【マギレコ二次創作】魔叙事詩カグラ・マギカ 2-2-6 かつて助けようとした人を倒すように

イメージとして流れた光景の場所に行くと、確かに魔法少女が囚われていました。

囚われた魔法少女たちの体は傷がついていたもののピクリとも動きはせず、近くには謎のアタッシュケースが置いてありました。

そんな囚われた魔法少女を守るように二人の兵士が2人姿勢を低くして、銃を構えながら待機していました。少し離れた場所に1人いることも確認できました。

「どういうことなの」

「助けるんだろ、何があってああなったか知らないけどさ。
あいつらはヤバい奴らだってことは見りゃわかる」

「さてどうやって助けようかしら」

「相手が魔女の時のように、やればいいと思いますよ。
私たちには幸、躊躇する気持ちがないですから」

ほむらちゃんが大きめの銃を構えると、遠くにいる兵士たちになぜか私たちは発見されてしまいました。

兵士たちは落ち着いた様子で、紫色の煙を放つ筒を銃器でこちらに撃ち込んできました。

「私が突破口を開きます!その間に救出を!」

そういうと少し時が止まった感覚の後に、こちらに撃ち込まれた紫色の煙を放つ筒は進行経路からかけ離れた方向へ銃弾によって弾き飛ばされ、囚われた魔法少女の近くにいた兵士は銃弾で死んでしまっていました。

「みんな、今よ!」

マミさんの声を合図に私達は急いで囚われた魔法少女たちの元へと向かいました。

「近づかせるかよ!」

そう言って物陰にいた兵士がこちらへ発砲してきました。

マミさんは銃で、さやかちゃんは剣で銃弾を跳ね返そうとしますが、そのどちらも兵士が撃った銃弾に打ち負けて危うく2人に銃弾が当たってしまうところでした。

「な、なんで?!」

「っ?!相手にせず救助優先にしましょう!」

「っていっても」

どこからともなく増援に来た兵士たちはこちらを蜂の巣にしようとする勢いで銃弾をばら撒いてきました。

ほむらちゃんは兵士たちを倒そうとしてくれてはいますが、兵士たちはほむらちゃんの射線に入らない位置でこちらに銃口を向けてきます。

私達は一旦、瓦礫に身を潜めるしかありませんでした。

「こんなの魔女より厳しいよ」

兵士たちは隙が無いよう順番にリロードを行い、私たちには手出しするタイミングが見つかりませんでした。

「ならこれで!」

マミさんはリボンで相手を拘束しようとしますが、銃弾で撃ち抜かれたリボンは力無く崩れていきました。

「まさか、魔法が効かない?!」

「打つ手なしかよ!」

ほむらちゃんが撃てる場所へ移動を開始した頃、私は瓦礫から飛び出しました。

「鹿目さん?!」

私は弓矢を空に放ち、兵士が数人集まっている場所に魔法の矢が降り注ぎました。

兵士たちが戸惑い始めたらすぐにほむらちゃんが銃で他のところにいた兵士たちを倒して行きました。

「無茶するじゃないの」

「まったく、でも助かったわ。早く救出を」

私は殺気を感じました。

その方向を振り向くと生きていた兵士が銃口を向けて引き金を弾こうとしているところでした。

まどか!

ほむらちゃんの私の名前を叫ぶ声が聞こえたかと思ったら、その兵士の腕が何かによって切り裂かれ、その後は鎖で頭が貫かれて絶命しました。

「詰めが甘い。魔女相手でもそうなのか?」

声がした方向へ向くと、そこには初めて黒いオーラを纏った魔法少女と遭遇した時に一緒だった魔法少女と他魔法少女数人がいました。

「確か欄さんと、黒さん?」

「久しいね、見滝原の魔法少女。

話している暇が惜しい。そこの動かない魔法少女たちの体とソウルジェムを持って中央区に行ってくれ。

そこが一応の避難所になっているようだ」

「わ、わかったわ。ありがとう」

「暁美さん、またあとでね」

「え、ええ・・」

ほむらちゃんに挨拶を済ませた黒さんは、嵐のように去っていった欄さんたちの方へ去って行ってしまいました。

「・・・さあみんな、急ぎましょう」

魔法少女の近くにあったアタッシュケースを開くと、そこには謎の紫色の液体に漬けられたソウルジェムが入っていました。その数は、近くにいた魔法少女たちの体の数と一緒でした。

