【マギレコ二次創作】魔叙事詩カグラ・マギカ 2-3-8 神浜鎮圧作戦・その4

南側ではマッケンジー達の舞台と直面したいろは達。

マッケンジー達を見つけた瞬間にほむらは弓を構えて隊員の1人を撃ち抜こうとしました。

しかしその隊員は迷わずほむらが放った弓矢を避けて特殊部隊メンバーは皆遮蔽物へ身を隠した後、いろは達のいる場所へアンチマギアのグレネードを投げ入れました。

いろは達はすぐにアンチマギアの煙が至らないような場所にある瓦礫に隠れました。

「こんな時に魔法少女達に遭遇するとは」

「どうしますか、対応完了後に音の出所を破壊しますか」

「いや、構わずロケットランチャーを持つ者は自衛隊が送ってきた推定位置まで移動してくれ。

ディア経由で送られてくる情報の通りであれば沿岸の公園に設置されたスピーカーを壊せば我々の目的は達成だ。

気にせず向かえ!」

「イェッサー!」

瓦礫から姿を見せて南側へ向かった隊員に対してやちよは槍を放ち、いろはは瓦礫に身を晒しながらクロスボウを放ちます。

それに対してマッケンジーがアサルトライフルで飛んできた槍へ銃弾を撃ち込むと飛んできた槍すべてに命中させて、弾が当たった瞬間に魔法で生成された槍は次々と消え去ってしまいました。

そのままマッケンジーは身をさらしたままのいろはを見逃さず、いろはに対してアサルトライフルを撃ち込みます。

その中の一発がいろはの左肩を貫きます。
銃弾を受けた勢いに任せていろはは瓦礫に隠れるように倒れ込みます。

「いろはちゃん!」

まどかがすぐにいろはへ駆け寄って銃弾でできた傷口を塞ごうと回復を試みます。

しかし傷口が塞がることはなく、いろはは不思議な顔をしていました。

「左腕が、動かない・・・」

そのいろはの反応を見てその場にいた皆が絶句しました。

「まさか、アンチマギアの影響を受けて」

そうやちよが分析している間に瓦礫に隠れていた隊員がやちよたちを銃で牽制していました。

「まずは布で傷口を塞いで!」

やちよ達がいろはに夢中になっている間にロケットランチャーを持った兵士たちは南へ抜けてしまいました。
その様子はひなの達の目にも映っていました。

「うまく連携が取れているようだな。あいつらロケットランチャーを持って南側へ行ったよな?」

「ここから南側って、りかっぺたちが気絶しちゃったところじゃん。
もしかして、その原因の対処が目的だったり」

少し考えた後、ひなのはいろは達のもとへとむかいました。

「まさかこんなところで敵にあってるとはな」

「ひなのさん、コンテナターミナルに居たのでは」

「お前らならあそこで起こったことくらい知ってるだろ?
あの船団はどうしようもないうえに、周知されていない罠まで作動しやがった。
踏んだり蹴ったりだよ」

「灯花ちゃんが妨害装置を起動してしまったんですよね」

「あれのせいで仲間が動けなくなったんだよ」

「ええ!?でも灯花ちゃん止めてくれるとは思えないし」

「あいつには期待していない。だがあの兵士たちの目的はスピーカーの破壊だろう。
奴らはこちらで目をつけとく。それだけを伝えにきた」

「そうですか、わかりました」

ひなのはその場を影から見守っていた衣美里ちゃんと一緒に離れました。

「大尉、魔法少女の一部も海岸へ向かって行きました」

「あれは音の出所を破壊するまでは放っておけ」

「・・・よろしいのですか」

「我々の第一目標は動けないS班の救助だ。
ここでこうして構えているのも救助を妨害されないための牽制だ」

そう言いながらマッケンジーはアンチマギアが含まれたグレネードをいろはたちがいる場所へ撃ち込みます。

そのグレネードに対してマミがマスケット銃を放って銃弾がグレネードへ接触した途端に空中でアンチマギアを撒き散らしながら爆発しました。

こうして牽制し合っている中、まどか達へさやかからテレパシーで連絡が入りました。

[ねえ、そっちはなぎさ見つかった?]

[それどころじゃないよさやかちゃん。兵士さん達に見つかっちゃって]

[なんですと]

[そんなもんさっさと蹴散らしてこいよ]

さやかと行動を共にしていた杏子もテレパシーに混ざってきました

そんな2人に対してマミが2人に確認を行います。

[あなた達確か中央区あたりに行っていたわよね]

[え、そうですけど]

[ならばそのまま南下してきてちょうだい。きっと兵士たちの背後を取れるはずよ]

[なんだそれ。あたしら参加する必要あるか?]

