIが「注意」となるのはヘボン式で行う表記ですが、TOBIDHASIという記載方法で「飛び出し」を表現している理由は謎。

 

・演出

PUELLA MAGI MADOKA MAGICA

魔法少女まどかマギカ

発見場所:メインストーリー 魔法少女まどか☆マギカ ストーリー再生時

作品ごとに文字やエンブレムが変わるかも?
上下で同じ内容が記載されています。

=====================================

PUELLA MAGI

魔法少女

発見場所:各種魔法少女ストーリー再生時、イベントストーリー再生時

魔法少女ストーリーの時にちゃっかり変わる魔女文字使用ポイント。細かい
上下で同じ内容が記載されています。

 

※このページではMagia Exedra の要素を扱います

マギアエクセドラ 日本語版 discord鯖用意しました

マギアエクセドラ 日本語版 discord鯖用意したので興味ある方はぜひ参加してみてください!

以下の要素は扱っている(つもりです

・まどマギ関連情報交流

・マギアエクセドラストーリー感想交換

・ちょっとした攻略情報

・イラスト

懐かしのマギアレコード時代から継続している鯖です。マギレコの懐かし話をしても大丈夫です。

ゆるい感じでやっていくのでお気軽にどうぞ!

 

アクセスは以下URLからどうぞ

https://discord.gg/Z5fj3vY4

良ければいろんな人に教えてあげてください!

次元縁書ソラノメモリー 1-18 次元改変の末路

「おーい、もしかして中にいるのはカミオカか?」

カミオカと呼ばれる男は回転椅子を声がした方向へ向けた。

「なんだ、とっくにみんなは帰ったぞ」

「また最後の1人になるまで研究所にいたのか。早く帰るようにしないと、カミさんと子ども達が泣くぞ」

「ふん、学院研究所からの依頼物について納期が近いから当然だろ。納期を守れないと家族の今後にも関わるんだ、こっちを優先するに決まってる。

で、お前はなんで戻ってきた」

「そうそう、その依頼物関連でさ。

熱心にやらなくてもいいのに、また1人で馬鹿正直に頑張ってるんだろうって思ってきただけさ」

「お前も他のやつらと同じく平和ボケしたのか?納期を守れないことがどれほど重罪かお前ならわかるだろ?」

「昔は経費削減と首に関わることだったからな、納期の遅延は。
厳格じゃなくなった今でも納期の遅延は研究者にとって恥であることはわかっているさ」

「だったら手伝え。

タービン機構からの脱却なんて無理難題に、ピストン機構の応用とかいう苦しい言い訳を書く知恵を貸せ」

「別に新しい発見じゃないことくらいみんな実感してやってるさ。

磁石とコイルの組み合わせで生まれる電子の動き以外で効率よく電子を制御する方法なんて西方国協会でも見つけられねぇよ」

「愚痴ではなく言い訳を考えてくれないか」

「愚痴じゃなくて助言をしたつもりだが」

その後時間が飛び、カミオカが自宅へ到着したシーンへ変わった。

戸建ての家はまだ内部が明るく、人が動く様子があった。

カミオカが玄関を通ってリビングへ行くと、妻と兄妹がみんな起きていた。

その様子にカミオカは驚いていた。
なぜならこの時間は次の日へ日付が変わってしまう時間帯であったからだ。

「おいおい、みんな揃って夜更かしなんてどうした」

「あなたにすぐに伝えたいニュースがあるからよ」

妻がそう言うと兄のコトアキがカミオカの前で大喜びしながら伝えた。

「父さん!学院研究所の試験に合格したんだ!」

「本当か!それは大ニュースだ!

コトアキが頑張った結果だ。父さんは嬉しいぞ」

学院研究所は通常の筆記試験、論文提出後の合格が必要となり、ここ東陸連合の中でも最難関の就職先とされている。

家族全員はその興奮で寝られなかったようだ。

みんなが笑顔の様子が映し出された後、再び日が飛んでカミオカは自宅でテレビを見ていた。

テレビには西方国協会が新原理でエネルギーを得られることを発表したと報道されていた。

西方国協会はアリザという新人研究員が発見したと報告した。

とあるサンプルの鉱石同士を液状にして混ぜ合わせると、原子同士が周囲の電子を吸収しながら近づき、衝突すると吸収した分の電子を放出しながら離れる。

そして再び原子同士が電子を吸収しながら引き合うという反応を繰り返す。

衝突するまでに必要な電子を初動で供給しなければいけないが、その後は電子の流れが途絶えないという。

サンプルになった鉱石をアリザという研究員がどこから持ち出したのかは極秘とされ、現在は類似する鉱石の採取場所を西方国協会では調査中という。

「とんでもない天才が現れたものだ」

カミオカがそう呑気に呟くと、隣で一緒にテレビを見ていたコトアキが休みだというのに電話で呼び出され、学院研究所へ急いで向かった。

きっと論文が共有されて、サンプルの調査依頼でも出されたのだろうと予想できた。

いつこっちにも依頼が来るのかと休みなのに心が休まらなかった。

再びシーンが飛び、カミオカは研究所の一室で所長と複数院研究員同士で会議をしているシーンになった。

それなりに時間が飛んだのか、最初のシーンに出てきた同僚は40代の見た目になっていた。

「西方国協会だが、学院研究所のリーク情報によると、どうやら技術の独占をするようになったと報告があった」

そう所長が伝えると1人の研究員が発言した。

「そりゃそうでしょうよ。

サンプル鉱石に合致するトロデウト鉱脈が見つかったらそれをどう扱うか情報公開せずにしばらく経たずにどんどん新技術の発表が出ていますから」

「火力発電所の取り壊しを進めてるっていうのも、そういうことでしょう」

最近は技術共有がされない限りトロデウトの持ち出しを西方国協会へ禁止するとか議論もされていたな」

会議室がガヤガヤしだすと所長は大声で話し出した。

「いいかお前たち!これは一大事だ!

西方国協会の新技術は軍事転用が可能なものも多い。

奴らは横暴になっているし戦争も想定しないといかん」

研究員たちは黙ってしまい、しばらく沈黙した後に所長が話し始めた。

「リーク情報と共に学院研究所からこのような依頼が届いた」

そう言って所長は机のど真ん中へ書類を出した。

書類の表紙には目を疑う文字があった。

『ニュートロンの兵器利用 水爆開発』

これを見てカミオカは言葉を発した。

「所長、水爆は我々が実用化目前で凍結されていたもののはずです。

それを再開しろということは、よっぽどなのですか」

「言いたいことはわかる。

東陸連合で扱う兵器は、今では西方国協会へ歯が立たないだろう。

東陸連合が唯一誇れるのはニュートロン技術だけだ。

抑止力で終わればいいが、最悪使うことも考えて実用化させなければいけない」

1人の研究員が頭を抱えながら所長の後に話した。

「俺たちが本領発揮できるのはいいですけどね。分厚い資料ってことはこれまで以上のものを求めてるってことですよね」

「中を見ればわかる。要求値が高いから骨が折れるぞ」

シーンが飛び、研究所の休憩室にあるテレビが映し出された。

そこには西方国協会で謎の失踪事件が増えているという内容が報道されていた。

カミオカの同僚がニュースを見てカミオカへ話しかけた。

「西方国協会、人攫ってやばい実験始めてんじゃないか。あいつら物質転移とかあり得ないことも実現させてたし」

再びシーンが飛び、カミオカは所長たちと共に核のマークをつけたミサイル基地の中にいた。

施設のテレビには「西方国協会が宣戦布告して10日。ニュートロン兵器の使用を意にも介さず進軍続く」というテロップが映っていた。

そしてテレビの目の前にいる軍服を着た人物の手元には、「承認」とハンコが押された資料があった。

「連合会長の許可が出た上でこの結果か。

仕掛けたのは奴らだ。均衡を崩したことを悔いるといい」

そう言って軍服を着た人物は端末の発射コードを打ち込んで赤いボタンを押した。

宇宙から地上を見下ろすシーンへ変わり、東陸連合からだけではなく、西方国協会からもミサイルが放たれていた。

ミサイル同士がぶつかることなく、双方の大陸へ次々とミサイルが直撃していく。

直撃した大地からはキノコ雲が上がり、10個程度のキノコ雲が形成された後に画面が暗くなった。

次に画面へ映ったのは、地上で生き残った人々が白い灰にあたったり吸い込んだりして倒れていく映像だった。

地上は人が住める環境ではなくなった。

地下で生き残ったカミオカは西方国協会の戦争反対派勢力と合流していた。

西方国協会の戦争反対派勢力が作り出したテレポート技術が連携されたことで、地上へ出ずに大陸間を行き来できるようになっていた。

地下はニュートロン兵器が発する放射能を遮断しきれず、地上に浅い層から次々と病気で倒れる人々が出てきた。

カミオカの家族は、皆癌になって死んでしまった。
最近まで生きていたカミオカの息子はカミオカの腕の中で息を引き取った。

「わかってはいた。こうなるだろうとはわかっていたのに・・・」

カミオカは息子を抱きしめて泣き出した。
そんなカミオカの横で西方国協会の研究員が話し出した。

「これでは人類は全滅してしまう。
互いに手を取り、生き延びる術を見出さないか。行方不明となったアリザの残した知識と、君たちのニュートロンの知識があれば救える命もあるだろうさ」

「わかったよ。事態が落ち着くまでは協力してやる」

カミオカ達は西方国協会に残されたアリザの人体実験結果を利用して、なんとか人類を生かす方法を模索するようになった。

死に物狂いになっていた彼らは、戦犯である西方国協会の戦争肯定派を実験台にして放射能に強く、食料をほぼ摂取せずに生きられる細胞を研究した。

人類の9割が死んだ頃、カミオカ達は不死に近い細胞を作り上げ、細胞を移植された人物は体が大きくなり、白い体毛に覆われたイエティと言える見た目になった。

生き残った研究員達は皆変わった体になって歓喜した。

その成果を生き残った人々へ伝えようとしたが。

「バケモノ!」

そうあしらわれてほとんどの人々は細胞の移植を拒んで餓死や癌による死を選んだ。

「なぜだ、なぜ人々は死を選ぶんだ。

こうして生きていられるようになったのに…」

この後カミオカ達はシェルターを出て、永遠とも言える地上の旅へ出て行った。

 

映し出された映像はここで全てが終了した。

「なるほど。

あの世界で回収した場違いな資料自体が次元改変を起こしたわけではなかったか」

ソラはそう言って持ち帰ってきた資料を眺めた。

「一緒にあった日記は、世界の終わりが確定した後に次元改変へ巻き込まれた人のものだったと。

ブリンクもあの世界へ飛ばされていたし、他にもあの世界へ飛ばされて果てた人がいそう」

つづりさんがそう言うと、ソラは脳みそを見ながら話した。

「そこまではこの脳みそでは把握できない。

ただ、あの世界で次元改変を発生させた主犯はアリザという人物だろう。

アリザという名前が出てから突然技術が異次元に進化した。アリザはあの世界の住人ではない可能性が高い」

アルはソラが持つ資料を見ながら話した。

「場違いな資料ってやつ、それがどうやってあの世界にやってきたかも気になるけど」

「その資料なんだけどさ、ソラさんには伝えたけど異世界の縁と繋がっているみたいなんだ。

2本の縁が見えるし、追っていけばその資料をばら撒いた犯人に辿り着けるかもしれない

そう話したつづりさんへカナデさんがこう言った。

「主犯捕まえたところで、起きた次元改変はどうしようもないでしょ」

「だからこそ止めないと。
次元改変の末路は、あの世界のような終わりを迎えることだろうからね」

ソラがそう言いながら映写機に触れると、光って映写機の上に本が誕生した。

その本を手に取ってソラはカナデさんへ答えた。

「広がりすぎてファミニアがいよいよ次元改変に巻き込まれるなんてことがないよう、主犯を見つけて広がる波紋を抑えることくらいはできるだろうね。

その道中で修復方法が判明するかもしれないし」

ソラが持っていた本はしばらくして青い光の粒になり、空がいつも持ち歩いている本へ吸収されて行った。

「こうして消える世界の情報も、少しは残せるといいけど」

「やれやれ。別世界を記録するだけになると思ったら、ファミニアを救うなんていうデカいことをはじめることになるとはね。

いつものように付きあうけどさ、この脳みそはどうするの。この世界のものじゃないから消えないでしょ」

「脳みそは肥料にできるか持ちかけて、干渉液は下水に流すでいいよ」

「え、その危なそうな液体を下水に流すの?!」

ブリンクはそう言いながら驚いた。

そんなブリンクへアルが答えた。

この世界の下水は存在自体を削除する。他の世界みたいに海へ垂れ流しなんてことはないよ」

「そ、そうなんだ」

脳みそを嫌な顔をしながら見ていたカナデさんはその顔のままソラへ話した。

「それで、その資料の縁を早速追うの?すでに手を出してる次元を増やしてんのにさ」

「一カ所はすぐに調べておきたいんだよね。あの一カ所だけで全てが繋がるかもだし」

すでに次元改変は連鎖的に発生し続けている。知らないだけですでに終わってしまった世界が他にもあるかもしれない。

ぼくたちに今からでもできることはあるのだろうか。

 

