【マギレコ二次創作小説】魔叙事詩カグラ・マギカ 3-2 魔法少女会議

今日は神浜の魔法少女にとっても、外からきた魔法少女にとっても重要な日。

自動浄化システムを広げる方法を知っている魔法少女達についての情報交換、そしてその魔法少女達を捕まえる作戦会議の日です。

とても大きな会議で、多くの魔法少女が集まります。

これがただ緊張するだけの場ならよかったのですが、神浜マギアユニオンとしては悲しく、そして辛い知らせが波のように打ち寄せています。
そんな中でも私にとって一番つらいこと。

お姉ちゃんがいない。

そんな状況の中、会議が中止とならなかった理由としては、ななかさんからシオリさんが隠れたとされる場所を特定したこと、そして

「私たちに構わず会議を行ってください。機は明日しかありません」

と伝言を受け取っていたからです。

ななかさん達は昨晩、紗良シオリさんを撃退してその後魔力反応を辿ります。

シオリさんがどこに行ったのか特定はできなかったものの、シオリさんの魔力が発せられている廃墟が3箇所あることを特定したと情報がありました。

シオリさんが隠れてから時間が経つ前に大人数で奇襲をかければ高確率でシオリさん達を捕まえることができる。そしてお姉ちゃんを助け出すことができる。

だから私たちは会議の中止よりも開催を優先したのです。

 

こんな大事な会議に灯花ちゃん達は参加できません。

何故ならあの謎の転移魔法では果てなしのミラーズへ行くことができなかったからです。

また、神浜マギアユニオンのみなさんからは、灯花ちゃんとねむちゃん、そして桜子ちゃんへシオリさん達の計画について話さない方が良いと言われています。

灯花ちゃん達がその考えに乗って協力しかねないからとのことです

昔は昔、今は今と言いたいですが、果てなしのミラーズで行った実験の方法と結果を見るとこのような意見が出ても仕方がない気はします。本当は信じてほしいけど。

本当に危ない事態になったら、教えようと思います。

お姉ちゃんが連れ去られたことについても、三人には内緒にしています。きっと無理しちゃうと思うから。

私は今回の会議に出られることになっていて、さなさんはお姉ちゃんが帰ってくるかもしれないということでお留守番、フェリシアさんはもう一つの不幸の調査のために飛び出してそれっきりです。

なので、みかづき荘からはわたしとやちよさん、鶴乃さんが参加です。

道中は静かでした。

何かと話を切り出す鶴乃さんも口を閉じたままでみかづき荘で生活を始めてからここまで静かなのは夜に寝るときくらいです。

果てなしのミラーズがある鏡屋敷の入り口にはたくさんの人がいました。

見た感じの年齢は小学生から高校生まで様々。知ってる人から知らない人までぐちゃぐちゃな状態です。

そんな中、声をかけてきたのは十七夜さんとみたまさんでした。2人はお姉ちゃんがいない状態のやちよさんを見て心配している様子でした。

「神浜マギアユニオンの中心人物だからというのはわかる。だが、環くんの居ない状態の七海は少々不安が残る」

「どういうこと?」

「大事なものが抜けた後というのは冷静な判断ができなくなる。今の七海が進行を行うと何処か早まった判断をしないか心配だ」

「大丈夫よ。至って冷静よ」

本来ならお姉ちゃんが進行するはずの会議ですが、今は連れ去られてしまって行方不明な状態なので代わりにやちよさんが進行します。

大丈夫、見渡した限り、神浜の魔法少女以外にもたくさんいるから絶対成功する。

そう期待をしている間に会議が始まりました。

まず行われたのは神浜に集まった神浜の外からきた魔法少女達の目的を聞くことから始まりました。

特に多かった理由は自動浄化システムを求めてきたからという理由でした。

次に多かったのは紗良シオリさん達を追ってきたという理由が多かったのが驚きでした。むしろここに集まった魔法少女がみんな2人の魔法少女のことを知っているくらいでした。

私たちが黒いオーラの魔法少女に苦労している中、シオリさん達は神浜の外に足を運んでいたのかもしれません。

そしてこの会議に参加した魔法少女は直接話を聞いた場合と口伝えに聞いた場合の2種類でした。

この会議の周知を行ったのは元マギウスの翼メンバーに広く知られている欄さんという方でした。

会議へ参加させるための口実として黒いオーラを取ることができた魔法少女の話を持ち出したとのことです。

神浜にいる間に黒いオーラの魔法少女による被害を受けた人たちも多かったらしく、今回の会議では黒いオーラを取る話も議題になります。

次に会議の議題に上がったのは紗良シオリさん達の目的についての話です。

この話は病院から退院したひなのさんから伝えられました。
ひなのさんはシオリさんとの戦闘の際に右目を失ってしまい、現在は黒い眼帯をしています。
シオリさん達の目的は、その戦闘が行われる前に聞いた話とのことです。
ひなのさんが話した内容のほかに、神浜の外から来た魔法少女たちが聞いたという話をまとめるとこのようになります。

・紗良シオリ・日継カレンの目的

ある物質を使用して因果量が多い魔法少女の素質を持つ少女を誕生させる。その少女へ自動浄化システムが世界に広がるよう願わせる。
願った後に急激に溜まる穢れはドッペルとして消化されるから願った本人も救われる。

