罰の園 1-3 昼夜

この学校の屋上には一度行ったことがある。

しかしあの時の場所とは離れていて、屋上菜園がある場所のさらに隣に離れた屋上がある。
三分割された学校、そういう仕組みらしい。三分割されたうちの真ん中がこの菜園状態になっている屋上。

次の目的地は屋上の端にある床板を外さないといけない。

その前に食料の件を解決しておくか。

 

屋上には4エリアほどレンガで囲われた畑があり、屋上中央には鳥が飛び立つ様子を表したようなオブジェクトがあった。

そのオブジェクトには屋根がついていて、その足元には広げられた扇一つと花が置いてあった。

畑の一つにはタクヤが屈んでいた。
タクヤに近づくと向こうから気づいて不貞腐れた顔でこっちを見てきた。

「遅いぞ。全部俺が掘るのかと思ったよ」

「それでもいいけど」

「ふざけんな、お前も掘れ!」

タクヤがいる場所は既に芋がいくつか掘り出されており、私は二つ奥の葉が枯れた場所を掘ることにした。

黙々と掘っていると芋が数珠繋ぎに出てきた。芋は薄茶色で丸めの形で、芽が少なかった。そして驚いたのは畑に深さがあることだった。

私は収穫を続けるタクヤへ話しかけた。

「この区画全部取るの?」

「ん、いや、葉が青いのは置いとく」

「そう・・・」

私は屋上中央にあるオブジェクトを見ながら呟いた。

「あれはなんなの」

「あん?」

タクヤは私の目線先にあるオブジェクトを見てあれかって顔をしながら教えてくれた。

「あれはウズメ様の祭壇だよ」

「ウズメ様?」

「おいおい、ウズメ様知らないってどんな田舎にいたんだよ。
ウズメ様はこの世界の神様で、この世界の安寧をもたらしてくれていたんだ。
でもある日から消えちまって、入れ替わるようにその辺へ化物が出てきたんだ」

「神様がこの世界から消えたのに、あのオブジェクトが残ってるのはなんで?」

「それは俺もしらね。

大人たちがいつか戻ってくるからって言いながらあのオブジェクトに供物してるんだ。
ただでさえ食料が少ないのに、大人の考えがわからないよ。

お前だってそう思うだろ?」

この世界には神様がいない。

それが事実なのかはわからない。

もし神様がいなくても、この世界があり続けているならば神様がいなくても世界というものは存在できるということになる。

安寧をもたらしてたっていうけど、本当にそうなのだろうか。

私はオブジェクトを見ながらそう考えていた。

「そうだね、よくわからないね」

「そう思うよな!

あーあ、神様どうこう言う前にやることあるよなー」

大人達が神様へ固執する気持ちは何故かわかる。

きっとどうしようもないから縋りたいのだろう。

何故こんな考えが出てくるのかは、私にも理屈では説明できなかった。

そう思えてしまうのだ。

「んじゃ、俺下に運ぶからついてこいよ」

そう言ってタクヤは収穫した芋の一部を持って下へ降りて行った。

私は隙ができたと思い、屋上の端のタイルを調べることにした。

4角全てを調べたが、どこも剥がれる様子がなかった。

映し出された光景と話が違う。

周囲を見渡すと、壊れて破れた柵の先にあるまだ踏み入れたことがない屋上の端のタイルが浮いているのを目撃した。

あっちか。

そう思った頃に後ろからタクヤに呼ばれた。

「来いって言ったろ!そこの収穫した芋をかごごと持ってこいよ!」

仕方がなく私は収穫物を下に持っていくことにした。

また隙をついて屋上に行くか。

収穫物を届けた後、報酬として私には小皿に入ったポテトサラダが渡された。
見た目は黄色一色だが暖かく、バターを混ぜてほぐされている。

「こんな報酬で悪いね。

夕飯の時間になったらちゃんと葉物も出すから」

厨房にいるタケヤの母親にそう言われた。

食べようかという気持ちになったら、食べるための道具がないことに気が付いた。スプーンがないか聞こうか。

・・・

まあいいやと思い私は素手で食べた。別に火傷をすることはなかったし。
手づかみで食べることに抵抗はなかった。食べるための道具を使用したほうがいいという思いはあったけど。

私はポテトサラダを食べた後、食器を洗って乾かす場所であろう網のところへ立てかけた。

そういえば、この世界に昼夜の概念はあるのだろうか。ここにきてずっと外の様子は昼のまま。

気になり、紫髪の女へこの世界に昼夜の概念があるか聞いた。

「一応ありますが、あなたの場合はベッドを仲介する必要があります」

「え、なんで、自然経過とか」

「それは、どうでしょうね。根気よく待ってみても良いかもしれませんよ」

「なにそれ」

私は視界に入った時計を見た。

時計の針は9時を指していた。外は明るい。
今まで過ごしてきた時間はそれなりにあったが、それでも9時?

…この世界は普通ではないようだ。

「ベッドで寝れば昼夜を変えられるでいいのよね」

「そうですよ」

何か行き詰まったら昼夜を変えることも選択肢に入れておこう。

私は再度屋上へ行った。

隣の屋上の端が怪しいので、行く方法を探すことにした。

屋上を囲っている網に破れている部分があるため、そこへ橋になるものをかければ移動できそうだ。

橋になりそうなものを周囲で探したが、すぐに手に取れるものでそれっぽいものは見当たらなかった。

そんな中、屋上にあるオブジェクトの裏側にちょうど良い長さのトタン板があった。しかしくたびれて見える。

その近くのオブジェクトを囲む壁の木板が外れかけていて、それも橋としてちょうどよさそうだ。

私はすぐに持ち出せそうなトタン板へ手を伸ばすと私の頭の中に光景が広がった。

そこにはトタン板を橋がわりに使用して渡ろうとする私が第三者視点で見えた。

橋の真ん中ぐらいまで進むとトタン板はバキッという音を立てて折れ、私は地面まで落下し、地面へ叩きつけられて即死した。

現実の光景へ戻ってくると何を見せられたのかはすぐに把握した。そして思わずため息が出た。

私はこんな2択も外すのか。

私は呆れを力に変えるように外れかけの木板を思いっきり剥がした。

こんなオブジェクトにはなにも思うことはないため躊躇もなかった。
木板は少し重く、橋として架けるには苦労した。

途中で折れないか恐る恐る渡った。

木板は途中で折れることなく、隣の屋上へ移動することができた。

屋上にある階段へ繋がるであろう扉には鍵がかけられていた。下へ降りるには予定通り端のタイルを外していくしかないようだ。

目的の端にある外れかけのタイルを除けると、誰かが意図的に開けたような穴があり、躊躇わず私はそこを降りた。

降りた先は廊下で、足元には化物の足跡がついていた。そして廊下の先から声が聞こえた。

「ダレカイル、ダレガイル」

声は人間に似ているが、どこか声帯を頑張って再現しているかのような人外の片言の雰囲気に似ていた。

どこかに隠れようとしたが、隠れ場所はなく、開かない屋上へ繋がる扉まで下がるしかなかった。

化物の足音は近づいてきて、ついに化物が視界に入ってしまった。

「ヨコセ!」

そう言って化物は私の頭を強く掴んだ。

頭を潰される時の痛さ。

頭痛のような内部での激しい痛さとは違い、外から加わる圧力で、神経がどうしようもないのに痛い痛いと警告を脳内へ伝えてくる。

なかなか死なせてもらえず、私はこの世界に来て初めて肉体的な苦痛を味わっている。
苦痛から逃れるために私は頭をつぶそうとする化物の腕をはがそうと掴んで力を入れても、びくともしなかった。

「カタイナ…」

そう聞こえた後、私は階段に叩きつけられるところまでは覚えていた。

 

私は紫髪の女の前で立っていた。

私は思わず頭を触って頭蓋骨が砕けていないか確認した。

私は再び死んでしまったようだ。

屋上へ行くと隣の屋上へ板が渡されていなかった。しかし屋上で芋が回収された後ではあるようだ。

状況をおおよそ把握し、再度オブジェクト付近から木板を回収して隣の屋上まで再度移動した。

今度は化物が出てきた方向へ駆け抜けてみるか。

下へ降りて急いでその階にある部屋へ向かった。手前の部屋には化物がいると思い、一つ奥の部屋へ入った。

しかしそこには化物が二匹いて、こちらを向いてすぐ首を掴まれた。

その後は首をぽっきり折られ、再度紫髪の女の前にいた。

きっと今の状態で向かってもすぐに化物に見つかってしまうだろう。

状況を変える方法としては、昼夜の変更だろうか。

私は視界に入ったタクヤの母親へ寝ることができる場所はどこか尋ねた。

芋を運び込んだ部屋、そこは調理室と呼ばれているようで、そこを出て右へ進んだ先にある左右にベッドが並べられている部屋がある。廊下を向いて左側にある教室内に空いているベッドがあるからそこを使うといいと伝えられた。

その教室内は廊下で見かけなかった老人や赤子を抱えている女性がいたりした。

各ベッドの上や周りには私物が転がっていて、ベッドしかない窓際にある一箇所がよく目立った。

私はそこへ横になった。

 

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【DQX】キューロピア文字 解読結果まとめ【文字解読】

DQXの世界にあるアストルティアでは、アストルティア文字を中心としたアストルティア文字から始まる各種族文字、魔界文字、そしてゼニアス文字という見慣れない形でありながらなじみのある文字へと変換出来てしっかりと読めるものであることが判明しています。

このページでは、キュレクスの出身地であるキュロン人たちが暮らしている場所で使用されている文字を「キューロピア文字」と命名してまとめていきます。
新しいものを見つけ次第追記していきます。

キューロピア文字は今までの文字の中では珍しく、最初から公式よりアルファベット表が提示されました。
マキュリ集落の民家に用意されており、今回はやろうと思えばだれでも解読が可能です。
これを機に、解読にチャレンジしてみよう!

 

 

 

MEMO(メモ)

発見場所:マキュリ集落

ストーリーを進めていたらまず目に入る場所は村長の家。アルファベット表が無くてもここから解読は進められたかもしれない。

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左から

NEW

OTSUMAMI(おつまみ)

FESTIVAL(お祭り)

発見場所:マキュリ集落

おつまみと書いてある両隣はLではなく雫の模様なので注意。おそらくつまみに使っている野菜はキュウリ。

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00m 00s

発見場所:マキュリ集落

キッチン近くにあるタイマー。
分、秒という単位は異世界でも共通だったらしい。

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BAZAAR(バザール)

発見場所:マキュリ集落 道具屋とかある場所

バザールは市場のこと。取れた作物のやり取りはここでやっているのだろうか。

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INN

発見場所:マキュリ集落 宿屋

開放感たっぷりの宿屋。異世界からの客はまずここで戸惑うと思う。

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MADAM NO MISE(マダムの店)
OPEN

発見場所:マキュリ集落 マダムの店前

魔界以来の変わったビジュアルのモンスターが有効活用される例となった。

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LIVE STAGE(ライブステージ)

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

よくステージに立つ印象のわかめ王子一族

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UTAHIME
WAKAME(歌姫 わかめ)

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

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中央上

BURSTOG
POPCORN
IS
IRREVERSIBLE
(BURSTOGが謎なのでたぶんこう言いたいのだろうという意訳)
弾けてしまったポップコーンはもう戻らない

わかめ王子(?)のイラスト

UTAHIME
WAKAME(歌姫 わかめ)
LIVE

 

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

字の癖が強いもの+解像度の問題でなんて書きたかったんだとなる文字はよくある。
「BURSTOG」の部分にある「O」は「N」じゃないか、また人によっては「U」ととらえることができるものの、どれだとしても意味は通じにくい。TとOの間に実はIが挟まるはずだったとかであればまだわかるかもしれないが、ここまで意味の通じる言葉に繋がりにくいのは正直怪しい。
誤字していることが正常(ゲームの世界の住人だって誤字くらいあるさ)なのか、本当に担当者が誤字ったのか。これは公式側にしか分からない。

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左から順に

SNACK(スナック)

KARAOKE(カラオケ)

CORNPOTAGE(コーンポタージュ)

BOTTLE(ボトル)

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

癖のある書き方だが読めないわけではない。
カラオケが混ざってるのにちょっと戸惑った

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POTAGE(ポタージュ)
FRESH HEALTHY(フレッシュ ヘルシー)
OSUSUMEYO(オススメ)

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

ポタージュは畑から取れたもので、いいんだよね?

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

TUKE NG(ツケはダメ)

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

この癖の強い文字、さてはマダム本人だな?!
ちなみにツケという言葉は、「次回来たときに払うから」という常連にしか許されない後払い行為の事です。
過去にツケにして逃げられた事があるのでしょうね。

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MAQRI(マキュリ)

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

マキュリの綴りが分かる貴重なポスター?