終わった世界 完

 

 

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次元縁書ソラノメモリー 1-17 錬金術との再会

「早急に対処しなければいけない緊急事態は回避された。

となれば、次にやることは干渉液を使って例の生物の脳からあの終わった世界の情報を覗くことだ」

ソラが食事中に今後のことを話し始めた。

色々あったのに、周りのみんなは何もなかったかのように食事をしていた。

その脳みそは昨晩中に干渉液へ浸していつでも覗ける状態にしてあるし、記録できるようにもしておいたよ」

「え、そうなの?!」

「流石だね、アルは仕事が早い。

んで、驚いたカナデは何かあったのかな?」

「えっと、音の出力ができるようになるまで、待って欲しいかなって」

「カナデしっかりしてよね、音声がなかったら大事な情報が手に入れられないかもしれないじゃない」

私は他の世界の音声データを抜き出すっていう別作業があったんだよ!つづりんもタスクが重なったこの苦労わかれ!」

「はいはいわかってるよ」

「ほんとにわっかってんのか」

こんなやり取りもいつものこと。つづりさんはしっかりカナデさんの苦労は知っている。
つまりただ冗談を言い合っているだけ。

「まあまあ。少し時間が必要なら、ブリンクは自分にできることを試しに外へ出ていればいいと思うよ

「ブリンクにしかできないこと?」

「もう、イメージは頭に浮かんでいるはずだよね?」

ブリンクはソラの言いたいことがわかっているかのようにうなづいた。ぼくにはさっぱりわからなかった。

カナデさんの準備が終わるまで、ぼくはブリンクと一緒にシチィケムの河原へと来ていた。

シチィケムまではハルーで移動したためブリンクにしか出来ないことについて聞く時間がなかった。

だから河原へ着いて一呼吸置いた後に僕はブリンクへ質問した。

「ブリンク、そろそろブリンクにしかできないことについて教えてくれない?」

「ちょっと待ってて」

そう言ってブリンクは細長い草を何本かむしり取り、それらを折り合わせてトンボのようなものを作り上げた。

それを地面に置き、ブリンクがチョンと人差し指でその作り上げたものを触ると、少しだけその置物は黄色に光った。

そのあと、草でできたトンボは生きているかのように飛び上がった。

「すごい、作ったものが動いた。

ブリンクが使える能力って、作ったものを動かせる力なの?」

「少し違うよ。

私がやったのは、あの作り物に命を分けてあげただけ。今回は作り物に命を分けたけど、無機物なものにも同じことができるんだ」

「命を分け与える?

あまり穏やかではないね」

「あら?どうしてそう思うの?」

「命を分け与えるなんて、自分の命を削って能力を使っているみたいじゃない」

「実は能力、とは少し違う。

これは私が元いた世界で生まれた時から使えた唯一の錬金術。お母さんには、生命錬金って言われてたっけ」

「命を分け与えるのが錬金術?」

「錬金術は、無から有を生み出すことができない等価交換の術。

その原則の通り、私は自らの命の一部を変換して、命なきものへ命を与えられる。

与えられた者は自由に行動できるけど、私がその生物に取り憑いて、その生物の目線から観察が行えたり、アクションを起こすことができる。

悪い言い方に変えると、傀儡化ね」

「そんなことしたら、いつかブリンクの生命力がゼロになっちゃうんじゃ」

「そこは気にする必要がない」

そういうと、話している間ずっと旋回運動をしていた草のトンボがブリンクの右手のひらに降り立った。

そのあと、草のトンボは淡い赤い光を放って力なくただの草の塊になった。

「与えたものを返してもらうこともできる。

やろうと思えば奪うことだって、できちゃう」

「使い方によっては物騒なこともできるのか。やろうと思えばこの世界の人の命も奪えるってこと?」

「それは相手次第かな。少なくとも、この世界ではやらないよ」

相手次第か。早速第一犠牲者になる候補が一人思い浮かぶけど。

そう思いながら疑問に思っていたことを口に出した。

「でも、何でいまになってその錬金術を使えるようになったの?

魂のありかが変わったせい?」

「そのおかげかも。

実は私の錬金術は使いたくても元々いた世界では使えなかったの」

「世界の、概念が邪魔していたとか?」

「そうなのかな。

元いた世界で生命錬金をしようとしても、何かに阻まれるかのように邪魔されてまったくうまくいかなかった。

私は唯一無二の錬金術が使えないうえに、一般的な錬金術はからっきしだった。

そんな私を見て、お母さんをよく知る人からは可哀想な子ってよく言われていた」

「ちょっと待って、それ話してて辛い話だよね。無理して話さなくても」

「聞いてほしいから話しているの。最後まで聞き届けてくれる?」

急に昔話をしはじめた意図はわからない。

でも、聞かないという選択肢もなかった。好奇心とかではなく、聞き届けることでブリンクの気持ちが楽になるのならと、そういう考えだった。

「いいよ。聞いた話を全部受け止めてあげる」

「ありがと」

ブリンクは手のひらに乗った草を川に流して話を続けた。

「元いた世界では錬金術の鬼才と呼ばれていたお母さんは、私の使えない錬金術の存在をすぐに理解し、とても興奮していた。

私を慰めようともせず、生命錬金の可能性を私へ伝えるのに夢中だった。

その時の私はただ、傷ついた心を癒して欲しかった。

私は望んだことをしてくれない”母親”に大っ嫌いと一言吐き捨てて家を出たの。

私は丸一日家にも、学校にも行かなかった。
橋の下で寝転がって、このままどうしようかなって不貞腐れていた。

家出した次の日の夕方、私の”母親”は涙目で私の前に現れたの。

そして私の前で膝をついて私を抱きしめたの。

抱きしめられた瞬間、お母さんの体は冷え切っていて温もりなんてなかった。

でも

ごめんね、心が理解できなくて。辛かったでしょう?わかってあげられなかった、バカなお母さんでごめんね。

そんな言葉を聞いた時、何故か私には温もりを感じ取れたの。

その日からお母さんは私を出来損ない扱いする人には厳しく当たるようになった。

そして私が不愉快な思いをしないようにと、錬金術とは無縁の学校へ変えてくれた。

錬金術とは無縁の学校へ転校したことを機会に、私は錬金術とは縁を切った。

後からお父さんから聞いたんだけど、お母さんが考えを改めたのはお父さんがお母さんをきつく叱ったかららしい。
怖いもの知らずのお母さんでも、お父さんには逆らえないっていうのは知ってた。でもなんでかは二人とも教えてくれなかった。

転校してしばらくした後、急にあの真っ白な世界に飛ばされて、そしてソラさんたちに助けられた。
まさかこの世界でこの錬金術と再会を果たすなんて思いもよらなかった。

できれば、錬金術を使える私をお母さんとお父さんに見せてあげたかったなぁ」

ブリンクはボクに顔を合わせないよう、ボクの前に立った。

「つまらない話でしょ?全部、私のわがままなんだから」

ボクは首を横に振った。

「つまらないわけがない。大事な話だよ。

使えるはずの力が使えないのに、ブリンクはよく頑張ったよ!」

「そう…そう思ってくれるの」

ブリンクはそう言って、ボクの胸に顔を埋めた。

「ちょ、ちょっと?!」

「少しの間だけこうさせて。この方が、落ち着くの」

ボクは察してそのままブリンクを抱きしめた。

ブリンクはそのまま静かに泣いていた。
泣き顔が見られたくない人なんて、沢山いる。それくらいわかる。

それからしばらくブリンクはボクの胸に顔を埋めたままだった。男でもこういう役割はありなのかなと、ふと思ってしまった。

周りはぼくたちに関係なく動き続けていて、そよ風が草を揺らしていた。

「ありがとう、もう大丈夫だから」

「ブリンク、きっと君の錬金術は多くの人の役に立つと思うよ」

「えへへ、そうだといいな」

「そろそろカナデさんの準備も終わってるだろうし、家に戻ろうか」

「うん」

そこから手を繋いで帰るなんてこともなく、2人は横に並んで帰路へとついた。

家へ到着してドアを開くとなぜか部屋の中が暗かった。

足元に気をつけながらリビングに入ると映写機を囲んでカナデさん、つづりさん、そしてソラがいた。

「おーおかえり。準備はもうできているよ」

「なんで家の中全体で真っ暗なの」

「ん?何か問題ある?」

いつもは水晶に映す程度なのに、今日は映画の気分だったのかな?

「いやさ…、まあいいや。映写機ってことはもう覗く準備ができたってことだよね」

「そうそう、今回は見る人が多めだし少し映画を見る時風な感じにしてみたよ」

やっぱり映画な気分だったか。

干渉液に浸かった脳みそから伸びるコードは小さな画面から映写機へ接続されていて、音声用のコードはオーディオコンポと接続されている。

「ほらほら、ブリンクはこっちの席に座って」

「えっと、はい」

ブリンクはつづりさんの誘いを受けて映像を見るために用意された長いソファーへと座った。

ぼくは映写機横の席へカナデさんと並ぶように座った。

映写機で見られる映像には一般的な日常のようななんの変哲もない情景が長時間続くことがよくある。

そんな中でも世界を知る際に必要な情報を見るために記憶の早送り、または巻き戻しを行うことがよくある。

その操作をぼくがいつも行っている。情報の取捨選択についてはソラが判断している。

「それじゃあ、再生するよ」

映写機が動き出して壁には脳みその記憶が映し出された。

 

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【リアルゲーム 日本国を復活させろ!】日本国の政治を日本人(帰化人・在日・日系除く)のための存在にするいうムリゲーを攻略する方法 その2 日本国に損得概念の外人を入れるな

この記事は政治知識皆無の状態から日本国の政治を日本人(帰化人・在日・日系除く)のための存在にするために何ができるのかを考えていくものです。

今の日本人で政治に興味を持つ人が少ない、または興味を持ちたいけど何からしたらよいかわからない、学ぶ時間も意欲もほぼないけど政治は変えたいという方向けに記載していくものになります。

私は政治や経済についてあまりにも無知です。
少しでも学んでいこうと思いますが、詳しい方は教えてもらえると色んな政治に無関心な方も学ぶきっかけになると思います。よろしくお願いします。

この記事は【リアルゲーム 日本国を復活させろ!】というシリーズで進めていきます。

ゲームだとなじめる人も多いと思うので、リアル戦略ゲームをやる気分でこの日本国を外国の魔の手から復活させるということをまずは目標としていきましょう。

 

今回の話は

1. 移民・留学生・実習生受け入れの目的とは

2. 日本は多様性やビジネスに向かない社会・文化である

3. もう日本という国は一度滅びましょう

の三つの話を進めます。

 

1. 移民・留学生・実習生受け入れの目的とは

国のための戦略として、「移民」というカードが各国できられています。

この「移民」というカードにはどのような効果があるのか。

移民とは、本来の居住地を離れ、国境を越えるまたは国内で移動する人々と定義されています。移民について理由や滞在期間に制約は特に無いようです。
移民が発生する理由は主に求職や貧困の回避とされています。

移民する際に国境を越える場合は、入国審査が行われます。入国審査が通らなければその国へ入ることは許されません。
日本はもちろん入国審査を行っており、ビザ所有が前提となっていたり、上陸拒否事由という入国させてはいけない人の基準も決まっています。

そんな移民を受け入れる目的として真っ先に浮かぶのが「労働力の確保」です。

他にも他国の考え方を知って多様性や新たな発想を手に入れるよいきっかけとなるという目的もありますが、この点については正直インターネットで常に他国の情報は手に入るような世の中なので移民受け入れの主な理由にはなりません。

留学生という点で言うと、旅行するよりも日本の文化や考え方に触れる期間が長いため日本をよく知ってもらうという目的はあるでしょう。

技能実習生という点については、日本の技術を学んでほしいという建前はありますが、「労働力の確保」という目的に変わりはないです。

このように、「移民」というカードには「労働力の確保」という効果があり、少子高齢化で発生する労働者不足を補う際に有効なカードです。そのため各国は経済を支えるために移民に対して特に規制は行ってきませんでした。

