「愛する人のため。
この作品に出てくる北斗という少年は愛する彼女のために自身の財
彼女の難病を治すためのお金を全財産で賄おうとした北斗の行いは
ここに至るまでの内容を整理して、皆さんの感想を原稿用紙1枚分
しっかり熟読しておくように!」
私は学校に行かずとも、
人と違って、忘れることもない。
でも、国語や古文といった作者の気持ち、
ひなのからは人と接する以外にも読み物から人や物の考えを習得で
だから私は言語の授業には顔を出すようにしているのだけれど、
あの時、
“今起きている事態を終息させるためには柊ねむが魔法少女となれるのが必須。
魔法少女になれないという呪縛を解くための最短の方法を、
全てはあなたの行動次第です”
灯花とねむの変身を妨害する腕輪の制御を掌握しているのは私。
私には逃れられないルール。
灯花とねむが魔法少女に変身できるようになるためには。
お昼時間になって私は気になることがあったので新聞部の部室に来
「桜子さんか、昼にここへくるなんて珍しいじゃないか。
|今はそれができない。それに令に聞きたいことがあってきた|
「観鳥さんに聞きたいこと?いいよ、言ってみな」
|令は大切な人が、自分が死なないと助けられないと分かった時、
「難しい問いかけだね。
|いや、今日の言語の授業で出た問いかけ|
「そっか、言語の授業には出るようにしてるんだっけ。
人間に限る考えなら思うように考えたらって言いたいところだけど
|どういうこと?|
この問いに答えることはなく、令は話し始めた。
「観鳥さんにとって命を投げ打ってまで助けたい存在はいない。
|そんなに難しい問題?|
「答えるのは簡単だろうさ。
|答えるのが簡単なのに難題なの?どちらなの?|
「ヒトによって考え方が違うからね、
詳しく知りたいなら都先輩のところに行ったらどう?
あの人は観鳥さんが知っているあたり一番の人格者だからね、求めている答えがもらえると思うよ」
令からは欲しい答えをもらえなかったので言われた通りにひなののところへ行って
令は化学部の部室にいると言っていたけれど、
いつもとは違った、
「ん?桜子か、こんなところに何の用だ?」
私は令に問いかけたことと同じことを話した。
ひなのは顔をあげると再び中央区の方を見ながら話をはじめた。
「参考程度にひとつ話をしてやろう。
あたしは自分を犠牲にして後輩達を守ろうとした。
大怪我したのはあたしだけで済んだが、
あのバカどもららしい考えだが、
ひなのは退院後、衣美里、梨花、
他人のための行いはみんなが幸せにならないということ?
「あたしが桜子に出せる回答としては、“他人のための”と思って
魔法少女に契約する際と同じような忠告だが、
相手のためを考えても、決して思った通りの結果にはならない。
お前のやりたいように考えればいいと思うぞ」
|なるほど、令が言った通り難しい|
「・・・それより、何でそこから出てこないんだ?」
|私は外に出ることができないから。でも何となく分かった。
そう言うと私は青空の下へ踏み出して全身に空の明かりがかかった
病室には何故かういがいて私は驚いた。
|うい、どうしたの?学校で嫌なことでもあった?|
「ううん、中央区が大変なことになっちゃったなって」
令も、ひなのも中央区の方向を気にしていた。
それもそのはずでお昼時間に入ってすぐに中央区が謎の現象によっ
立入封鎖となった場所は、紗良シオリの討伐作戦が行われた場所。
やちよ達は廃墟を襲撃すると言っていたけど、
その電波塔へ近づくことができなくなった。
彼女達の居場所はほぼ明確だと言うのにやちよからは廃墟への襲撃
ういも何故か廃墟への襲撃に参加したいと自分から言い出している
|最近、やちよからの連絡が多いけど、いろははどうしたの?|
「お姉ちゃん忙しいから、
私たちの中で唯一自由に外へ出られるのはういだけ。
私達は建物の中でしか行動できず、
ういの事を信じないわけではないけど、
|うい、私たちに話せない事があるんじゃない?
嘘をつくことが苦しいなら、私にだけでも話してみて|
そう言うとういは涙目になって私へ抱きついてきた。
「お姉ちゃん、連れ去られちゃって。
2日目になるんだけど戻ってきていなくて。
もし日継カレンさん達に捕まっているなら、
ういはそのまま床に膝をつけて涙を流していた。
ねむが魔法少女になれていればそんな不安もなかっただろう。
私はういを包容して頭を撫でてあげることしかできなかった。
いつもの私ならいろはを助けるために日継カレン達のアジトをしら
でも今の私は行ったことのある場所の室内にしか行くことができな
この制限がついたのはつい最近。
これもつづりという人物の采配なのだろうか。
4人を守りたいのに守れない私にはどこか胸に苦しいと感じるもの
今、私にできることは何なのだろう。
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