気がついて目を開けたときに感じたのは、
そして周りを見渡してみると腕を組んで壁に寄りかかっているカレ
「ここは」
私がそう呟くとかりんちゃんが顔を上げて私に近づいて来て目の前
「いろはさん、お願いなの。先輩を、アリナ先輩を助けて!」
いきなり行方不明のアリナさんの話が出てきて話に追いつきません
「こら、事情も説明しないで頼んだって困るだけでしょ。
ピリカさんはどうやらカレンさん達の仲間らしく、
見極めた結果を聞きたいのは山々ですが、
「元マギウスの一人、アリナ・
「張っている皮膜を?でも、アリナさんのソウルジェム、
「現にキュゥべえは今だに神浜へ入ることができない状態だ。
「キュゥべえと契約させるために、ですか」
「そうさ。一人の願いでみんなが救われる。
願いを叶えるはずの少女の意思、
この人たちはそんな結果が待っていようと最善策を考えようとして
きっと、
でも、それがアリナさんを助けない理由にもならない。
かりんちゃん、
「かりんちゃん、
「
みんなに普通に伝えたらアリナ先輩は間違いなくひどいことをされ
それに、
「それは楽観的すぎるよ。アリナさんだって、
「アリナ先輩は私が説得するの!だからお願い、
アリナさんのソウルジェムはヒビが入っていて、
「補足しておくと、この状態でも魔力は消費していてね、
「ソウルジェムが、こんな状態なのにですか?!」
「正直私も驚いているよ。
「お願いいろはさん、時間がないの!」
アリナさんを助けるべきか否か。
いつも選択が迫ると近くにいるはずのクレメルの姿はなく、
助ける理由も、断る理由も実はない。
この人はねむちゃんによって偽りの記憶を植え付けられた結果、
でも、やちよさんによるとアリナさんは元々価値観は特殊で、
確かに、
でもそれはあくまでアリナさんの一面。かりんちゃんが言う、
どちらも不確定な要素でどの選択を行ってもみんなは納得できない
最善の、最善の方法は。
私は大きく深呼吸をします。
「わかった。アリナさんを助けるね」
「はあ!本当!?」
「でもかりんちゃん、約束して。
もちろん、かりんちゃんも納得するようにね」
「わかってるの」
私はアリナさんの指にはめられたソウルジェムへ魔力を注ぎます。
助けたいという、
助けなくてもいいという雑念がこもらないよう、
かりんちゃんを、これ以上悲しませたくないから。
少しだけ時間が経過し、アリナさんのソウルジェムは修復されましたが、
「これで、あとは気がつくのを待てばいいはず」
きゃあっ!
かりんちゃんの叫び声の方を向くと、
「環いろはさん。蘇生の力、確かに拝見させてもらった。
「シオリさん、カレンさん、何をしてるんですか。
「なに、アリナ・
私は急いで逃げようとしますが、素早くピリカさんに首を掴まれ、
ピリカさんの手には、
私は首を掴まれたまま足が浮いた状態だったのでだんだんと意識が
「ピリカさん、なんで」
「私が神浜を見定めた結果を伝えていませんでしたね。
環いろはさん。
私は、貴方達の行動理念、そして、
西と東の不毛な考えは人から魔法少女へ伝染し、
なので貴方には見直してもらいます。
本当に人は、助けるに値するのかを!」
私のお腹を、ピリカさんの剣が貫きます。
かりんちゃんが泣きながら何か話しかけてきますが、
この感覚はそう、初めてドッペルを出した時と同じ感覚でした。
長いドリームの中にいた。
ホスピタルの上から飛び降りようとした日から、
でもそれはリアルで、
記憶も鮮明だし、嘘ではないと思うんだけど、
捕まったフールガールに、
そして、見覚えのない三人。
そのうちの一人が、アリナにこう話しかけてきた。
「おはよう、アリナ・グレイ。悪いが、
「…ワッツ?」
第二章:アツァ リマ エノキゲン ハ センノウ 完