移民には主に2種類あるようで、「一時的な滞在」と「永住」があります。
「一時的な滞在」は決められた期間しかその国に滞在できず、「永住」はその国の住民となるものです。

「労働力の確保」という点で見ると、出稼ぎのような扱いである「一時的な滞在」よりも、「永住」で恒久的な労働力を確保したいでしょう。

日本の「永住」で移民を受け入れる目的は、「労働力の確保」という点が強いです。
参考:https://www.hitachi-zaidan.org/global-society-review/vol1/commentary/index.html

 

2. 日本は多様性やビジネスに向かない社会・文化である

日本が移民を受け入れる目的は「労働力の確保」であるとお伝えしましたが、この移民について日本文化や日本での考え方が考慮されていないのが事実です。

日本の文化や考え方はどの世界から見ても異質なものと言えます。

なぜなら、「おもいやり」が前提の社会になっているからです。
「おもいやり」が行き過ぎて「空気を読む」や「周りに合わせる」といった悪い習慣を生み出している面があるのですが、「おもいやり」があるおかげで成り立っている日本特有のものがあります。

1つ目に、「損得とは無縁の行動」です。
「損得とは無縁の行動」にはおもてなしの精神が該当すると思います。おもてなしは相手に見返りを求めて行う”サービス”ではなく、「損得関係なく、相手に満足してもらえるよう応対や接待」することです。
相手に満足してもらうために事前に何を用意しておくべきかというところからおもてなしは始まり、相手が期待している以上の奉仕を実行します。
また利用してくれたらうれしいですという程度の想いでとどまり、相手に何か求めるような下心はありません。
このおもてなしが日本で成り立っていたのは、おもてなしを受け手側が「相手も大変な中、おもてなししてくれている」という自覚があり、おもてなししてくれている側に感謝するという、受け手側の想いもあるためです。
これは「おもいやり」がおもてなしをする側、される側双方になければ成り立たないのです。

ではどちらかが一方通行の場合どうなるでしょうか。

おもてなしをする側がいつもの「おもいやり」で接待している中、受け手が”サービス”の考えしかない人の場合、自分が”得”をするための行動をするでしょう。そのために接待してくれている側へ無理な要求をする人もいるかもしれません。
和食店で”私たちを満足させるために洋食を用意してほしい”であったり、”私たちを満足させるために宿泊代を安くしてほしい”といったものが考えられます。

このような考え方をする受け手が増えれば、おもてなしをする側が一方的に苦しくなります。

次は逆のパターンです。受け手におもいやりがある中、”サービス”の考えしかない人が接客したとします。サービスを提供する側は利益を得るために行動しているため、報酬以上のことは実施しません。
そのため、報酬以上のことを要求してしまうと、追加料金を要求したり、無視するといったことが発生します。
迷惑客が店内に現れた場合も、迷惑客への対応が報酬以上の行動になる場合は迷惑客へ対応してくれません。迷惑客をどうにかするには、受け手側が行動しないといけません。その結果損害が発生した場合は、受け手側が勝手に動いた結果であるため負担は受け手側のみになります。

このように、「おもいやり」は損得概念が入ってくるとおもいやりのある人が一方的に損をします。
損得概念が強い外人が日本に多くなると、「おもてなし」の文化は消滅してしまうでしょう。そしておもいやりを持つのはばかばかしいとなり、損得概念が支配するようになるでしょう。

 

2つ目に「公共の場での振る舞い」です。

公共の場と言えば公園や病院、駅といった多くの人が使用する施設に加えて公共交通機関も含まれます。こういった場所で日本では当たり前に行われている配慮があります。

公園であれば、子どもたちが自由に遊ぶことができます。これは親が見守っているのもそうですが、その地域の人達が子どもの騒ぐ様子や遊ぶ様子を見てそれも大事な交流の始まりだと理解して見守っているという過去があります。
これは統計ではなかなか現れないですが、公園で子どもたちが楽しそうに騒いでいても普通であれば負の感情は湧きあがらないのではないでしょうか。そこには、子どもに対する「おもいやり」が働いているからではないでしょうか。

最近は公園が騒がしいという苦情を言う老人が増えています。これは悲しいですが事実です。
中学生以上の学生が騒いでいるならまだしも、小学生の頃はまだ他人に配慮するということ、なぜ配慮が必要なのかを学んでいる最中です。とにかく元気に遊ぶことが基礎体力を伸ばしたりコミュニケーション能力を身に着ける大事な機会を公園で得ているのです。
そういった背景を理解しなければ、今度は「おもいやり」が理解できない外国人からも苦情が出て、いずれは公園という子どもが自由に外で遊べる場所は失われてしまうでしょう。

病院や公共交通機関では、暗黙のルールとして「静かに待つ」ということが当たり前に行われています。
子どもも親からなぜか静かにしなさいと言われる機会があると思います。その理由を説明できる親はだんだん日本から少なくなっているでしょう。
その何故静かにしなくてはいけないかが大事で、結論から言うと、「配慮」です。

病院や公共交通機関は公園とは違って子どもから老人まですべての年代の人が使用されることが想定された場所です。そのような場所で全員が好き勝手に騒いだり大声を上げる状況を想像しましょう。

まずはアナウンスが聞こえないです。
病院やバスでは室内にアナウンスが流れ、次に診察室へ呼ばれる合図や次の停留所に停まる合図となります。室内が騒がしいと、これが遮られます。
これだと待っている人とアナウンスする側のコミュニケーションが阻害され、業務妨害になったり利用者が不機嫌な思いをすることになります。
他にも好きに騒がれると、その結果利用者の一部が不快な思いをして、最悪は乱闘に発展します。

このようなリスクを回避するための「配慮」として病院や公共交通機関では静かにするというマナーが生まれているのです。

マナーであり、ルールではないため拘束力はあまりありません。
そんな中で日本人が騒いではいけないという規則や法律が無くても静かにしてしまうのは、自然と「おもいやり」の心が働いているからではないでしょうか。

そんなマナーですが、日本人が一方的に守り、「おもいやり」や「配慮」を知らない外人が混ざったらどうでしょうか。
騒いだ時のリスクが発生しやすくなるだけでなく、子どもが「他の大人が騒いでいるのに何で自分たちだけ・・・」という次世代へ静かにすべき理由の継承がうまくいかなくなるリスクが生まれます。

日本へ外人が増え続け、「おもいやり」の精神が消滅してしまった先では、誰もが好き勝手に過ごして、気に入らなければ他人と争い合うカオスな国となるでしょう。

 

ここまでの話で分かった通り、日本にある「おもいやり」を前提としたマナーや考え方は、損得概念の栄養にしかされず、一方的に損をするしかないという弱い立場にある考え方です。

そんな日本へ多くの外人が訪れ、住むようになれば損得概念を持つ外人が一方的に得をするようになるのは当然の結果です。なので世界に追いつくために日本も損得概念を取り入れないといけなくなりました。

その影響として日本の「おもいやり」は継承されにくくなり、損得概念が重視されるようになります。
現代の考え方で言うと、「コスパ、タイパが悪いからやらない」というのが日本を損得概念が支配している証拠と言えるでしょう。
そんな損得概念の中では「おもいやり」で成り立っていた伝統芸能や技術が継承されるはずがありません。

お雛様を飾る?お金かかるからいやだ。
歌舞伎を見る?その結果何の利益になるの?
茶道?だるいだけでお金もらいにくいじゃん

・・・

その伝統のバックグラウンドを尊重せず、損得概念が先行すると日本の伝統文化なんて守れはしません。

今や政治もビジネスの一部です。
損得概念で見た日本文化は外国人を招いて安く「おもてなし」を提供する「商品」でしかありません。そのうち日本文化へ値段をつけて他国へ売られることにもなるでしょう。
「おもいやり」で成り立っていた文化に、価値を付けられる末路を見たいですか?

 

日本らしさを守るためには、日本という存在自体をビジネスという場から切り離していく必要があります。そのためにはまず政治という存在を「ビジネス」から切り離す必要があります。
海外とのやり取りは、ビジネスに詳しい企業が、国内の運営はビジネスと切り離した政治が運用するという、政教分離にならって「政得分離」の考え方が、日本らしさを守るためには大事ではないでしょうか。

 

3. もう日本という国は一度滅びましょう

前の章で話な内容とも重複しますが、「おもいやり」を理解して来ない外人の移住者から見ると、日本の考え方はカモでしかありません。

日本人が「おもいやり」で配慮した結果も、損得概念しか知らない外人にとっては「なんか私に甘いんだけど、ラッキー」という想いしかありません。

そんな人たちを安く雇えるから、起業させると他国からお金をくれるからという理由で日本に招こうとしているのが今の日本政治です。

現在進行形で日本の大事な「おもいやり」の精神は破壊され続けています。
それは日本人だけではなく動物にも及んでおり、奈良にいる鹿は、そのうち人間を見限って奈良らしさが消滅するかもしれません。

かつて戦国時代のキリシタンが実施した寺の破壊行為のように、日本の重要文化財の破壊が今後も発生するでしょう。

「おもいやり」の精神で成り立ってきた日本国内の調和は修復不可能な段階まで来ていて、日本はもうすぐ訪れる「カオス」に備えないといけません。

「おもいやり」が消えた損得概念の日本政治へ立ち向かうためには、挑む側も損得概念を知らなければなりません。
「おもいやり」のみでの対抗は不可能です。

一度日本国内は戦国時代のような「カオス」を再度再現し、「おもいやり」が重視される支配体系を取り戻すしかありません。

そんなこと、奇跡がないと起きません。

・通常選挙は組織票で支配され、比例代表選挙も組織票のせいで落とされた悪人が復活して悪人だらけの政党の転覆は叶いません。

・警察は政治家と繋がっているので日本人のみ取り締まり、外人は罰しません。そんな警察を咎められる政治は、損得概念しかないため警察の現状は変わりません。

・司法は損得概念に支配され、お金を払えば無実、政府からお金をもらえば政治が有利になるように一般日本人は処されます。

・ネットで呼びかけても、小規模デモを起こしても風に吹かれその声は消されます。政治家の耳には届きません。届いても無視します。

 

もう日本人ができるのは奇跡を祈る以外は滅びを待つのみです。

 

日本という国は残念ながら一度滅ぶでしょう。
「おもいやり」を重視した金持ちが日本を乗っ取るような奇跡がない限りは、滅ぶ以外の選択肢はありません。

その後何十年と「おもいやり」が消えなければ、外人含めて理解ある人と団結して日本とは違った「おもいやり」を重視した集団を作れるでしょう。
そのときが「おもいやり」を重視した国の誕生につながるはずです。

 

結論:日本国の滅びは一度受け入れるしかない。
でも「おもいやり」は忘れるな

このムリゲーは、一度損得概念に敗北し、その後「おもいやり」を闇から這い上がらせる方法で日本の復活を考えるしかなさそうです。

 

【リアルゲーム 日本国を復活させろ!】日本国の政治を日本人(帰化人・在日・日系除く)のための存在にするいうムリゲーを攻略する方法 その1 選挙に行く意欲を取り戻そう

この記事は政治知識皆無の状態から日本国の政治を日本人(帰化人・在日・日系除く)のための存在にするために何ができるのかを考えていくものです。

今の日本人で政治に興味を持つ人が少ない、または興味を持ちたいけど何からしたらよいかわからない、学ぶ時間も意欲もほぼないけど政治は変えたいという方向けに記載していくものになります。

私は政治や経済についてあまりにも無知です。
少しでも学んでいこうと思いますが、詳しい方は教えてもらえると色んな政治に無関心な方も学ぶきっかけになると思います。よろしくお願いします。

この記事は【リアルゲーム 日本国を復活させろ!】というシリーズで進めていきます。

ゲームだとなじめる人も多いと思うので、リアル戦略ゲームをやる気分でこの日本国を外国の魔の手から復活させるということをまずは目標としていきましょう。

 

今回の話は

1. 政治話はタブー、危機感を煽るだけという考えは時代遅れ

2. 今の選挙はクソゲー。でも一抹の希望は握りに行こう

の二つの話を進めます。

 

