ドッペルを出し続ける魔法少女について周知したは良いものの、
神浜で魔女にならない環境を作り上げた元マギウスの方達でもわか
保別ピリカという魔法少女が十七夜さんの心を読む能力を受けた影
何が起きたのかを理解するためと、
これをきっかけに貴重な方との協力関係を破棄されてしまうというの
カレンさんやシオリさんと同じような魔力を感知させない能力の持
彼女たちとは全く無関係だと考えられないと、
確かめなければなりません。
見えない出口の光となるかもしれませんからね。
調整屋に到着しましたが、中にはみたまさんがいない状態でした。
いないとはいえ、戸締りをしていないとは。
調整屋への襲撃がここまで影響してしまうとは。
時女さんたちは揃ってピリカさんを見守っていましたが、
何もせず黙っているわけにはいかないので、
「十七夜さん、ピリカさんへ怪我を追わせてしまった方ですが、
「うん、
「でも心を読もうとしただなんて、
そうです。
わたしはこれまでのことの顛末を説明し、
「今この街の魔法少女にとって日継カレンさん、
「魔女にならない仕組みを広げる方法を知っていたとしても、
日の本、国と彼女たちは私たちよりも大きな使命、いや、
それ故に魔法少女のあり方を誤解している可能性が感じられます。
今は気にしないでおきましょう。
「ななかさんって神浜マギアユニオンの一員なんですか。
「わたしは神浜マギアユニオンに加わってはいません。
「そうだったんですか」
「しかし神浜の魔法少女と共闘するとなると、
「ここだけの話、
「すなお」
「静香やちゃるが出来なくても、わたしがやります」
時女一族、
「出会ったら必ず殺さなければいけないわけではありません。
こう話している間もピリカさんは目を開けません。
「そう言えば、ななかさんって」
[ななか、聞こえる?調整屋にいるの]
[あきらさん、どうしましたか]
[美雨が黒いオーラの魔法少女を見つけたって]
[分かりました。調整屋の屋上で落ち合いましょう]
[了解!]
他の方達の手を汚さないための方法、私たちが早期発見し、
「すみません、急用ができました。
それでは、ピリカさんをお願いします」
「わ、わかりました」
調整屋の屋上へ出るとすぐにあきらさんの姿が見えました。
「かこさんへは?」
「もう伝えていて、今美雨のところに向かっているよ」
「そうですか。それで、場所はどこですか」
黒いオーラの魔法少女がいるのは南凪区。
西から南へ時間はかかりましたが到着し、
「おまたせしました。それで、黒いオーラの魔法少女はどこに」
「その前に魔女の対処が必要ヨ。
微かにですが、魔女の反応が感じられました。
「悪いが、魔女を優先したいヨ。ここは蒼海幇の拠点(シマ)の近く。
「いいでしょう。魔女を迅速に倒し、
私たちが魔女の結界へ入るとそこには異様な光景が広がっていまし
「結界に戦った後がありますね。
「でも、魔法少女の魔力は感じませんよ」
「まさか、奴らのうちの誰かが」
「慎重に進みましょう」
全くと言っていいほど使い魔の姿がありませんでした。
魔女の反応が強くなり始めた頃、
「魔法少女じゃないようですね」
「早く助けましょう!」
「いえ、様子を見ましょう。もしかしたら、
「魔法少女じゃないのにそんなことが」
魔女に立ちはだかる少女は、槍をその場で出現させ、
神浜の中では硬い個体が多い羊の魔女が相手ですが、
魔女へとりついて槍で斬りつける少女に対して魔女は魔力の玉を周
少女は飛んでくる球を弾くのではなく、
「硬いなぁ。これで決めるか」
そう囁いた少女は矛先に溜まった魔力のような何かを魔女へ放ち、
着地した少女が槍を構えると魔女へと一直線になるよう黄緑色の光
羊の魔女は大体の個体がその場から動こうとしませんが、
今回の個体は動こうとする意思があるらしく、
少女は高く飛び上がり、
魔女は光の柱を崩して反対側を向うとしますがびくともせずにその
魔女に隠れて見えない状況でしたが、
目を開けると動けなくなっていた魔女には大きな穴が開き、
崩れていく魔女を見届けた後、
わたしは驚きなのか、
魔女の結界が消えると、少女がこちらへと振り向きました。
「やっと見つけましたよ、夏目かこさん」
かこさんを知っている?
