【マギレコ二次創作】魔叙事詩カグラ・マギカ 2-2-8 奇跡を拒絶する紫色の霧

米国大統領によって「アンチマギアプログラム」と呼ばれるものが発表された。その様子を見ていた魔法少女達は自分達が危険な立場にいることを理解したのか、神浜の周囲警戒が強化された。

もとから欄さん含めた一部の魔法少女が行っていた周囲警戒だが、最近はあまり戦闘を好まない魔法少女達も参加するようになっている。

また、怪我人が出た時はどこに運べばいいのかを検討し出したり戦いの訓練を行う魔法少女がいたりと戦いに備えた動きも活発になってきた

そんな状況で戦いはいきなり発生した。

周囲警戒中の魔法少女にどこから飛んできたのかわからない銃弾が命中した。

「このみさん?!」

迂闊に近付いてしまった一緒にいた二人の魔法少女も銃弾に当たってしまい、動かなくなってしまった。

異常が発生したと他の魔法少女が気付いたのは少し時間が経過してこのみたちから定期連絡がないと思った頃だった。

「十七夜さん、このみさん達と連絡が取れません!」

「そうか。他のメンツに何か起きていないか確認をとってくれ」

[都、そっちは無事か]

[十七夜か、こっちでは謎の武装集団と会って交戦中だという知らせがいくつも届いている。

そっちもか]

[こちらは連絡がこない魔法少女が出ている。

ここからは連絡を密に取り合うぞ]

[ああ、危ない状況になっt]

突然、都からのテレパシーが聞こえなくなってしまった。

無事だといいが。

「十七夜さん!

みふゆさん達が攻撃を受けているようです!」

「わかった。今から現場に向かう」

 

鏡屋敷付近に拠点を構える傭兵グループ達にも異変は起きていた。

メンバーの一人がいきなりが意識を失ったかのように動かなくなった。

「おいどうした?!」

「迂闊だ!」

もう一人が様子を確認しようとしたため私はそいつの襟を引っ張って物陰に隠れさせた。

物陰へ引き込んだ瞬間に音速ほどのスピードで弾丸のようなものが飛んでいったように見えた。

「銃弾?!でもあの方向って」

銃弾らしきものが飛んできたのは鏡屋敷と呼ばれる人気のないはずの場所だ。

仲間のうち一人のセルディが持つ透視能力で様子を伺ってもらうと、なんと次々に武装集団が鏡から出てきているという。

「うそだろ、あそこから人間が出てくるなんてあるのかよ」

私は戦場で戦った経験をもとにテレパシーでセルディへ伝えた。

[お前なら透視で敵のいる場所を避けながら移動できるはずだ。

前に私たちと対話してくれた夏目という魔法少女へ状況を伝えて増援を呼んでくれ!]

[でも、レイラ達は]

[誰かが抑えないといけないだろう]

そう会話していると私たちがいる場所へ紫色の煙が溢れるグレネードが投げ込まれた。

地面へ設置した瞬間にグレネードから周囲に紫色の粉末が散布された。

[急げ!]

セルディはどこか納得いかない顔をしながらその場を離れた。

謎の紫色の粉末から逃れるために私たちも急いでその場から離れた

移動した際に起きた風で粉末が不自然な動きをしたのを敵は見逃さず、わたしたちの移動先にも紫色の煙が溢れるグレネードを投げ込んできた。

私たちはその粉末を吸い込んでしまい、どんどん動きが鈍くなっていく感じがした。

「実弾なら死んでいたかも、なのに、奴らは一体…」

 

神浜各地で銃声が聞こえ始めた頃、私のもとに1人の魔法少女が血相を変えて走ってきました。

[あ、あんた夏目ってやつだろ]

[あなたは]

[レイラと一緒にいるやつだと言ってくれればわかるか]

この言葉でレイラさんの仲間の一人だとわかりました。

[急いでついてきてくれ!レイラ達が危ないんだ!]

[武装集団にでも襲われましたか]

[そ、そうだ!しかも鏡から出てきたんだ]

まさか、ミラーズを通って敵が出てきたというの?

外側からだけではなく内側からも来るなんて。

[立ち向かえる人数を揃えます。助けに行くのは少し後になります]

[なるべく急いでくれ!]

私は欄さん、あやめちゃん達へ情報を共有し、神浜市外周で戦っている魔法少女達をサポートしながらも鏡屋敷からも武装した兵士たちが出てきていることを伝えてまわりました。

武装した集団は謎の紫色の物質を放つ道具を使用してわたしたちの動きを鈍らせてくるとのこと。

移動中に私とレイラさんの仲間の1人は武装した兵士に遭遇し、兵士たちが売ってきた銃弾を避けて近接攻撃をしかけました。
その攻撃を防ごうと大楯を持った兵士が前へ出て私の攻撃を受け止めました。
すると武器は盾にあたった部分からどんどん分解されていき、危ないと思って手放した武器は粉々になって消滅してしまいました。

何が起きたのかわからなかった私はその場から逃げるために近くにあった鉄塊を盾に投げつけました。盾に当たった鉄塊は分解されず、盾へ傷をつけていました。

[まさか、魔法にだけ反応するの?!]