1.政治話はタブー、危機感を煽るだけという考えは時代遅れ

【リアルゲーム 日本国を復活させろ!】の初期ステータスを説明します。

主人公であるあなたは参政権を持った純日本人です。

純日本人というのは、帰化人・在日・日系でもない、日本人の家計から生まれた存在だということです。

主人公であるあなたは貧乏で、立候補するための人脈も、お金もありません。

そんな中でいいま日本国で起きようとしていることは、国民を苦しめる政策と、戸籍制度を廃止しようという政策が進もうとしています。

ここまでの話で、

「政治の話は暗くなるからやめよう、もっと楽しい話をしよう」

「そんな危機感煽ることやめて?不安になるじゃん」

そう思っている方は、日本国が外国に支配されて日本人が奴隷になることを遠回しに認める人です。
もう危機感を煽るという段階ではありません、実際に危機なのです。

現在このリアルゲームで最も討伐すべき目標は、「戸籍制度を廃止しようという政策」です。

日本の戸籍について難しい表現を除いて簡単に説明します。

日本の戸籍とは、「日本人であることの証明書」です。親は誰で、こどもは誰か、親戚は誰かまでが記されており、戸籍だけで家族構成を一元管理できます。
戸籍の走りだしは大変だったと思いますが、現在では現存の戸籍へ子どもが生まれたら追記していくだけの形となっているため、日本戸籍を持った親から生まれた子は日本人として証明できるのが、戸籍です。

戸籍があれば、遺産相続や土地の継承、日本パスポート発行が容易といった日本人であることの証明書としては素晴らしい存在です。

この日本戸籍を持っていない場合は、日本人として認められるのは難しいことを意味していて、日本人だと偽っても、戸籍を提出できなければすぐに嘘だと見破れます。

そんな日本人である証明を守り続けていた戸籍の制度が廃止されるとどうなるのかは戸籍の簡単な説明を見た後だとわかるでしょう。

日本人である証明がさらに難しくなり、管理がカオス化、日本人とは何かを失うことになります。

家族構成が追えなくなるということは、相続の際に他人が家族を装って主張してきた場合、その証明である戸籍が無ければ、家族を装った他人が相続をしてしまう確率も上がります。

さらには参政権が日本人を装う人にも付与され、日本人のための日本国ではなく、外国人のための日本国となってしまう未来に繋がります。

こういった点から、「戸籍制度を廃止しようという政策」を食い止めることがまずはこのゲームの目標となります。

この状況で、政治の話はしたくないと言ってられるでしょうか?
まだそう言える方は、ぜひ外国の奴隷となってください。

 

2. 今の選挙はクソゲー。でも一抹の希望は握りに行こう

人脈もない、お金もなくて政治立候補もできない主人公が「戸籍制度を廃止しようという政策」を止める方法として、「選挙に行く」という選択肢があります。

選挙というのは、自分が住んでいる選挙区にいる政治家で自分の考えに最も近い政治家を選び、投票する。そして当選した政治家が、投票してくれた人々の思いを国会の場で実現させるための存在です。

そんな唯一と言っていい選挙という方法が、このリアルゲームではほぼ意味を成していない状況にあります。

では、現在投票できる政治家の所属する政党が、「戸籍制度を廃止しようという政策」についてどのように向き合っているのかを見ていきましょう。

※政治に詳しくない一般人のイメージです

・自由民主党(自民党):高市早苗さんは戸籍制度を維持した選択的夫婦別姓に賛成している。しかし親中派が多いため戸籍制度廃止に賛成する人が多そう

・立憲民主党:戸籍制度廃止に積極的。議席を減らして意見を通りにくくしないといけない政党

・公明党:親中政党。選択的夫婦別姓に賛成している。戸籍制度廃止に賛成する可能性あり

・日本共産党:親中政党。選択的夫婦別姓に賛成している。戸籍制度廃止に賛成する可能性あり

・日本維新の会:選択的夫婦別姓に賛成している。しかし戸籍制度の維持は考えている。とはいえ前言を覆す癖があるようであまり信頼できない

・れいわ新撰組:選択的夫婦別姓に賛成している。戸籍制度の維持は特に主張されていない

・国民民主党:選択的夫婦別姓に賛成している。戸籍制度の維持は特に主張されていない

・参政党:選択的夫婦別姓に反対している。戸籍制度の維持にも賛成している。
参考:https://www.sanseito.jp/news/12552/

・社会民主党:選択的夫婦別姓に賛成している。戸籍制度の維持は特に主張されていない

・日本保守党:選択的夫婦別姓に反対している。党の方針と党員の考えが一致していないという情報アリ?

 

こう並べた状態で、戸籍制度の廃止を反対してくれそうな政党だけで言うと、参政党と日本保守党に絞られると思います。個人名で言うと自民党の高市早苗さんになりますが、他はすべて戸籍制度の維持を考えてくれているか不明な政党ばかりです。

この状況で、では投票してくださいと言われて自由に投票できるかというと、正直言ってムリゲーです。

参議院選挙時、北海道の立候補者の所属政党を見てみましょう。
参考:https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/shugiin/01/

1区:自民党、立憲民主党、共産党、参政党、日本維新の会
2区:自民党、立憲民主党、共産党、日本維新の会
3区:自民党、立憲民主党、共産党、日本維新の会、無所属
4区:自民党、立憲民主党、共産党、無所属
5区:自民党、立憲民主党、共産党
6区:自民党、立憲民主党、共産党
7区:自民党、立憲民主党
8区:自民党、立憲民主党、共産党
9区:自民党、立憲民主党、共産党
10区:自民党、立憲民主党、共産党
11区:公明党、立憲民主党
12区:自民党、立憲民主党

ムリゲーでは?
どこにも投票したくないという意見が多数になってしまうのも仕方がないのでは?

こんな状況で選挙に行けよと言う人、自民党 or 立憲民主党の地獄でどうしろと?
無責任な意見すぎではないですか?

このように、地域によってはそもそも民意を伝えるための選挙が役に立っていません。

もうこれは別の地区の議員も応援できる選挙制度の改革でもない限り解決しない問題で、極端なことを言うと民意が伝わりやすい場所へ移り住むしか方法がないです。

現状、戸籍制度の廃止を止めるには戸籍制度の廃止に積極的な政党以外を選べる地区に移り住んで民意を伝えるしか方法がないのです。

“主人公であるあなたができるのはそれだけです”

この国の選挙がどれほどムリゲーか理解できたでしょうか。

しかし、一抹の希望を求めて民意が伝わりやすい地域へ移り住むというのが今できることではないでしょうか。

 

結論:民意が伝わりやすい地域へ引っ越して選挙に出よう

 

北海道なら現状1区しか選択肢がないような・・・

他に政治へ民意を伝えやすくする方法はないですかね。

その考えについてもこのシリーズで煮詰めていけたらと思います。

 

 

 

次元縁書ソラノメモリー 1-16 魂と世界とのつながり

干渉液を手に入れたぼくたちは家への帰路についてた。
夕日が川に反射して赤みを帯びている中、ぼくたちは川辺に沿って歩いていた。

ぼくはブリンクに対してキエノラの話題を出した。

「キエノラに失礼じゃないか、急に飛び出していくなんて」

「苦手なものは苦手、あんな女に対して礼儀なんて疲れる行為をする必要もない!」

「やれやれ」

ブリンクと並んで歩いている中、右隣の足音が聞こえなくなってぼくは後ろを振り向いた。

そこには手を後ろに組んで、夕日を眺めるブリンクの姿があった。

「アルも、この世界の人ではないんだよね」

「…そうだよ。ボクもブリンクと同じでここではない別の世界から来た、らしい」

「らしいって、自分でも分からないってこと?」

「そう、ぼくはどこの世界から来たのかが分からないんだ。ソラもぼくが本当はどこの世界の住人なのか知らないって言うし」

「それって、普通は不安にならない?」

「なんでかな、そう考えたことはなかった」

「違和感とか、なかった?」

「…違和感?」

「周りの人と違って、自分だけが能力を使えないことが。
ゲミニカへ行く途中で話してくれたよね、この世界は能力を持っていることが当たり前なんだって」

「ブリンク、急にどうしたの」

「私、元いた世界では出来損ないだったの。
どう頑張っても錬金術は失敗するし、両親みたいに凄い力なんてない」

「落ち着いて、能力がなくてもこの世界の人は酷いことなんてしないから!」

ブリンクは素早くぼくの左手を掴み、そのまま泣き始めてしまった。

「ごめん、夕日を見ていたら急に悲しい気持ちになっちゃった。

私、わたし、役立たずなんかじゃないよね!」

ブリンクの感情が不安定になっている。この原因をぼくはよく知っている。

この世界に代謝は存在しない。その代わりにペシャンを摂取するか幸せを感じることで体内に溜まる「負」を消し去っている。幸せやペシャンを長時間摂取していない場合は、「負」が感情に作用し、最終的には自分で感情を制御できずに暴走をはじめてしまう。

暴走の結果、死者が出たこともある。
その後、暴走した者はCPUに連れていかれて行方不明のままとなっている。

この世界の住人であればよっぽど不幸が続かない限りは暴走に至ることはないが、ブリンクはまだこの世界の住人ではない。そのため「負」を消し去ることができずに体内へ溜まり続けている。

ぼくはブリンクの限界が近いと悟り、落ち着かせることにした。

「大丈夫、大丈夫だから!ブリンクにしかできないこと、絶対あるから!」

ぼくは両手でブリンクの両肩を掴み、ブリンクと目を合わせた。

「自分が何者なのか、それを知っているのはブリンクだけだ。

自分という本質を失わない限り、必ず自分にしかできないことは存在するはずだから!」

ブリンクは何も言わずにぼくの目を見つめていた。

しばらくしてブリンクは目を擦って涙を払った。

「ありがとう、アル。もう大丈夫」

「ブリンク、いったい」

「ほら、ハルーを使ってすぐに家へ帰ろう!」

ぼくは家に着くまで不安で仕方がなかった。

 

無事に何も起こらず家へ帰ってきたぼくたちは、ソラへ干渉液を手に入れるまでに起きたことを話した

そしてソラから驚きの発言が飛び出した。

「そうか、やっぱり二人そろって昏睡したか」

ぼくたちがディモノスリンで昏睡すると知ってお使いに出したの!?」

干渉液の材料はディモノスリンでしか手に入らないってことは知っていたからね。でも、無事に帰ってくることは信じていたよ」

「こっちは焦ったんだからね!ブリンクが目覚めなかったらどうしようかって」

「ごめんごめん。ブリンクにとっては、悪くなかったんじゃないの?」

ブリンクはにこやかに首を縦に振った。

「なら、いいけど」

でもキエノラのお気に入りになって変わった石を持ち帰ってくるとは思わなかったなぁ」

ソラは石を灯に照らしながらそう話していた。

「お気に入りになったら危ないって聞いたから、私もうゲルニカに立ち寄れないよ」

「うーん、キエノラ発信機でもアルに作ってもらったら?」

「作ってもらえるなら是非とも欲しい品ね!」

「あはは…」

「さぁてご飯にしようか。今日はシャケのムニエルだよ!」

「聞いたことがない食べ物、でも美味しそう!」

「干渉液は明日使用するとして、今夜はゆっくりするとしようか」

みんなが椅子に座っていただきますとともにシャケを箸で突き始めるかと思ったら、ブリンクは箸を不思議そうに眺めていた。

そんな様子を見てカナデが話し始めた。

「あ、もしかしてブリンクちゃんの世界に箸を使う習慣なかった感じ?」

「箸…。ただの棒2本かと思ったら、これも食事をするための道具だったんだ」

「うーんそうなったら、今度は箸の練習をしないといけないね」

そう言いながらつづりはキッチンへ行ってナイフとフォークを持ってきた。

「箸をマスターするのは結構時間かかるから、今日はナイフとフォークで食べるといいよ」

「そうしてもらえると助かるよ」

「箸の練習は大変だよ?

こうやって身を切って口元へ運んでこれるようになるまで、小豆を皿から皿に20粒移動できるようになるくらいじゃないと、マスターしたとは言えないからね」

「この動作を、20回も?!」

「ソラ、それは他の人でもできるか難しいと思う」

「え、そうかな?」

ブリンクはナイフとフォークが渡されて問題なく食事を行うことができた。

「ところで、キエノラに気に入られたきっかけって思い当たる節がある?

