「さて、これは誰の物語なのだろうね」
「急にどうしたんですかキュゥべぇさん」
北陽区にある高い丘の上から神浜の外を見つめていると、となりへいきなりキュゥべえさんが現れました。
「
「仮に誰かの物語だとして、
「それは無理だ。ぼくはワルプルガが契約さえしてくれればこの星から離れてしまう
「まあ、予想していた答え通りでした」
「しかし思わぬ延長戦だよ。
希望の光線と穢れの塊がぶつかったあの後、日継カレンさん、
保和ピリカさん含めて死体が残っておらず、
穢れの塊が里見メディカルセンターを葬った瞬間に、神浜の魔法少女
日継カレン達を倒したという喜びとヒトを無意識に殺してしまった
中には何とも思わない方もいたようですが、
自動浄化システムを広げられない原因は、ういちゃんが凶変し、
ワルプルガさん自身もなぜかういちゃんを母親だと思い込んでいる
力づくでういちゃんからワルプルガさんを奪おうとする魔法少女も
一難去ってまた一難
魔法少女同士の争いが落ち着かない状態が続きますが、
「ーーーーーーー」
「そう、ありがとう」
いろはさんの行動を偵察していた使い魔から探していた魔法少女を
もうじき神浜での不毛な争いは終わるでしょう。
しかし、まだ戦わなければいけない相手がいるのです。
「かこちゃん、
「わかりました。私も向かいます」
私に状況を教えてくれたのは欄さんでした。海外から逃げこんできた魔法少女グループが、再び神浜の主導権を主張しているようです。
「キュゥべぇさん、
そんなこの世界に、
この世界が誰の物語かと問われれば、
私はキュゥべぇさんの答えを聞かず、
「…日継カレン、これは君が望んだ結果なのかい?」
神浜から海を越えて大きな大陸にある暗い部屋。
ガラス張りにされている壁へ手をつけている少女へ女兵士が話しか
「レディ、日の本で起きた出来事の証拠映像を押さえました。
あと、
しかし」
「しかし何?殺されたというの?あなた達には魔女を倒せるほどの兵装をさせたはずよ?
そんな失態をして魔法少女と戦っていけると思っているの?」
「も、申し訳ありません!」
「イザベラ、話は最後まで聞かないと」
「…悪かったわ。続けなさい」
「はい…。男と共に魔法少女について調べていた少女を確保しました」
「魔法少女ではないのよね」
「はい、確認済です」
「十分な戦果よ。焦ってしまって申し訳なかったわ。今後の活躍を期待するわ」
「ありがとうございます!」
女兵士が部屋を出た後、
「他人に当たるのは良くないよイザベラ。
ヨーロッパの兵器格納庫を襲撃されてすべて使い物にならなくなったことでイラついているのはよくわかるけどね」
「わかってるわよ、悪かったわね」
イザベラは机の上に置かれたタッチパネルを操作し、女兵士が集めてきた情報を閲覧します。
その情報を一緒に見ていた刀を持った女性が話し出しました。
「なるほどね。魔法少女が魔女とならない現象、
「これくらい予想していたじゃないのキアラ。
「大国を背負う人間がやるようなことではないけどね」
「これも人間存続のための大切な贄よ」
イザベラは再びガラス張りの部屋を見つめました。
「人の道を外れた化け物どもめ、
この星の支配者は、人間様なのだから」
ガラス張りの壁のその先には、
4章 シネントァ リシェ イデハ アラガエヌァイ ヨクボウ テキホンンォウ
完
To be continue