私にはしっかりと両親がいた。
お母さんは世界でも有名な錬金術師で、
2人の出会いは裏世界から狙われているお母さんの護衛にお父さん
2人は恥ずかしい過去だって言うけど、
こんな優秀な両親がいながら、
そんな見続けた背中のうちの1人、お母さんが突然いなくなった。
お母さんがいなくなる数日前に突然所在不明の男が街に現れて、まるでこの世界のことをまったく知らないくらいに話がかみ合わなかったため、いったん身柄は国防に預けられた。
次の日、個室で1人になった男は身に潜めていた爆発物で逃げ出し
決して国防が仕事をしなかったと言うわけではなく、
そう、私がいた世界はあらゆるものに錬金術がかけられていて錬金術という存在は貴重な存在となる世界だった。
お母さんは国防にあった探知機に異常がないか確かめに行った際に、
お母さんはとてもワクワクした気持ちで部屋で持ってきたものを調
世界的に大騒ぎになったこの出来事をきっかけに、
お父さんからはお母さんのこどもだから狙われる可能性があると聞
お父さんはというと、
追ってきた背中を短期間で無くしてしまった私は、
ただ真似していただけで、
それから一月経ち、
もちろん私は扱い方も、直し方も知らない。
だって私にはそもそも。
過去のことを思い出しながら散歩していると、
実家は荒らされ、
きっと私と別れた後に実行したんだろう。
もはや廃墟と呼ぶにふさわしい外見となった家の玄関だった場所で
ただひたすら2人の真似事をしては怒られ、
世の中では完璧人間な2人の不器用な失敗の数々は私にとってとて
心が溶けそうなくらい痛くなって、その場に崩れ落ち、
目を拭っていると目の前にガラスが割れたような裂け目が突然現れて、私は光
それは一瞬であり、気付いた時にはあの、終わった世界にいた。
私はこの世界で、お父さんが得意なことの本当の意味を知った。
握った引き金はとても重くて、思い知らされた。
今帰ったって、追い続けた背中はいない。
今私の近くには別世界へと行ってしまうデタラメな出来事に対応で
ならば、わたしは
わたしが元いた世界に帰りたいのか、アルはそう聞いてきた。
いま帰ったって何もない元の世界に帰るくらいなら。
「わたしは戻ろうだなんて思ってないよ。
「そう、そうか」
アルはそう呟くとしばらくペシャンとやらが流れる様子を眺めてい
「なら、1つだけお願いがあるんだ」
アルは改まってわたしの前に両膝をついてわたしの手を握りしめた
「な、なに」
そのあと目を合わせてくるんだからなんだと思った。
「生きることはあきらめないでほしい」
わたしはしばらくなにを言っているのか理解できなかった。
「
そうか、
だからこそ見つけられそうな目的を確実性のあるものにできる。
そんなチャンス、逃すほどわたしの目は濁っていない。
「もちの論だよ。
「そうか、よかった」
アルは安堵した表情で立ち上がった。
「なら目的を果たしに行こうか。干渉液を手に入れないとね」
わたしは今後の目的が見つかりそうになっていたけど、
「そうだった。ちょっと脳みその電流が足りなかったかな」
わたしとアルは干渉液とやらを探しに再び歩き出した。
干渉液とやらは一部の知識と力がある人物にしか作成ができないも
つづりやカナデからも聞いていたが、
でも、何か1つは必ず得意なことが存在し、
独占できればお金儲けとか考える人が出そうだけど。
「え、お金って概念自体が存在しない?」
「ほかの世界だと当たり前にあるかもしれないけどね。
「それ、お互いの求めている価値と釣り合ってるの?」
「価値とかそういう考え自体がないんだよ。
それが達成されただけでぼくたちは十分なんだよ」
「でも、有名になったりとか、
何をアルと話しているのかというと、
ここまで物々交換だけで取引が行われていたから不思議で仕
「承認意欲か。
「なら」
「それでも、
お試しの飲み物を飲み物が欲しいと思わない人へ無理やり勧めはし
「それって、アルたちの周りだけの話じゃない」
「早い話、取引条件として持ってる人も多いね。
承認意欲があればそこから憧れや嫉妬が生まれて、
そんな考えが少しでもあれば必ず対価は大きなものを求めようとするはず。
無闇に主張して嫌がられたりとか、そんなのが普通だと思ってた。
この世界にはそんな考え自体がないの?
「なんか納得いかない」
「ファミニアで過ごせば自然と慣れちゃうよ」
「ふーん」
無意識にアルの後ろをついて回っていたけど、
「ねえ、あのハルーってやつ使って移動しないの?」
「実は一度も行ったことがない場所なんだ。
「最初が面倒なのはどこも同じなのね。で、
「このまま歩いていたら奇妙な門が見えてくるんだけど、
「アルはゲミニカって都市には行ったことないの?」
「ゲミニカ自体には行ったことがあるんだけど、
中央から歩くよりはいま歩く経路のほうが短いんだ」
「地図がないからわからないけど、
「と、話していたら門が見えてきたよ」
門構えはわたしには理解できないほど酷いものだった。
門の表面は小山程度のトゲがたくさん出ていて、
そして何よりも気になるのが、照明として5個吊るされているライ
わたしのゲミニカに対する第一印象は思考がヤバい場所となった。
「芸術家の考え方を見直すところだったけど、やっぱダメだわ」
「あはは…」
門をくぐって2、3軒ほど建物を移動した場所に目的の場所がある
干渉液を扱っている人物、
1-12←Back page
list:お話一覧
Next page→ 1-14