「かこちゃん、この人とどこか出会ったことあるの?」
「い、いえ」
わたしは少女と3人の間に入り、少女に対して問いかけます。
「あなた、魔法少女ではありませんね。
「わたしはそこらへんの一般人ですよ」
「一般人はそんな奇抜な服を着ないと思うんだけど」
薄紫髪の少女は巫女服のような見た目ですが、
あきらさんの言うとおり、
「戦いやすいから仕方がないね。そうそう、
「何か含みのある言い方ですね」
「それより、私には夏目かこさんに用があるんです」
「わたし、ですか」
「
「少々誤解されるかもしれませんが、伝えておきましょう。
わたしは、黒いオーラの魔法少女を救う方法を知っています」
この言葉の響き、
「まあ、
「お二人を知っているのですか」
「神浜の事情を知っているて言うのが正しいかな」
魔法少女でもないのに、
シオリさんやカレンさんたち以上に素性が読めない方です。
「かこさんには、
「再現、ワルプルギスの夜と戦った際に使いましたが、でも、
つづりさんへ突き詰めて質問しようとしましたが、
3人の魔力を感じましたが、その姿を見た時、
黒いオーラの魔法少女であることに間違いはなかったのですが、
「かえでちゃん、そんな」
「いいタイミングです。
「待ちなさい。救うというのは、
「誰が殺すって言いましたか」
3人は一斉にドッペルを出してこちらに攻撃を加えてきました。
目の前に黄緑色の結界が現れ、それが攻撃を防いでいました。発生させたのはどうやらつづりさんのようです。
「ここは任せてください、そして何をしたのか見ていてください。
あまりにも無謀に見えました。
魔法少女から見ても1人のドッペルに苦戦するというのに、
何をする気なのは見当がつきません。
「ななか、無茶だよ。加勢しようよ」
「加勢と言っても、あの状態にどう私たちが対処できますか」
あきらさんの言うとおり、
しかし目の前で繰り広げられていたのは三次元的に四方八方から来
「半端に手を出しては邪魔をするだけです。今は見守り、
そんな中、かこさんは食い入るように戦いを観察していました。
果たして、
これは見極める必要があります。
戦闘の様子はというと、
かえでさんのドッペルが放つ範囲攻撃はつづりさんが手放した槍が
槍はドッペルの攻撃によって消滅したかに見えましたが、
手元に武器が戻ったかと思うと今度は槍先から黄緑色の小さな円が
投げた槍の石突き部分はつづりさんの手元に残り、
ももこさんは回避しましたが槍は円の先へと飛んでいき、
少し視野を広く見ていると3人を囲むように円が宙にいくつも浮いていてその円を通して三次元的に槍が飛び交っています。そのまま3人を縛り上げるように黄緑色の鎖が絡まり合い、3
見た目は空間移動を応用したような見た目ですが、
3人からはドッペルが一斉に出て左手に槍を持つつづりさん向かっ
つづりさんが石突きを地面へつけると3人の四方八方へ黄緑色の円
攻撃の中心地にいる3人からは獣のような悲鳴が聞こえてきました。
「あれじゃ3人とも死んでしまうよ」
「つづりさん!そこまでにしてください、いくらなんでも3人の身
つづりさんは石突きを地面から離すと素早く3人の周囲を走り回り
突き立てた後、何か糸のようなものが見えた気がしました。
「何かを切った?」
かこさんは、確かにそう呟きました。
糸のようなものを切ったのは間違いないのかもしれません。
つづりさんが動きを止めると3人を囲っていた円も、
3人はというと身体中傷だらけでしたが、
私たちは急いで駆け寄り、
「本当に、3人を救えちゃったの」
「聞くより見るが早し、
「
「技の再現をしてもらうため、明日また伺いますね。3人へ重傷を負わせてしまったことはご容赦くださいね」
そう言って質問に答えず路地裏を挟む建物の上へと姿を消してしま
「後を追うカ?」
「いえ、まずは3人を安静にできる場所へ運びましょう」
「なら蒼海幇が使っている空き部屋を使うといいネ。
「ありがとうございます。皆さんで手分けして運びましょう」
あの無限ループするかのような攻撃の中、
3人はその日のうちに目を覚ますことはなく、3日経った頃に目を
その間につづりさんは私たちの前へ何度も現れ、
技の真相は、ソウルジェムへ穢れを送り続ける特定の「縁」
かこさんはその特定の縁を切ることに特化した縁切りを再現できる
その再現は一時的なものではなく、
かこさんの再現の力に限界はあるのかと気になってはいましたが、
あの時の見極めは、間違っていなかったようです。
後日、目覚めたももこさん達三人へわたしは事情を聞きました。
三人はみたまさんを襲ったカレンさんの素性を調べていたそうです
そんな中、街中でカレンさんと出会ってしまい、
かえでさんがいうには、
おかげで三人は人間不信になってしまい、
三人の様子を見ていると、ふと頭の中にある言葉がよぎりました。
『あたしはあんたの反対側にいるんだよ
でもね・・いずれこっちに来る』
唯一心の底から殺意が湧いてしまった更紗帆奈の言葉でした。
黒いオーラの魔法少女は「あちら側」
なぜ今頃過去の記憶が頭に浮かんだのかは謎でしたが、
あれから、つづりさんは姿を見せていません。
つづりさんについても気になるところではありますが、
かこさんが事態を解決できる鍵を手に入れたことを神浜マギアユニ
これは私たちだけの秘密とし、
神浜マギアユニオンには、