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MENU
POPCORN
KYUURI
DANGO

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

この世界に団子の概念あるんだ・・・
あときゅうりだけローマ字なのは何なのだ。

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

Q
MADAM POTAGE P

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

マダムが書いたと思われる大きなQの文字。
下のサイン部分はほんとにそう書いてる?というあやしい見た目だが、きっとそう書いているのだろうということで。

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左の色紙
ENJOY

中央の色紙
LOVE

中央の色紙右隣の瓶
TAKUMI

さらに隣の瓶
S
RANK

A
RANK

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

ランク付けされた瓶の中身の正体は何なのか

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左から

DANCE
TAKUMI
YUMMY

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

YUMMYは「おいしい」という意味を表す英語らしいようですが、幼稚な言葉扱いされているようです。
まあ美味しいということが伝われば、商品名にしてもいいよね。

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DO
NOT
USE

使うな!

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

この端末に何があったんだ

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緑色の瓶
YUMMY

黄色の瓶
CORN

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

とうきび、既に液状化したものを使ってるのか?

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DRINK

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

もうちょっと名前どうにかならなかったのか

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球根のラベルが付いてる瓶
JOMONO

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

きっと「上物」をローマ字にしただけ。それでもブランド名に見える不思議

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左から

RICH

GREAT

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

もうちょっと名前どうにかならなかったのか

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

CORN A

SALT(塩)
SPICE(スパイス)

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

塩とスパイスの隣にある記号は意味がありそうだが今のところは確証が無いためスルー

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0000G

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

4桁しか対応していないおそらくレジのようなもの。
お金の概念もしっかりあるのね。異世界だけど。

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

CORN POTAGE
NO
HIMITU

コーンポタージュの秘密

MADAM POTAGE

発見場所:マキュリ集落 マダムの店

MADAM POTAGE(マダム・ポタージュ)はマダムの芸名?のこと。
この隣に書いてあるQのサイン部分は文字が潰れすぎて解読が厳しい。

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JOURNEY(旅)

本の裏側
LET’S GO

発見場所:マキュリ集落

絵本なのか本当に時の旅をするための本なのか。
本の裏にもいろいろ書いているが、一番上以外は残念ながら読めない。
ちなみに側面に書いている内容もJOURNEY。

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赤い文字
KARAI
紫の文字
AMAI

発見場所:マキュリ集落

おそらく調味料。わかりやすい表現だが素材はなんだ?

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QUROPIA

TOKIWATARI NO
CHIKARA GA
MICHIRU SEKAI

キューロピア

時渡りの力が満ちる世界

発見場所:キュロン丘陵 立て札

文字が使われる定番の場所、立て札。

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MANUAL(マニュアル)

DATA(データ)

奥の入れ物 左から
A、D、B

発見場所:機構研究所

1000ページ以上あるマニュアルもあるらしいのでこのマニュアルも相当なページがあるかもしれない。

奥にある入れ物はおそらくサンプル的なものを入れていたものだと思われる。

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BLUE PRINT(設計図)

発見場所:機構研究所

どちらかというと設定画

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ボードに張られているものを左から

PROTOTYPE(プロトタイプ)

GRAPH(グラフ)

発見場所:機構研究所

ボードにある情報はジア・クト念結晶対策の情報だろうか。

机の上にあるものは2つ共に「DATA」と書かれていて、時渡りの力を蓄えるために使える間欠泉のデータ集めをしたものだろう。

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RECORD(記録)
GRAPH(グラフ)

発見場所:機構研究所

ボードにある文字も「RECORD」です。
そして机上にあるなぜか存在感を醸し出すキムワイプのようなもの。

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STOP

発見場所:機構研究所

精神を移す機械内にあるボタン。やっぱりちょっとやめて用のボタンを用意しているあたり、良心は微かに残している。
精神を移すというのは狂気の発想だが、人工知能を作るよりは・・・という考えに至ったのだろうか。

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DANGER(危険)

発見場所:キュロンイーターの巣前

キュロンイーターが住んでいる場所の先に菜園があるのだが、キュロンイーターがあとから住み着いたのだろうか。
キュロン人の数が少ないのはこいつのせいなのだろうか。

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

 

 

 

今後もキューロピア文字が使われている場所の追加があったら追加していきます

 

罰の園 1-2 乖離

階段で1階まで降りると窓があった場所はスクラップで防がれていて、左右に伸びる廊下は階段を降りて踊り場ほどのスペースしかないようにバリケードで防がれていた。

さて、どっちのバリケードを超える必要があるか。見た光景では方向がなく、バリケードの先ということしかわからない。

廊下の様子についての情報もなかったし、2択になってしまった。

どっちが正しいのか悩んでいると、なぜか左という気持ちになった。

右に行くと、何かに押しつぶされると思った。

なぜかはわからない。

左右のバリケードは上部分に少し隙間があり、私の体であれば通り抜けられる。

右側の隙間から見えるバリケードの先の天井を見ても、何も仕掛けられていないただの天井だった。

左側も同じだ。

「勘を頼るか」

私は左側のバリケードを乗り越えることにした。バリケードをよじ登り、上の隙間を通り抜けてバリケードの反対側へ辿り着いた。

その後は何も起こらなかった。

バリケードの反対側は長い間使用されていないのか、床は綺麗にホコリを被っていた。

窓には板が打ち付けられていて、その隙間から光が差し込むくらいしか光源がなく、奥が見えなかった。

明かりがないと進むには危険だ。

「どうしようかな」

いっその事板を剥がしてみようか。

そう思って、手軽に剥がせそうな板を一枚剥がした。

板を剥がすと光は差し込んだが、窓の先にいた化物と目が合ってしまった。

あ…。

そう思った頃には化物が窓を割って入ってきた。

私にはその時に飛び散ったガラスが刺さり、その後は頭を掴まれて床に叩きつけられた。

気がつくと紫髪の女が目の前にいる状況に戻っていた。
なんとなく何が起きたかわかった。

私は紫髪の女に聞いた。

「今はどこまで進んだ状況?」

この問いには紫髪の女の隣にいる短髪の男の子?が答えた。

「下の階のバリケードを越えられていないところだよ」

「そう…」

私は死んだらここに戻っていたようだ。

バリケード前の見覚えがある光景は、このせいだったか。

 

バリケードを越えたところまで戻ってきた。

外に化物がいるのはわかったから、室内の光源を頼るしかない。

廊下を見上げると蛍光灯はあるものの、それをつけるためのスイッチは視界に見当たらなかった。

廊下も頼ることができなかった。

左側には部屋があり、少しだけ板から漏れる光で室内を覗くことができた。

引き戸を開けると、何かが入った箱はあるものの、ぱっと見で光源になりそうなものは見当たらなかった。

もう燃やすでもいいから光源が欲しい。

箱の中を漁ることにした。

紙とは少し違った材質で、釘の跡もないのに正方形を保っている箱の蓋を開けると、そこには布しか入っていなかった。

火口には使えるだろうか。

次に見つけた箱を開けると、どんぐりより一回り小さいガラス製品とコイルのような金属部品が入っていた。

ジャンク品と呼べるものだろう。その中に蛍光灯のような明るく光るようなものはなかった。

さらにもう一個の箱は、ガムテープで蓋が塞がっていた。

爪で剥がそうとしても全く剥がれる様子がなかった。

…さっきのジャンクで切れるものあるかな。

比較的鋭利なジャンクを見つけ、持つ部分には見つけた布を巻き、蓋の溝に沿って切れ目を入れていった。

まるで缶切りで缶を開けるようにいちいち力を入れないと溝に沿った切り口をつけられなかった。

そんな厳重に閉じられた蓋がやっと取れ、中には棒のように細長い長方形の物体が入っていた。

その長方形は先端部分を見ると軸のようなものがあり、回転させるギミックがあるようだ。

回してみると、外装の長方形部分の一部が動き、軸の発光している部分が顕になった。軸は発色に発光していて、周りがよく見える。

すごい魔法道具みたい。

・・・魔法?

ふとこの世界にはない概念の話が頭によぎったことを不思議に思った。

何はともあれ光源が見つかったので暗い部分も歩ける。

箱の中にまだ何本か合ったが、手に取った1本だけを持っていくことにした。

廊下へ戻って再度目標を整理した。

青い光を探すために、この階にあるはずのボールがたくさんある部屋を見つける必要がある。

ボールがたくさんある部屋にピンと来なかったので、とりあえず各部屋を探すことにした。

ボールがたくさんある部屋にはどのような役割があったのだろう。

ボールには浮かばせて道の妨害に使ったり、相手にぶつけたりということくらいしか思いつかないけど。

そう考えていると黄色い球が目の前に現れて光ったかと思うと何かの光景が脳内に映し出された。

その光景の中には2グループに分かれた人々が礼をしたあと、笛を合図に中央に置かれた茶色のボールを取り合った。

ボールは持って運ぶのではなくいちいち地面にバウンドしながら敵陣地へ切り込んでいき、敵陣地奥の高いところにある網へ茶色のボールを投げ込んだ。

そこへ入っただけで周囲は熱狂している様子だった。

「なんだこれ…何かの模擬戦?」

「これはスポーツだよ」

「え、誰だ」

「君はこの世界の考えには疎いから、私があなたにこの世界の知識を補足してあげる。

この世界にあるスポーツというのは、戦争に使うのではなく、戦争とは縁遠い国で行われる娯楽だよ。

元ネタは戦争が元になっているけど、相手を殺さない争い事として考えだされたのがスポーツだよ」

「戦争する理由をなくなっても争いにこだわるとは」

「…そのスポーツにボールが使われることが多いから、体育館というワードの近くにある部屋を探した方が良いよ」

「ねえ、あなた明るいんだから光源代わりになってよ」

「ダメだよ、この世界にあるもので解決していかないと。
それに私の役割は導きだし。じゃあ頑張ってね」

景色は暗い廊下に戻っていた。

なんなの、私何かに試されてるの?
あの光り、導きという癖に目的地を明確に示さないし。

それにしても、自分の考え方がこの世界と一致しない。

私はもともとこの世界にいなかったということ?だとするとどこからどうやってこの世界に来たのだろう。

そう考えていると、どこからか化物と思われる雄叫びが聞こえた。

…考えことは安全な場所ですべきだ。まずは体育館の目印を探そう。

部屋ではなく今度は体育館の場所を示す看板を探すことにした。

廊下を歩いていると、左右に引き戸になってる大きな扉がある場所が終点となっていた。その扉の上には体育館とはっきり書かれていた。

体育館の入り口と思われる扉には鉄板が打ち付けられていて中へ入ることはできない。扉の隙間からは血が滲み出ていて、扉の向こう側で何が起こったのか想像できてしまう。

匂いは…嗅ぐ気にはなれなかった。

ずっと埃に塗れた空間にいるし、あまりこの辺の空気は長く吸いたくない。無意識に息も浅くなってしまう。長時間いると酸欠になってしまいそうだ。

この付近に目的の部屋があるはず。

体育館に向かって左側の部屋につながるドアを開けると、ボールが沢山あった。

「ここかな」

そんなに広くない部屋で、一番奥にあるボール入れの中から青色の光が淡く見えた。

光に至るためにはボールが邪魔だったのでいくつか外に出し、やっと青い光を見つけた。

青い光は自由になると浮き上がり、私の中へ入ってきた。

その後、再び私の中にこの世界ではない光景が映った。

====

前に見た光景で出ていた人物が玉座に座る存在へ話しかけていた。

「・・・様、クゥドルが落ちました。

ゴンドワがこちら側についてくれたことによる勝利と言えるでしょう」

「そのような戦果報告は魔王へ伝えるだけで十分なはずだ。何か気になることでも?」

「…ゴンドワはクゥドルの中にいたまま魔族となり、我らへ貢献しました。

クゥドルは黒魔法の素質を検知次第直ちに追い出すという白魔法主義が行き過ぎた都市。
そんな場所に魔物が入り込めばすぐに追い出されるはず。

しかしゴンドワはクゥドルの城内で暴れるまでは黒魔法の検知が一切されなかったと言います。

…様、ゴンドワと接触しましたね?」

「なんだい、私が外を出歩こうが自由じゃないか」

「やはりですか。魔力の隠蔽はあなたの得意技ですものね。神格であるあなたはここにいてもらわなければ皆が心配します」

「ここに座っているだけではつまらないんだよ。ここにいたところで皆に何かできるわけでもないのに。

それなら外へ出て自ら強そうな奴を堕とすほうが楽しいに決まっているじゃないか」

「人間達に見つかった時のことも考えて行動してください」

「生じた混乱は魔王の方に処理してもらうさ」

「まったく、魔王 デルトロク様に怒られても知りませんよ」

「ふんっ、リースウェルに変わってこの世界の神となるためにも下界の出来事を見聞きすることは重要なんだ。

下界からの報告を聞くだけならリースウェルと変わらん。聞くだけで何がわかるというんだ」

「それはごもっともですが」

「今に見ていなさい、私がリースウェルを討ったあとは神あり方も変えてやるから」

私は何を見せられてるんだ。

分からない地名、分からない人名。

何も分からないこの光景を見せて私に何をさせたいんだ。

「この光景は回想の主人公にとって大事な行動理念が映し出された一幕だよ」

声の方向には黄色い光が浮いていた。

「導きの光か。回想の主人公にとって大事だったとして、それが私に見せられているのはなぜなの。私があれになれとでも言いたいの?」

「さあ。すべての光がそろえばわかるかもね」

====

回想はここで終わった。

この回想の主人公・・・まさか私なの?