[はやく!ここから逃げますよ]

戦ってみてわかりました。きっと神浜へ入り込んだ敵は魔法へ対抗するために特化しているのだろうと。わたしはあやめちゃんたちに合流し、魔法が通じない武器を使用してきたことを伝えました。

「そんなヤバいものを持ち込んでいるのか」

「早くみんなに伝えて回らないとやられちゃうわよ」

レイラさんの仲間の1人は、今すぐにでも鏡屋敷へ向かってほしそうでした。

「私はとにかく鏡屋敷へ向かいます」

そう言って私がその場を離れると、私の後を追ってあやめちゃんが、そしてあやめちゃんを追うようにこのはさんと葉月さんがついてきました。

私たちが移動する道中で出会った魔法少女には魔法が通じない敵がいることを伝えて回り、その情報は次々とテレパシーによって他の魔法少女へと伝わっていきました。

そして、鏡屋敷へ到着してみると、鏡屋敷は紫色の物質で覆われていました。

[レイラ!みんな!]

彼女の問いに応えるものはありませんでした。

[そ、そんな]

[今まで殺された魔法少女はいなかったわ。

囚われていると思って、今は敵を追い払うことに専念しましょう]

「でもあれに魔法通じないんでしょ」

あやめちゃんがそういうと葉月さんが近くにある鋭利な鉄屑を持ち出しました。

「葉月?」

「魔法で生成したものじゃなければいいなら!」

そう言って葉月さんは大楯を持った兵士めがけて鉄屑を投げつけました。

投げつけられた鉄屑は盾ではじかれ、鏡屋敷の床へ突き刺さったようです。

「らちがあかないわね。敵が出現してくるようになってしまったのならば、あの鏡を壊すしかない」

「ちょっと、あれ壊していいものなの?!」

「仕方ないでしょ。
あそこから敵が湧いてくるなら、壊してしまわないと」

建物の中で何かが蠢いたかと思うと遠くから銃弾のようなものが飛んできて一つの蠢くものが動きを止めました。

「あれ、なにが」

[援護するよ、夏目の一派達!]

テレパシーが聞こえた先には三重崎から来たという魔法少女達がいました。

「武装した集団とはあなた達の方が扱いがなれていましたね」

「そこのはぐれものも傭兵なんだろ。わたしたちに協力するよう伝えてくれ。

それと、あんた達は他の魔法少女と協力して壁を大きくひらかせろ!射線が奥まで通らないんだ」

「あら、でもそうしたら敵からもまる見えになるんじゃ」

三重崎の魔法少女は何を言っているんだという目を向けてきながらも遠方から飛んでくる銃弾は止むことがなく一定のリズムで撃ち込まれていた。

私はレイラさんの仲間に問いかけました。

[あなた、名前と何ができるか教えてください]

[…セルディよ。透視ができる]

あの人達にテレパシーで敵兵士の居場所を教えてあげてくれませんか。

彼女たちは銃撃戦に慣れています]

そうテレパシーで会話している間にも建物から数人の敵が出てきました。

[お願いします]

[わかったよ、レイラたちがいると思われるのはあそこだ、あそこだけは狙うなよ]

[わかりました]

私たちは次々と周囲の瓦礫を手に取っては勢いよく鏡屋敷の壁へと投げつけました。

やがて壁には大きな穴が開き、そこから敵が銃を撃ってくることになりましたがこちらも遠距離を行えるようになりました。

「近距離しかできない私たちじゃ手も足も出ないね」

「あの紫色の霧を払わないことには始まらないわ」

外周の戦いにひと段落したみふゆさんたちも合流しましたが皆魔法を使用する武器であるが故に手出しができませんでした。

みふゆさんは手に持った武器で風を起こして紫の霧を払おうとしますが、すぐに紫色の物質が展開され、徐々にその範囲は広げられています。

「この程度の風ではだめですか」

月夜さんと月咲さんが鏡屋敷の中にいる兵士たちを気絶させようと笛を吹き始めますが、その音は魔力がこもっているためか紫色の霧の部分で無効化されてしまいました。

「わたくしたちの力も、及ばずでありますか」

「こんなの、大爆発でも起こさない限り」

そう葉月さんがつぶやくと、鏡屋敷周辺に突然多くの赤い傘が登場し、たくさんの魔法弾が撃ち込まれていきました。

ほとんどの魔法弾は紫色の霧で打ち消されましたが地面に当たった爆風で巻き上げられてはまた新たな爆風で巻き上げられるが続いているうちに鏡屋敷は外観が見えないほど爆風に包まれていきました