この世界の住人じゃないってだけじゃあ、お気に入り認定されるとは思えないんだよね」

「ぼくたちよりソラの方が知ってるんじゃない?キエノラの店を教えてくれたのはソラじゃん」

私は彼女と物々交換をした仲なだけであってお気に入りになる基準なんて知らないよ。

教えてほしなぁ、きっかけ」

ぼくとブリンクは少し悩んだ。

気に入られるきっかけ、何かあっただろうかと。

「そう言えばあの芸術家から質問されたのを思い出した」

「…どんな?」

「魂はどこにあるのかって。

私は、魂のありかに決まった場所はないって答えたよ」

「そうか。

気に入られたんだとしたら、ブリンクの魂に関する理論に興味を持たれたってところかな」

「そんな変わったことを言った覚えはないんだけど」

「まあでも、私も少しは安心したかな」

「え?」

「ブリンクに良い友人ができたことがさ」

「あの芸術家と友人なんて、考えたくもない!芸術家は苦手よ!」

「あらあら」

食事が終わって後片付けをしているとぼくはふと疑問に思ったことがあってソラに質問をした。

「え、アル達が行方不明になっていたのはどれくらいかって?」

「うん、その期間の長さによってはブリンクが危険な状態になる日も近いだろうから」

ちょうど食器を洗い終えたソラは蛇口を閉めて手についた水分をタオルで拭き取りながら話し始めた。

「1週間くらいかな。私たち流での換算では」

「1週間も?」

「ディモノスリンは、実はファミニアの端とも呼べる領域が含まれていてね。

前にも話したことがあったよね、ファミニアには端が存在するって」

「ファミニアの法則が及ばない闇の空間。

そこに踏み入れてすぐに戻れば何もないけど、長期間滞在したら何が起こるか分からない場所だよね。

ディモノスリンがそこに含まれるってこと?」

「ディモノスリンの詳細な広さは分かっていない。でも、ファミニアの端から先にも広がっているってことはわかっているんだ。

なんで外に踏み入れないように見えない壁が用意されていないか分からないけど」

「…それと今回の件で何か関係があることがあるの?」

「ディモノスリンでの時間の進み方だよ。

ファミニアの法則に囚われないのであれば他の世界同様に時間の進む法則さえ違う可能性がある。

さっき回答した一週間という基準は、他世界を探索するために私たちが他世界の情報をもとに算出しているものだし。
残念ながらファミニアでは時計というものが役に立たないから確かめようがないけれど、ファミニアでどれほど時間が進んだか知っても、あまり意味がないんじゃないかな」

「どうして不安にさせるようなことを言うの」

「不安?」

ブリンクは前までいた世界の習慣に従って眠るという行為を行っているだけで何も問題はない。

でも、目覚めなかったらどうしようかって。

そう考えていると、いきなり額に冷たい感触がしたので驚いた。その正体は、ソラが持っていた水の入ったコップだった。

「少しアルも休んだほうがいいよ。誰かに過干渉な状態になるなんて、らしくないよ」

「そう、だね」

ぼくはコップに入った水を飲んだ後、コップを片付けて自分の部屋へと戻った。

 

日の出の時間、いつもなら朝食の調達をする時間だけど、今日は違った。

ブリンクが目を覚さない。

そして、呼吸がとても浅い。

「そんな、こんなにも早く限界が近づくなんて」

アルの呼びかけにも応じないあたり、少し時間が経てば死んだ状態と変わらないものになるだろう。

「大丈夫だよ、アル。

私達はちゃんとこの事態を解決するための手段を用意できている」

「それなら、早く助けてあげようよ!」

「そうだね。

つづりん、拘束具を持ってきて」

「え、拘束具?」

つづりんは拘束具で手足が床から離れないよう固定した。

あとは拳を握りすぎて切り傷ができないよう、ブリンクの手にタオルを握らせた。

その後、私はアルがキエノラからもらってきた石をブリンクの胸元に置いた

「これはどういうこと?」

「これからブリンクの魂をこの石へ移動します」

「魂の移動?それだけで解決できるの?

いやでもそれをどうやって」

「アルくん、私はソラさんと二人が不在の間に別世界の観測を行っていてね、その世界では世界の法則から逃れる方法が存在していたんだよ」

「ぼくたちがキエノラの店へ行く前に話していたことだよね、それ」

「そう。その世界から助っ人を呼んでいてね。ブリンクちゃんを助ける手段は手に入れていたわけ。

でも、成功するかはブリンクちゃん次第だよ」

つづりんの光のない目を見てアルは少し怯えていた。

話終わったらつづりんはポケットに忍ばせていた子を取り出した。

「さて、手筈通りにお願いね」

「それは、石?」

[石とは失礼ね!シ…

私はれっきとした生物よ!]

「余計な言動は控えて。これが無事に済んだらカレンの元へ返してあげるから」

[わかってるわよ。でも、あいつみたいに上手くできるとは限らないからね。

じゃあ、始めるよ]

しゃべる石は輝き始め、それとともにブリンクと胸元の石も輝き出した。

胸元の石は宙に浮き始め、眩しいほどの輝きを放ち始めた。

すると、眠っていたブリンクは目を開け、何かに刺されたかのような悲鳴を上げながら暴れ始めた。

「ブリンク!」

[魂を抜き取るんだからそりゃ痛いだろうさ。望みさえすれば痛みは和らぐさ]

予想通り拳は強く握られ、タオルがなければ出血していただろう。

それに、ブリンクは口から泡を吹き出し始めた。

[さあ、ブリンクという名の少女。

己の中にある奇跡を輝かせなさい。

生きたいと言うならば、その奇跡を信じ、願いなさい]

「わたし…は…」

ブリンクは目を見開くながら声を絞り出そうとしていた。

[さあ、あなたの願いは]

「私は…生きる!生き続けていつか、お母さんたちと再会したい!」

浮いた石は失明するのではないかというほど輝き、輝きが落ち着いた頃に拘束具には電撃が走って砕けた。

[なかなかの奇跡の輝きね。

受け取りなさい。それがあなたの全てよ]

動けるようになったブリンクは宙に浮いた石を手に取った。

石は形状を変えてブリンクのブレスレットへと形状を変えた。

「体の調子はどう?ブリンクちゃん?」

「すごい、さっきまで死にそうなくらい苦しかったのに今は全然平気。

それに、気持ちも軽い」

[ふふ、シ…私にかかればこんなもの当然にできちゃうのよ]

「したっけ私はこの子をあるべき場所に返してくるから、何が起こったかはソラさんお願いね」

「はいはい」

そう言ってつづりんは別世界へと飛んでいってしまった。

「ソラ、ここで何が起きたか説明してくれる?」

「あの石が口走ってたと思うけど、今ブリンクの魂はそのブレスレットに格納された。

つまり、手に取れる形になったってこと」

それと代謝の概念がブリンクから消えることとどんな関係があるの?」

「代謝の概念?」

「ブリンクには説明していなかったね。

ブリンクは代謝のある世界から来ているけど、このファミニアには代謝という考え方が存在しないんだ。

その証拠に、汗をかかないでしょう?」

「そういえば、私この世界に来て一度もトイレに行きたいと思ったことがなかったかも!」

「うん、代謝がないこの世界ではもちろん老廃物なんて物も存在しない。でもさっきまでのブリンクには行き場のない老廃物が体内に溜まり続けていたんだ」

「え…それ考えただけで恐ろしいんだけど」

「実際危なかったんだ。少し遅れていたら死んでしまっていたかもね」

「そう、なんだ」

私は話が長くなることを考慮して、2人に椅子へ座るようジェスチャーで促した。

カナデは知らないうちに食材集めに行ってしまったようだ。

「んで、魂が石に入っただけでブリンクがなぜ救われたかなんだけど、魂の在処が変わったことで世界の概念から抜けることに成功したからなんだ」

「そこがわからないんだけど」

「世界の概念って生物という存在の何に作用すると思う?」

「肉体も、魂も。じゃないの?」

「その通りだけど、概念の情報を保持するのは魂だけなんだ。

肉体はただの器で、魂に保存された概念に影響されるだけの存在さ」

それはあなたたちが他の世界へ行っても無事でいられることと関係するの?」

「ブリンクは目の付け所がいい。

私達はファミニアの概念が染み付いた魂だから多次元に存在する他の世界の概念には縛られない。

不都合が生じる世界もたまにはあるけど、大抵は問題なく生活することができる」

「…私の魂が入っているこのブレスレットは、この世界の石。

この世界の概念が上書きされたから前の世界にあった代謝の概念が破棄されたんだね」

ブリンクは頭の回転が早いようだ。

「さっきソラが言ったように、ブリンクには老廃物が蓄積されていたんだけど、この世界の法則が適用されたことでそのこと自体が無かったことになってる。

安心していいよ」

「そうなんだ。よかっt…

あれ?じゃあ老廃物の情報って何に置き換わったの?!
エネルギーの法則が成り立たないよ!」

「それは感情エネルギーに影響するよ。感情エネルギーが減ると怒りやすくなって、最終的には感情を抑えられなくなるんだけど、今は穏やかな気持ちなんだよね?」

「うん、昨日まであった自暴自棄な気持ちにはならないよ」

「実は私も詳しくはわかってない。

あの子がブリンクの魂を石へ宿らせただけで、どういう過程で宿らせることができたのかは理解の範囲を超えているんだ」

「あのしゃべる石、一体なんだったの?」

「魂を手に取れる形にできる世界にいた存在、そしてその方法を模倣できる存在。

ここまでしか教えられないかな」

「…まあいいよ。後で記録をのぞいておくから」

「まあ、ブリンクは体にどんな怪我を負っても無事でいられるようにはなったけど、そのブレスレットが壊れでもしたら即死する存在になったことは理解してね」

「え、それって右腕を切り落とされたら終わりってこと?」

「ブレスレットと体がある程度離れたら、もしかしたら体を動かせなくなっちゃうかもね。

切り落とされたらブレスレットの回収だけは忘れないようにね」

「魂、手に取れる形になっちゃったね」

「あの芸術家には二度と近づけないわ!」

「さて、ブリンクには私たちの活動を手伝ってもらう方法もそうだけど、箸の使い方も覚えてもらわないとね」

「あはは、そうでした」

「みんなー、用事終わった感じ?

料理、調達してきたから下に降りてきてね。

つづりんも戻ってきているから」

「ありがとう、カナデ」

「なんのなんのー」

「それじゃあ、これからのことは食事をしながらゆっくり話すとしようかな」

 

こうして私達はブリンクをメンバーとして無事に迎え入れることができた。

アルではこんなことをしなくてもよかったのにブリンクには必要だった。
アルが元々いた世界には代謝の概念がなかったのかな?

私にも知らないことっていうのは、まだまだ尽きることがない。

特に、身近な存在ほど未知なことは多い。

 

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次元縁書ソラノメモリー 1-15 魂の在処とは

わたしは意識がぼんやりとした状態である親子の前に立っていた。

親子の姿は水色の粒子が集まったかのような見た目だった。周囲の景色もどこか水色がかっている。

その親子の会話をわたしはただ見つめているだけだった。

「______、少しお父さんの話を聞いてくれないか」

「いいよ!______に教えて!」

「お父さんは人を不幸にする仕事をしているんだ。お母さんからはみんなを救う仕事と聞いているかもしれないが、実は違うんだ」

「なんで違うの?」

「お父さんは人の命を奪って、そのお金でお前たちを支えているんだ」

「えっと、イノチヲウバウって人を殺しちゃうって事?」

「おいおい、そんな解釈どこで覚えたんだ?」

「お母さんが教えてくれたよ!穢い事も覚えておいた方が後々役に立つよって言ってた」

「あいつは全く・・・」

「えへへぇ」

この会話、親子の輪郭はぼんやりしているはずなのにわたしの中には鮮明な部分がある。

まだ、親子の会話は続いていた。

「______、人の命ってどこにあると思う?」

「どこだろう、カラダの中かな?」

「なるほど。

実は正解はないんだよ」

「ええ!真面目に考えたのに!」

「ごめんごめん。でも、答えがないのは確かだよ」

「それって、お父さんが人を不幸にするっていう話?」

「そう、お父さんはたくさんの人の命を奪っているんだ」

「人の物をとっちゃうって事でしょ?それは悪い事だよ!」

「ああ、そうだよ。悪い人だ」

「でも、とっちゃったって事はいまでもその人の物を持ったままなんだよね?」

「え?」

「奪うって、とっちゃうって事でしょ?じゃあいつかそれを返せるって事だよね!」

しばらく静寂が続いた。大人と思われる人物が何か考え込んでいる様子だった。

「はは、参っちゃうな全く」

「?」

「そうさ、お父さんは持ち続けてるのさ、奪ってしまった物をね」

「それならちゃんと返しに行かなきゃダメだね!」

「そうだな、とっちゃったものは、返さないといけないよな」

「でもでも!______はお父さんを悪い人だなんて思っていないよ!」

「え」

「だって、お父さんはお母さんのヒーローなんだもの!お家にお父さんのおかげで助かった、救われたっていう人が来てるもん!悪い人はそう言われないこと知ってるもん!」

「ありがとう、______」

「だから!お父さんはとっちゃったものなくしちゃダメなんだよ!

