あれからつづりさんとかなでさん、ブリンクが戻ってきた。
戻ってきて早々、
それからなぜかつづりさんだけが目的の次元へ飛び、
何でこんな流れになったのかというと、
そしてぼくとブリンクは脳みそを浸からせるための干渉液を手に入
出る前にソラへいろいろ怒ったせいで消耗した感情エネルギー補給
「ソラに何を怒っていたの?」
事実を知らせていないブリンクはぼくが怒る理由がわからなかった
「いきなり寄り道するようなことを始めたからさ。まあ、
「たまには寄り道も大事だと思うよ。急ぐことじゃないんでしょ?
干渉液に関しては、急ぐことじゃないかな。
「うん、そうだね」
「それで、今はどこに向かっているの?」
そうか、目的地を伝えずに歩いてたんだった。
「今は材料をもらうためにシチィケム って場所に向かってるん
「あ、カナデから聞いたよ。
農業都市 シチィケム
食べ物をもらうために要求される大抵のものはこのシチィケム に
ここには材料となる植物や動物がいてそれらを育て、
育て屋たちは育てること、飼育すること自体が楽しいため、
今回ぼくたちが集めるのはパンの材料となる小麦、
お肉は何でもよかったんだけどブリンクの要望で鹿肉になった。
鹿肉の育て屋にブリンクがいろいろ聞いていたようだけど、
ブリンクが思っていたものと類似している点は多かったみたいだけ
「
あのツノで小動物を攻撃って、苦労するだろうなぁ。
レタスについては初めて見るらしく、
「
ブリンクは自分の世界の話についてはとてもいい笑顔で話す。
あまり故郷のことを話すから気にしちゃったけど、
「楽しそうだね、ブリンク」
「あの灰の世界よりもキラキラしているからね、
パンの材料となるライ麦の育て屋に材料をお願いしたところ、
「収穫のために動いていたんだが、
タンクの大きさはドラム缶くらいといえば通じるか、
ブリンクは驚いていたけど、
少々手間なのは、
育て屋が必要とするペシャンは新鮮な状態じゃないといけない。
育て屋はペシャンが欲しいとだけ言ったけど、
「アル、ペシャンの源泉ってここから近いの?」
「いや、ここからカムイナキを超えた向こう側にある場所だよ」
「え、遠くない?」
ファミニアの大きさは日々変わっていて拡大する一方だ。
ファミニアの土地はぼくたちの家がある中心都市 カムイナキを中
そのため、一週間前は1㎞先にあると表示されていた建物が今は1
こんな不思議なことが起こっていると今回のようにただでさえ遠い
「大丈夫。遠くの場所へ行くために、このハルーがあるからね」
ぼくが取り出したハルーに対してブリンクは夢中になっていた。
「この宝石みたいなやつがハルーって言うんだ。で、
「飛ぶとは少し違うんだけど、
「やっぱ飛ぶんじゃん」
「雰囲気としてはつづりさんが使う座標移動に近いかな」
「それって転送だよね。飛ぶと言うってことは何か違うの?」
ハルーが記憶するのは座標ではなく、
要するに一度は訪れたことがある場所にしかハルーでは移動できな
「じゃあ、
「そういうことになるね。じゃ、行こうか」
ブリンクと手を繋ぎ、
すると気づいた時にはぼくたちはペシャンの源泉であるワッカイタ
「え、私たち動いた?
確かによく考えれば不思議な現象ではある。
別の場所へ瞬時に移動する際は何かしらの違和感が体で嫌でも感じ
実は第三者視点で移動してきた人をみようと定点観測を行なったこ
あの時は周囲を注意深く見ていても空間が歪んだり、
だからぼくは素直にこれが瞬間移動とか、
ハルーだからこういう芸当ができるという共通認識だから何も感じ
「ねえアル、なんかあった?」
「え、ちょっと考え事してただけ。それじゃあ源泉に行こうか」
ペシャンの源泉は地下深くからペシャンが絶え間なく湧き続けるこ
ここを独占するものが現れてもいいというほど重要な場所であるに
ハルー同様、
「源泉っていうから質素な場所かと思ったけど、
「何かとこの世界では材料になったり、
「芸術家ってあまりいい印象ないけど、
ブリンクの世界の芸術家って…。
ぼく達は新鮮なペシャンを回収してライ麦の育て屋へ届けた。
それから当初の目的だったサンドウィッチを手に入れて、
「あの2人ともこの世界を歩き回ってみたけど、
「新しい世界ってそんなものじゃない?」
「いや、
この世界についてにこやかに話すブリンクを見ていると、
「当てっていうのは、ブリンクの魂と体を切り離す方法だよ。
器となる体がないと何処かに飛んで行っちゃうようなものだから、
「何を、言ってるのさ」
「ブリンクの魂を詰める器を作り、
「理解はできる。でもダメだよ!」
ソラは横目でこちらをみるだけだった。
「わかるでしょ、代謝の概念がる世界の人が、
「人は体あってこその存在。死んで初めて体と魂が切り離されて、
「魂を切り離すなんて、ブリンクが首を縦に降るって、
「最短でできるのはこの方法くらい。幸い、
「ソラ!あんたは!」
ソラは表情1つ変えずぼくの目を見続けている。
最近は良く考えるようになったと思ったらまたこれだ。
「あたしは当てを確実なものにするためにしばらく動けない。
聞くとしたら今かもしれない。
答えによっては、考え方を改めさせないといけない。
「ブリンクはさ、もし帰れるとしたら元いた世界に戻りたい?」
食べているサンドウィッチを全部口に入れて、
「戻れるなら戻りたいな。やっぱり元いた世界がしっくりくるし、
「なら」
「でも、今帰れたところで私は嬉しくないし、逆に辛い」
「帰りたくない理由って」
「お父さんとお母さん、2人とも私の世界ではちょっとした有名人
「だった?」
ブリンクは頷いたあと、
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