いや、だとしたらなぜその頃の記憶を何も思い出せないの。

そう考えていると黄色の球が体から出てきて、目の前で光ったかと思うとどこかの光景が映し出された。

屋上の端っこにある床板を外した先。

化物も歩くくらい通路を進んで行った先にモニターがたくさんある部屋がある。

次の目標はそこのようだ。

黄色い光が体に引っ込んだ後、灯りをつけながら来た道を戻った。最初は埃しかなかった道には私の足跡がついていた。他に足跡はなく、化物が知らないうちに入り込んだというのもなさそうだ。

バリケードの反対側へ戻った時だった。

「お前、何やってんだ」

階段の上には腕を組んだタケヤがいた。

出てはいけないとこへ出ていってしまったことが知られてしまった。目的を話すわけにはいかないし、変に大人達へ知らされても困る。

答えに困っていると、右手に持っていたライトをタケヤへ見せた。

「灯りを、探していたの。バリケードの先にあったよ」

タケヤは階段を降りてきて、私が持っていたライトを奪った。

タケヤはライトを回すと蓋がされて消灯する仕組みに驚きながらも、見つけてきたライトを珍しそうに見回していた。

「これ、まだあったか?」

急に聞いてきたので私は無意識にうなづいてしまった。

そう言うとタケヤはニヤリと笑って奪ったライトを返してきた。

「俺にいい考えがある。

任せろって、チクるわけじゃないから」

そう言ってタケヤが上に戻った後、武器を持った大人2人と一緒に降りてきた。

「全く、タケヤと同じワンパクだったとはな」

1人の大人がこっちをみながらそう呟き、タケヤと一緒にバリケードの向こう側へと移動していった。

そのあとは私の持っているライトと同じものが10本程度、そして電子部品と呼ばれるものとボトルに入った数本の水が見つかったという。

「バリケードの向こう側へ勝手に行ったのはいただけないが、これは嬢ちゃんの手柄だな。助かったぜ」

見つかった物資に群がる男の1人がそう言った。

タケヤが近づいてきて私に話しかけた。

「外の探検に興味があるならそう言ってくれよ!一緒にやろうぜ!

タケヤの後ろに1人の女性が立ち、軽くタケヤの頭にゲンコツを入れた。

「何言ってるんだい。あんたの悪ふざけに別の子を巻き込むんじゃないよ」

「母ちゃん、友達できたんだからいいじゃん」

「やっていいことと悪いことがあるって言ってんの」

どうやらあの女性はタケヤの母親っぽい。

私は親というのを知らないけど、いたらあのようなやりとりもあったのだろうか。

2人の話を聞いていると、私の腹の虫が鳴いた。この世界で初めて空腹を感じた瞬間だった。

「なんだい、腹が減ってるのかい。

悪いけど今は食料の在庫が乏しいんだ、2人で上の畑で芋を回収してきてくれないか」

「え〜なんで俺も」

「取らないと今日の夜は飯抜きだよ」

「そりゃないよ」

そう言いながらタケヤは上に続く階段を登っていった。

私はタケヤの母親へ食料事情を聞いた。

「食料が足りないって話、本当?」

「ん?残念ながら本当の話さ。

節約してきた非常食はほとんどなくなって、屋上菜園が頼みの綱になっている状況さ。

外と連絡が取れないと、冬を越せる気がしないね」

外との連絡

この世界でここ以外に住んでいる人間はいるのだろうか。この世界で暮らすしかなくなるなら、少しは気にしたほうがいいかもしれない。

そう考えながら私は紫髪の女性のところへ向かっていた。

「どうしたの、探し物で困ったことがあった?」

紫髪の女性の隣にいる少年?が話しかけてきた。

「いや、あなた達に話しかけたほうがいいと思っただけ」

「そう。その考えは正しいから、探し物が見つかるたびに話しかけにきたほうがいいよ」

「わかった」

そうしないと死んだ時に困る、そんな気がした。

さて…

私は屋上へ向かった。

 

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【機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)】常識や固定概念を横に置けるかで評価が変わるジークアクス そこから見える「新時代」への歩み出し方

機動戦士ガンダム

このジャンルが誕生して45年を越え始めたこの時代に、
“「ニュータイプ」という概念に対して新しい解釈をしたい”
という監督の想いを含んだ新しいガンダム作品が現れました。

※引用元:https://animageplus.jp/articles/detail/62025/3/1/1

それが「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」です。
※以下GQuuuuuuXと表記する
ガンダムクァクスはジークアクスと表記します

 

ここから先は筆者の感想と思うことの記載が続きます。
考察でも何でもなく、「GQuuuuuuXはこういう作品だ」と正解を示すための内容とはなっていません。
記載内容についてはほとんどソースがないものです。持論です。

「こういう考えもあるんだな」という解釈をしたくない、無駄と思う人はここでブラウザバックをお願いします。

また、GQuuuuuuX最終回までのネタバレも含みます。ネタバレが嫌だという方もブラウザバックお願いします。

 

 

 

 

 

 

GQuuuuuuXは一応主人公をアマテ・ユズリハ(マチュ)として物語を進めていました。
しかしその物語を描くうえで、この物語は宇宙世紀という枠組みで「正史」と呼ばれる富野由悠季監督が描いたアニメ版機動戦士ガンダムの世界とはパラレルに位置する存在であること、シャリア・ブル、シャア・アズナブル、ララァ・スン、シュウジ、ニャアン、エグザベ・オリベ、コモリ・ハーコートといったGQuuuuuuX世界に生きるニュータイプ達にもフォーカスを当てて進行するという、どちらかというとニュータイプ達を中心とした物語として描かれていた印象を受けました。

この物語の総評を先に提示してしまうと、

「”ガンダム”としてやるにはしっかり理由があり、”「ニュータイプ」という概念に対して新しい解釈をしたい”という想いは物語に出ていた。しかし描写が足りなかったため、私たちのようなオールドタイプである視聴者にとっては誤解をしてしまう、理解できない内容になっていた。」

になります。

ではこの総評になった理由とGQuuuuuuXら見える「新時代」への歩み出し方について以下の流れで進めていきます。

 

  1. GQuuuuuuXが示した「ニュータイプ」の新しい解釈は「洞察に満ちた優しさを持って自由(オールドタイプの考えや常識に縛られない)に生きられる存在」
  2. “ガンダム”としてやるべきだった理由 45年以上続くガンダムが見せてしまった「ニュータイプ」というの在り方を考え直してもらう必要があるため
  3. 「新時代」への歩み出し方 それはある程度の自由と若者を導く老人の大切さ
  4. GQuuuuuuXに足りないもの

 

では進めていきます

 

1.GQuuuuuuXが示した「ニュータイプ」の新しい解釈は「洞察に満ちた優しさを持って自由(オールドタイプの考えや常識に縛られない)に生きられる存在」

GQuuuuuuXで描きたかった「ニュータイプ」の新しい解釈については、物語中でシロウズとして生きているシャア自身がキシリアに向けて発言していました。

“洞察に満ちた優しさを持つ者をニュータイプと理解しています”
ソース:機動戦士Gundam GQuuuuuuX 11話 11分36秒あたりのニャアンがジフレドの中で聞いたシャアの発言

今までにニュータイプとは何者なのかを考察してきた人たちの中でも、このシャアの考えに似た結論に至っていた人たちはそれなりにいました。

似た結論に至った一例
【本当はとても忍耐強い子】最高のNTカミーユ・ビダン。何故ジェリドを殴ったのか、何故壊れたのかを、家庭環境と友人関係などを踏まえながらしながら徹底解説【機動戦士ガンダム】
※宇宙人さん 作

このシャアの考え方であれば、特殊な空間認識能力が無くても、キラキラ空間に入れなくても、テレパシーが使えなくても、洞察に満ちた優しささえあればニュータイプであると言えます。

そんなニュータイプだから何ができるのかというと、「誤解が少なく、分かり合うことができる」ことだとGQuuuuuuXからは解釈できました。

そんな新しい時代へ進むために必要なもう一つの要素として「自由」があります。

「自由」という言葉はだいぶ圧縮された言葉で、人によっては解釈が大きく揺れる言葉です。これは英語のfreedomにも同じことが言えます。

私がGQuuuuuuXから読み取った「自由」は「オールドタイプの考えや常識に縛られない」です。それを体現したのがマチュです。そんなマチュに、シャリアは期待をよせていました。

そう読み取った根拠を記載していきます。

マチュはGQuuuuuuX 1話から現状に窮屈という形で違和感を持っていました。その違和感を「そういうものだ」でマチュは納得できていませんでした。それは言葉で表現することは難しい違和感でした。

GQuuuuuuX 4話ではシイコ・スガイと出会い、マチュを窮屈に感じさせていたのは「普通」であることがうっすらと見え始めます。

この「普通」も自由と同じく圧縮された言語で、人によって解釈が揺れます。
マチュが窮屈に感じていた「普通」は「オールドタイプの価値観や考え方」だと思われます。

その証拠として、マチュは私たちのようなオールドタイプからしたら普通ではない数々の行動をしてきています。

・マチュはジークアクスを勝手に自分の所有物にしている
・GQuuuuuuX 3話でシュウジにぶつかって全財産を失わせてもクランバトルで勝てばいいと言い出す
・進路希望で周りから真面目と思われる回答を出さない
・カネバン事務所から金を持ち出す
・アンキーへ銃口を向け、殺害はしていなくても発砲はしてしまう
・テロリスト扱いは濡れ衣とはいえ、親に迷惑が掛かっていることに責任を持とうとしない
・過去に犯した罪を償おうとしない
・行動が「自分のやりたいこと」優先になっている

これらについてマチュは最終回まで変に引きずらず、真っ直ぐに歩んでいきます。

このマチュの「普通」への向き合い方を見て、私たちのようなオールドタイプは常識や固定概念を横に置いて、客観的な評価を下せたでしょうか。
どこか自分たちの「普通」にあてはめて考えていなかったでしょうか。

ひとつずつ見ていきましょう。

・マチュはジークアクスを勝手に自分の所有物にしている

ジオンが開発した新兵器であるジークアクスにマチュは強そうだからを理由に勝手に乗り込んで最終的に私物化。
この行為を常識的に考えれば、窃盗どころではなく軍の持ち物を私物化したとしてもっと重い罪に問われてもおかしくないことです。
これはシャリアという存在のおかげでうやむやとなっていますが、マチュは特に気にしていません。

これに対して常識を捨てた見方をすれば、ジークアクスはマチュを気に入ってるし、恐喝に使うわけでもないし別に良いのではと思います。
シャリアが気にしていないのも、ジークアクスはマチュに任せてよいと思ったからでしょう。
「軍のものを私物化するのは罪」という考え方は、オールドタイプの社会が無法にならないよう勝手に決めたものです。
「新しい時代」を生きようとする存在は洞察に満ちた優しさを持っているため、無法に扱うことはないので特に気にすることではありません。

 

・GQuuuuuuX 3話でシュウジにぶつかって全財産を失わせてもクランバトルで勝てばいいと言い出す

他人の全財産を失うきっかけを作ったならば、その責任を持って謝るべきだ。その落とし前がクランバトルに勝って弁償することだ。
「クランバトルに勝てばいい」ってなんだ、勝てなかったらどうするんだ。
オールドタイプの常識的な考え方の主張はこんな感じでしょう。

「責任を持って謝るべきだ。その落とし前もつけるべきだ。」という考え方は、なぜ「普通」なのでしょうか。相手を思いやるなら当然の考えだと、なぜそう思えるのでしょうか。
どこかで「そういうものだ」で終わってこの主張になっていないでしょうか。
勝てなかった場合を考えていないという指摘はごもっともですが、他に道がないのも事実です。
できなそうだから無理かもと思いとどまるのは、この時代にとってオールドタイプな考え方なのです。

お金はクランバトルに勝てば出るからいい。勝てる自信があるからいい。結果は勝ちで終わった。
常識を横に置いておけば「よかったね」で終わる話です。何の問題もありません。

 

・進路希望で周りから真面目と思われる回答を出さない

進路希望調査関連はマチュと親のタマキとの間で考えがかみ合っていないことを強調づけるものでした。
マチュが進路希望でクラゲと回答したり、海で泳ぎたいと言いました。
常識的な思考回路であれば、「進路希望って今後どんな仕事につきたいかとかを書くものだろ。マチュふざけてるだろ」と思うオールドタイプはいるでしょう。

オールドタイプの常識には「大人」という考えがあります。大人になれば仕事をするべき、今後はお前はそのために動くべきだという固定概念がどこかにあります。タマキや先生が少し結論を急いでしまったのも、この固定概念があったせいでしょう。マチュは17歳ですし。