「ああ、無くさないよ。絶対にね」

ふと気づくと親子の姿は見えなくなっていて、大人と思われる人物が立ってこちらを見つめていた。

男は少し前へ歩いて再び振り返ってこちらを見つめていた。

ついて来い、そう言いたい気がしていた。

わたしは男の後ろをついて行って、ひたすら前へ歩いていた。

あるところで男が立ち止まると前の方を指差した。その先には青白い光を放つ花がたくさん咲いていた。

わたしは驚き戸惑っていると、男は前へ歩み出して花を摘み始めた。

男はそのままわたしの方を向いて花の束を差し出してきた。

「わたしに?」

笑みを浮かべた男は静かに頷いた。

そして、懐かしい声で話しかけてきた。

「胸の想いを信じ続けなさい。そしてこれは、お前のために大事なものだ」

わたしは不審に思わず、すんなりと受け取ってしまった。

受け取ったわたしの目からは不思議と涙が溢れてきて、こぼれると同時にその場へ膝をついてしまった。

胸の奥が熱くなって、花束を胸元に寄せてただひたすら泣き続けた。

「お父さん」

 

ふと気づくと心配そうに見つめるアルの姿があった。

「良かった!気がついたんだね」

「わたし、確かアルと一緒に森の中へ入ったはず」

そう、身を起こして周りを見渡すと少し薄暗い森の入り口付近にいた。

「僕も少し前に気づいたんだけど、隣にいるブリンクがなかなか起きなくて心配だったんだよ」

「そう」

わたしは手元を見ると、青白く輝く花束を持っていた。

「あれ、これって」

「その花、僕も夢の中で誰かにもらったんだ。誰かは覚えていないけれど」

「わたしは大事な人からもらった。そしてこの花って、探していたドコサーっていう花かな?」

「多分そうだろうから、しっかりと袋に入れておこう」

「うん、わかった」

わたしは胸に押し当てていた花を、アルに渡した。

ドコサーという花に間違いがないかハッカの元へ尋ねたときに知ったのだが、どうやら私とアルはあの森に入ってから3度の夜を迎えていたらしい。

この世界で飲まず食わずのまま3度の夜を迎えるというのは感情エネルギーが枯渇するに等しい期間に近いとのこと。

ハッカからはとにかく何か食べてと食べられる花をもらった。

しかし私たちには1、2時間経過したという実感しかなく、感情エネルギーとやらが不足した際に発生する発作も起きていなかった。

ドコサーという花であることを確認した私たちはキエノラの元へ戻った。

キエノラにも酷く心配されたが、森で起きたことを話した後には酷く高笑いをした。なんだこの人。

「いや悪いね、予想外の出来事を聞いて笑ってしまったよ」

あの森に入ったら寝ちゃうかもしれないって教えてくれなかったのはあんたじゃない」

「いや、本来ならば教える必要がないんだ。普通は寝ないで見つけられるものだからね」

「どういうこと?」

キエノラによると、ディモノスリンにはこんな話があったという。

ある人物がは連れと一緒にディモノスリンにある光る苔について調べるために入ったという。その人物森の中心へ進めば進むほど意識が遠くなっていき、最終的には倒れてしまったという。

倒れている間にその人物は生き別れた母親と会ったという。母親との再会に喜んだが、母親は自分のことを認識しておらず、目の前では自分の過去が流れ続けたという。

しばらく過去の情景が流れた後、母親は自分を認識しているかのように手招きしてきたという。

その後を追っていると、光る苔が生えている箇所を忠実に移動していたという。

その先で光る花を見つけ、母親はその人物へ花束にして光る花を渡したという。

ふと気がつき、目覚めると森の入りに寝ていたらしく、手元には夢の中でもらった花束を握っていたらしい。

日光に当たると萎れてしまうと知って、その人物は日に当たらないようハッカの元へ持っていって花について聞いたという。

しかし花について詳しいハッカでもその花については初めて知ったという。

ハッカは知人に花の調査を依頼し、その知人が花をすりつぶして液体へと混ぜたがなにも起きなかった

なにを間違えてか、液体をこぼしてしまった知人は液体がかかった宝石へ触れると宝石の持つ力に干渉できたという。

花の名前はハッカが名付け、実際に取りに行ってみると光る苔に沿って歩けば確かにドコサーを見つけることができた。

これがドコサーを発見し、干渉液が生まれたことについての話らしい。

「えっと、キエノラの昔話にしか聞こえなかったんだけど」

「いいじゃない、前置きっていうのはこれくらいがちょうどいいのさ。まだ干渉液ができるまで時間がかかるから、種明かしといこうか」

ドコサーを初めて見つけた人物というのは、この世界にもともといた人物ではなかったという。本人曰く、ここではない世界にいたが、気がついたらファミニアにいたという。

異世界に詳しい人物がその人物を訪ねてみようと試みたようだが、その時にはその人物は物言わぬモノへと変わっていたという。

実はこの記録自体はこの世界自体からは消えている。キエノラがこの話を知っているのは、本に残されていたからだという。

「実は私自身もディモノスリンに入ってみたんだが、意識を失うことなくドコサーを回収できている。他の人たちもそうさ、“ファミニアの住人”は誰も意識を失うことがなかったんだ」

私とアルは話を聞いて唖然としていた。試験管が熱せられてポコポコと音を立てる以外の音はしばらく発せられなかった。

「もう言いたいことはわかるだろ。君たちは、ファミニアの住人ではない。異世界の存在だということになる」

「まさか、あなたが楽しそうにしているのは私たちが異世界の人だからなの」

「そうさ。ファミニアにはない概念を君たちは持っている。

そう、魂という考えをね」

アルの話からだいぶ察してはいたが、アルもまた、私と同じくこの世界に紛れ込んだ人。私のことを心配したりしているのは、同じ境遇から来る気遣いなのだろうか。

「さて、ここで君たちに聞きたいことがある」

「な、なんでしょう」

「魂の在処はどこなのだろうか」

アルはこの言葉を聞いて、少し驚いた後私の方を見た。

「私が干渉液に執着しているのは、魂というものに触れてみたかったからなのさ。異世界の人だけが持つという魂というものはどのようなモノなのか私たちが見ることはほとんどない夢という空間を魂に触れれば踏込むことができるのかってね」

ファミニアには私たちのような異世界から来てしまった人たちは多いという。

でも、異世界から来たからと言って魂があるかどうかなんて見ただけじゃわからない。

異世界から来たという人物を訪ねては干渉液を塗りたくって魂に触れようとしたんだけど、それっぽいものに触れることはなかった。そのあと何度も同じことを繰り返しているうちに、私は触れ物なんて呼び方をされるようになったのさ」

キエノラは、静かに私を指差した。

「君はどう思う?魂は何処にあるんだろうか」

一呼吸おいて、私は答える。

「魂っていうのは必ずここにある、てものではないと思う」

「ほう」

「私だって、魂が何処にあるかなんてわからないけどこれだけははっきり言える

魂っていうのは体に縛られるものじゃない。体がなくなっちゃったとしても誰かについていっていつもそばにいる。どれだけ離れてしまっても、いずれは一番思い入れのある人のそばにある、そんなものだと思ってる」

「ブリンク」

「ならブリンクちゃん、もしかしたら誰のとこにもいきたくないという魂がいたら、その魂は何処に行ってしまうのだろう」

「そんな深いことはわからない。ただ、魂はここにないといけないっていう決まりはないと思うよ。魂を奪ったら、ずっと一緒に付き纏われちゃうって昔から考えていたんだ。もう、返す先なんてないんだろうけど」

キエノラは少し残念そうな顔をして立ち上がった。

「そうか、魂という考え方を持つ君の考えならば認めざるを得ないね。

でも、私は考えを改める気はない。魂っていうのは必ず触れられるものだと思って今後も探究し続けるよ」

そう言いながらキエノラは保存してあった干渉液をたくさん持ってきた。

「話を聞かせてくれてありがとう。約束通り干渉液を渡そう」

「ありがとうございます」

アルは干渉液を受け取り、一礼した。

「そして、君たちへのちょっとしたお礼だ」

キエノラは暖炉の上にあった鉱石のうち一つを持ってきた。掌サイズの少し緑がかった宝石だった。

「え、貴重そうな鉱石だけど良いの?」

「ああいいさ。持っていきなさい」

私はキエノラから渡された鉱石を受けとった。

「あ、そういえば名前を聞いていなかったね」

「ぼくはアル、隣がブリンクです」

「そうか、アルとブリンクちゃん君たちは私のお気に入りになったからね、今度は遊びに来て欲しいな」

この瞬間、私の頭ではハッカから聞いた話がこだました。

“ただ、あんまりあいつのお気に入りになるんじゃないよ。何でもかんでも知られちゃうからね”

「し、失礼しましたあ!」

そう言って私はキエノラの店を飛び出してしまった。私はもうキエノラの店へ行くことはないだろう。

「やっぱり芸術家は苦手だ!」

 

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【マギレコ二次創作】魔叙事詩カグラ・マギカ 2- エピローグ

ペンタゴンの中庭で願いを唱えた後、どうなったのか。

記憶がぷつんと途切れていた。

閉じた覚えがない目を開けると、そこは豪勢な中庭で植物が生い茂っていて白い石畳の先には花が浮かんだ噴水があった。

周囲には蝶と見覚えがある希望の光が浮かぶ中、場違いな真っ黒なトカゲが赤い目を向けながらこっちにこいと言わんばかりにこちらを振り向いていた。

私がトカゲの後を追っていると、中庭の屋根がある場所で見覚えのある人物が椅子に座っていた。

「お前が円環の理か」

そう尋ねると見覚えがある存在は黄色い目を向けてきた。

「まさかここまできちゃうなんて。私と繋がりを持ちすぎちゃうから・・・」

その見た目は鹿目まどかで間違いなかった。

「私にはお前が知っている人物にしか見えない。概念っていうのは好きに姿を変えられるのか」

「いいえ、円環の理は鹿目まどかの一部よ」

そう言って黒いトカゲが円環の理の横まで移動すると今度は黒いこれまた見覚えのある存在へと姿を変えた。

「暁美ほむら、その魔力は私たちを殺そうと神浜の奴らを誘導した存在の一つだな?」

「あの世界の私がそう望んだから手助けしただけよ。

あの世界の私と私をつなげる要因を作ったのはあなたでしょ?」

「ただの結果だ。お前は円環の理のなんだ」

「かつて鹿目まどかという円環の理の核を奪い去ろうとした存在。今は円環の理の一部よ」

ゴスロリと言える格好をした暁美ほむらは赤い目で見つめながらそう答えた。

「まあいい。

私が概念と対峙できているのはつながりすぎたのが原因だろう?

元の世界には戻れないのか?」

「戻れるかどうかはここで決まっちゃうの。

あなたはこっち側に来るか、戻れるようになるかの境目にいるの」

「そうか。できれば戻りたいんだが何をすればいい?」

「「そのまま帰って問題ないよ」」

声が聞こえた後ろ方向を見ると、そこには肉体を持ったピリカとシオリがいた。

「お前ら、なんで」

「カレンが繋がっているならば」

「シオリ達が繋がっていると同じでしょ」

カレンは円環の理というものがなんなのか繋がったことで知識は持っていた。

別世界での因果律が途方もない量で願った鹿目まどかの結果、それが円環の理。
ほとんどの次元では円環の理によって魔法少女達は魔女化する前に魂が回収される。
そのため円環の理に集まる魔法少女の情報はさまざまな次元での情報が反映されている。

だからあえてカレンは2人へ尋ねた。

「お前達はどの世界の存在だ」

「私はカレンに助けてもらう前の世界の記憶を持っている。

絶望はしても両親やコタンの仲間の無事な姿を見せられてわずかな希望で円環の理の一部になった私。

でも今目の前にいるのはカレンと共に過ごした私」

シオリはほとんどの次元で飛行機の破片で貫かれながら本当の両親なのかわからない2人に呪う必要はないと宥められて妥協し、円環の理の一部となった。

シオリにとってはカレンに救われた世界が一番さ。

ということで目の前にいるのはカレンをよく知るシオリだよ」

「そうか。

下手に延命させてしまっただけで申し訳なさまであったが」

「何言ってるのさ。

シオリの魔女は円環の理に回収されるまではインターネットに張り付いているだけのつまんないやつだったし、魔女になるより全然マシさ」

私の場合は生きて両親がいるコタンへ帰れたのはカレンと出会った世界だけだった。

それだけでも嬉しいことだよ」

「そうか、余計なお世話ではなかった時点で良かった」

カレンは円環の理へ振り返った。

「3人で戻るということは叶わないのか」

あなたはあの世界で一つのソウルジェムの許容量を超える量の希望を受け取った。

普通とは違うソウルジェムみたいだけど、だとしてもソウルジェムを無事に保てるのは一つだけだった。

私もしっかりサポートしたんだけど、ごめんね」

「だからそのまま帰れと言ったのか」

「あの世界にカレンは必要だ。

次元改変とやらにカレンは関わっているのだろう?つづりから聞いたよ」

「あの世界ではカレンを求めている人がたくさんいる。

だったら尚更だよ」

そして私には死ねない理由がある。

妹といつか会えることを。

「悪いな。

したっけ失礼させてもらうよ」

「うん、いつでも待っているからね」

ピリカのその言葉が引っかかったが、中庭を出るようまっすぐ進むと目の前が真っ暗になった。

その後は別のページにある通り、元の世界へ戻ったのは私だけだった。

 