[困っているんだし助太刀するしかないっしょ]

[ちょ、おいさやか]

ここでテレパシーのやり取りは終わり、マミ達はその場にとどまることにしました。

そうしている間にロケットランチャーを持った特殊部隊は音の出所であるスピーカーを射程に収められる場所へ到達しました。

ロケットランチャーを構えても妨害が入らない中、その一発は発射されて海岸に発せられていた音はスピーカーの爆散と共に消え去りました。

「大尉、成功です!救出作業開始できます!」

「よし、みな海岸へ移動だ!」

マッケンジー達はいろは達がいる方向へ銃を向けながらその場を後にしました。

「どういうこと、私たちを捉えるのが目的ではなかったと言うこと?」

「ならひなのの応援に行く?あの特殊部隊達が向かった方向と同じだよね?」

鶴乃の提案に乗ったいろは達はひなの達の元へと向かいました。

いろは達は動き出そうとしますがまどか達はその場から動こうとしませんでした。

「私たちはここでさやかちゃん達を待ちます。

ここから動いちゃったら入れ違いでどこに行ったのか分からなくなっちゃいそうだし」

なのでひなの達の方向にはいろは達5人だけが向かいました。

 

試験艦の方ではドローンで観測された戦況を確認できていました。ディラン大佐はイラついた状況で戦況を見ていました。

「マッケンジーのやつめ、魔法少女の集団を目の前にして救助を優先したのか」

結果として海岸へ上陸できる場所を確保できるのだから良いではないか」

「作戦はスムーズに行われるべきだと言いたいのだよ。

神浜をアンチマギアで覆ってしまえば誰も立ち入れずに済むと言うのに」

「航空部隊も控えています。だからこそ空への脅威は我々で消しておくべきです」

「それはそうだな」

ディラン大佐と副官が話し合っているとレーダー担当が話しかけてきました。

「自衛隊から情報あり。

次の魔法少女の集合地点は栄区、工匠区、北養区です」

「コウショウとホクヨウはマッケンジーの部隊が控えている。我々はサカエの鎮圧を行う。

各艦、主砲照準合わせろ!」

試験艦の周囲にいる巡洋艦は栄区を目標に砲塔を一斉に動かせます

微調整を行っている間に試験艦は突然アラートをあげます。

「何者かに照準が当てられています!」

「方向の割り出しを急げ!」

「もう算出はされているのですが、艦影が目視できません!」

魚雷の発射音をソナーはしっかり捉えます。

「魚雷来ます!」

「バリア緊急展開!」

バリアが即時展開され、試験艦は無傷で済んだものの、随伴していた巡洋艦が魚雷を受けてその一撃だけで一隻撃沈しました。

「一撃だと。本当にただの魚雷か?」

この様子はサピエンス本部でも確認できていました。

「魚雷発射源の予想地点割り出されました!
しかし衛星映像ではやはり何も映し出されていません」

イザベラはディラン大佐へ回線を繋げて指示を行います。

「ディラン大佐、魚雷発射源の予想地点を送る。流れ弾の行方を考えず構わず攻撃を加えろ。

魚雷を撃てるほどだ、潜水艦や巡洋艦クラスだと思え」

「いいだろう。

随伴A-Eは主砲を送られてきた座標に合わせて随時発射。

この艦からは爆撃ドローンを出せ」

試験艦に随伴していた護衛艦は五月雨にサピエンス本部から送られてきた座標へ主砲を向けます。

そうしている間に海中からは首長竜 ポンベツカムイが50メートルほどの大きさとなって艦隊に姿をあらわにしました。

「く、首長竜です!とてつもなく大きな!」

「あの首長竜、確か…

そうか、あいつがあそこにいるのか」

イザベラが何か企んでいる顔をしていることをキアラは見逃さず、嫌な予感がしていました。

イザベラから何か指示が出ることはなく、ポンベツカムイは稲妻の槍を形成して試験艦へと放ちます。

しかし試験艦はバリアを展開させていたため稲妻の槍はバリアに当たった途端に艦隊へ傷をつけることなく消え去ってしまいました。。

効かないことが分かるとポンベツカムイはその場で大きな波を形成させます。

発生した波は海面へ強く打ち付けられ、それは自然が発生させたかのような大波へと変化していきます。

魔法製ではなく自然の大波となり、艦隊は波に囚われてバランスを取れなくなり、各艦が注水などで転覆を防ごうと必死です。
そんな中、巡洋艦の一つが主砲を目標へと放ちました。

その主砲は間違いなく目標への直撃コースでしたが、バリアのようなものに直撃して空中で爆散してしまいました。

その後、バリアを発したと思われる存在は姿を現しました。

それは確かに巡洋艦の見た目であり、波の影響を受けていないかのように微動だにしていませんでした。

サピエンスの本部では魚雷を放った正体が船であると認識するとすぐにイザベラは不機嫌になりました。

「なぜここまでの観察で船一つ見つけられなかった。船ならば衛星映像ではで確認できたはずだ。
衛星画像班、妙な白波がここ数日発生していないか改めてしらみ潰しに確認しろ!」