マチュは考えた結果、クラゲになりたいや海で泳ぎたいとしか表現できなあったのです。これはやりたいことをそうとしか表現できなかったのでしょう。

常識や固定概念を捨てた考え方をしてみたら、「それで進んでみてもいいんじゃないか」と思ってもいいのではないでしょうか。その結果が吉と出ても凶と出てもマチュの糧にはなるのですから。まだまだマチュは知らないことだらけなので、どんどん自分がしっくりくるまで様々な経験すべきなのです。

しかしそんな経験する機会を「普通」は早い段階で奪ってはいないでしょうか。

 

・カネバン事務所から金を持ち出す

「なんで自分のものではない金を持ち出そうとするんだよ。強盗になることもわからないのかw」と常識を持つ方は皆思うでしょう。
クランバトルで勝ちの結果を出したのはマチュとシュウジですが、その元締めはポメラニアンズで、お金の管理もポメラニアンズがやっています。当然の考えですよね。

しかし常識や固定概念を捨てて考えてみましょう。

結果を出したのはマチュとシュウジなのに、なんで見ていただけのポメラニアンズがその報酬の所有者扱いになってしまうのでしょうか。
実際にはエントリー手続きやジークアクスの置き場所を提供してくれてはいたかもしれませんが、それだけです。
正直書いている私も、何でポメラニアンズが報酬の所有者扱いになっているのかわからなくなっています。
「そういうものだから」、「常識だから」、「人間社会じゃふつうだろ」といった抽象的な言葉ではなく、具体的に誰でも納得いく答えを出せる人はいるでしょうか。

 

・アンキーへ銃口を向け、殺害はしていなくても発砲はしてしまう

「引き金引けば弾ぐらい出るだろ。殺害未遂になることぐらいわかるだろw」
オールドタイプ的考えならそう思うでしょう。

しかし常識や固定概念を捨てて考えてみましょう。
「導くべき大人の立場で子どもを利用してこの結果なら、撃たれても仕方がない」

マチュがクランバトルを続けていたのは、自分に近い感覚を共有できるシュウジ、ニャアン、そしてガンダムたちとともに地球へ行くためです。
マチュ達がクランバトルを利用するとともに、アンキーもマチュ達を利用していました。
違法行為に関わったらどうなるか、ジェジーやナブはまともな感覚でマチュを遠ざけようと対応をしていました。しかしアンキーはマチュがいることで得られる利益を優先してしまった。
悪い行いを咎めなかった人物に対して、発砲することの何がいけないのか。そこから殺害に至ってしまったらそれは大変よろしくないことですが。

 

・テロリスト扱いは濡れ衣とはいえ、親に迷惑が掛かっていることに責任を持とうとしない

「マチュは親不孝者だ。人生でその罪を償え」
オールドタイプが抱く思いはこんな感じでしょう。

子は親を敬い、親孝行すべきだ。というのが「普通」になっているからです。

常識や固定概念を捨てて振り返ると、マチュは優しさから最終的に親との再会という選択肢を捨てています。なぜならお尋ね者の身で表舞台に出るとまた追いかけられて、さらに親へ迷惑がかかるからです。

なぜ親へ子が恩返しするのが当たり前みたいになっているのでしょうか。
育ててくれるのはありがたいですが、だからといって子どもの将来を親に縛られるなんておかしいことではないでしょうか。
巣立ったら終わり。それでいいはずです。成長した後に親へ顔を見せる義務はないはずです。
誰が子は親を敬い、親孝行すべきだ。なんて考えを常識にしてしまったのでしょうか。

・過去に犯した罪を償おうとしない

過去に犯した罪はレッテルとなってその後の人生に不利に働くのは、オールドタイプの世界では普通のことになっています。罪を償うという行為で、オールドタイプは犯罪者が罪を清算していると納得します。

過去の間違いで未来を閉ざされる。そんなオールドタイプの世界では失敗は許されず、チャレンジなんてわずかな範囲でしかできない寒い世界となっています。

マチュにとっては「大人」となるためにはオールドタイプが定めた18歳か20歳までは子どもという考えはあまりにも窮屈で猶予が短すぎなのです。
まだまだマチュには経験と失敗が足りません。
常識や固定概念を捨てて振り返ると、そう思います。

 

・行動が「自分のやりたいこと」優先になっている

「将来は社会のために働くべきだ。自分のやりたいことを貫けるのなんてごくわずかだ」
オールドタイプの価値観では当たり前でしょう。

でも、社会のために働くべきだというのはだれが何のために言い始めたのでしょう。
やりたいことに向かって進み続けるマチュに対して、どこか良くない思いをしている人は、心のどこかで「社会のために働けよ」と思ってはいないでしょうか。

 

ここまでのマチュが行った「普通」ではない行動を見ると、「普通」はあらゆる行為を縛る鎖のような存在になっているように見えます。
この「普通」に縛られていると、洞察に満ちた優しさよりも「普通」が優先されてどうしてもオールドタイプの考えの中でしか生きていくことができなくなります。

正史のニュータイプ達も、「普通」に苦労していたのではないでしょうか。

よってGQuuuuuuX世界で示された「ニュータイプ」のありのままで未来に進んでいくためには、オールドタイプ達が世を維持していくために生み出した「普通」から解放された「自由」も必要なのだと解釈したのです。

それを示したのがマチュなので、総合的に

GQuuuuuuXが示した「ニュータイプ」の新しい解釈は「洞察に満ちた優しさを持って自由(オールドタイプの考えや常識に縛られない)に生きられる存在」

と言えるのではないでしょうか。

洞察に満ちた優しさを持っていて、自由(オールドタイプの考えや常識に縛られない)に歩むマチュの姿を見たからこそ、空虚だったシャリアは希望を持てたのでしょう。

仮にマチュでも「普通」に縛られて歩みを止めてしまっていた場合、シャリアは「この世界でニュータイプにとっての未来を作るなんて無理だ」と絶望してしまっていたでしょう。

マチュが本物と呼ばれる理由は、ニュータイプであるのもそうですが、自由(オールドタイプの考えや常識に縛られない)に動ける存在だからではないでしょうか。

ニュータイプの希望を見せられているあたり、マチュはしっかり主人公をしていたと思います。

 

 

2.”ガンダム”としてやるべきだった理由 45年以上続くガンダムが見せてしまった「ニュータイプ」の在り方を考え直してもらう必要があるため

昨今のガンダム作品で、こう思う機会はそれなりにあります。

”それガンダムとしてやる必要ある?”

ガンダムのネームバリューを借りて宇宙世紀とは関係ないロボット物をやっていると、そう思うことがあります。

GQuuuuuuXは”ガンダム”としてやる意味は大いにあります。それは「ニュータイプ」の新しい解釈を示すためです。

仮に宇宙世紀ではない舞台で、「これがニュータイプの新解釈です!」と綺麗な終わり方で見せたとしても「その考え、実際に宇宙世紀で通用するの?」で終わるだけです。

そのために正史とのつながりを持つ必要があったのです。

正史が見せた「ニュータイプ」とはララァ、アムロ・レイが中心でその後出てくるカミーユ・ビダンも併せて「戦闘で超能力使える化物みたいな存在」が前面に出ていました。正直シャアは正史が見せたニュータイプとしては少し力不足なのであまり話題にならないです。

このせいか宇宙世紀では機動戦士ガンダムから逆襲のシャア、F91、Vガンダムそしてそこに付随してきた外伝に至るまでニュータイプの扱いは「戦闘で超能力使える化物みたいな存在」が先行して戦闘マシーンであるかのようにニュータイプは戦いの場に駆り出されていました。

よって「ニュータイプ=戦闘で超能力使える化物みたいな存在」な解釈が普通となっています。

そんな宇宙世紀の普通の解釈に対して、GQuuuuuuXは「ニュータイプ」の新しい解釈を示すためにどのように宇宙世紀を描き直したのかを見ていきます。

ゴールはマチュが洞察に満ちた優しさを持っていて、自由(オールドタイプの考えや常識に縛られない)に歩むことです。
そこへたどり着く間に「戦闘で超能力使える化物みたいな存在」を示してしまった過去と照らし合わせる意味も込めてララァ、アムロの出演が必要でしょう。そしてララァが大事にしていたシャアも必要です。

しかし残念ながら、ララァ、アムロ、シャアの同時出演は不可能です。
何故ならどう考えても正史の一年戦争では、アムロに圧倒されるシャアをかばってララァが死んでしまうからです。
これを覆すのは大変厳しく、冗談で言われているララァRTAのような考えになってしまいますが”アムロがガンダムに乗る”それだけで運命が決まってしまうのです。その間にどうあがこうが、歴史の修正力と呼んでもよさそうなもので決まった運命に戻されてしまいます。

ギレンの野望というゲームでは様々な歴史分岐が用意されていて、アムロが乗る前にガンダムを強奪するか、ランバ・ラルにドムを届けるか、黒い三連星にゲルググを届けなければララァが死ぬ正史エンドが確定します。

よくアムロの話題で「アムロがいたから連邦が勝てたのか?」という議論が湧いて出てきます。
それは何とも言えませんが、ジオンが出してきたサイコミュへ対応できた初めての存在がアムロで、アムロが「戦闘で超能力使える化物みたいな存在」を体現させてしまったのは正直事実だと思えます。この考えを修正してくれる存在は、連邦には存在しません。

ララァは誰も実現できなかった無線でビットを扱うことを体現してしまい、ジオンにとっても「戦闘で超能力使える化物みたいな存在」であることを見せつけてしまいます。ジオンにもこの考えを修正してくれる存在はいません。

生き残ったアムロはどうなったかというと、優しさは持っていたものの地球連邦という大きな力によって軟禁されるという悲しい経験をし、逆襲のシャアの最後まで戦場にいました。
残念ながらアムロはニュータイプの在り方を変える機会を作ることは出来ませんでした。

生き残ったシャアは、自分を叱ってくれるカミーユというニュータイプに希望を持っていましたが、戦争によってカミーユは壊れてしまいました。
※映画版はなんか壊れなかった

逆襲のシャアはカミーユが壊れてしまった場合の延長線上の話で、シャアは希望を壊したこんな世界嫌だという想いと、ララァを殺したアムロに決着つけたいというエゴを発動して、未来のニュータイプを導くような動きは出来ていません。ましてやクェスを戦いの道具に誘導してしまうほどのダメっぷりです。アムロよりひどいことをしています。

こんな感じに、宇宙世紀ではニュータイプの在り方を変えてくれる存在はいませんでした。

GQuuuuuuXはそんな宇宙世紀をどう描き直そうとしたのかというと、「アムロが戦の場に出る機会を消して、ジオンを勝利させ、シャアがアクシズ落とししないようにしよう」という方向性になりました。

これを実現するために、神の視点として行動できる別世界のララァという存在を作り、どうやり直しても死んでしまうシャアを助けるために何度もやり直した世界の終着点がGQuuuuuuXの世界としたのです。
そしてニュータイプ達を導いてくれるよき理解者として、シャリアが抜擢されます。

シャリアは正史では描写が少なかったです。木星帰りで勘が鋭く読心能力もすごい、そしてアニメ版で少しですがアムロと分かり合おうとした存在です。
そんなシャリアをニュータイプ達を導いてくれるよき理解者とするために設定し直した結果、根回しもできて、いい大人を演じれて、シャアの真の理解者となって、ニュータイプを大事にしてくれて、政治への理解もあるチートキャラになりました。

・・・ちょっとやり過ぎな気もします。

しかしここまでやって「戦闘で超能力使える化物みたいな存在」を示してきた宇宙世紀をGQuuuuuuXでたどり着きたいゴールに辿り着かせる道筋が見えてくるのです。宇宙世紀悲惨すぎる。

これで何が起こるかというと、アムロが宇宙世紀の表舞台から姿を消します。「戦闘で超能力使える化物みたいな存在」を体現した元凶の一つが消えるので良いのですが、機動戦士ガンダムの初代主人公を否定するというとんでもない事態です。人によってはこの時点で「GQuuuuuuXは駄作」と考えてしまう人がいるかもしれません。

GQuuuuuuXではアムロに似た存在としてシイコが出てきます。卓越した空間認識能力とスティグマ戦術を利用して敵を次々と倒していく魔女として恐れられ、連邦が危うく「戦闘で超能力使える化物みたいな存在」がニュータイプという考えに至らせてしまいそうな不安分子でした。
登場してすぐに死んでしまいましたが、連邦に正史のニュータイプの考え方を浸透させる機会が潰れたといえばよい結果だったでしょう。

しかしシイコは「ニュータイプの素質があっても、死ななければわかり合えない存在は少なからずGQuuuuuuXにもいる」という大事な解釈を示してくれています。無駄ではありません。

ではこの世界のララァはどうかというと、シャアが地球に来る機会を無くし、ガルマ・ザビを殺した後悔の中で娼館にいるララァと出会うというフラグが折れたので、ララァはずっと娼館にいることになっていました。