それからしばらくはサピエンスの後始末と人間移住のためにカルラと共に行動していた。

そして人間の追い出しが完了するまでの間に私はつづりと再会した。

「この世界最大の歪み『イザベラ・ジャクソン』の排除お疲れ様です」

「あれは一体なんだったんだ。この世界が生み出したものなのか」

イザベラはあなたの歪めた世界を帳尻合わせするためにこの世界が生み出したものの一部です。
本来であればイザベラの母 シャルロッテがその役割を担うはずでしたが、彼女はあなたを追うのではなく私情を優先してその役割が娘へ引き継がれた。

あなたがこの世界に来なければ、アンチマギアや彼女たち二人も生まれはしませんでした」

しっかり人生があったやつなのにこの世界に生み出された存在だなんて。

神様が用意したのか?」

「神様なんてどの世界にも存在しません。
この世界で生み出されているものは、防衛機構 『シナリオライター』と呼ばれるもので作りだされたものに過ぎません。
円環の理というものでさえ、シナリオライターに用意されただけのもの。この世界で生まれた存在は絶対にシナリオライターにかないません。この世界では「意思」ともよばれていたそうですね」

「そんなものに、私は抗えたのか」

「お手柄です。
あなたのおかげで、シナリオライターに抗える可能性が示されました。
次元改変の拡大防止と阻止を他の世界でも促してみるとします。

ありがとう」

「私は褒められたことなんてやっていない。
つづりが時々ちょっかいを出しに来ていたからこそできた結果だ。つづりがいないと抗えなかったさ」

「私はあなたの補助をしただけですよ。あなたがこの世界を救ったのが事実・・・。

そうだ」

つづりは一つだけというジェスチャーをとった。

カガリさんを連れてくる前にもう一度円環の理に会ってくれますか

あなたがこの世界で発生させた改変が別次元の鹿目まどかに関わる世界へ歪みを生み出し始めています。

この世界の導き手となるために円環の理から事情を聞いてください

カガリさんと会わせるのはそのあとです」

「その歪みとやらも、シナリオライターのせいなのか」

「そうです。シナリオライターの意地でも自分の筋書き通りに戻そうとする強硬手段が、次元改変に繋がります」

「厄介なものだな、防衛機構というくせにめちゃくちゃにするなんて。

まて、円環の理に簡単に行けるのか、私が?」

「繋がったあなたならよく知っているはずです」

繋がり方にはなぜか覚えがある。
円環の理との縁に意識を集中させるだけで、すぐに見覚えのある中庭に来てしまった。

「嘘だろ…」

「やっぱり、すぐに戻ってきた」

ピリカにそう言われても私は唖然とした顔を変えられなかった。

「もう、行き来自由になっちゃったのはほむらちゃんだけだと思ったのに」

円環の理は困った顔を見せていた。

「容易に繋がっちゃうからだよ、概念になっても甘いんだから」

そう言うのは円環の理の隣に立っていた美樹さやかだった。

「円環の理には随分と多彩な姿があるのだな」

そう言うあんたらも繋がったんだから円環の理の一部ってことになってるよ。

ほむらやなぎさみたいにあっちこっちに好きに行き来できるんだから困っちゃうよ」

「シオリとピリカも、自由に生き気ができるのか?」

「そう、その2人も自由に行き来できちゃう。

ソウルジェムと肉体がなくなっているから円環の理に用意してもらわないといけないけどね」

「そうかい。

円環の理っていうのはなんでもありだな」

「レコードを壊さない程度にしないといけないっていう制約はあるよ」

「そのレコードに関する話だが、レコードが破壊されるほどの歪みが発生していると聞いたのだが」

「聞いたって誰からさ」

「私のスポンサーからさ」

「さやかちゃん、協力してもらおうよ。私たちじゃ手に負えないものだったし」

円環の理の掌の上には6つのヒビが入り始めているレコードが出現した。

そこへピリカとシオリも寄ってきた。

「あまり近づかないでね、すぐにでも壊れちゃいそうだから」

「このレコードが一つの世界ってこと?」

「そう、そして少なくともこれらの世界には起こるはずがない変化が起こり始めているの。

変化の発生源は、カレンさんのいるマギアレコード。

それが分かっても対処の方法がわからないの」

「それは次元改変というやつだろう。

私たちの世界で無理やり次元改変を止めたから他のレコードに飛び火した。

で、対処できないとはどういうことだ」

この6つのレコードは円環の理が触れてしまうとすぐに壊れてしまいそうなマギアレコードの複製された存在。

その世界に干渉した痕跡を残しちゃうと、レコードの歪みをかえって大きくしてしまうから手の出しようがないの」

「歪みの原因までは調べがついているの?」

シオリがそう聞くと円環の理は首を横に振った。

「円環の理って無能か?」

「ふざけた事言うんじゃないよ」

「事実を言っただけでしょ?」

シオリとさやかが睨み合っている中、私が歪み始めているレコードの一つへ触れると動画のシークバーをいじるかの如く好きな時間を覗くことができた。

覗き見たレコードでは神浜でワルプルギスの夜の討伐に失敗していた。
失敗原因を辿ると由比鶴乃を救えなかったことが大きな原因となったようだった。
救えない理由もさらに遡ることができた。

私は円環の理を見て思わず言ってしまった。

「なぜこの程度もできない?」

「できるあんたがおかしいんだよ!」

さやかが怒りっぱなしだが、私にやりようがあるということは判明した。

「元は私が世界を乱したのが原因だ。

しっかり修正はさせてもらうよ」

「原因がわかったところで痕跡はどうするのさ。

あんた達も円環の理の一部って言ったでしょ?」

「スポンサーの技に痕跡を消せるものがある。

当てはあるってことさ」

円環の理とさやかが驚いて黙ってしまったあと、円環の理が話し始めた。

「わかった。カレンさんに一度任せてみるよ」

「したっけ行動に移らせてもらうよ」

 

私は元の世界へ戻ってからつづりへ縁切りを教えるよう伝えたが答えは想定とは違った。

「無理。」

「そんな言い捨てるように言わないでくれるか」

「縁切りは私たちの世界で扱える能力で、それを別の世界の住人へ伝授するにはその世界に則って取得できる素質がなければいけません。

夏目かこは再現の力のおかげで取得でき、柊ねむは具現の力で縁切りの力をこの世界で具現化できたのです。

あなたは繋げるだけ。だから素質がないということです」

「柊ねむか。そういえばあいつも使えたか。

夏目かこを別世界へ連れ回すわけにもいかないし、ウワサとやらで複製できるか試してもらうのもありかもしれない」

「むしろウワサを活用する方法しか許しませんよ。夏目さんを連れて歩こうとするところで止めます」

「わかっているさ」

 

私は神浜で柊ねむがいるシェルターを訪れた。
シェルターには都合よく柊ねむしかいなかった。

「珍しい客人だね。何か用かい?」

「1人だけなのか」

「ここ最近は特にね。

それで、世間話を持ち込んできたわけではないのだろう?

どんな厄介ごとを聞きにきたんだい?」

「お前は縁切りという力を使えるらしいな。つづりから聞いた。

その縁切りをウワサで私にも扱えるようにしてほしい」

「驚いたね、まさかつづりとの関係者だったとは。

ならば尚更知っているはずだ。ボクがつづりから縁切りの力を受け取ったのは日継カレン、君たちの神浜での暴走を断ち切るためのものだ。

君たちを律するために与えられた力を求めるというのであれば、ボクは必要となる事情を把握する義務がある。

そうは思わないかい?」

「素直に進む話ではないか」

「当然だ」

私は少し悩んだが、柊ねむへ円環の理のこととなんのために縁切りが必要であるのかを全て伝えた。

そして知ったからには全てに協力してもらうことも伝えた。

話を聞く間、柊ねむは終始表情を変えなかった。

「円環の理か。

ボク達を見守り続ける概念があるということは興味深い上に、パラレル世界がレコードとして存在しているという世界構想であることも理解した。

灯花が一緒にいなくてよかったよ」

「ことの重大さは理解してもらえたか」

「君が今どのような状況に置かれているのかはね。

だが君が今までにボク達へどのような振る舞いをしてきたのかを踏まえると、はいそうですかと一言では了承しかねる」

「…何を求めている」

今魔法少女達の間で流行りの『依頼』を完遂できればボクは対応する、というのはどうだろうか」

魔法少女達の間では通貨というものを使用しない代わりに、依頼に答えて報酬として見合った物々交換を行うという行為が流行っている。

ケーキの素材は揃えるからケーキを作って欲しい。

農作業の手伝いを頼まれ、農作業は手伝うけど収穫分を一部分けてほしいと答える。

こんな感じのやり取りだ。

一方的に物をよこすような要求はあるにはあるが、好戦的な魔法少女によって決闘という形でしばかれるという共通認識も浸透している。決闘したがりでなければ滅多に起きない。

ただし理不尽な要求が行われる場合もあるため、互いが合意できるやり取りは必須だ。

「内容次第だが言ってみろ」

「最近はお姉さんやうい、更に灯花と4人が揃う機会というものがめっきり減ってしまってね

君には1日中4人が揃ってゆっくり過ごせる機会を作ってもらいたい。

この依頼をこなせたら、君でも縁切りが使えるようウワサを生み出してあげよう」

「その3人へここで話したことを漏らさないだろうな?」

「ここでのやり取りの秘匿は保証しよう。

そうだね、この発言を信じてくれることも追加の依頼としよう」

「言ってくれるじゃないか」

「それで、君はどう対応してくれるんだい?」

「依頼は受け入れよう。

4人集まれる機会というのは、場所と時間に指定はあるか」

「そうだね…」

柊ねむは最近のやりとりを記録していたのか、付箋や文字がたくさん残されたノートをしばらくペラペラとめくりながら考えていた。

そうしている間に覚えのある魔力反応が迫ってきた。

「ねむちゃん、今いいかな」

部屋に入ってきた環ういは私の姿を見て固まってしまった。

「おやおや、タイミングがよろしくなかったね」

「えっと、なんでカレンさんがここに」

「柊ねむへ頼み事に来ていたんだ。

用があるなら先にどうぞ」

「いえ、ただお話ししに来ただけだから頼み事の話を進めてもらっていいですよ」

環ういがそう話す後ろにはワルプルガが隠れていた。

そんなワルプルガへ私は話しかけた。

「時が経っても環ういについてまわっているのか」

「お母さんの手伝いをするのがちょうどいいからね。

1人だけでいるのは不安だし」

「そうかい、それでワルプルガが幸せなら私は何も言わないよ」

「まあ今回の依頼はういにも関わることだ。2人も混ざるといいよ」

「え、いったい何をやるの?」

柊ねむはういとワルプルガへ私の頼み事と円環の理についての話は伏せて、4人が集まれる機会を作りたいという話だけを伝えた。

環ういは快く話を受け入れ、柊ねむと共にどこで1日過ごしたいのかについて話をはじめた。

私は話を聞くだけであったが、とりあえず集まる場所と日は決まった。

「そういうわけだ。カレン、お姉さんと灯花が安心して集まれるようよろしくね」

「わかったよ」

環いろはが忙しい理由は、神浜で他の魔法少女がやりたがらない掃除や問題解決に対応しているから。

里見灯花が忙しいのは人間移住に参加して人類を月に送るためのロケット開発や実験に夢中だから。

里見灯花に関しては説得一つで解決したが、環いろはは簡単にはいかなかった。

人間でも大勢を動員して行っていた掃除や水道管理、治安維持活動について他のみかづき荘メンバーと共に実施していた

悩み事相談は都ひなのたちが受け持つようになったようだが、ルールを設けることは支配者を産むという考えから、明確に誰に任せるといったものは決まっていない。

その為、環いろは側から首を突っ込むことが多い。
予定を空けることを相談しても。

「どうしよう、指示とかそういうのやっちゃいけないんですよね?

