“原子時計
それはグリニッジ標準時に変わる正確な時刻を示す標準となるもの
世の中はもっと正確な時間をと追求し、
原子時計の時点で時刻のずれはほとんど出ないはずだが、実は2度
1度目のズレが確認された際は大騒ぎとなったらしく、
混乱を避けるために秒単位での調整が行われたと報道されたが、
そんな大事になるズレが2度この世界では起きている。
1万年以上も経過しなければズレるはずがない原子時計がこうも簡
天変地異が知らぬ間に起きていたのか、
人智を超えたことをできるのは、魔法少女しかいないだろう。
そして世界的に2度も時間調整を余儀なくされたということは、
とはいえ、
でも、この旅で得た情報と合わせれば。あとは・・・”
私は旅の結果をまとめてそのまま米国へ帰国するかと思った。しかしイザベラは私とディア、
「魔法少女を人間の手で管理できるようにしましょう」
「人間の手で管理?」
「そういう考えに至った説明からしてもらえないか」
これまでに行ってきた調査の中で、
そして聖遺物を調べているうちに人類史に出てくる偉人達の多くが
このことから、
「魔法少女がいたからこそあるような歴史、
魔法で忘れ去られた謎の都市バチカン、
それに、私の父親も魔法少女の力で歴史から消された。
魔法少女の願いによって人類史が踏みににじられているという事実
早く手を打たないと、人類史がないことにされかねないわ」
「それで、イザベラはどうしていきたいわけ?」
イザベラの考えを要約するとこうだ。
“人類史を変える願いをさせないために素質がある少女がキュゥべえ
そのために、キュゥべえのテレパシーが通じなくなるよう、
前準備として人類に魔法少女の存在を知らしめること、
魔法少女の存在を知らしめると魔法少女を利用しようとする存在、
だから存在する魔法少女を全員捉え、人類が管理する必要がある。
何か危ないことに手を貸している、
そして人類のみで魔女と魔法に対抗できるよう、
こんなことを4人でできるはずがないから組織を結成する必要があ
「できるわけないだろ、
「おもしろそうだし、研究は協力してもいいけどさ。サンプルの確保はしてくれるんだろうね?」
「まさか、魔法少女を捕らえろって言ってるのか」
「当たり前でしょ?
「おいディア、
倫理観を捨てるな」
「キアラ、魔法少女はもう人ではない。
「イザベラ?!」
これはよろしくない。
これでは魔法少女を管理するといったところで、魔法少女達の人権が保証されるはずがない。
「イザベラ、
「なに、魔法少女の肩を持つの?」
「違うさ。
私は遠くから見守っていたが、
純粋な気持ちで魔法少女になってしまった子も人でなし扱いにする
「いい?キアラ。
あなたのように、
たいていは自分がいくら周りと違って苦しい場合でも周りに合わせ
人間社会ってそういうものよ!日本ほどじゃないにしろ、
そんな合わせるのが嫌だからとか自分に気に食わないからって理由
「そこまで言わなくていいだろ!
「それが人間社会よ。
無垢だからとかまだ子どもだからなんて言葉で人間社会踏み躙る奇
「イザベラの父親は、
イザベラは近くにあった机を強く左の拳で殴り、
気に食わないことがあるだけで拗ねるような性格はしていないはず
「2人ともそこまでだ。これ以上やるなら外でやれ」
「気分が悪くなったわ。ちょっと外に出てくるわ」
そう言ってイザベラが乱暴に部屋の扉を閉めて出て行った後、ディアは研究室に戻り、
「お互い大変だね」
「お互いって?」
「本人に言ったら怒られるかもしれないけど、
あなた、ストッパー係でしょ」
「
「しっかり見守ってあげなよ。早く外に様子を見にいかないと、
たしかに。
まあ私も言い過ぎたところはあったかもしれない。
気になった私は建物の外に出てイザベラを探した。
すると路地裏で数人の少女と対峙しているイザベラを見つけた。
イザベラと対峙している1人、
「あなた、魔法少女に紛れて何を企んでいるわけ?バチカンにも入り込めたらしいじゃない?」
バチカンのことを知っている。もしかして真実を知る魔法少女?
「私は何もしていない。あなたたちにも被害を出していない。
勝手に疑って排除しようって、
長髪の魔法少女が話を続ける。
「イザベラという少女、貴女は以前忠告を受けたはずだ。
それなのにまだこの土地に滞在している。
死にたいらしいな?」
「へぇ、そんなに関わられたくない事なんだ。今気分が悪いのよ。
消えてくれない?」
「貴女が何かを企んでいるという話も入ってきている。悪いが、
私は危険を察知してイザベラの前へ出ようと動いたのと同時にアン
私は持っていた刀でアンカーを弾き、
すると表へ出ようとした私の前に短剣を両手に持つ魔法少女が現れ
私はそれらを避けて短剣を持つ魔法少女の横を通り抜けようとした
案の定、
私は壁にイザベラを押し付け、刀で短剣を受け流した。
短剣の刃を向けるために無理な姿勢となっていたので短剣を持った
表へ出ようとしたが周囲の雰囲気が変わり、
「結界か…」
イザベラがそう呟くと4人の魔法少女達が迫ってきた。
「長い間人間にバレないよう立ち回ってきたんだよ?
いきなり姿を見せた4人目の魔法少女は水晶を手に持っていて裏通
周囲は水色がかった状態になり、人気はなかった。
私とイザベラは背中合わせになって敵の攻撃に備えた。
“結界を破れるか試みるわ。時間稼ぎよろしく”
テレパシーで聞こえてきたのはイザベラの声だった。
私は小さくうなづき、敵の方を再度見た。
アンカーを両手で持つ魔法少女はこちらにアンカーを振りかぶって
私はアンカーを受け流すことに専念し、
アンカーを持つ魔法少女は攻撃を一度やめ、
「あんた何者だ。あいつに雇われた魔法少女か」
「魔法少女だと思ったなら、
イザベラはと言うといつのまにかイザベラの正面にいた短剣を持つ
イザベラの身体は魔力で強化されているため魔法少女と武器が鍔ぜ
イザベラの拳銃を身のこなしと短剣で避けた短剣を持つ魔法少女は
「キアラ!」
イザベラの声を合図に私は敵の注意を逸らす為に刀を宙に放り投げ
「何を!」
アンカーを持った魔法少女は刀に注意を惹かれ、
強い光が放つ中、私はイザベラのもとへ急ぎ、
そんな中で短剣を持つ魔法少女が光をものともせずイザベラへ突っ
イザベラは短剣を持った魔法少女が突き出した右手を掴み、
短剣を持った魔法少女が投げられた方向には刃が短剣を持った魔法
そんなの構う気もなかったのか、彼女は短剣を2本イザベラの方向
「「いけない!」」
長髪の魔法少女と私の声は同じ内容を同時に発した。
その後秒間で私が敵の攻撃を庇って2本の短剣をまともに背中で受
イザベラは珍しく驚いた顔を見せ、
表へ出るとそこには数人の一般人がいて、
一般人を巻き込まない理性はあったみたいだ。
「君達!その大怪我、通り魔か」
「ええそうよ!どいて、応急処置が必要なのよ」
私の体から2本の短剣が引き抜かれるまでは覚えていたが、
突然の激痛が体に訪れるまでは。
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