これで正史で「戦闘で超能力使える化物みたいな存在」を体現した存在たちを黙らせることができました。
それでもシャアとシャリアが「戦闘で超能力使える化物みたいな存在」がニュータイプであると結び付けてしまう動きをしてしまうため、そのままでは歴史の修正能力で正史と同じ結果になってしまいます。
そこでシャリアにはニュータイプを軍事利用しようと進めるジオンの権力者であるギレンとキシリアを同時に排除する、そして空いた権力者の穴をシャアが埋めてしまわないようダイクンの血を引く存在であるアルテイシアを擁立させるために暗躍してもらうことで歴史の修正能力に抗います。

あとは遊び心で宇宙世紀の要素で肉付けし、GQuuuuuuXの全12話は完成しました。

神視点で行動できる別世界のララァや、チートキャラのようになったシャリア、そして政治をさせてもらえないシャアや新時代を歩むマチュがいることでGQuuuuuuXは過去の宇宙世紀が示し続けたニュータイプの在り方を考え直させることができたのです。

 

3.「新時代」への歩み出し方 ある程度の自由と若者を導く老人の大切さ

新時代を歩むマチュですが、最終回の時点でも歩み出したばかりでまだまだ未熟です。新時代へ後輩のニュータイプを導くにしてはあまりにも未熟です。

そんなマチュが新時代を歩むに至れたのは、様々な自分の立場に近い存在と出会って、成功と失敗を経験し、そしてシャリアというニュータイプに理解のある大人に導かれたからこそです。

オールドタイプとしての将来の歩み方や指標はたくさんありますが、ニュータイプが歩む新時代については歩み方も何もありません。
そんな何もない新しい道を1人で歩んでいくことは無理に近いです。しかもオールドタイプの世界の中でです。

サイド6時点でマチュに助言をした存在としてタマキとアンキーがいましたが、その二人は「オールドタイプの視点と感覚」での助言です。ニュータイプであるマチュにとっては何か違うなとなったり、大人は嫌いだという考えになったりとマチュを導けるような存在にはなれませんでした。
きっとタマキの助言はオールドタイプにとってありがたい内容だったかもしれません。しかしマチュはニュータイプで新時代を歩もうとしています。
助言が助言となっていないのです。

そんなどう歩めばいいか分からない中、自分に近い存在であるシュウジとニャアンのためにクランバトルを続けたマチュはGQuuuuuuX 7話で大きな間違いを犯します。その結果なぜかテロリストの汚名を着せられます。
そんな災難の中で唯一マチュを守ってくれたのが、なんとジークアクスことエンディミオンシステムです。

GQuuuuuuX 9話からニュータイプの目線で導いてくれる存在となるシャリアと出会い、自分に近い存在であるララァ、コモリと出会ってやっと新時代への歩み方を少しですが知ることができます。そしてある程度自由に振る舞わせてくれました。
GQuuuuuuX 5話でエグザベとも出会っていますが、彼はマチュに影響を与えられるような存在にはなれませんでした。その代わりシャリアにとって大事な存在とはなりますが。

GQuuuuuuX 10話でやっとマチュは赤子のようなたどたどしい歩き方から軽やかな歩き方になりました。その頃にはマチュには、だれの力も借りないで生きていけるようもっと強くなりたいという決意もありました。
※ソース:機動戦士Gundam GQuuuuuuX 12話 18分40秒あたり

そしてジークアクスの操縦はエンディミオンシステムの力を借りなくてもできるようになっていました。

それからGQuuuuuuX 最終回まで、マチュは自分の思うがままに動き、チャレンジしました。その結果、ニャアン、シュウジとキラキラ空間で分かり合うことができ、別世界のララァを助けることもできました。
その過程ではシャリアや別世界のララァによる手助けがあり、残念ながらマチュ1人でたどり着けた結果ではありません。
事態が終息した後の地球の暮らしも、マチュ達が自分で稼いで自立した生活をできているかというと、描写が無くてわかりません。

そう、最終回を迎えてもマチュはニュータイプとしても、人としても未熟なのです。マチュは17歳らしいので、オールドタイプの世界では大人として生活しないといけない時期ですがマチュは大人として振る舞うには、幼いです。
新時代では17歳でも幼いことを許容しなければ、ニュータイプにとっては過ごしにくいのです。
そんな状態で問答無用で「大人」として扱ってしまうオールドタイプの世界、残酷とは思いませんか。
そんなニュータイプ達が過ごしやすい世界になるよう、アルテイシア達には頑張ってもらいたいです。
マチュ達のような若いニュータイプ達には、まだオールドタイプ達を黙らせるような政治はできないのですから。

 

GQuuuuuuXでわかる「新時代」への歩み出し方ですが、それは「理解ある年長者が歩き方を知らない若者たちを長い目で導けなければ始まらない」ということです。

これはリアルにも言えることで、
自分達が子どもだったとき、親は自分たちを誤解なく導いてくれたでしょうか。指導はしてくれたかもしれませんが、そこにある程度の自由はあったでしょうか。
そして失敗をしてしまった時、糧にして次で頑張ればよいと助けてくれ、チャレンジの機会をたくさん与えてくれたでしょうか。

私はそうだと、自信を持って言えません。

そしてリアルの時代は、若者を導けるほどの知識も経験もないのに無理やり「大人」というレッテルを張ってはいないでしょうか。そして無理矢理「大人」となったものたちは、若者から導いてくれることを期待され、その期待に応えられているでしょうか。
どちらかというと、じいちゃんばあちゃんの方が導いてくれて、失敗したときに助けてくれる印象がありました。それは老人になるころがやっと若者を導けるほどの知識や経験を持つ頃だと言えるからではないでしょうか。

しかしそれも過去のこと。
2025年現在では、若者を導く存在がSNSや動画サイトのインフルエンサー、そしてAIになってはいないでしょうか。しかしそれらは失敗した後を助けてはくれません。失敗したら周りから後ろ指をさされ、チャレンジする勇気はなくなっています。

これがすでに結果でしょう。

2025年現在、若者を導ける大人は少なくなっています。老人でも導けるような存在は少なくなっています。
なぜなら「未熟な若者」が無理矢理「大人」というレッテルを張られているだけだからです。そしてその「大人」が老人になっても導けるほどの知識と経験を持っていないのは、失敗したらすべてが終わるという「普通」のせいであまりチャレンジをしてこなかったのではないでしょうか。
2025年は老若男女の全員が未熟で導き手が少なすぎるというヤバい状態です。「普通」で誤魔化せているだけです。

リアルの時代は「子ども」と「大人」という考え、そして「普通」の在り方を改めて考え直すべきなのかもしれません。
しかしそんなことをやってのけるシャリアのような存在は、リアルにはいません。

「新時代」が来ること自体が絶望的なリアルの世界、シャリアのような導いてくれる救世主が現れるのを待つしかないように思えます。

 

4.GQuuuuuuXに足りないもの

GQuuuuuuXは「ニュータイプ」の新しい解釈を示しました。

示しはしたものの、その内容は私たちのようなオールドタイプにとっては言葉足らずで、どこか無責任な終わり方をしました。

言葉足らずというのは、映像作品だからこその難しさや、リアルのオールドタイプが作った世界による制約が起こしてしまったことです。

そのまえに、GQuuuuuuXでは所々でニュータイプの感覚を味わえる機会がありました。
特に印象的なのはGQuuuuuuX 12話 13分30秒あたりでシャリアがシャアに対してはなった言葉。

“わたしにはわかる。あなたがジオンを率いるのは危険だ。いつかキシリア様のように、地球に住む人類の粛清に辿り着く”

この言葉だけで、初代ガンダムから逆襲のシャアを見てきた人たちの間では「そのとおり」という共通認識を持てたのではないでしょうか。
宇宙世紀をよう知らない人にとっては「何でわかるの?」となるでしょう。
言葉を交わさなくてもわかる瞬間、それがあることでGQuuuuuuXは所々表現すべきところを省いてきました。

それでも、12話の内3割程度は過去の宇宙世紀の映像を焼き直したものやジオンが勝つまでの過程を描写することに使用されました。

作中で頻繁に使用されたキラキラの演出は映像作品だからこその難しさが出ていました。

キラキラ空間は文字媒体で表現する際、キラキラ空間内で起こったことを描いた後に、”気が付いたら、元の世界に戻っていた。あの空間では5分ほどいた感覚だったのに、元の世界では数秒しか経っていなかったようだ”のように表現すれば、キラキラ空間内で過ごした時間=元の世界で過ぎた時間という誤解はなくなります。

しかし映像作品ではそう表現することは難しく、ただ見ているだけではキラキラ空間内で過ごした時間=元の世界で過ぎた時間としか見えません。実際に見ていた時間と同じくらいの時間が、リアルの時計の針でも進んでいるのですから。
どうしても時間のずれがあるということは、説明口調でキャラに話させるしかありません。それだけで映像作品の限られた尺は削られます。

では12話ではなく24話とか話数を増やせなかったのかという話ですが、そこにはリアルのオールドタイプが作った世界による制約があります。

お金の問題、放送してくれる会社たちの都合、そして出資者となるスポンサーのご機嫌取り

2025現在では、これらが関係して12話が限界だったのでしょう。それ故に描写不足で物足りなさを感じる部分が多いです。

そして作中で使われた「自由」や「普通」という表現は序盤で話した通り、人によって解釈が揺れる言葉です。
7話までのマチュの動向は、「薬物にはまって闇バイトに手を出しているヤバいやつ」と私たちオールドタイプにとってはとらえてしまうような演出でした。

「夢に向かっている様子」ととらえるには12話まで見て1話から再度見返して「そう見えるかも?」とやっと疑問形に辿り着ける感じです。

「自由」を求めてキラキラにはまる という表現だけ見るとわかる人には「テレパシー空間であるキラキラは「自由」になれる心地の良い場所なんだろう」と思えますが、
リアルでとっつきやすいものだと「キラキラは薬物でヤバいものが見えているの暗喩か?」となってしまうのかもしれません。とっつきやすいものが薬物という時点でリアルの方が相当ヤバいですが。

そしてクランバトルはシュウジやニャアンと地球に行くという夢を叶えるために参加しているものです。
まともに稼げよという考えはごもっともですが、それを咎める存在がいなかったのが事実です。大金がすぐに手に入るならば、クランバトルをやり続けた方が早く地球に行けるようになります。それ故に最近の闇バイトとつなげてしまう人が多かったのでしょう。

もう少しマチュがキラキラにどんな印象を持っていて、キラキラ空間とはどんな場所なのかを説明口調でもよいので早めに言及するべきだったのではないでしょうか。
尺の都合で省かざるを得なかったかもしれませんが。

そしてクランバトルではなく、まっとうなバイトで稼いだ方がという疑問を投げかける存在を登場させて、なぜクランバトルじゃないといけないのかをじっくり描いて夢に向かうための最適解がクランバトルなんだと印象付けてもよかったと思います。
尺の都合で省かざるを得なかったかもしれませんが。

コモリが急にゼクノヴァに詳しくなったり、本当のニュータイプはそんなことをしないとシムスに言い出すところは唐突過ぎて少々ホラーです。もう少しコモリ自身についても描写すべきだったと思います。
尺の都合で省かざるを得なかったかもしれませんが。

このように、尺の都合でGQuuuuuuXという作品はオールドタイプにとってとっつきにくい内容となってしまっているのです。
OVAなどで補完してくれる機会があると、この作品は再評価されるかもしれません。

また、戦争に巻き込まれるだけの一般人で、特殊な能力はなくても洞察に満ちた優しさを持つ存在を出せば、もう少しニュータイプの新解釈を理解してもらえたかもしれません。
残念ながらGQuuuuuuXは「キラキラを感じ取れたらニュータイプ」という印象が強かったので。

GQuuuuuuXがどこか無責任な終わり方に見えるのは、ニュータイプの新解釈は示したものの、それは宇宙世紀で継続可能な解釈なのかという点です。

GQuuuuuuXの世界、まだまだ不安要素は残ったままです。

マチュ自身は誰の力も借りないで生きていけるようにと決意はしていましたが、海でニャアンと一緒にいた時点では資金的にも自立できているのかという不安が残る終わり方でした。
仮に投資で成功していたとしても、オールドタイプの世界に頼っている状態で、新時代の生き方ができるか疑問が残ります。

あの世界でニュータイプを導ける存在はシャリアしかいませんが、その後継者としてエグザベは成長できるのかも不安が残ります。つまり後継者問題に不安しかないのです。

今度シイコのような過激なニュータイプが出てきたときに、殺しではなくわかり合うで解決できるのか。
それができなかった時、マチュは歩みを止めずに歩き続けられるか。

そんな、新解釈の良い部分だけを見せて終わって、将来に残る不安は投げっぱなしにするんですかというもやもやを残したのも、GQuuuuuuXの悪い点です。

その後についても続編という形で描いて、さらに希望を見せて欲しいところです。

 

 

さて、ここまで長々とGQuuuuuuXについて語りました。
GQuuuuuuXは日々の常識や固定概念を横においてぜひ見直してみてください。それでGQuuuuuuXの評価が少しは変わることを祈ります。

GQuuuuuuXはニュータイプの新解釈として素晴らしいものを示してくれました。
今後のガンダム作品に良い影響が出るよう、応援したいものです。

 

