「律儀に学校生活送ってからくるなんて、
シオリ達の使っていた廃墟の場所がワれているのは憶測でしかなか
どの道、
それにしてもピリカは持ち場を離れてどっか行っちゃうし、
とはいえ、
分かってはいるけど、始まるまではお預けだね。
と、考えていたらたくさんの魔法少女反応が近づいてきていた。
「見つけたぞ、紗良シオリ!」
廃墟になだれ込んできたのは港で戦った都ひなのとその仲間、
廃墟を丸々囲われて、普通ならば逃げ場はない状況。
「丈夫そうで安心したよ、都ひなの。
「ふんっ、戯言を言っている場合か。
「悪いけど、今はまともに戦う気はない」
シオリはポケットから穢れのたまりそうなグリーフシードを5つ取
すると周囲に魔女の結界が広がっていき、
「これは、魔女の結界を暴発させたのか」
「鏡の魔女って相当やばいやつなんでしょう?
「バカを言え、マギウスみたいに使い魔を育てない限りは。
お前まさか!」
「グリーフシード調達は生きる知恵、
話を聞いていないかのように魔法少女達はシオリに飛びかかってき
でも、シオリは結界内の鏡を合わせ鏡にしてその場から飛び上がった。
するとどうだろう、合わせあった鏡の中から光がこぼれ、
「別の場所へ飛ばされたっていうの?」
「それじゃあ、こいつらの始末は任せたから。
追いかけたいなら追ってきてもいいよ。
その代わり、新たな鏡の魔女が誕生しちゃうかもしれないね。
一体どれほどの人間が犠牲になるか考えたら、
そう言ってシオリは結界の外に出た。
案の定、
「ほんっと、どこまで本気なのやら」
シオリが結界を誘発させたタイミングで他の使用していた廃墟でも
全く、
撹乱に成功したし、シオリは中央区に行こうかな。
鹿目まどかもいい感じに仕上がってる頃だし。
アリナっていう結界を操る魔法少女の魔法を真似て結界を作った場
特性は魔女の結界と同じだから普通は目に見えない。
其の場凌ぎの隠れ家としては十分すぎる。
そう言えばピリカは戻ってきてるだろうか。
ピリカ、約束の時間までに戻ってきたらいいけど。
結界内に入ると、予想していた二人ともう一人がいた。
「夏目かこ、早い到着だったじゃないか」
「シオリさん」
目つきもオーラもかわっちゃってるね。まあ、
「素直に参加してくれるなんて思わなかったよ」
「あなた達の考えに賛同したから参加しているまでです。
「構わないさ。私たちを殺しにかかってもかまわない、
シオリは二人の間を通り、
ちょっと穢れの量が多くないか?
「カレン、このままだと下手したら廃人になるよ」
「彼女は心が強いようだからね、半壊する程度が丁度いいんだよ。
「ひどいことするねぇ」
「どの口がいうか、時間があればこんなことしないさ」
「はいはい、シオリが悪かったよ」
そう話していると、結界内にピリカと環いろはが入ってきた。
環いろはは想像通りいい顔しているじゃないか。
でもピリカは、片腕の袖がない状態だった。
「ピリカ、その袖はどうした」
「ごめんね、時女のリーダーが持つ聖遺物を回収したくて」
「時女の?回収しないとまずいものだったか」
「心が折れない力がこもった剣だった。
「まあピリカが生きているだけでもよかった。全部終わったら返してやれよ」
「うん、わかってる」
まさかここに来て聖遺物を嗅ぎ取るとはねぇ。
「ねぇ、やるなら早くやりましょうよ。
自動浄化システムを広げる儀式」
「あなたがそう言い出すとは思いませんでしたよ、いろはさん」
「だって、こんなにも、
早く終わらせて、
「いろはさん…」
「怖いこというようになったねぇ。
ま、メンツが揃ったし始めようか」
「なら、結界は破壊しておこう」
そう言ってカレンは糸で周囲を囲んでいる結界と鹿目まどかを囲う
結界から出てきた鹿目まどかの目は虚ろで、心ここにあらずな状態ではあったものの、魂は壊れていない様子だった。
でもその場に膝をつき、動く気配はなかった。
外は黄昏時が過ぎようとしていて暗くなり始めていた。
「じゃあピリカ、出してくれ」
ピリカは頷き、掌の上に輝く光の玉が現れ、
「これは」
「聖女ワルプルガの遺骸だよ。魂は魔女になっても、
蘇らせるには丁度良い触媒だろう?」
「あなた達は、いったい」
そう夏目かこが問いかけてきた時、
「錬金術師の大事な弟子であり、人間社会を破壊する存在さ」
錬金符をハラリと落として、地面についたら魔法陣が起動した。
錬金符は師匠がシオリに教えてくれた錬金術で、
魔法さえ使えば生成できるのだが、
この錬金符には師匠が使用した再臨の魔法が籠もっている。
それに3人の固有魔法を使わせる操作の魔法、
こうするおかげで、かつての師匠の失敗を再現しないはず。
しかし、
錬金符が地面について発動すると、シオリには急激に穢れが流れ込み、
金属が埋め込まれた地面や建物が地を離れて宙に浮き、
魔法陣が発動すると夏目かこ、環いろは、
そして、カレンがこう言い放ち、
「さあ始めようか。ワルプルガの復活を讃える、ワルプルギスの夜を!」
第三章:ソノキジュンハ ダレヌォ メセン? 完