しかしその過程で使用する物質へはrたくさんの「希望」を注ぎ込む必要があり、そのために沢山の穢れが発生する。その穢れをヒトへ押し付ける。

おそらくたくさんの人が死ぬ結果になるだろう。

 

「これが奴らから聞いた内容、そしてこれまでに奴らが開示してきた目的の内容をまとめた結果だ。

みんなが求める自動浄化システムを世界に広げようという考えはいいのだが、その過程で発生する願いを無理やりねがわせるという行為、そしてヒトへ呪いを押し付けるという考えは擁護できない。

私達は自動浄化システムを世界に広げる際の代償を最小限にさせるよう奴らを捕まえる。

ここに集まった魔法少女の中で、正直に奴らの考えが正しいと思う奴は静かにこの場を去って構わない。

私らの考えに縛り付ける気はないからな」

ひなのさんの発言に反応したのはミリタリーな見た目をした3人の魔法少女達でした。

「私らは別に奴らの計画はそのまま進んでもらって構わない。だが奴らにメッタメタにやられた過去があるからね。奴らを負かせるためにここにいるんだ。

悪いが残らせてもらうよ」

次に声を出したのは統一感のあるマスクをつけた魔法少女達がいる人達でした。

「私たちは貴方達神浜の魔法少女の指示を聞く必要はないわぁ。でも私たちの中から黒いオーラの魔法少女になって殺すしかない事態があったからここにいるのよ。

彼女達の対策について話すのもいいけど、まずは黒いオーラの取り方や纏ってしまう原因について聞かせて欲しいわね」

確かに日継カレンさん達と戦っている間に誰かが黒いオーラの魔法少女になったりしたらせっかく考えた作戦も破綻しちゃうかもしれないわね」

黒いオーラの魔法少女についての話題が大きくなって行きますが、実はこの話をする重要人物のななかさんがいない状態です。

誰が詳細を話せば良いか悩んでいる中、説明できると前へ出てくれたのがももこさんでした。

ももこさん、以前とは雰囲気が変わってしまいましたが、魔法少女に対してはいつものように優しく接してくれます。

そんなももこさんは、みんなの前でカレンさんを目の前にして私たちに話した内容と同じような内容を話し始めました。

聞いてたみんなはななかさんに聞かなければわからない内容だったので少々消化不良だったようです。

こうして神浜マギアユニオンからの報告が終わった後、鬼のようなツノが生えた魔法少女が話し始めます。

「二木市の魔法少女、紅晴結菜だけど、貴方達の主張には不足する点が存在するわ」

「何かしら」

「日継カレンにはシオリという魔法少女の他に、ピリカという魔法少女が居るはずよ」

「ピリカさんって」

結菜さんの発言に反応したのは私たちと静香さん、そして見滝原から来た魔法少女達でした。

「ピリカさんって、確か神浜マギアユニオンに入ってる子だよね」

「おいおい、何もしらねぇってのは怖いことだな。それ完全にスパイ活動されてたってことじゃないか。
つまりここ数日のお前らの動きは奴らに筒抜けだったってことだ」

「樹里、この場での言い過ぎは厳禁よぉ」

ピリカさん、他の2人よりも優しい雰囲気だったのに、あの人たちの仲間だったなんて。

じゃああの時かりんちゃんを追いかけたのって仲間と合流する口実を作るため?

「まあいいじゃないか、情報網が相手にダダ漏れだったとはいえ、紗良シオリを瀕死に追い込んだって実績は私らの中では一番大きな功績だ。

それにこれほどの人数だ。

黒いオーラの魔法少女があいつらが原因ってなら一時休戦であいつらをぶっ飛ばすのが最優先じゃないか?」

ミリタリーな見た目をした魔法少女が話を切り出していました。

「あなたは」

「西から来た博 三崎(はく みさき)だ。他に2人ダチがいるだけだが、戦いに関しては実力がある方だ。私らは神浜のあんたらに乗るよ」

「霧峰村の時女一族の代表、時女静香です。私たちも神浜マギアユニオンに協力します」

「見滝原の魔法少女も、神浜の魔法少女に協力するわ」

次々と協力する声が上がっていく中、二木市の魔法少女を含めた数グループは協力すると声を上げませんでした。

「協力しないからと言って何かあるわけではないわ。これはあくまで共通の敵を倒す共同戦線だから。でも、変に妨害するような真似は相手に隙を作る行為になるってことは理解してちょうだい」

これで大勢の魔法少女が参加した会議は終わり、協力してくれる魔法少女が集まった結果、明日の夕方に3カ所のポイントを攻めることになりました。
夕方に攻めるのは、明日は普通に学校がある日だからです。

1カ所ごとに合計20人以上魔法少女が集まる計算となり、ワルプルギスの夜を倒した時くらいの魔法少女が集まることとなります。

あの人達を倒すことができれば、お姉ちゃんを助けられるんだよね。

戦わないと解決できない結果は悲しいことだけど、今が戦わなくちゃいけない時、なんだよね。

 

 

3-1:BACK
レコードを巻き戻す:top page
NEXT: 3-3