※このページは、機動戦士Gundam GQuuuuuuXの要素を扱っています

【自作小説】罰の園(R-18G)

「私は何者に生み出された?何のために存在している?」

 

かつて神がいた世界。
その世界では原因不明の現象で神が消え、代わりに異世界の化物が世界を蹂躙する終末世界となっていた。

そんな世界で目を覚ました、自分が何者なのかが分からない少女。

その少女は各種の光の玉を集めることで、自分の謎を知ることになる。

 

この作品にはグロ要素、そして一部の話では性的表現が出てくるR-18Gな作品となっています。
該当する話の横には「グロ注意」や「R-18」といった表記はしますが、全体的に未成年には不向きな内容となっているため閲覧は十分にご注意ください。

 

 

1-1 遭遇

1-2 乖離

1-3 昼夜

 

 

 

罰の園 1-1 遭遇

グチャリ

カチッ ピッチュチュクリ

消えようとする意識の中でかろうじて聞こえてしまった謎の音。
その正体は第三者視点でしか確かめようはないが、きっと何かを貪る音なのだろうというのは、生前直前に起きた様子から想像は出来た。

私の直前の死因は、化物に頭がい骨を砕かれたからだ。

 

突然の出来事だった。

逃げ場もない部屋に、いきなりあんなものが入ってくるなんて…

 

 

薄暗い部屋

ここは少し埃っぽく、日の光はほとんど入ってこない場所のようだ。

私はこの部屋で目覚めた時、少々汚れたベッドに寝ていた。

ここはどこなのだろう

なぜこんな場所で寝ているのか、私にはわからなかった。

でもこの部屋でこれから起こるであろうことはなぜか察していた。

体を起こすとしっかりと手足はあり、自らの意思で動かせる体であることを確認した。
無意識に頭を触り、頭がい骨が割られて既に脳みそが見えてしまっているような状態ではないかを確認してしまった。

しっかり頭がい骨は脳みそを保護している。髪の上からしっかり確認できた。

夢…だったのか?

既に靴を履いている足を床に下ろし、ベッドに座る形でドアの方を見た。

ミシッ

この部屋で聞こえた環境音。

外では何か重々しい人ではない足音が聞こえた。

隠れなきゃ

私はその場で立ち上がり、周囲を見渡すと隠れられそうな場所は二箇所あった。

「ロッカー」と「ベッドの下」

私はベッドの下へ隠れた。

なるべく壁側まで体を寄せようとモゾモゾしていると、それは器用にドアノブの扉を開いて入ってきた。

足の形状は見ることはでき、爬虫類のように鱗状で爪は鋭い。そして二足歩行。

そんな化物はロッカーを乱暴に開けた。

その瞬間に私の脳内には、ロッカーに逃げてしまった場合の結末が再生された。

化物はトカゲのような顔をしていて、私の首へ掴み掛かる。

その後私を持ち上げてもう片方の手で頭をつかみ、人外な腕力で頭がい骨を割られてしまった。

なんてなっていたんだろうな。

化物は力強くロッカーを閉じ、ゆっくりと部屋を出ていった。

物音がしなくなるまで私はベットの下にいて、周囲が静寂した頃にベッドの下から出た。

「あれはなんなの」

私は部屋を出て廊下と思われる場所に出た。

廊下は窓が並べられており、ところどころのガラスが割れて床にガラス片が散らばっていた。

それとともに赤黒い液体だった跡も床には残っていた。

窓の外には明るいにもかかわらず、暗い雰囲気の光景が広がっていた。

見える町からは煙が数本伸びており、中には崩れた家も見えた。屋根の上にはさっきの化物みたいなやつが登っている場所もあった。

どうすればいいんだろう

そんな考えは浮かばず、私は何かに吸い寄せられるように廊下を歩いていった。

すぐに見えた階段をどんどん登っていき、あの化物にも出会うことなく屋上へ出ることができた。

屋上は風がなく、誰もいなかったが広い空間に白く光る球が浮いていた。

一体何なのかと近づくと、白く光る球の方から私に近づいてきた。

近づいてきたと気づいた頃には白く光る球は私の体に吸い込まれていた。

脳内にはいきなりどこかの光景が浮かび上がった。

今登ってきた階段を2階まで降り、右側へ進んでいくとバリケードがある。その隣の部屋には広い空間があって人がそれなりにいた。

ここまで見えて脳内の光景は消えてしまった。

「行くあてもないし、そこまで行ってみるか」

次は見えた光景の場所まで行くべきだ。私の頭はすっとそうすべきだと理解していた。それに疑問を抱くことはなかった。

私は2階まで階段を降りた。

道中であの化物を見ることはなかった。しかし襲われたあとであろう血痕や肉片が落ちていた。

そんなものを顧みずにバリケードの前までたどり着いた。

バリケードは何者かに引っ搔き回された跡があったものの、奥から鉄板を何重も重ね合わせているのか、奥は見えなかった。

バリケードの奥からは人の声が聞こえた。何か情報を手に入れたいけど。

「ここからどうしようか」

「あれ?誰かいるのか?」

右の部屋からそう聞こえた。

そこには同じ背丈ほどの男の子がいた。

左手には包帯が巻かれていて、額右側には大きめの絆創膏が貼られている。しかし服はそこまでボロボロではなく、整えられたTシャツを着ていて短パンを履いている。

「もしかして街から逃げてきたのか!」

「いや、気づいたらこの建物にいた」

「え?そんなことあるか?

まあいいや、外部の人間なんて久々だよ!」

喜んでいる男の子に対してバリケードの奥から低い男の声が聞こえてきた。

「タクヤ、外で騒ぐな!

あいつらが寄ってくるから中入れ!」

「わかったよ!

ほら、お前も来いよ」

そう言ってタクヤは私の手を引いて部屋の中へ連れて行った。

部屋の中にある本棚は引き摺った跡があり、タクヤはその本棚を横にずらし始めた。

本棚の後ろには人が通れるほどの穴が空いていた。

「ここを通っていくんだ」

そう言ってタクヤは穴の奥へ入って行った。

私もそのあとを追ってバリケードの奥へ入ることができた。

バリケード側の壁にはハンドルがあり、それをタクヤが回すと、本棚は元の位置へ戻って穴を塞いだ。

そうしている間に1人の見たことがないものを持った男が近づいてきた。持っている者は剣よりは長く槍よりは短い。
しかし先は鋭くなく、なぜか細い筒が付いている。よく見ると引き金が付いている。この世界特有の武器なのだろうか。
そう考えていると男がタクヤへ話しかけていた。

「タクヤ、生存者がいたのか!」

「そうなんだけどさ、こいつ気づいたらこの学校にいただってさ」

「そうか…」

男は私の目線へ合わせるようにしゃがんで話しかけてきた。

「ここへ辿り着くまで辛い思いをしただろう。

思い起こさなくていい、今はここで落ち着いて行ってほしい。

私たちは君を歓迎するよ」

「はい…」

「俺がここ案内してやるよ!

お前、名前は?」

名前

そう聞かれて思い当たる単語は思い浮かばなかった。

まず自分が何者であるのかも知らない。

私は思わず尋ねてしまった。

「ナマエって、なに?」

「は?普通父ちゃん母ちゃんにつけてもらうだろ」

「そうなの?全然思い当たらない」

「んじゃなんて呼べばいいんだよ」

「さっき『お前』って言ってたでしょ?そうやって呼びやすい言い方でいいよ」

「ええ…いいならそうするぞ」

そう言ってタクヤは階段を登って行ってしまった。
近くにいた男は、再びバリケード近くの監視に戻ったようだ。

バリケードの内側を見渡すと人がそれなりにいた。

上下階段近くで座って俯いている老人

廊下で立ち話する女性2人

近くの部屋で食料を管理している男3人

そして周りと雰囲気が違う2人

ここに来たところで私はどうしたら良いかわからない。屋上にあった白く光る球に導かれるようにここへ来た。

そんな中で私は周りと雰囲気が違う2人へ近づいて行った。

紫髪の女の前で、私には白く光る球と似た何かを感じた。

女の隣で男の子?と思われる人物が紫髪の女の袖を引っ張っていた。

しかし紫髪の女は特に反応を示さなかった。

何か言いたげな男の子?はこっちを困った顔で見ていた。

こんな状況、気になって仕方がない。

私は紫髪の女へ話しかけた。

「あなた、光る玉を持ってる?」

「今回は少しもたつきましたね」

そう言って紫髪の女は槍を出現させて石突を床についた。

その後、周囲の時間が止まった。

これに似たものになぜか覚えがあった。そのためあまり驚くことはなかった。しかし聞かざるを得なかった。

「いったい何をしたの」

「怪しまれないよう細工をしました。

手短に話しましょう。

私はあなたが言う光の玉を持っています」

紫髪の女は袖から黄色に光る玉を取り出した。

その光の球は浮かび上がり、私の体に吸い込まれて行った。

その後、知らない光景が脳に浮かび上がった。

====

城の中にいるようで、目線の先には玉座があった。その王座には長髪の角が生えた人ではない存在が座っていた。

紫色の装飾が多い中、青白い光が部屋を照らしている。

玉座に座った存在についての情報が、脳内に流れてくる。

-私は生まれた時からここにいた。

-通常の生物学でいう成長の過程を経た記憶がなく、いつの間にかそこにいた。

-しかし生まれたての赤子と違って自分が何者かということはわかっていて、生きる目的も設定されている。

-何者かに作られ、設置された存在。

-そんな違和感に、この世界の者は誰も追及しようとしない。

「—様、いかがなさいましたか」

玉座の存在の前には、自分より背が低い青肌の男が立っていた。

あれ…なぜ今話しかけられた存在が『自分』だと認識した?

この光景が、自分の見ている、または見た光景だとなぜ思えた?

見える光景は自分の意思に関わらず進んでいく。

私はああいう高いところから指示を出すだけというのは性に合わない。周りの奴らがそうしてほしいと言うからやっているが、私は直接強い奴と会いたいのだよ」

「魔族にとってあなたは希望です。

そう簡単に前線へ出られて傷を負うものなら皆が心配してしまいます」

「人間の神でさえ玉座に座らないと言うのに。

まああいつは上から見ているだけの臆病者だからなおのこと鬱陶しいが」

「象徴という役割も大事ですよ。

強そうなものはしっかりここへ誘導差し上げますから」

「それだけでは足りないな。

しっかり黒魔法に染まって白魔法を裏切ってもらわないと。

私はそのためにいるのだから」

====

この後、元の世界の光景に戻り、今いる場所を1階まで階段で降りて、バリケードの先にあるボールがたくさんある部屋に青色の光が見えた。

気がつくと紫髪の女が目の前にいる状況に戻っていた。

「なんなの、見えた情報が多すぎる」

「まずは見つけるべきと思うものを探してみては?

見た光景の続きが見えるかもしれませんよ?」

紫髪の女は何を知っている?

「あなたは何を知っているの?」

あなたが見つけるべきものをある程度見つけれたら教えてあげます

早く教えても無意味になりますし」

「なんなの…」

紫髪の女が持っている槍の石突を床につけたことで再度周囲の時間が動き始めた。

時間が動き始めたと同時に、紫髪の女は槍を隠したのか持ってはいなかった。

「時間が戻ったの?」

そうとしか思えなかったので、紫髪の女にそう聞いてしまった。

「どうでしょうね」

とりあえず動こう。
動かず時間が過ぎるだけでは朽ちる以外に未来が無い。動いて私が何者か、何をすべきなのかを見つけないと。

とりあえずあの青い光を探すことにしよう。あれを見つけることが、現状を打開する最短の存在なのだろうから。

 

 

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【Magia Exedra】すでに運命が決まっている。マギアエクセドラのサービスは長続きできない その理由を説明【まどドラ】

魔法少女まどか☆マギカのIPを利用しているゲーム Magia Exedraが3/27時点でリリースされています。

このゲームは3/27にリリースされ、一応RPGを謳っています。

このゲームに興味を持つのはすでに魔法少女まどか☆マギカ関連シリーズを知っている人が大半だと思います。
では新規で遊ぼうと思える要素があるかというと、友人に便乗して、有名なことに便乗してやりだす人もいると思いますが、正直新規にはオススメできない内容となっています。

その理由も含まれている、すでに運命が決まっている。マギアエクセドラのサービスは長続きできないと言える要素について説明していきます。

プレイヤーレベルが30になるまで遊んだところで分かっている内容を話していきます。決してちょっとだけ遊んだだけの嫌がらせではないです。
長く続いてほしいから、この記事を書くことにしました。

今回話題にしていくポイントは5つあります。

・その1. 天井が実質200回
・その2. レアリティによる格差がひどい
・その3. 育成素材が腐る仕様である
・その4. こころの器レベルを上げさせる気が無い
・その5. 絵師の情報がゲーム内に一切ない

追記

文字だと読むのがきつい人用に動画版もあります。こちらもご覧ください
https://youtu.be/V9USXwnoEK8

 

