『CPU計画』
“
原子と分子の衝突エネルギーが利用され始めてかなりの時が過ぎ、
それがこの世界の惨状だ。
この計画は逃げる行為に値する。
隠密行動でしか行動が行えないため、
各々の存続のため、この代償を容認できるものは国連重要管理区「
”
別次元から来た死体が所有していたものの1つだ。
次にソラさんはカバンから本のようなものを取り出した。
ソラさんの左隣から覗き込むと、
“
計画参加はいいものの、
ここは今までいた場所とは違うようだが一体何が起きたんだか
“
”
外の様子から察するにここは今までいた世界とは別の世界というこ
詰んだ
“
”
日記を書く気力があるだけまだいい。
それにしても外の光景、まるで今までいた世界の末路のようだ
“
”
最悪だ。外の白いものは雪じゃなく灰のようだ。
あの地獄の光景を思い出してしまい、最悪だ。
“
”
人を確認したが、いや人ではないな
あの生命体は灰で狂ったやつだ
生き残れてもああフラフラするならアンデットと変わりない。
せめて、実験の過程でこうなって欲しくはなかったが
“
”
銃声がした
どうやらキチガイが今までこの建物にいたようだ
だいぶ下だがいずれ見つかるだろう
逃げ道はない
今まで身につけてきたゲリラ的戦い方で通用するか?
“
”
日に日に迫る銃声
音はハンドガンだが玉数に制限がなく感じる。
この世界の銃はどういう仕組みなんだ
薬莢が出る様子もない
“
”
下から逃げてきた人と出会った
犯人は殺すことを楽しんでいるらしい
極限状態だと人も獣へと戻るのか
“
”
逃げてきた人と距離をおき、1人で行動している。
彼女には悪いが
“
”
犯行人物がこの階にきた
気づかずに去っていったが、今度は降りてくる。
“
日記はこのページで終わっていた。日記のページ数を見るに10日
この日以降の日記は記載されていないけど、
そう考えを巡らせているとソラさんは日記と紙切れを持ったまま死
「まったく、お前はどこからきたんだ?」
私にはわかる。この人とこの次元のつながりは全くない。
各建物で日記のような惨状が続いていたのであれば、
この終わった世界はそのうち静かに消滅して行くのだろう。
でもこの人は記録してしまうのだろう。ソラさんはそんな人だ。
消えそうな世界も見捨てず記録として残す。
「つづりん、これのつながりは見える?」
ソラさんが手前に突き出してきたものはCPU計画と書かれた紙切
「どうもこれが臭いと思うんだよね」
「焦げ臭いのはそこらへんのせいでは?」
「そうきたか」
乗ってみたがイマイチだったか。
「なんであなたたち余裕なのよ」
ブリンクは苦笑いしていた。声のトーンから察するに、
「まあこの計画が書かれた紙からは因果の糸がいくつか見えるよ」
この資料をもとに様々な次元を訪れればもとのありかがわかるかも
「この書物の処遇は後回しにしようかな」
そう言ってソラさんは資料をカバンにしまった。
ファミニアで使用されているバッグは腰に固定する手のひらサイズ
でもしまうことができる量はサイズに見合わないほど多く収納でき
製作者たちによると、4畳分の高さ2メートルある部屋に収まるく
やったことないからわからないけど。
頭で思い浮かべればしまったものをすぐに取り出せるので構わず仕
「さて、ここでは調べないといけないことがありそうだね」
「と言うと?」
私が問いかけるとソラさんはしばらく外を見た。
そして、外を見ながら答えた。
「この灰についてと、灰の中生きてた生命体についてね」
外を見ると、
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