「りょ、了解!」

サピエンス側で調査が行われている中、ポンベツカムイは動けない巡洋艦の一つを後ろから押して試験艦へと押し付ける。

試験艦はバリアを展開できるものの、巡洋艦はバリアを貫通して試験艦の横腹へと激突した。

その後ポンベツカムイは巡洋艦から離れて追突させた巡洋艦向けて稲妻の槍を3発撃ち込んだ。

それによって巡洋艦は爆破を起こし、それに誘爆するかのように試験艦も爆散してしまった。

その様子を見ていたカルラはその場でつぶやいた。

「物理的なバリアは形成できなかったからな、ああなる可能性はあった」

「だからと言って呆気なさすぎだ。やはり物理的にも弾けるようにするしか」

「電力不足で無理だという結果が出ている。

原子力船2隻でやっとペンタゴンを囲える範囲での物理的バリアを2分張れるレベルだ。

電力充電も必須なんて欠陥品よりも魔力を防げればいいという結論はすでに出されていた。

相手のバリアは物理的飛来物も防いでいたし、アンチマギアよりもマギア由来のバリアの方が上だったということだろう」

艦隊はポンベツカムイによって混乱状態となり、残った巡洋艦の下側へポンベツカムイが入り込んだ。

そこから掬い上げるようにポンベツカムイは体を持ち上げる。

巡洋艦内部は天地が逆転し、船内の人々はなすすべもなく海中へと投げ出された。

ポンベツカムイが海で蹂躙を行っている中、謎の船からは対地ミサイルが10発ほど発射され、自衛隊はそれらのミサイルへ対空迎撃を行った。

しかし、対地ミサイルは対空攻撃を避けるような挙動をし、ミサイルは先端だけが勢いを止めないまま空中分解した。

それぞれのミサイルからは人影のようなものが飛び出し、何かを展開しながら降下してきていた。

ミサイルを止められないと悟った戦車指揮官は各メンバーへすぐにその場から離れるよう指示を出した。

「総員退避!」

ミサイルの先端は自衛隊の戦車めがけて飛んでいき、戦線に配置していた戦車の多くが大破した。

降下してくる人影に向かって発砲がされるが、地面へ向けて展開している傘状のものが通常の硬い金属製なのかアンチマギアの銃弾を弾いていた。

人影は減速を行うと各々が違った魔法で地上への攻撃を始めた。

「魔法少女か、あんな奇天烈な方法で」

[各自、無事に地上に降りたら自由に暴れろ。

現地の魔法少女には迷惑かけるなよ]

[わかってるさ!]

ミサイルから飛び出してきた魔法少女達は自衛隊と隠密していたはずの特殊部隊に対して容赦なく攻撃を開始した。

サピエンス本部では新たな情報が入ってきた。

「イザベラさん、北海道と沖縄の航空基地が魔法少女による攻撃を受けていると報告が入っています」

「あそこにはアンチマギア散布用の輸送機が配備されていたはず。
そんなところまで奴らには情報が筒抜けだったか」

「ヨーロッパではなくてもこんな組織的な動きをできたなんてな。

まったく、ことごとく用意していた手を潰してくれる」

沖縄では沖縄に隠れていた魔法少女に協力してもらいながら欄達がアンチマギアの倉庫、滑走路、ヘリの破壊を行っていた。

「よーし、漏れなく破壊しろよ。残すと面倒だからな。

それにしても暑いな」

「どの程度破壊したらいいんでしょう。もうある程度破壊は行いましたが」

「まあなんだ、この基地から一つも航空機が飛び立たなければいいんだ。

目的は神浜へアンチマギアの輸送を行わせないことだし」

沖縄の航空基地では防衛に出動した兵士たちは皆殺されてしまい、垂直離着陸機は全てが破壊され、滑走路は使い物になっていませんでした。

「まあもういいだろう。

現地の奴らに協力してもらって神浜に戻るぞ。

神浜では面倒なことは終わっていればいいが」

北海道では千歳と呼ばれる場所にアンチマギアが保管されており、そこは夏目かこと静海このは達、そして氷室ラビに里見那由多、現地の魔法少女達が協力して航空基地の破壊を実施していました。

こちらでもアンチマギアの貯蔵庫の破壊、滑走路と垂直離着陸機の破壊が目的でした。

しかしここは通常の航空便で使用される滑走路も隣接しているためそちらにも被害が出ていました。

「自衛隊が動くと思ったのですが、そこまで派手に動かないですか」

「そりゃここでは米軍は本格的な活動はしていないし。

サピエンスだっけ?

あいつらも何故か北海道では活動していないみたいだし」

北海道では地元の魔法少女が言うようにアンチマギアは貯蔵したものの、サピエンスの特殊部隊は訪れていない様子でした。

「しかし持ち出す準備はしていました。破壊活動を行う意味はありました」

「この後神浜に行くんだよね?

したっけ苫小牧の港がちょうど軍港だしそこの船をもらって行こうよ。

使えるやついるしさ」

「苫小牧、再開発で軍港が用意された場所でしたか。

良いのですか、あなた達は人を殺すことに躊躇する者もいるようですが」

「あいつらはあいつらだ。

あたしらは覚悟がある。だから提案してんだ」

「かこ!あらからぶっ壊したよ!」

あやめがかこにそう伝えてきたことを合図にかこは魔法少女達に次の目的地を伝えました。

「次は苫小牧へ行きます。

みなさん、移動の準備を」

こうして神浜に対するサピエンスの航空支援は叶わない状態となっていました。

 

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