その1. 天井が実質200回

ゲームの集金要素としてガチャが定着して長くなります。
そんなガチャにはピックアップキャラを必ず手に入れられるタイミングとして、天井というものが設定されていたりなかったりします。

Magia Exedraではその天井が200で設定されています。

10連で引くとレアリティ4以上が出るという保証はあるものの、レアリティ5のピックアップが必ず引けるというものを保証するものではないです。

ピックアップの確立は0.75%という、200回ガチャを回してやっと1体出るかなという数値です。正直当てさせる気ないなという印象。

ではその200回にいくらかかるかという話。

1回引くのに300ストーンかかかります。10回になったからと言って必要な数のストーン数に変化はないです。

では1ストーンにいくらかかるかというと。

アップルストア換算だと、10000円で買ってやっと1円で1ストーンになります。

では幸運の女神に中指を立てられまくったピックアップが全く当たらない人の場合

200回×300円=60000円

という大金が必要になります。
しかも最低保証のキオクメダルというのは、ピックアップが終わると消失し、復刻が来てもリセットされます。

ガチャ慣れしていない人にとっては地獄のような数字です。

これをまどマギ主要キャラ全員に適用されたらどうでしょう。

5体×6万円=30万円

どれだけグロイ数字かわかったでしょうか。

まどドラ固有のWebショップというのもあるのですが、それでも雀の涙程度しか増えません。
まどドラWebショップ:https://webshop-jp.games.madoka-exedra.com/

新規を呼び込むのであれば、もう少し天井を緩くして、多くの魔法少女を手に入れてもらい、多くの魔法少女を知ってもらう機会を増やした方がよいのではないですかね。
商売とはいえ、サービスが長く続くか怪しい懸念点です。

 

その2. レアリティによる格差がひどい

Magia Exedraには3~5のレアリティがあります。
どのスマホゲームでもレアリティ格差があるのは当たり前と思っている方がいたら、その当たり前のせいで傷つくプレイヤーがいることを認識してください。

格差①:必殺技が使えない

Magia Exedraによるレアリティの格差は3と4の間で明らかになります。
レアリティ4以上の魔法少女には固有の必殺技があります。魔法少女によっては必殺技が違うことで別キャラ扱いされています。鹿目まどかがいい例です。

必殺技でルクス☆マギカを使うか、プルウィア☆マギカを使うかでキャラを変えないといけないです。
この時点で少し不便です。設定できる必殺技の選択肢が増えるという程度であればよかったのですが。

さて、この必殺技ですが、レアリティ3では設定されていません。

必殺技は通常攻撃に加えて任意のタイミングで敵にダメージを与えられるダメージソースとして重要な要素です。この時点でレアリティ3の魔法少女が編成から外される筆頭となります。

常盤ななかはレアリティ4も実装されているので、こちらでは必殺技があります。

しかし残念ながら、サービス開始時点でレアリティ3止まりの魔法少女もいます。

サービス開始時点では以下の魔法少女が該当します。

空穂夏希
夏目かこ
純美雨
静海このは

静海このは以外の3人はマギレコでも星5覚醒に時間がかかった子でしたが、静海このははというと、マギレコでは最初から星5だった子なので、今回は降格されたということになります。
同じチームメンバーである遊佐葉月、三栗あやめは逆に昇格してレアリティ4が最初から実装されています。

このレアリティ3止まりの魔法少女の中にお気に入りがいた場合、その子を活躍させることができません。

推しの魔法少女がそんな扱いされてると知ったらどうでしょう。萎えませんか?

格差②:ポートレートがない

格差は止まりません。レアリティ4以上の子には固有のポートレートが設定されています。

固有のポートレートは各キャラのこころの器レベルというものを4まで上げるともらえます。

ではレアリティ3止まりの魔法少女はどうなっているかというと。

なんとレベル4はただのステータスアップのみとなっています。
これはもしかして、固有のポートレートを与える気はないということ?
ポートレート実装時に差し替えるとなった場合は、全体的にステータスも下がるということですよね?

「いやレアリティ4になったらそっちのこころの器を育てれば手に入るでしょ」
となるかというと、なりません。

常盤ななかはレアリティ3とレアリティ4を持つ魔法少女ですが、こころの器レベルはレアリティ問わず共用です。

この時点で、こころの器拡張ということでもない限りはレアリティ3止まりというだけで、ポートレートをもらえないという不遇な扱いが決まってしまっているのです。

拡張された場合でも、拡張後に新規ではじめた人はこころの器レベルを既存の50レベル以上まで上げないとポートレートをもらえないという理不尽にも襲われます。

このゲームの運営正気か?

という感じに、レアリティ3止まりの魔法少女にお気に入りがいる人は、このゲームの仕様を知ってガッカリする人が多いでしょう。
このレアリティ格差は、今後のアクティブユーザが減る要素につながる可能性になります。

 

その3. 育成素材が腐る仕様である

これもある意味レアリティ格差になるのですが、レアリティ4以上でも影響が出る話です。

Magia Exedraでは同じキャラでもレアリティ、必殺技によって別キャラ扱いされています。それでもこころの器レベルは共用なのですが、キャラレベル、魔力解放、必殺技レベルはなんと別管理です。

このゲームの運営正気か?

レアリティ3のななかしかいないけど、お気に入りなので育てたとします。

その後レアリティ4のななかが手に入ったので、そっちを使おうと思いました。

???

それならレアリティ3に使った素材を回収をしようとしても、現状キャラに使った素材を回収し、レベルをリセットさせるという機能はありません。

??????????

はい、レアリティ3に使った素材が腐りました。
ドラクエ7のキーファに種を使って途中で離脱されたレベルの珍事です。

この仕様と、レアリティ格差を見た後、大抵のプレイヤーは思うでしょう。

レアリティ3の子を育てる意味ある?

一応サポートアビリティというもので活躍しようと思えばできますが、やはりそのアビリティもレアリティ4以上の子が優秀です。

 

レアリティ3を明確な外れ枠にするのやめませんか?

前でも伝えましたが、レアリティ3にお気に入りの魔法少女がいる人は萎える仕様です。

 

レアリティ4以上でも油断できません。
後発で強い必殺技が実装された場合、過去に育てたレアリティ5とは別で新しい必殺技の魔法少女を1から育てないといけないです。

素材集めの旅に出発しないといけないのは必然です。最前線に並べるためには相当な時間を使わないといけなくなるということです。
その育てる過程で、こころの器レベルは共用なので、何か新しいストーリーが追加されることはありません。

正直虚無期間になるのは必至なので、売り上げにも影響するでしょう。
このレアリティや必殺技によるステータス別管理は、早々に仕様を変えないとプレイヤーが離れる要因に繋がりかねないです。

 

その4. こころの器レベルを上げさせる気が無い

各魔法少女固有のストーリー、ボイス、ポートレート開放につながるこころの器レベルですが、なんと1日に5回しかチャレンジできないというクエストでしか上げられません。この回数はスタミナのように回復させることが現状不可能で、早く始めた人であればあるほど多くの魔法少女ストーリーを見たり、ステータスアップができるということです。

この時点で、はじめた時期による差が顕著になります。
もちろんこころの器レベルを直接上げるアイテムも存在しますが、交換所による交換は現状不可能で、ストーリーを進めることで手に入る雀の涙程度の量しか手に入る機会はないです。

そして、クエスト1戦で手に入る経験値は100程度。つまり1日で500程度の経験値しか手に入れられない制限がかかります。

こころの器レベルが18になると16200の経験値が必要になります。
※これ過去からの累計の数字ではなく、レベル19に上げるために必要な素の経験値量です。

このゲームの運営正気か?

正直1年間毎日チャレンジしてもレベル50に到達できるか怪しいです。

そのレベル50に位置する報酬が、魔法少女ストーリーのラストの話です。

その魔法少女がどんな子か教える気ゼロか?

マギレコでは気軽に魔法少女ストーリーを見ることができ、その魔法少女を早めによく知ることができました。

このゲームは魔法少女の記憶を集めるのが目的では?

各魔法少女をよく知ってもらう機会を奪っているこの仕様は、このゲームが長く続かない要因となる危険性があります。

 

その5. 絵師の情報がゲーム内に一切ない

なんとこのゲーム、各キャラを描いてくれた絵師の情報がゲーム内で一切確認できません。

記憶のプロフィール欄ではその魔法少女の軽い説明と割とどうでもいい出身校の情報、そして声優程度しか情報がないです。

え、絵師の情報無いの?

ちなみに常盤ななかのキャラクター原案を描いた絵師は「鮠水ちか」さんです。マギレコではしっかり表示されていました。

絵師情報がないということは、蒼樹うめさんの名前をゲーム内で見る機会も一切ないということです。うめ先生納得されているのでしょうか。

まあ調べれば出てくるでしょという話ですが、ゲーム内で表示させたくない理由でもあるんですかね。まさか許可取ってないというとんでもないことないですよね?

ちなみにポートレートには軽い説明も絵師情報も一切ありません。

このポートレートは入名クシュという魔法少女のものです。
入名クシュはマギレコで登場していて、キャラクター原案は「茨乃」さんです。
茨乃さんが本当に描いた?という画風な感じで、マギレコでもそういうことがあったのですが、その場合は誰が描いたのか情報を載せていました。

この絵師の情報を載せないことの何が悪いのかというと、絵師推しの人を引き付けられないことと、絵師さんを知ってもらうことの機会損失、そしてAI生成を疑われることです。

昨今ではイラストのAI生成が普及してしまったことでAI生成の絵を避ける人も少なくないです。
ゲームによってはAI生成を使用していると書いてくれるゲームもあるのですが、AI生成を使っているということだけでそのゲームを買いたくないと判断する人もいます。

正直、Magia ExedraにAI生成が使われていたらガッカリします。
せっかくマギレコを機会に携わった絵師さんがたくさんいるのに、資金面を優先してAI生成したの?という絵師を軽視するゲームに見えてしまいます。
※個人の感想です

そんな思惑が見えてしまう今の状況では、AI生成を避ける客は買い控えすることになり、絵師さんも協力してくれなくなる可能性があります。

2025年4月20日まで行われるイラストコンテストで上位になったイラストがポートレート化されるとなった場合、描いた絵師の情報がゲーム内に載らないのです。

当事者の視点に立ったら、どういう感情を抱くでしょうね。

今のMagia Exedraでは絵師を軽視しているように見えます。

 

以上、Magia Exedraのサービスが長く続かないとわかるポイントとなります。

ここまでに上げたポイントはすべて運営へ意見として送信済であり、お願いしますの意味も込めて課金も済ませています。

短期的に見れば気にならないことも、長い目線で見るとこのゲームには爆弾が仕組まれていることが分かりました。

まだサービス開始したばかりで、ゲームを変えていくためには早いうちから運営へ意見を届けたほうが良いです。

みなさんもそのゲームを長く遊びたいと思う場合は、思ったことをドンドン意見していった方がよいです。

Magia Exedraが、長く続くゲームになるよう、上記のポイントが改善されることを祈ります。

 

※このページではMagia Exedraの要素を扱っています。

 

【Magia Exedra】魔女文字まとめ【文字解読】【まどドラ】

このページでは、ゲーム Magia Exedraに登場した魔女文字をまとめていきます。
この魔女文字、何が書かれているのであろうと思ったものがここならわかる!と思ってもらえると幸いです。

また、まどマギ本編等の既存作品ですでに判明している魔女文字は記載を除きます。

どこでも出ていないMagia Exedraならでわのもののみ取り上げます。
※管理人の裁量になるのでご了承ください

魔女文字が登場する機会が追加されたらこのページに追記していきます。

 

・ストーリー

MAGIA
EXEDRA

マギアエクセドラ

発見場所:プロローグムービー

残念ながらただのタイトルコール

 

・フィールド

道路にあるカラフルな文字
GISELA:銀の魔女の名前
道路上にある白文字すべて(おそらくキロポスト)
70:数字そのまま

発見場所:銀の魔女の結界

実は詳細な銀の魔女の結界が描かれたのは初(劇団イヌカレーの資料集にもしかして出ていた?)。大抵は高速道路上で高速で流れる背景だけだったと思うので取り上げました。
両方道路上に記載されていて、所々がかすれているというリアルでよくあることの再現がされています。
GISELAが魔法少女の時は暴走族だったのではという考察もあり、道路上にある自分の名前は暴走族が行う縄張りを主張するための落書きなのかもしれません。

=====================================

青看板
MITAKIHARA MADE 140KM:見滝原まで140km
黄色看板
TOBIDHASI CHUUI:とびでゃし ちゅうい → 飛び出し注意

発見場所:銀の魔女の結界

青看板、黄色看板共にローマ字読みすることになります。

青看板の内容を見ると、見滝原からなかなかの距離がある場所の様子。
風見野だったとしても流石に遠すぎるのでGISELAが魔法少女の時は見滝原から140km離れた場所に住んでいた説が浮上?!

