昼に変わった後、まずはつづりへ状況を報告した。
「まさかバグを利用するとは、よく思いつきましたね」
「死に物狂いの果てに思いついたことよ。
それに、あのバグ空間からは魔力を少しだけ感じた」
「ほう、まあ魔力に似た考えはこの世界にあるようですが、
つづりは連れの少年?をチラッと見ると少年?は首を横に振った。
「ですよね。
似たものをそう感じたのかもしれないですが、
「・・・あれも別世界の存在だというの?」
「別世界の存在であるのは確かです。
出現したタイミングを考えると、
「勝手にどうぞ」
私は関係ない話に巻き込まれかけていると察してその場を離れ、
「頼まれモノを持ってきたよ」
異世界から来た老人は重そうに立ち上がり、こちらを見下ろした。
「どこにある」
私は屋上へ案内し、置いておいた通信機を指差した。
「おお!これだよこれ!」
異世界から来た老人は通信機を調べ始め、
「状態も良い。よく無事のまま持って帰ってきてくれた!」
異世界から来た老人は私の頭を力強く撫でた。
私の髪がわしゃわしゃになった頃、異世界から来た
下では何やら賑やかになり、
下へ降りると見張り役の男以外は私が昼夜を変えるために使用している
人だかりの先では異世界から来た老人が通信機をいじっていた。
通信機を少しいじり、通信機のアンテナを伸ばし、
すると通信機の画面に明かりが灯り、
異世界から来た老人は一度通信機のスイッチを押すと通信機の画面は再び黒くなっ
その後、異世界から来た老人はマイクのようなものを持ってきて、
再度通信機のスイッチを押し、
「マイクテスト、マイクテスト」
すると画面に動きがあったようで再度周りが湧き上がった。
一体何が起こっているんだ。
「何をしてるんだって顔してるわね。
まあ後から来たあなたなら何してるのかわからないのも当然よね」
きっと面白くない顔をしていたのだろう。
別世界から来た女性が隣に来て話しかけてきた。
「あの爺さん、過去にもこの部屋で外部との通信を試みたの。
あの時は無事に繋がって少し会話ができたのだけど、
機械が得意っていうあの爺さんでも直せないところが壊れちゃったみ
どうしようもない中で再度外部と通信できるってなってみんな喜ん
「外部と通信できることの何が嬉しいのよ」
「食糧事情厳しいうえに化物に生活空間を奪われるばかり。
外部の味方が残っていて、
すがり先が欲しいのよ、このどうしようもない状況ではね」
「神に縋ったり他人に縋ったりと忙しいわね」
「あなたはどうなの?」
異世界から来た女性は虚ろな目を向けてこちらを見ていた。
「・・・悪かったわ。私にも縋るものはあるわ」
「それはなに?
そうか、彼女は諦めた存在だったか。
情報をくれた恩もあるし、伝えることにした。
「通信機を持ってくるのが目的じゃない。
通信機と同じ場所にたまたま私の大事なものがあったからよ」
「それはもう手に入れられたの?」
「ええ。でもこれでは終わらない。
次は地下室が目的地なの。
ねえ、あなた地下室のことで」
そう言いかけていた頃、
「この周波数、まさか学校か!
学校の通信者!返事を返してくれ!そっちは無事なのか!」
これに異世界から来た老人はマイクを通して返事をする。
「よかった、繋がってよかった!