「このアタッシュケース、どうやらこの人達のソウルジェムを入れていたようです。でもこの液体って」

「考えるのは後よ。みんなを連れて中央区へ行きましょ」

私達はソウルジェムが収められたアタッシュケースと魔法少女たちの体を背負って中央区へと向かいました。

私達が元電波塔があった付近に到着するとそこにはたくさんの魔法少女たちがいました。

負傷した魔法少女からまったく意識がない魔法少女、手当てをする魔法少女に忙しなく外に気を向ける魔法少女。

そんな中に私達は侵入したのです。

「あなた達、その意識がない3人を助け出してくれたの?」

「え、ええ」

「このみにつむぎ!よかった、無事だったんだ。助けてくれてありがとう!」

周囲には寝たままの魔法少女と怪我を負って治療を受けている魔法少女がたくさんいました。

「あなた達、まだ動けそうよね。
周囲に潜伏している敵がいないか調べて回ってくれないかしら」

急に話が進み、私達は状況を理解できていませんでした。

「あの、まずは神浜市に何が起こったか説明してもらえるかしら」

「私たちにとっても急な出来事なんだ。

神浜市の周辺地域と果てなしのミラーズから、少人数だけど武装した人たちが侵入してきたのよ。

その人達は魔法少女の動きを止める紫色の物質を使って私たちを殺すのではなく捕獲を開始した。

あなた達が助けてくれた子達は、奇襲を受けて囚われた子達だったのよ」

「あの米国大統領の演説がきっかけかしら」

「きっかけなんてどうでもいいよ。
今わかっているのは抵抗しないとみんな捕まっちゃうってこと。

周囲警戒、お願いできないかしら」

「あっそうだ。これ、その魔法少女達のソウルジェムが入っているアタッシュケースです」

「なにそれ、そんなことされちゃってたのこの子達」

アタッシュケースの中身を見て、助けた魔法少女の仲間と思える子たちは困惑した様子でした。

「この紫色の液体、もしかすると、だよね」

「そうだね、取り出すときは触れないよう気を付けないと。このみ達、目を覚ましてくれるかな」

「あの紫色の液体や粉末って一体何なんでしょう」

「近づかない、触れないほうがいいのは確かよ。あれに触れるとほとんどの魔法少女は動けなくなるか意識を失っちゃうみたいだし」

 

私達は武装した兵士が攻撃を仕掛けてこないか監視を行うことになりました。

マミさんは周囲の監視を行うとともに避難所になっている場所を観察していました。

粗末な布ではありますが、人が4人ほど寝られるスペースのあるテントを4カ所も設置していて、瓦礫等で外部から直接監視が行えないようバリケードが張られています。

「すごいわね、こちらが襲われるなんて想像もできなかったはずなのにここまで準備が行えているなんて」

「そうですよね。
まさか、こうなることを知っていた魔法少女がいたりして」

「さやか、んなわけないだろ」

雑談ができるほど周囲は静かで、時々果てなしのミラーズがある東側で爆発音が鳴り響くだけでした。

しばらくすると西側で大きな爆発音が鳴り、一部の魔法少女達が慌ただしく西側に移動していきました。

「何かあったのかな」

「あそこって、調整屋さんがあった場所じゃ」

「・・・気にはなるけどあとで知ってる人に話を聞きましょ」

それから何が起こることもなく日が沈む頃、神浜内の戦いは落ち着いていました。

「兵士の人達、みんな帰っちゃったのかな」

「どうでしょうね」

後で聞いた話ですが、西側で大きな爆発音があった場所へ向かった魔法少女によると調整屋さんの建物は破壊され、そこから調整屋さんの遺体が発見されたそうです。

神浜にいた魔法少女で連れ去られる魔法少女はいなかったものの、死亡者は出てしまいました。

謎の武装した兵士たちが突然襲撃してきたこの出来事を経験し、私達は今後人と争わないといけないのだということ、今後死んでしまう魔法少女が出てしまうことを考えると、悲しい気持ちになってしまうのでした。

 

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