CHUUIが「注意」となるのはヘボン式で行う表記ですが、TOBIDHASIという記載方法で「飛び出し」を表現している理由は謎。

 

・演出

PUELLA MAGI MADOKA MAGICA

魔法少女まどかマギカ

発見場所:メインストーリー 魔法少女まどか☆マギカ ストーリー再生時

作品ごとに文字やエンブレムが変わるかも?
上下で同じ内容が記載されています。

=====================================

PUELLA MAGI

魔法少女

発見場所:各種魔法少女ストーリー再生時、イベントストーリー再生時

魔法少女ストーリーの時にちゃっかり変わる魔女文字使用ポイント。細かい
上下で同じ内容が記載されています。

 

※このページではMagia Exedra の要素を扱います

マギアエクセドラ 日本語版 discord鯖用意しました

マギアエクセドラ 日本語版 discord鯖用意したので興味ある方はぜひ参加してみてください!

以下の要素は扱っている(つもりです

・まどマギ関連情報交流

・マギアエクセドラストーリー感想交換

・ちょっとした攻略情報

・イラスト

懐かしのマギアレコード時代から継続している鯖です。マギレコの懐かし話をしても大丈夫です。

ゆるい感じでやっていくのでお気軽にどうぞ!

 

アクセスは以下URLからどうぞ

https://discord.gg/Z5fj3vY4

良ければいろんな人に教えてあげてください!

次元縁書ソラノメモリー 1-18 次元改変の末路

「おーい、もしかして中にいるのはカミオカか?」

カミオカと呼ばれる男は回転椅子を声がした方向へ向けた。

「なんだ、とっくにみんなは帰ったぞ」

「また最後の1人になるまで研究所にいたのか。早く帰るようにしないと、カミさんと子ども達が泣くぞ」

「ふん、学院研究所からの依頼物について納期が近いから当然だろ。納期を守れないと家族の今後にも関わるんだ、こっちを優先するに決まってる。

で、お前はなんで戻ってきた」

「そうそう、その依頼物関連でさ。

熱心にやらなくてもいいのに、また1人で馬鹿正直に頑張ってるんだろうって思ってきただけさ」

「お前も他のやつらと同じく平和ボケしたのか?納期を守れないことがどれほど重罪かお前ならわかるだろ?」

「昔は経費削減と首に関わることだったからな、納期の遅延は。
厳格じゃなくなった今でも納期の遅延は研究者にとって恥であることはわかっているさ」

「だったら手伝え。

タービン機構からの脱却なんて無理難題に、ピストン機構の応用とかいう苦しい言い訳を書く知恵を貸せ」

「別に新しい発見じゃないことくらいみんな実感してやってるさ。

磁石とコイルの組み合わせで生まれる電子の動き以外で効率よく電子を制御する方法なんて西方国協会でも見つけられねぇよ」

「愚痴ではなく言い訳を考えてくれないか」

「愚痴じゃなくて助言をしたつもりだが」

その後時間が飛び、カミオカが自宅へ到着したシーンへ変わった。

戸建ての家はまだ内部が明るく、人が動く様子があった。

カミオカが玄関を通ってリビングへ行くと、妻と兄妹がみんな起きていた。

その様子にカミオカは驚いていた。
なぜならこの時間は次の日へ日付が変わってしまう時間帯であったからだ。

「おいおい、みんな揃って夜更かしなんてどうした」

「あなたにすぐに伝えたいニュースがあるからよ」

妻がそう言うと兄のコトアキがカミオカの前で大喜びしながら伝えた。

「父さん!学院研究所の試験に合格したんだ!」

「本当か!それは大ニュースだ!

コトアキが頑張った結果だ。父さんは嬉しいぞ」

学院研究所は通常の筆記試験、論文提出後の合格が必要となり、ここ東陸連合の中でも最難関の就職先とされている。

家族全員はその興奮で寝られなかったようだ。

みんなが笑顔の様子が映し出された後、再び日が飛んでカミオカは自宅でテレビを見ていた。

テレビには西方国協会が新原理でエネルギーを得られることを発表したと報道されていた。

西方国協会はアリザという新人研究員が発見したと報告した。

とあるサンプルの鉱石同士を液状にして混ぜ合わせると、原子同士が周囲の電子を吸収しながら近づき、衝突すると吸収した分の電子を放出しながら離れる。

そして再び原子同士が電子を吸収しながら引き合うという反応を繰り返す。

衝突するまでに必要な電子を初動で供給しなければいけないが、その後は電子の流れが途絶えないという。

サンプルになった鉱石をアリザという研究員がどこから持ち出したのかは極秘とされ、現在は類似する鉱石の採取場所を西方国協会では調査中という。

「とんでもない天才が現れたものだ」

カミオカがそう呑気に呟くと、隣で一緒にテレビを見ていたコトアキが休みだというのに電話で呼び出され、学院研究所へ急いで向かった。

きっと論文が共有されて、サンプルの調査依頼でも出されたのだろうと予想できた。

いつこっちにも依頼が来るのかと休みなのに心が休まらなかった。

再びシーンが飛び、カミオカは研究所の一室で所長と複数院研究員同士で会議をしているシーンになった。

それなりに時間が飛んだのか、最初のシーンに出てきた同僚は40代の見た目になっていた。

「西方国協会だが、学院研究所のリーク情報によると、どうやら技術の独占をするようになったと報告があった」

そう所長が伝えると1人の研究員が発言した。

「そりゃそうでしょうよ。

サンプル鉱石に合致するトロデウト鉱脈が見つかったらそれをどう扱うか情報公開せずにしばらく経たずにどんどん新技術の発表が出ていますから」

「火力発電所の取り壊しを進めてるっていうのも、そういうことでしょう」

最近は技術共有がされない限りトロデウトの持ち出しを西方国協会へ禁止するとか議論もされていたな」

会議室がガヤガヤしだすと所長は大声で話し出した。

「いいかお前たち!これは一大事だ!

西方国協会の新技術は軍事転用が可能なものも多い。

奴らは横暴になっているし戦争も想定しないといかん」

研究員たちは黙ってしまい、しばらく沈黙した後に所長が話し始めた。

「リーク情報と共に学院研究所からこのような依頼が届いた」

そう言って所長は机のど真ん中へ書類を出した。

書類の表紙には目を疑う文字があった。

『ニュートロンの兵器利用 水爆開発』

これを見てカミオカは言葉を発した。

「所長、水爆は我々が実用化目前で凍結されていたもののはずです。

それを再開しろということは、よっぽどなのですか」

「言いたいことはわかる。

東陸連合で扱う兵器は、今では西方国協会へ歯が立たないだろう。

東陸連合が唯一誇れるのはニュートロン技術だけだ。

抑止力で終わればいいが、最悪使うことも考えて実用化させなければいけない」

1人の研究員が頭を抱えながら所長の後に話した。

「俺たちが本領発揮できるのはいいですけどね。分厚い資料ってことはこれまで以上のものを求めてるってことですよね」

「中を見ればわかる。要求値が高いから骨が折れるぞ」

シーンが飛び、研究所の休憩室にあるテレビが映し出された。

そこには西方国協会で謎の失踪事件が増えているという内容が報道されていた。

カミオカの同僚がニュースを見てカミオカへ話しかけた。

「西方国協会、人攫ってやばい実験始めてんじゃないか。あいつら物質転移とかあり得ないことも実現させてたし」

再びシーンが飛び、カミオカは所長たちと共に核のマークをつけたミサイル基地の中にいた。

施設のテレビには「西方国協会が宣戦布告して10日。ニュートロン兵器の使用を意にも介さず進軍続く」というテロップが映っていた。

そしてテレビの目の前にいる軍服を着た人物の手元には、「承認」とハンコが押された資料があった。

「連合会長の許可が出た上でこの結果か。

仕掛けたのは奴らだ。均衡を崩したことを悔いるといい」

そう言って軍服を着た人物は端末の発射コードを打ち込んで赤いボタンを押した。

宇宙から地上を見下ろすシーンへ変わり、東陸連合からだけではなく、西方国協会からもミサイルが放たれていた。

ミサイル同士がぶつかることなく、双方の大陸へ次々とミサイルが直撃していく。

直撃した大地からはキノコ雲が上がり、10個程度のキノコ雲が形成された後に画面が暗くなった。

次に画面へ映ったのは、地上で生き残った人々が白い灰にあたったり吸い込んだりして倒れていく映像だった。

地上は人が住める環境ではなくなった。

地下で生き残ったカミオカは西方国協会の戦争反対派勢力と合流していた。

西方国協会の戦争反対派勢力が作り出したテレポート技術が連携されたことで、地上へ出ずに大陸間を行き来できるようになっていた。

地下はニュートロン兵器が発する放射能を遮断しきれず、地上に浅い層から次々と病気で倒れる人々が出てきた。

カミオカの家族は、皆癌になって死んでしまった。
最近まで生きていたカミオカの息子はカミオカの腕の中で息を引き取った。

「わかってはいた。こうなるだろうとはわかっていたのに・・・」

カミオカは息子を抱きしめて泣き出した。
そんなカミオカの横で西方国協会の研究員が話し出した。

「これでは人類は全滅してしまう。
互いに手を取り、生き延びる術を見出さないか。行方不明となったアリザの残した知識と、君たちのニュートロンの知識があれば救える命もあるだろうさ」

「わかったよ。事態が落ち着くまでは協力してやる」

カミオカ達は西方国協会に残されたアリザの人体実験結果を利用して、なんとか人類を生かす方法を模索するようになった。

死に物狂いになっていた彼らは、戦犯である西方国協会の戦争肯定派を実験台にして放射能に強く、食料をほぼ摂取せずに生きられる細胞を研究した。

人類の9割が死んだ頃、カミオカ達は不死に近い細胞を作り上げ、細胞を移植された人物は体が大きくなり、白い体毛に覆われたイエティと言える見た目になった。

生き残った研究員達は皆変わった体になって歓喜した。

その成果を生き残った人々へ伝えようとしたが。

「バケモノ!」

そうあしらわれてほとんどの人々は細胞の移植を拒んで餓死や癌による死を選んだ。

「なぜだ、なぜ人々は死を選ぶんだ。

こうして生きていられるようになったのに…」

この後カミオカ達はシェルターを出て、永遠とも言える地上の旅へ出て行った。

 

映し出された映像はここで全てが終了した。

「なるほど。

あの世界で回収した場違いな資料自体が次元改変を起こしたわけではなかったか」

ソラはそう言って持ち帰ってきた資料を眺めた。

「一緒にあった日記は、世界の終わりが確定した後に次元改変へ巻き込まれた人のものだったと。

ブリンクもあの世界へ飛ばされていたし、他にもあの世界へ飛ばされて果てた人がいそう」

つづりさんがそう言うと、ソラは脳みそを見ながら話した。

「そこまではこの脳みそでは把握できない。

ただ、あの世界で次元改変を発生させた主犯はアリザという人物だろう。

アリザという名前が出てから突然技術が異次元に進化した。アリザはあの世界の住人ではない可能性が高い」

アルはソラが持つ資料を見ながら話した。

「場違いな資料ってやつ、それがどうやってあの世界にやってきたかも気になるけど」

「その資料なんだけどさ、ソラさんには伝えたけど異世界の縁と繋がっているみたいなんだ。

2本の縁が見えるし、追っていけばその資料をばら撒いた犯人に辿り着けるかもしれない

そう話したつづりさんへカナデさんがこう言った。

「主犯捕まえたところで、起きた次元改変はどうしようもないでしょ」

「だからこそ止めないと。
次元改変の末路は、あの世界のような終わりを迎えることだろうからね」

ソラがそう言いながら映写機に触れると、光って映写機の上に本が誕生した。

その本を手に取ってソラはカナデさんへ答えた。

「広がりすぎてファミニアがいよいよ次元改変に巻き込まれるなんてことがないよう、主犯を見つけて広がる波紋を抑えることくらいはできるだろうね。

その道中で修復方法が判明するかもしれないし」

ソラが持っていた本はしばらくして青い光の粒になり、空がいつも持ち歩いている本へ吸収されて行った。

「こうして消える世界の情報も、少しは残せるといいけど」

「やれやれ。別世界を記録するだけになると思ったら、ファミニアを救うなんていうデカいことをはじめることになるとはね。

いつものように付きあうけどさ、この脳みそはどうするの。この世界のものじゃないから消えないでしょ」

「脳みそは肥料にできるか持ちかけて、干渉液は下水に流すでいいよ」

「え、その危なそうな液体を下水に流すの?!」

ブリンクはそう言いながら驚いた。

そんなブリンクへアルが答えた。

この世界の下水は存在自体を削除する。他の世界みたいに海へ垂れ流しなんてことはないよ」

「そ、そうなんだ」

脳みそを嫌な顔をしながら見ていたカナデさんはその顔のままソラへ話した。

「それで、その資料の縁を早速追うの?すでに手を出してる次元を増やしてんのにさ」

「一カ所はすぐに調べておきたいんだよね。あの一カ所だけで全てが繋がるかもだし」

すでに次元改変は連鎖的に発生し続けている。知らないだけですでに終わってしまった世界が他にもあるかもしれない。

ぼくたちに今からでもできることはあるのだろうか。

 

終わった世界 完

 

 

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