こっちは無事とは言えないが生存者はいる。
武器も食料もほとんどないんだ。
すまない、そちらはどこから通信しているのか教えてくれ!」
「どこからって、どういう意味だ。
お前は正規の通信者ではないのか。
ならばどうやってここの通信機へ」
ここで通信機から声は聞こえなくなり、
異世界から来た老人含めて皆不安な表情になっていた。
「どうしたの、壊れたのか?」
タケヤが異世界から来た老人にそう聞いた。
「いや、向こうがマイクオフにしているだけだ。
正規の通信者と言っていたか。一体どういうことだ、
異世界から来た老人が独り言混じりにそう話していると私たちの隣へ見張りの男が近づ
「なんだ、よくない空気だな」
「正規の通信者がとか向こうから言ってきて困っているみたいよ」
「なんだそれ」
私と見張りの男が話していると通信機から声が聞こえてきた。
「学校に正規兵がいれば答えられる次に続く合言葉を答えろ。
答えられたら通信を続ける。
答えられなければ、そちらとの通話は拒否させていただく」
「そんな!」
異世界から来た老人の驚く言葉を気にすることなく通信機からの声は続く。
「『日継は大成に続きウズメ様は』この続きを答えろ」
異世界から来た老人は答えられなかった。
「答えられないのか」
周囲がざわつく中、見張りの男が通信機へ近づいた。
そしてマイクへ向かってこう答えた。
「カレンとカガリの舞に応える」
周りは見張りの男へ驚いた顔を見せた。
「正解だ。
なんだ、正規兵いるじゃないか。所属は」
「第九部隊 青柳2等士」
「第九の青柳だな、名簿を確認するから待っていろ」
青柳が合言葉を答えた時、私は激しい頭痛に襲われた。
後半の合言葉にある「カガリ」と言う単語に私の脳は反応した。
きっと本当の私は合言葉が誰を指すのかを知っている。
「大丈夫か、具合が悪くなったか」
声に気づくと別世界から来た女性が通信機の方を見ながら私の頭を
「他人の心配できたのね」
ゴツンっ
別世界から来た女性は左手で今度はゲンコツしてきた。
そんなことをしていると通信機から声が聞こえてきた。
「青柳2等士の名を確認できた。
正規兵がいると確認できたためなぜ合言葉が必要になったか話して
通信者、
しかしそんなことができなくなる出来事があったんだ。
通信ができる人間を喰った化物がその知識を吸収し、
その結果、
この事件以来、合言葉を必須とした」
少しの間静寂が広がり、異世界から来た老人が話し出した。
「事情はわかった。
我々が求めているのは救援、または合流だ。
このままでは飢えるか化物供に全員殺されてしまう」
「それについては」
カチン
すべての電灯が切れる音と共に、
「何?!」
部屋の中はパニックになった。
「みんな落ち着け!」
青柳は部屋の中にいる人々を落ち着かせながら廊下にあるバリケー
私は屋上へ移動し、パニックがおさまるのを待つことにした。
下が落ち着いた頃、異世界から来た老人が疲れた顔をして屋上へ登ってきた。
私の隣まで来て、
「地下にある発電機が停止したのが原因だ。
きっと私に発電機を頼みたいのだろう。
しかし私は異世界から来た老人の顔を見ずに黙っていた。
異世界から来た老人の視線を感じた後、異世界から来た老人はこちらに話しかけてきた。
「通信で救援をもらうことが皆にとって唯一の救いなんだ。
青柳は皆を守るので精一杯だ。
頼まれてくれるか?」
「・・・いいですよ。ここにいてもやることないし」
「すまないな。頼んだぞ」
私は急いでつづりのところへ行き、声をかけた。
「次の目的地へ向かうわ」
「わかりました。お気をつけて」
これで失敗してもここへ戻って来れる。
一息つけて夜にするためにベッドへ向かおうとした時、
「おい、バリケードの外から通信機持ってきたのお前だろ」
声のした方を見るとタケヤがいた。
「さあ、なんのこと?」
「爺さんと話してただろ。とぼけたって無駄だ。
面倒なことになった。
「そうよ。で、何の用?」
「俺も外の冒険に連れて行けよ。お前ばっかりずるいぞ」
断ることはない。
連れて行ったところで邪魔にしかならないけど、
その考えは、あまりにも外道だ。
「わかった。夜に活動することになるから、
「おう、わかった!」
タケヤはそう言ってどこかへ行ってしまった。
私は改めてつづりのところへと向かった。その時、
「面倒な状態になったようですね」
そうつづりが言ってきた。
私は気になることを聞いてみた。
「この先私に何が起こるのか、あなたは知っているの?」
「どこへ至ることになるのか予想はしています。
しかし至るまでに何が起こることになるのかということは観測できません」
「つまり、ここまで生きられたのは今回が初めてと言うこと?」
「もしかして記憶の残照をあてにしていましたか?」
「記憶の残照、
「そうですか。
残念ながら今回のあなたが一番乗りです。
自力で頑張ってください」
「そう。
ところでお付きの1人は?」
「用事があるので席をはずしています。
「そう」
私はベッドへ向かい、夜にした。
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