2人は車に乗ってホワイトハウスへと向かった。ホワイトハウスの一室には神浜で保護された少女がいる。
その少女はどうやら魔法少女について調査していた人物と面識があるらしく、私
本来であれば自白剤等の強引な方法をとっているが彼女に付き纏う
謎の力は魔力を帯びているというのは確かだが、
そう、彼女が口を開いてくれるのを待つだけしかないのが現状だ。
ホワイトハウスへ到着したイザベラは少女がいる部屋の扉をノック
中にはホワイトハウスから提供された服に身を包んでお気に入りの
「かごめさん、調子はどうですか?」
「体調は、問題ないです」
「それは良かった。
それで、今回来たのはですね」
「…すみません、ひとつお願いがあるのです」
「私の言うことは聞かずにそちらがお願いして来るとは、
イザベラは意識していないがイザベラの発言は他人から見たら不思
かごめさんはイザベラの言葉を聞いて強張った顔をして壁際まで逃
「イザベラ、逆効果だ」
「ふんっ、つまらないお願いじゃなければ聞いてあげましょう」
”かごめちゃん、ほら勇気を出して“
「う、うん」
腹話術なのか知らないが、あの人形はよく喋る。
「キアラさんと、お話しさせてください」
「私とですか?」
「はい」
私はイザベラの方を見た。
イザベラは私とかごめさんを二回ほど交互に見てそのあと。
「立ち話で済む程度ならどうぞ」
「ありがとうございます」
「それで、私に話したいこととは?」
「キアラさんは、日本が好きですか?」
そういえば初対面の時、何も考えず同じ日本出身だと話していたか。
この質問は軽く答えてはいけない。
だからと言ってイザベラに配慮した回答をしてしまえばかごめさん
意図を確認しよう。
「どうして、そのような質問を私に?」
「キアラさんは日本の人だから。
「私は人間側の存在です。
「同じ女の子が何もしていないのに、
かごめさんはどんどん声が小さくなっていきました。
「同じでは、ないです」
しばらく部屋の中が静かになった後、イザベラが話し始めた。
「はいおしまい。キアラに同情してもらおうって思っても無駄よ。さて、今度はこちらのお願いを聞いてもらおうかしら」
かごめさんが身構えた時、
「こんなところに、どこから!」
かごめさんが何故かその場にしゃがむと窓の外から勢いのついた鉄
衝撃からイザベラを守るためにイザベラの上に覆い被さっていた私
「キアラ!」
「大丈夫です、これくらい」
土埃が晴れた先には窓際でかごめさんを抱える謎の人物がいた。
私は謎の人物を見ながら立ち上がった。
「魔法少女がよくここまで潜入できたな」
「お初にお目にかかります、真の大統領。いや、
「何のことかしらね。それよりも、
「アペ、刃となって!」
そう言って魔法少女はかごめさんを抱えながら炎の剣で切りかかっ
私が刀で応戦すると、
魔法少女はすぐに一歩引いた。
「なるほど、アンチマギアと同じか」
「あなた、魂を3つとは変わった体をしてるわね。
「イザベラ?」
「人間なのに、それとも、もうやめているのかねぇ」
「今すぐここで投降し、
「残念だが話し合いで解決すると思うほど我々の考えは甘くない。
「知ってたさ。一応紳士的態度を取ったまでのこと。
少女は腕から糸を出すと勢いをつけて窓の外へと逃げ出した。
「逃がすな!」
外に待機していた警備隊が魔法少女へ発砲するも、
魔法少女は魔力反応を感知させることなく近くの川へと向かってい
「動くんじゃないよ、私はそこら辺の一般人と比べてお前たちを捕えやすい。魔法の反応だってすぐに感知できるから小細工しようとしたらすぐわかるわ。
無駄に動かずこちらにソウルジェムを渡しなさい」
「知ったことか!」
魔法少女は魔力で鉄塊をこちらに飛ばしてきた。
イザベラは鉄塊を避けて魔法少女に向けて発砲した。
「バカ、やめろ!」
かごめさんに当たるリスクを考えろ!