と言って誰かに任せようとしない。

普段ならば勝手にしろと言いたいが、依頼達成のためにそうはいかないのが辛い。

七海やちよへ依頼形式を使わないのか伝えたが。

依頼に対してのリターンを私たちから提示できるものがないのよ。
掃除をやってくれたら何を与えられるか。
何かやったら必ずリターンがあるという仕組みは良くないわ」

単純な協力の呼びかけに答えてくれないくらい、ここの住民は非情なのか?」

「呼びかける方法がないのよ。マギアネットワークも整備中でしょ?」

「遠慮が過ぎるのか頭が硬いのか…」

私はこれから何をするのか環いろはと七海やちよへテレパシーを送った後に、神浜全域へテレパシーで伝えた。

[神浜にいる全員へ。

環いろはにフリーな日を作りたい。

環いろはが無計画に受け持ったあれやこれやの解決に協力できる奴は明日の9時に電波塔跡地へ集まれ!]

次の日、電波塔跡地には見慣れた顔がたくさん集まって環いろはが抱えていた物事はあっという間に割り振られて環いろははフリーとなった。

「いろはさん、協力して欲しい時はいつでも言ってくださいよ!みんな結構暇なんですから」

「れいら、他の人に失礼でしょ」

伊吹れいらの言葉で環いろはは少し救われたのか笑顔を見せた。

これで依頼が完遂できるようになり、柊ねむ達5人は南凪の噴水公園へ集合した。

環いろは以外の4人は年月が経ったことで18歳くらいの見た目まで成長していて、衣服もおしゃれな物を着ていた。

「いやぁ、白衣以外を着るのは久々だよ」

「私も混ざってよかったの?」

「ワルプルガちゃんも歓迎だよ!」

「なんか私だけ地味で恥ずかしい…」

「お姉さん、今日はボク達で楽しむ日だ。お姉さんはお姉さんらしい格好で良いと思うよ」

「そう、かな?」

「ほらほら、今日はたくさん楽しもう!」

環いろは達が動き始めた後、私は邪魔が入らないよう遠くから監視を行っていた。

環いろは達が見滝原の魔法少女達が営む喫茶店で楽しくおしゃべりを楽しんでいる頃、私の近くには七海やちよ、夏目かこ、佐鳥かごめが集まっていた。

ここに来るまでに次々とついてきた結果だ。

「なんで着いてくるんだよ…」

七海やちよは

「いろはが楽しめているか見守るためよ」

夏目かこは

「あなた(カレン)が余計なことをしないか見張っているのですよ」

佐鳥かごめは

「この素晴らしい時間を記録に残すためです」

私は呆れてしまった。

「お願いだから全員どっか行ってくれ」

環いろは達は喫茶店を出た後、神浜周辺を巡った。

その間について回っていた3人は各々の都合で私から離れていった

日も落ちる頃、万年桜のウワサというものの入り口があった森林の先に5人が集まり、いきなり環ういがテレパシーで私を探し始めた。

[カレンさん、聞こえていたら私たちのところに来てくれますか?]

私は嫌な予感がしていた。

柊ねむの依頼を利用してあの5人は私に何かを仕掛けようとしている。

私はテレパシーを返した。

[どういう事だ。柊ねむの依頼は既に達成されたはずだ]

[君にその報酬を渡すために必要な事だ]

[・・・柊ねむ、貴様は口が固かったのではないのか]

そう言うと、柊ねむからテレパシーでつづりとのやり取りが脳内に流れてきた。

柊ねむと接触したつづりは柊ねむだけが秘密を所持していた世界は失敗したことを告げていた。

環姉妹、里見灯花、柊ねむの4人が秘密を持つことなく過ごす世界であることが世界を壊す要因を防ぐと言っていた。

私は事情を理解して5人の前に姿を現した。

そして環ういへ尋ねた。

「これから知らされること、ワルプルガも巻き込む気か?」

環ういではなくワルプルガが答えた。

「私のことは気にしなくていいよ。

巻き込まれたことについてはしっかり言うことを聞くよ」

話していると私たちを取り囲むように黄緑色の円が光り出した。

その後すぐに目の前は真っ白になり、視界が晴れた頃には見覚えのある空から地上を見下ろせる空間にいた。

そして前方にはつづりが待っていた。

周囲にはさっきのメンバーからワルプルガだけが消えていた。

「ワルプルガちゃん?!」

「ご心配なく、ここは元の世界とは繋がっていません。

ワルプルガさんを待たせることがない時間へお返しできるので、ひとりぼっちになるのは一瞬ですよ」

「そ、そうなんだ」

つづりを初めて見る環いろはは何が起きているのかがわからず口を開けたまま動けずにいた。

私は状況を整理するためにつづりへ尋ねた。

「さて、柊ねむ以外も巻き込んだ理由をしっかり教えてくれ」

「いいですよ。

あなた達5人はマギアレコードの世界を存続させるために欠かせない存在となっています。

誰かが欠けただけで、または誰かが秘密を持って1人で抱え込んだ時点で、マギアレコードや付随する別世界も破滅へ向かうようになってしまっています。

柊ねむだけではなく他3人を呼んだ理由はそういうことです」

「まあ私は事前に話を聞いていたからいいけどさ、聞きたいことは山ほどあるんだから」

里見灯花がそう言っている後ろで環いろはは蚊帳の外だった。

「環いろはさん、今目の前で起きていることは受け流してもらっていい。
4人でここで起きたことを知ってもらうことが大事なので」

「えっと、はい…」

「柊ねむ、依頼の報酬を頼む」

「…つづり、ここは自動浄化システムの影響を受けるでいいのかい?」

「大丈夫ですよ」

「その言葉を信じるよ」

柊ねむは魔法少女姿となって、武器として使用している本を開いた。

本が1人でに開くと中から光る紙が飛び出してきて、ハサミを持った妖精が体現されていった。

縁切りの物語から飛び出した君は数多の時空を跨ぐことになるであろう。

君はそんな時空達との縁を断ち切る」

縁断ちバサミのウワサ

柊ねむによって生み出されたそのウワサの魔力は私へまとわりつき目の前に浮かび上がって一つお辞儀をすると星を出して消えてしまった。

柊ねむはウワサを作ると必ずドッペルを出すほどの魔力を消費していたようだが、その大量の穢れは私が受け止めた。

柊ねむがドッペルを出さないことに他の3人は驚いていた。

「あれ、ドッペルが出ない」

「私が全て受け止めたからな。フィラデルフィアのコイルを使うよりは少ないのだな」

「カレンはそんな気遣いできたんだ」

「さて、依頼も完了して報酬も受け取った。
だが4人には言っておくが、円環の理について触れさせたり私がやろうとしていることにはかかわらせる気はない。
特に里見灯花、お前には円環の理に触れようとした前科があるらしいな。
絶対に触れようとするなよ」

「そんなこと言われても困るんだにゃー」

「土産話だけは聞かせてやる。
だからこの件を外部に漏らさないことも関わらないことも約束してくれ。
そういうことが起きている、あるという事実だけを知るで留めて欲しい」

「いいよ、わたくしも大人になったししっかり報告してくれるなら手を出さないよ」

「大人ねぇ・・・」

「何よねむ」

「要件は終わりですかね、では元の世界に戻しますね」

そういった後つづりは持っていた槍の石突で床をたたいた。
その後、私たちは元々いた場所へ戻っていた。

 

あれから私は一つのレコードを修正した。
その結果を見て私は今後も円環の理を通して別世界の歪を修正して回ることになった。
その報告をつづりへ行うと、ついにカガリと会えるようになった。

どの世界とも切り離された空間で、私は下に見える世界を座って見ていた。
そうしていると、背中の方で黄緑色の光が見え、その瞬間に懐かしい声が聞こえた。

「お姉ちゃん!」

声がしたほうを向くと、つづりの隣に記憶の中にあったよりも大きくなった妹の姿があった。
私より低かった身長は私を超し、髪は束ねているものの全体的な見た目はピリカに似ていた。

やっとだといううれし涙がをこらえて、私は妹へ声をかけた。

「久しぶりだね、カガリ」

カガリはそのまま走ってきて私へ抱き着いた。
それはカガリが実体ある存在だと気づかせてくれていて、昔のようにカガリの頭を撫でた。

「すっかり私よりも大きくなって。顔の面影以外別人みたいじゃないか」

「お姉ちゃんの見た目が変わらなさすぎるんだよ。
記憶の中にある姿とほぼ一緒だからびっくりしたよ。でも、その右手は別の意味でびっくりしたよ」

私の右手はアンチマギア製の刀で切られてからまだ再生できるほどアンチマギアが抜け切れていなかった。
そのせいがあって糸でつなぎ合わせながら糸で腕と指を動かしている状態だった。

「この世界で苦労した結果だよ。

ここには邪魔をするものもないし、山ほど積もったお互いの話をしようじゃないか」

「うん!」

切り離された空間にはつづりによって椅子が2つ用意され、そこで私はカガリが得意げに語り掛けてくる話を聞いた。

カガリは別世界に飛ばされた後、魔物を主導する邪神へ対抗するためにその世界の人間と一緒に戦っていたという。
その世界にはなぜか私たちが元々いた世界の神様までついてきていたらしく、神楽舞で魔物に対抗していたという。

「神も巻き込まれたって次元改変はとんでもないな」

「ほんとだよ。最初は神様も力を失っちゃってて、神楽舞を試すまでは人間と同じように一緒に過ごしたり、その世界の神様ともめ事になったりで大変だったんだから」

「それでも生きられているってことは邪神は倒したのか」

「一応ね。でも、お姉ちゃんには見せてもいいかな」

そう言ってカガリが立ち上がり、開示の舞と似た舞を踊ると、カガリの姿は青白いサキュバスのような見た目になった。
私はその場で驚いて立ち上がった。

「ごめんね、冒険している中でただの人間ではなくなっちゃったんだ。
体は魔物にされちゃったけど、心はいつもの私だよ。

こんな私でも、お姉ちゃんは妹だと思ってくれる?」

「大丈夫だ。今までの会話の中で見た目は変わってもカガリは私の妹に変わりない。
別世界でつらい思いをしてきたんだな」

「ありがと」

カガリは持っていた扇を閉じると見た目は人間に戻った。

「は~、一番心配していたことが問題なくてよかったよ。
ごめんね、私ばっかりおしゃべりしちゃって」

「全然かまわないさ。しっかりその世界の味方として動いていたようで何よりだ」

「お姉ちゃんはどう?見た目が昔と同じなのがとても気になってたの」

私はなまら話しにくかった。
まさかその世界にとって悪役となって地球から人間を追い出そうとする主犯になっているだなんて。
カガリに嫌われてもいいと思い、私は今までやってきたことを伝えた。

話を聞いていたカガリは、悲しげな顔をしたままだった。

話を終えるとカガリが一言口にした。

「お姉ちゃんが、人類の敵に・・・」

「嫌ってくれて構わない。人間や魔法少女を平気で殺してきたんだ。カガリの世界では悪魔と言われても当然のことをしてきた」

「受け入れがたいけど、お姉ちゃんを嫌いにはならないよ!
酷いことをしてきちゃったんだなっていうのはわかるけど、いま目の前にいるお姉ちゃんは、ちゃんと優しいお姉ちゃんだもん。
絶対嫌いになんてならない!」

私はほっとしたのかその場でうつむいた。

「そうか、そう言ってもらえると助かるよ」

そんな私にカガリは手を差し伸べてきた。

「気分転換に踊ろうよ!
ここだと躍るなって怒る大人もいないし」

私たちの世界では、私たちの踊りは神に刺激を与えるものとなってしまうため祭事以外に躍ることを禁じられていた。
踊りが好きなカガリにとってはとても苦痛な日々であった。

私はつづりの方を一度見た。

「ここでは気にしなくていいですよ。どこの世界ともつながっていないので、踊りによる効果はどの世界にも及びませんのでご自由にしてください」

「やったぁ!」

カガリが喜んでいる中、私はカガリの手を取った。

その後は二人で気が済むまで自由に踊り続けた。
周囲には黄色の光の粒が現れ、次々と天まで登って行った。

お互いに手をつなぎながら笑顔で、満足するまで踊り続けた。

 

お互いに元の世界に戻った後も、私にはカガリとの縁が見え続けていた。
そのおかげでなにがあっても心が潰れずに生きていくことができている。

頻繁にカガリと会えるわけではないが、縁のつながりがカガリの無事を伝え続けてくれる。

自暴自棄から始まったこの世界の活動が、いつの間にか別の次元含めた世界を守る側の活動になるなんて、昔の私には予想もできなかったことだ。
まさか今では生きたいと思う気持ちが強いだなんて。

生きようと思えるのは、心から大事にしたいと思える存在がいるが故なのかもしれない。

私はこの世界は好きではない。むしろ嫌いだ。

姉妹のつながりがあり続けている。
ただそれだけの理由で、私は生き続けている。

 

 

魔叙事詩カグラ・マギカ 続く・・・