こちらには暴風と言えるくらいの風が襲いかかってきて物に捕まっていないと吹き飛ばされてしまいそうでした。

爆風でできた穴に魔法の紙が滑り込み、風を発生させてさらに紫色の霧は離散していって遂には紫色の霧は目に見えないくらい周囲に散ってしまいました。

「全く、ちょっと考えればこうしちゃえばいいってわかるはずなのににゃぁ

「とても非効率であり戦いが長引くのは敵の思う壺である。早期解決が一番だ」

そう言いながら現れたのは里見灯花と柊ねむでした。

「灯花!」

「みふゆはもう少しお勉強が必要かもね~」

セルディさんは灯花ちゃん達へ何か怒鳴るように声をかけていました。

そう、下手したらレイラさん達も吹き飛ばされかねない。

鏡屋敷及び周辺は木材が燃え上がって瓦礫はさらに粉々となって建物内では魔法弾が命中した兵士がいたのか数人の体が吹き飛んで血だらけになっていました。

ミラーズへの出入り口になっていた鏡はというと、割れずに鏡を床にむけて倒れていました。

「でも今です。畳みかけます!」

私達は破壊された鏡屋敷へ走り込み、武装集団を無力化するために動き出しました。

兵士たちは混乱状態なのか照準をうまく合わせられないようで次々と魔法少女に殺されていきました。
大楯を持った兵士も後ろの守りがなくなり、あっけなく背後から刺されてやられていきました。

「割り込ませてもらう!」

「欄さん?!」

外周の敵へ対処していたはずの欄さんが鏡屋敷にいて驚きました。
外周の敵は既に対処がされたのでしょうか。

「作戦中止!外部への避難を最優先で」

司令官と思われる女性を見つけた欄さんは鎖で司令官を拘束し、紫色の物質がこもったグレネードを持ち出そうとする腕を鎌で切り飛ばしてしまいました。

そして鎌を司令官の首元に当てて問いかけました。

「誰の命令だ。米国大統領か、それとも別の何かか」

「誰が、答えるか」

欄さんは司令官の左手に熱の籠った刃を突き刺して今度は司令官が欄さんへ問いかけた。

「お前達こそ、なぜ抗う。

世界にとってどっちの行いが誤っているのか少し考えればわかるはずだ!」

「その『世界』とは、誰目線で言っている?」

しばらく二人が睨み合った後、欄さんは司令官の首をはねてしまいました。

「そもそもの話す土俵が違うってか。話し合う余地なんてありゃしないな」

「欄さん、外周はもういいのですか」

「少なくとも私が担当しているとこはそうだね。時女の一族が引き継いでくれたよ」

今までほとんど動きがなかった時女一族の方々、彼女たちとは交流ができる状況になったのでしょうか。

周囲から人の気配がなくなったころ、みふゆさんが私に尋ねました。

「かこさん、十七夜さんがどこにいるかわかりますか?」

 

私は、生きていく自信が持てる状況ではなかった。

「ももこ、どうしてそうなるまで…」

一度は調整の要領でソウルジェムに干渉できないか考えた。でも一瞬触れてわかった。少しでも変化があると、その魂が壊れてしまいそうなことに。

「ねぇ、もう一度私の名前を呼んでよ。

もう一度、私を抱きしめてよ」

建物の外から人が入ってきた気配がした。

顔を上げると4人の兵士が銃口を向けてきていました。

「大人しく投降すれば痛い思いをせずに済む」

痛い思い?

あなた達に何がわかるの?

私は、もう。

私は知らぬ間にドッペルを出していてそれに驚いた兵士が紫の霧を発生させたり銃弾を撃ち込んできましたが全てドッペルが払い退けてしまいました。

「もう、うんざりなのよ!こんな世界!」

私は世界を壊したいという欲求のままに怒りを周囲にぶつけ、それに呼応するようにドッペルは建物を破壊していきました。

その破壊がガスボンベに直撃したのか、建物は大きな爆発に包まれたのでした。

 

調整屋の方角から爆発する光景が見えたため持ち場を離れて東側から西側まで駆け抜けた。

到着したころには数人の魔法少女が調整屋だった建物を囲んでいた。

皆が調整屋を捜索していると、瓦礫の下からはソウルジェムが割れた八雲と十咎、水波、秋野の遺体が発見された。

一緒に武装した兵士たちの遺体もあったので、争った結果なのだろう。

わたしは他の皆を守るという考えでいっぱいで、八雲の保護まで手が回らなかった。東西の問題を産んでいた人間たちがいなくなって、これからだという時だったのに。

「済まなかったな、八雲。ゆっくり休んでくれ」

神浜は魔法少女達によって人間の進行を退けたが、失ったものも大きかった。

 

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