発砲すると予想したのか、魔法少女はかごめさんを前に出した。
すると不思議な力によって銃弾はかごめさんの前で勢いを失ってそのまま地面へと落ちた。
「悪いねイザベラさん、決着がつくときにまた会おう」
そう言って魔法少女はかごめさんを抱えながら川に飛び込んだ。
「魔力反応が検知しずらい。でも河口付近で待てばいい。
各自河口付近で張りなさい。偵察ヘリは川底で動く影を追い続けるように」
「再度魔力反応を検知できました。でもこれは」
上空のヘリから映された映像には川の奥深くを泳ぐ首長竜の影が見
「魔法少女の能力は一つから派生したものしか扱えないと聞くが、
しばらく川を下っている様子を見ていると、
「そんな、どこにもいない!」
「思い出したわ、
「それって、聖女ワルプルガの遺体を持ち去ったという」
「突然消えた原理はわからないけど。
う、少し気分が悪くなったわ」
「私も少し、気分が悪い」
私とイザベラは駆けつけた救護班の手を借りながら被害の受けてい
何故いきなり具合が悪くなったのかわからないが、
後から知らされたが、川周辺にいた人たちは私たち同様に急に気分が悪くなるという症状があったらしい。
部屋で横になっているイザベラは、
“人間と魔法少女。価値観、倫理観、
「ふっ、そうだな。大昔から、
面白い奴がいるじゃないか、魔法少女にもさ」
イザベラは自分の過去を振り返りながら悲しみを含めた笑みを浮か
私を連れた魔法少女はヨーロッパのある場所へとワープしていた。
魔法少女は慌ててグリーフシードを取り出し、ソウルジェムを浄化した。
「いやぁよかった、ポンベツカムイと一緒に拠点に現れるかと思っていたよ」
「お望みならすぐここをぶっ壊してもいいよ」
「怖いこというなよカレン。でもすごいね、地球を一周するような距離をフィラデルフィアのコイルで移動できちゃうなんて」
「この聖遺物の燃費が悪いのは知っていたからな、穢れを周囲の人間に流し込めたからこそ無事だった。普通の魔法少女が使うとフィラデルフィア事件の二の舞だ」
私は何を言っているのかわからなかった。でもカレンと呼ばれる人のことは知っていた。
自動浄化システムを世界に広めるために動いていた三人組のうち一人。
「その子が魔法少女について調査していたという少女かい?」
もう1人私たちがいる部屋へ入ってきた。
「そうさ、案外あっさり連れ出せたよ」
「この子が抱えるウワサにこちらの状況を実況されたらたまったものじゃない。助かったよカレン」
「いいってことさ。私はこの後予定通りオーストラリアに行くよ」
「悪いね、でもあれはカレンたちがいないと動かせないものだから」
「わかってるさ。移動のためにフィラデルフィアのコイルはこのまま借りていくよ」
「ええ、全部終わったら返してね」
「はいよ」
そう言ってカレンさんはその場から姿を消してしまった。
この空間にいる2人はグリーフシードを取り出してソウルジェムを浄化していた。
もしかしてここにいる人たちみんな、魔法少女なの?
先ほど部屋に入ってきた魔法少女は私の前に膝をついて目線を合わせてきた。
「あなたがかごめさんだね、カレンから話は聞いているよ。
私はここを取りまとめるミアラという者よ。安心して、ここには魔法少女しかいないから」
「えっと、どうも」
「あなたをしばらく保護させてもらうわ。最終的にどう扱うかは、あなたが魔法少女になるかどうかで決めさせてもらうわ」
魔法少女にならなかったら、何をされるの?
「あなたたちは、一体」
「私たちは人間の軌跡を破壊し、魔法少女が中心の軌跡を産もうと考えている者たちの集まり。
簡単にいうと、人間が生み出したものをすべて終わらせる存在よ」
back:2-1-4
レコードを撒き戻す:top page
Next:2-1-6